1988年から続くUWFとFMWの遺恨戦争はFMWが勝利も第2ラウンドへ!ハヤブサに引退の10カウントゴング
- 2016-4-28
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- 超戦闘プロレスFMW
1988年12月22日、新生UWFの大阪府立体育会館(現エディオンアリーナ大阪)大会で、「世界格闘技連合」の使者として、挑戦状を携えて訪れた大仁田厚に対し、神新二社長が「チケット持ってますか?」と発言して門前払いにしたことに端を発した遺恨。
その後、大仁田は、その悔しさをバネに、89年10月6日、FMWを旗揚げした。FMWは格闘路線のUWFのアンチテーゼとして、デスマッチ路線で隆盛を築き、新日本プロレス、全日本プロレスに次ぐ第3団体に押し上げた。
あれから28年の月を経て、禁断のFMWとUWFの全面対抗戦が実現。超戦闘プロレスFMW4・27後楽園ホールで、大仁田&雷神矢口&NOSAWA論外&保坂秀樹のFMW&W★INGモンスター軍連合軍と、船木誠勝&高山善廣&アレクサンダー大塚&冨宅飛駈のUWF連合軍の一戦が行われた。
気が収まらない船木は、試合後もなお、大仁田を攻め立て、しばし両軍による乱闘が続いた。
大仁田は「船木! そんなに悔しいなら、電流爆破に出てこい!」と要求。これに対し、高山が「大仁田! 電流爆破なんて、すぐに言ってんじゃねぇ。次はどこだ? 用意しとけ!」と返すと、UWF軍は退場。
バックステージで、高山が「もう電流爆破とか言ってるな。その前にやることあるだろ!」と言うと、船木は「俺は1対1でもいいですよ。5対5でいいじゃないですか。6人でも7人でもいいし、勝ち抜き戦でも総当たりでも何でもいい。行くところまで行きましょう。最後に電流爆破ならいいけど、今日のアレで、いきなり電流爆破とかあり得ない。向こうの道連れにはならない。次、どんなルールがあるのか? 電流爆破の前に、なんかあるでしょ? 頭使って考えろって!」とコメント。大仁田との再戦は希望したが、電流爆破に関しては時期尚早とした。
さらに、船木は「試合後のマイク、長すぎ! 中身がない。全部ギミック。俺らはどんなに年を取ろうが、中身で勝負してるから」と大仁田を挑発した。
一方、大仁田は「高山が誰か連れてくるとか言ってたけど、誰でも、5・14新木場に連れてこい!」と、5・14新木場での第2ラウンド突入を口にした。
そして、大仁田は「よし、決めた! 絶対に船木を電流爆破のリングに上げる。引きずってでも上げる。UWF、小細工はやめようや。俺たちには意地があり、オマエらにはプライドがあるだろ! 最終決着までやろうじゃねぇか。俺にはあと1年5カ月ある」として、船木を電流爆破まで追い詰めることを宣言した。
両軍の闘いは、FMW軍が制したが、UWF軍は、敗れたまま引き下がりそうにない。5・14新木場で、第2ラウンドが行われるのか注目が集まる。
また、もうひとつのFMW対UWFの全面対抗戦となった田中将斗&上田勝次&リッキー・フジ(FMW軍)対藤原喜明&長井満也&佐野巧真の一戦は、藤原が“70歳のキックボクサー”上田からアキレス腱固めでギブアップを奪い、UWF軍が勝利した。
第3試合終了後、3月3日に急逝したハヤブサさん追悼のため、工藤めぐみ、コンバット豊田、クラッシャー前泊、里美和、バッドナーズ中村、キラー岩見らのFMW女子OGがリングに集結。
代表して、工藤が「あなたが突然の旅立ちをして、もうすぐ2カ月になろうとしています。あまりにも突然のお別れすぎて、私はいまだにあなたのいない現実を実感することができません。かつて、あなたとFMWの巡業で一緒に過ごした日々は、私たちにとってかけがえのない大切な思い出です。デスマッチ色の強いFMWマットのなかで、独自のスタイルを築き上げ、プロレス界をけん引するあなたの姿に私たちは憧れ、夢を馳せていました。どんな状況でも夢を追い続ける大切さ、そして真の強さと優しさを私たちに教えてくれたあなたは最後の最後まで、不死鳥ハヤブサでした。あなたは間違いなくプロレス界のスーパースターです。復帰の夢、叶わずに旅立ったことはさぞ無念でしょう。でも大仁田さんを始めとするかつてのあなたの仲間たちが、今後のプロレス界をますます繁栄させていくことでしょう。また、先だってあなたの故郷である熊本県が不幸な大震災に見舞われました。今こそ我々プロレスの出番だと思います。あなたの熱烈なプロレス愛の意思を受け継ぎ、日本全国に笑顔を届けながら、プロレスをさらに根付かせていけたらうれしいです。ハヤブサ選手、長い間本当にお疲れ様でした。ゆっくり羽を休めてください。そしてプロレスを見守っていてください。ありがとう、さようなら」とあいさつ。
