WWEネットワークの散歩道 9回目

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先日、久しぶりに映画『ビヨンド・ザ・マット』を見ました。1999年に公開された、当時のアメリカマット界の内幕を描き出したドキュメンタリー映画です。当時はまだ存在していたWCWは協力を拒んだものの、大メジャーのWWEから当時台頭してきたECW。APWというレスリング・スクールが運営する団体まで取り上げられた傑作です。もう15年以上前が舞台となるのですが、ここに登場するレスラーたちの複雑な人間模様に心めぐらせられるのは長くプロレスを見ているものにとっては大きなごほうびです。

映画の冒頭でプロフットボーラーから転身し、WWE入りの道が開けたピュークはホーク・ウォリアーに代わってリージョン・オブ・ドゥーム(ロード・ウォリアーズ)のメンバーになるも、受け身の失敗により今では下半身不随となっています。APWからトライアウトを受けたマイケル・モデストはリアリティ・チェックという必殺技を披露して、その場では高評価を得るも不合格。その時懸念された通り、以降CIMA選手のシュバイン等、かたちが多少変わりながらもリアリティ・チェックは世界中で使われるようになりました。ちなみにマイク・モデストの名前でNOAHにも来日しましたね。

またECW初のPPV大会『ベアリー・リーガル』での試合前に出場選手たちを鼓舞するスピーチをしていたポール・ヘイマンは、今ではWWEの大会場でブロック・レスナーの隣でその才能を発揮しています。その大会の主役であるテリー・ファンクは作品中に、娘さんの結婚式で引退を宣言していますが、その後何度もその雄姿を日本で見せてくれているのはご存じの通り。ロイヤル・ランブルでのアイ・クイット・マッチでのロックとの対戦で、家族をリングサイドに招待していたミック・フォーリー。その試合を見て号泣していた娘さんは美しく成長して、今はWWEの一員になろうとしているとか。そして先日訃報が届いたチャイナの姿も・・・。
バックステージの光景も映し出され、刺激的な内容ではありますが見応えのある作品となっています。機会があればぜひ見てもらいたいですね。

*『ビヨンド・ザ・マット』で使用された大会
【ベアリー・リーガル:1997年4月13日】
http://network.wwe.com/video/v31538707

<おすすめの試合>
ダッドリー・ボーイズ対エリミネーターズ(05分くらい)
ディック東郷、MEN’Sテイオー、TAKAみちのく対ザ・グレート・サスケ、グラン浜田、薬師寺正人(36分くらい)
タズ対サブゥー(1時間30分くらい)
テリー・ファンク対サンドマン対ビッグ・スティービー・クール(2時間5分くらい)

【ロイヤルランブル:1999年1月24日】
http://network.wwe.com/video/v31353513

<おすすめの試合>
マンカインド対ザ・ロック(57分くらい)

それでは今回のテーマは『あの頃君は若かった』。レジェンドたちのWWEネットワークで見られるいちばん若い頃の映像を紹介します。
まずはスティーブ・オースティン。対戦相手のクリス・アダムスはオースティンが通ったレスリング・スクールの校長で、連れている女性マネージャーのレディ・ブラッサムはアダムスの奥さん。弟子が師匠の妻を・・・という構図での抗争でしたが、しばらく後にオースティンとブラッサムは実生活でも結婚。すでに抗争当時にはアダムスとブラッサムは離婚していて、あくまでもビジネス上での不倫関係だったという説もありますが・・・。WWEで大ブレイクする”ストーンコールド”というリングネームはブラッサムの「この紅茶、すごく冷めてる」という何気ない一言から生まれたそうです。1989年にデビューしてこの完成度ですから、ずいぶんと早熟と言えるでしょうね。

【USWAチャレンジ:1990年5月15日】
http://network.wwe.com/video/v532764083
<おすすめの試合>
スティーブ・オースティン対ジェントルマン・クリス・アダムス(13分くらい)

プロレスラーになる人を大きく分けると、学生時代のスポーツ経験を活かせる場としての就職型(カート・アングル、ジャンボ鶴田等)。二世、三世レスラーなどの親子代々の家業型(ブレット・ハート、力等)。他のプロスポーツからの転身の転職型(ケビン・ナッシュ、天龍源一郎等)。そしてプロレス熱が高じてプロの世界に入るファン上がり型になるかと思います。今はこのファン上がりが最も多く、誰を例に挙げればいいものか・・・というほどです。ファン上がりで世界チャンピオンにまで上り詰めた最初のレスラーは、次に紹介するショーン・マイケルズになるのかもしれません。この場合のファン上がりは部屋にポスターをベタベタ貼るほどの・・・というくらいの基準で考えておいてください。このミッドサウス・レスリングではロックンロール・エクスプレスも活動していますが、ショ-ンはエクスプレスの2人と車で同乗した時に、彼らのポスターが貼ってある自分の部屋を見せたことがあるそうです。きっとドン引きされたでしょうね(笑)。
対戦相手はこの何年後かにWWEで再会することになるテッド・デビアス。この試合後にショーンはデビアスからとてもプロとしての大切なアドバイスをもらったそうです。

【ミッドサウス・レスリング:1984年12月1日】
http://network.wwe.com/video/v532446283

<おすすめの試合>
ロックンロール・エクスプレス(17分くらい)
ショーン・マイケルズ対テッド・デビアス(21分くらい)

最後に紹介するのはジャック・フォーリーことミック・フォーリー。ジャックはお父さんの名前なのだとか。最初の自伝である、”ハヴ・ア・ナイスデイ!”でも取り上げられた有名なエピソードとなった試合で、WWEネットワークで見つけた時は「これか!」と思いましたね。デビューしてわずか3か月足らずでWWEのテレビマッチに登場したものの、試合前に対戦相手であるブリティッシュ・ブルドッグスに挨拶に行ったところ、逆にプロレスをナメていると怒らせてしまい、キッドからかなりキツイ攻撃を食らってしまったのです。この時の怪我で歯を食いしばれずに、別の試合で前歯を折ってしまったのだとか。

【プライムタイムレスリング81:1986年9月22日】
http://network.wwe.com/video/v88834083

ジャック・フォーリー、レス・ソントン対ダイナマイト・キッド、デイビーボーイ・スミス(48分くらい)

さて、今回紹介する日本人選手も「あの頃君は若かった」で。今はもう引退してしまっているSUWA選手、マグナム選手を従えてのCIMA選手の日本デビュー前の試合です。もう20年近いキャリアがあるはずなのに、今でもあれだけのはつらつとした存在感を見せてくれるのだから素晴らしいことです。

【ナイトロ134:1998年4月6日】
http://network.wwe.com/video/v359635083
<おすすめの試合>
シーマ・ノブナガ、ジュードー・スワ、マグナムTOKYO対ラ・パルカ、シコシス、エル・ダンディ(03分くらい)
ウルティモ・ドラゴン対チャボ・ゲレロJr(1時間07分くらい)
ケビン・ナッシュ対スティング(1時間58分)

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