10.4パンクラス270で再びレッツ豪太と対戦する鈴木槙吾!今度はタイトル挑戦だが、「今までで一番調子いい」
9月29日夜、都内港区のALLIANCEで、『PANCRASE 270』(10月4日、ディファ有明)に於いてレッツ豪太(総合格闘技道場コブラ会/ウェルター級王者)とタイトル戦を行なう鈴木槙吾が公開練習をおこなった。
鈴木は2009年2月、ストラッサー起一戦でパンクラスデビュー。以来、地道に努力してきた。勝っても負けても豪快なファイトスタイルは、観る者の心に印象を残している。今年3月、有己空(近藤有己)にTKO勝ち。5月に王者・レッツ豪太とのノンタイトル戦でもTKO勝ちを収め、2度目のタイトルマッチ挑戦を決めた。前戦では「これは、相手の計量オーバーで試合ができなかった王者のための試合」と冷静に語っていたが、見事なTKO勝ちでタイトル挑戦を決めた。
前戦の経験を踏まえ、「王者は頑張り過ぎて自滅するタイプかも知れない」と分析。師匠の高阪剛からもさまざまなアドバイスを受け、態勢は万全だ。鈴木のコメントは以下。
ーー現在のコンディションはいかがですか。
鈴木 今までで一番調子いいです。自信があります。
ーーどんな練習をしてきましたか。
鈴木 いつもと同じように、相手は関係なく、総合的にアップしてきました。
ーーいよいよタイトルマッチです。やはり意識しますか。
鈴木 意識しないと言ったら嘘になります。でも、意識しないように努めています。12月に負けて(※2014年12月、村山暁洋戦)一歩後退しましたけど、有己空選手に勝って(2015年3月)、前戦(※2015年5月、レッツ豪太戦)を迎えました。前戦は、レッツ選手の相手が計量オーバーして試合がなくなったという背景があって、棚ボタでしたけど、今回は実力で引き寄せた1戦だと思っています。
ーー前戦はノンタイトル戦でしたが、いい勝ち方でしたね。
鈴木 でも、もう忘れました。もう関係ないと思います。前回は前回です。今回は今回できっちり勝ちます。1回(勝ちが)あったので、またあると思います。
ーー王者の印象はいかがですか。
鈴木 ソツがないですね。いろんなところが巧い。ボクシングも寝技も、全部巧いと思います。
ーー王者に穴があるとすれば、どこでしょうか。
鈴木 これといった穴がないのが穴ですね。かえって僕の方が突き抜ける部分が多いと思います。
ーー王者より優っていると思うところは?
鈴木 全部勝っていると思います。
ーー鈴木選手は運も強いのではないですか。
鈴木 はい。運は大事だと思います。ないより、あった方がいいですよね。10回試合をして10回勝つ選手は、なかなかいません。その時のコンディションもありますし、「その時」どっちが強いかですから。また、運が勝ちを引き寄せるというのは、あることだと思います。
ーーさて、今大会からタイトルマッチが5分5ラウンドになりました。未知の世界だと思いますが…
鈴木 やってみないとわからないですね。でも、あまり意識せずにやるつもりです。ダラダラやってもしょうがない。極めるなら早く極める、5ラウンドやるならきちんと見せる、そういう試合にしたいです。
ーーかつてタイトルマッチに挑んだこともありますが(※2013年5月、佐藤豪則戦)、残念な結果でした。今回勝てば、ついにベルトを巻くことになります。
鈴木 ベルトは、自分がやってきたことの証です。選手として、ベルトがあるのとないのでは大きく違ってきます。今後の展開も含めて、ぜひとも欲しいです。
ーー今回もセコンドは高阪さんですか?
鈴木 はい。この3月からセコンドについていただいています。練習中ももちろんアドバイスを沢山いただいています。レッツ選手の得意な攻撃に対するディフェンスを意識しながら、具体的な指導をしていただいていますね。その通り動ければ、僕が勝つと思います。
ーーALLIANCEも強い選手が大勢います。刺激を受けていますか。
鈴木 はい。大いに受けています。残念ながら、うちからベルトが1本流出してしまった(※今年5月、悠太がDEEPウェルター級王座から陥落)ので、1本欲しいですね。
ーーパンクラスのベルトに対しては、どのようなイメージをお持ちですか。
鈴木 パンクラスのベルトは、何といっても高阪さんが巻いたベルトなので、僕も欲しいです。そして、パンクラスのベルトは、格闘技界の中で一番かっこいいと思います。デザインだけでなく歴史も全部含めて、一番かっこいいです。
ーーベルトを巻く夢など見たことはありますか?
鈴木 いつも負ける夢を見るんです(笑)。負けて目がさめて、「ああ良かった、夢だった」というパターン(笑)。今度もそうかも知れません。
ーー鈴木選手といえば、勝利後のバク宙も期待されます。
鈴木 勝ったら、ベルトを巻いてやりたいですね。
ーー-どんな試合にしたいですか。
鈴木 格闘技って、ちょっと目を離した隙に勝負が決まってしまうことがあると思うんです。もしかしたら一瞬で終わるかも知れない、そういうものだと思います。あのベルトを懸けた一戦、お客さんが目を離せないような試合をしたいです。
ジムの入口には、鈴木のスクーター「SUZUKI Let’s4」が停めてあった。鈴木は「“スズキ”の“レッツ”に乗る鈴木が僕なんです」と笑った。10月4日、鈴木がレッツを乗りこなし、ベルトを巻くか。
【写真・文/佐佐木 澪】