遺影を持った高橋英樹現場監督もリングに上がり、「ハヤブサ引退」の10カウントゴングが鳴らされた。
また、後楽園ホール展示場では、「ハヤブサを偲ぶ会」が催され、ハヤブサさんが眠る故郷・熊本県八代から弟さんも駆けつけた。同期生・ミスター雁之助、タッグパートナーだった新崎人生、雷神矢口、マンモス佐々木、松永光弘、神威、Ray、コマンド・ボリショイらを始め、ノアの丸藤正道、モハメドヨネも列席し、故人を偲んだ。
大仁田の呼び掛けで、第0試合でのパンディータ対ケンドー・カシン戦が用意されていたが、渦中のカシンは現れず、パンディータが“不戦勝”となった。ところが、神出鬼没のカシンは黒覆面を被り、メーンイベント終了後、もう一人の黒覆面男を引き連れ、大仁田のグッズ売り場の前で、サイン会を催した。その後、パンディータと出くわし、またしてもボコボコに・・・。カシンは「(5・14新木場は?)それは商談中。もし、あるなら俺たち黒覆面が出て行く。パンダとの試合をきちんと組め!」と言うや、去って行った。大仁田は「カシンの野郎、第0試合に出てこなかったくせに、パンダいじめに来たのか? はぐれIGFは、いじめ軍団か? どうせ来るなら、パンダじゃなく、大仁田をいじめに来い!」とコメント。
第1試合開始前、悪性脳腫瘍の治療のため、長期欠場中のRayが登場し、「来年5・5での復帰を目指して、頑張ります」とあいさつ。また、Rayのタッグパートナーで、FMWにレギュラー参戦中ながら、首の故障で欠場となったLeonもリングに上がり、あいさつした。
第1試合に組まれたバトルロイヤルでは、“時の人”パンディータが悲願の優勝。試合後には「演歌女子ルピナス組」がリングに上がり、FMWのテーマ曲「ファイアー音頭」を熱唱した。
2・26後楽園の再戦となったミス・モンゴル&ミス・コハルのモンゴル軍と、ダンプ松本&ZAP・Tの極悪同盟による第2ラウンドは、モンゴル軍のセコンドに就いた花月を加えた2VS3のハンディキャップマッチに・・・。ダンプはフォーク攻撃でコハルを流血させ、竹刀と一斗缶攻撃でモンゴル軍を追い詰めるも、レフェリー暴行で反則負け。ダンプは「チビ(コハル)、いつになったらヤル気出すんだ。プロレスラーだろ! やりたくてもやれない選手もいるんだ。プロレスラーなら掛かってこい。モンゴル、こんなんでいいのか? オマエもヒールだろ? 次の後楽園(6・21)、オマエのやりたいルールでやってやる」と挑発。モンゴルは「てめぇら、竹刀と一斗缶ばかりじゃないか! アンタがやったことないトリッキーなルールでやってやる」と応じた。
休憩時間に、山近義幸代表がリングに上がり、あいさつ。「新宿FACE、新木場も満杯にできなかったのに、後楽園は3回連続満杯にさせていただきました。もう解散する気は一切ありません。1回目の後楽園(昨年12・22)は、ご祝儀満員と言われ、2回目(2・26)は『解散を売りにしている』と散々言われました。本日はハヤブサさんの力と、UWFというカードの良さだと言われました。『6・21は絶対に満杯にならない』と、皆さんに言われました。私たちは、5・14新木場、6・21後楽園も満杯にするよう頑張っていきます」(山近代表)
『FMW再旗揚げ1周年記念シリーズ「傷だらけの堕天使」最終戦』
日程:4月27日(水)
会場:東京・後楽園ホール
観衆:1800人(満員)
▼バトルロイヤル13人参加 時間無制限
○パンディータ
9分46秒 新井と那須を同時に丸め込む→エビ固め
●新井健一郎/●那須晃太郎
※退場順=KENSO、レザーフェイス、ワイルドセブン、松崎和彦、戸井克成、雷電、伊藤崇文、佐野直、KAI、木更津ピエロ、新井健一郎&那須晃太郎
▼FMW軍VSW★INGモンスター軍 8人タッグマッチ 30分1本勝負
W★ING金村/橋本友彦/○バッファロー/怨霊
10分7秒 ラリアット→片エビ固め
中川浩二/●五所川原吾作/フライングキッド市原/菊タロー
▼FMW女子プロレス モンゴル軍VS極悪同盟 タッグマッチ 30分1本勝負
ミス・モンゴル/○ミス・コハル with 花月
7分21秒 レフェリー暴行→反則勝ち
●ダンプ松本/●ZAP・T
▼FMW連合軍VSUWF連合軍全面対抗戦 6人タッグマッチ 45分1本勝負
【UWF連合軍】○藤原喜明/長井満也/佐野巧真
12分18秒 アキレス腱固め
【FMW連合軍】田中将斗/●上田勝次/リッキー・フジ
▼FMW連合軍VSUWF連合軍全面対抗戦~ストリートファイト有刺鉄線ボード&バリケードマット8人タッグデスマッチ 60分1本勝負
【FMW&W★ING連合軍】○大仁田厚/雷神矢口/NOSAWA論外/保坂秀樹
13分35秒 サンダーファイアー・パワーボム→エビ固め
【UWF連合軍】船木誠勝/高山善廣/アレクサンダー大塚/●冨宅飛駈