12.13パンクラス273でバンタム級K.O.P戦を行う“パンクラスバンタム級絶対王者”石渡と“日本人キラー”ビクターが調印式
12月10日午後、都内新宿区のパンクラスで、バンタム級キング・オブ・パンクラス タイトルマッチの調印式がおこなわれた。13日開催の『PANCRASE 273』で、第2代王者・石渡伸太郎(CAVE)にビクター・ヘンリー(CSW/HF)が挑戦する。
挑戦者のビクターはジョシュ・バーネットのもとで練習を積み、所英男、上田将勝ら強豪を破ってパンクラスに参戦。パンクラスでも中島太一、福島秀和らを下して「日本人キラー」を呼ばれる。
王者の石渡は昨年11月にノンタイトル戦でジョナサン・ブルッキンズに判定で敗れたものの、大晦日にDEEPで大塚隆史に快勝。しかし、今年1月に左上腕三頭筋腱断裂という大けがを負い、最前線から退いていた。今回は約1年ぶりの試合となる。
試合を3日後に控え、会場には緊張感が漂う。オフではひょうきんな顔を見せることもあるビクターも神妙な面持ち。石渡は厳しい表情ながらも余裕の態度を崩さず、王者の風格を漂わせていた。
両選手の質疑応答は以下。
——試合を前にした心境はいかがですか。
ビクター 今回の試合に向けて、非常にハードな練習を積んできた。この試合は、自分のキャリアとなり、大きなステップアップにつながる試合。とても楽しみにしている。
石渡 ビクター選手の実績は日本でも海外でもすごい。素晴らしい挑戦者だと思っている。しかり準備をしてきた。俺のいるパンクラスに上がってきたことを後悔させてやります。
——挑戦者として、どんな練習をしてきましたか。
ビクター 今回、タイのセンティアノーイで打撃の練習をしてきた。地元ではいつもと同じ練習をしてきたが、いつもの試合とは違うと感じている。タイトルマッチを意識して練習してきた。
——山本KID選手とも練習したそうですね。
ビクター 甥のアーセン選手が試合をしたので、彼と一緒に練習をした。そのときKID選手も一緒だった。その成果がどういうものかは、今は言えない。試合で見てほしい。
——チャンピオンはいかがですか。
石渡 全部、普通。普通の試合。「ここ一番」とか思っていない。パンクラスの中で防衛戦をするのは、パンクラスの王者として当たり前だし、王者として他団体の選手とも闘ってきた。そういう誇りは持っている。
——この試合のキーポイントはどこでしょうか。
ビクター この試合のカギは、どうコントロールするかということ。試合をいかに支配するか。どの場面においてもコントロールすることがカギだし、自分はそこに自信を持っている。
石渡 5ラウンドなので、スタミナを一所懸命作ってきました。
——パンクラスのベルトには、どんな価値がありますか?
ビクター パンクラスのベルトは、これまでの環境を作ってくれたり自分に力を注いでくれたトレーナーに全てを捧げるほどの重みがある。そういった人たちのおかげで、自分は今ここにいられるのだから。
——ビクター選手は、ベルを巻いたらどんな王者になりたいですか。
ビクター 王者になっても、基本的に、自分のハングリーなところは残していく。そして、王者であることが自分の仕事であるとして振る舞える王者になりたい。
——どんな試合になるでしょうか。
ビクター 必ずお互いどちらかが極める試合になると思う。5ラウンド闘い抜く体力は作ってきたし、これまで以上に前に出る素晴らしいに試合になるだろう。どのラウンドも素晴らしいと言われるような、お互いがぶつかり合う展開になると思う。
石渡 自分とビクターが闘って、つまらない試合になるわけがない。激しい闘いになると思っている。
「日本人キラー」と、3年以上王座に君臨する「パンクラス バンタム級の絶対王者」との闘い。2015年ナンバーシリーズの最後は、この2人が締めくくる。激闘の果て、最後に手を挙げるのはどちらか。
【写真・文/佐佐木 澪】