公開練習を行った23歳の松嶋こよみは『鈴木みのる、佐藤光留、北岡悟、川村亮』の指導を受けた隠れパンクラシスト!
8月29日夜、都内大田区のGOLD’S GYM大森にて、松嶋こよみ(AACC)が公開練習をおこなった。松嶋は9月11日、ディファ有明で開催される「PANCRASE 280」で牛久絢太郎(和術慧舟會TLIVE)と対戦する。
松嶋は1992年10月18日生まれの現在23歳。格闘技好きの両親のもと、自身も格闘家を目指す。幼い頃から空手、レスリングなどに打ち込み、幼稚園時代に憧れていたのは佐藤ルミナだったというから筋金入りだ。
2015年修斗新人王を獲得、プロ5戦5勝5KOで勢いに乗っていたが、今年4月のPXC 53で秒殺KOを喫し、プロとなって初の敗北を味わった。今回のパンクラス初参戦が出直しとなる。
「パンクラスに参戦するのは、いきなりと言えばいきなりでしたね。自分でも驚いていますけど、闘いたい選手もいっぱいいる場所なので、参戦できてよかったです」と話す松嶋。しかし、実はパンクラスとは並々ならぬ縁があった。「小さいころ、ピーズラボで練習していたことがあって。だから、いつか上がってみたい場所でした」と笑う。
「皆さん、とても良くしてくださいました。小学校の後半から中学まで、レッスリングのあと、大人のキックとかもやらせていただいたりして。キッズレスリングでは、(佐藤)光留さんや、鈴木(みのる)さんに練習を見ていただきましたね。あと、僕がキックボクシングに出ると言えば、川村(亮)さんが相手をしてくださったり。今も北岡(悟)さんのところ(パンクラスイズム横浜)に行かせていただいていますけど、北岡さんには小さい頃からお世話になりました。北岡さんも、今回の僕の出場を嬉しいと言ってくれました。小さい頃に教えていただいた皆さんと一緒の舞台で闘えるのは嬉しいですし、感慨深いですね。両親も喜んでいます」
鈴木みのる、佐藤光留、北岡悟、川村亮…生え抜きのパンクラシストたちの指導を受けた松嶋。実は隠れパンクラシストだった!
対戦相手の牛久は、松嶋より2歳下の21歳。松嶋が修斗新人王なら、牛久はネオブラッド・トーナメント覇者。新人王同士の闘いとなる。
「牛久選手は、すごく強いと思います。これからの格闘技界を担う選手だと思っています。でも、それは自分も同じ。ここで負けるわけにはいきません」
今、これ以上フレッシュ且つ見応えのあるカードはないかも知れない。
これまで打撃で勝ってきた松嶋に対し、牛久はグラウンドを得意とする。グランドではどう闘うか。
「自分はレスリングを大学までずっとやってきましたし、トップでやってきた自信もあります。そこで負けるつもりはサラサラないですし、全てにおいて強いところを見せたいですね」
と話す。
打撃に関しては、空手をベースに、総合格闘技に使えるような打撃を練習しているという。キックとはまた違った距離感の打撃とのこと。
松嶋は「見ていただければ、わかってもらえるかなと思います」と笑った。
パンクラスで見せたいのは、やはり得意の打撃だ。
「僕が一番自分らしいのがKOだと思っているので、今までもどうやって相手を倒すかを考えて練習してきました。前回も、負けるつもりもなかったですし、KOするつもりで臨みました。でも、そんなにうまくいかないのが格闘技だということを感じられました。今度はそういう失敗をしないための良い経験になりましたし、今後の闘いでも出していければと思っています」
苦い経験が、松嶋をステップアップさせた。どんな打撃で勝ちたいかをたずねると、
「一番好きなのはハイキック。ハイキックで倒したいと思っています。KOを楽しみにしていてほしいです」
と自信を見せた。
今後についてたずねると、
「目指すところっていうより、今、自分がやっていることが一番なので、今やっていることで、いろんな人とやって、そこで一番になりたいですね。継続参戦させていただけるのであれば、ゆくゆくはKOPということが絶対に出て来るとは思いますが、僕はパンクラスの中だけで終わるつもりはないので、そのための土台というものを築いていきたいと思います」
と語った。
伸び盛り、勢い盛りの23歳。大きな世界に向け、新しい一歩を踏み出す。
(写真・文/佐佐木 澪)