学生プロレスから続く闘いがスターダムのリングで完結!引退を控える世羅りさがHANAKOに超えられ「これで心置きなく引退できます」

10日、東京都・後楽園ホールにて『スターダム旗揚げ15周年記念シリーズ NEW YEAR STARS 2026 in KORAKUEN DAY1』が開催。世羅りさとHANAKOが最後のシングルマッチを行った。
HANAKOはスターダム入門前の日本大学法学部在籍時に『UWF関東学生プロレス連盟』に所属し“フェラりさ”というリングネームで活動していた。
学生プロレスでは下ネタまじりのパロディネームをリングネームとして先輩から命名されてデビューするという伝統があり、現スターダム社長の岡田太郎も学生プロレス時代は“スティーブOH!粗チン”というリングネームで活動していた。
しかし、そんなリングネームに目を付けた世羅が2022年に「世羅りさをモチーフにしてもじった選手が学生プロレスで頑張ってるんですよ。しかも178cm、女子プロ界最高身長(※当時)。ちょっとコイツを召喚したいと思ってます」とプロミネンスにオファーしシングルマッチを実施。その後もプロミネンスに参戦し、プロ入り前にプロのリングでの試合を経験できたことはHANAKOのキャリアにとって貴重なものとなったと言える。
HANAKOもスターダムでデビューし、世羅もスターダムへ上陸したことで再び2人がリングで巡り合うという運命的な再会を果たした。
世羅が2026年1月12日での引退を発表すると、昨年6月のスターダム国立代々木競技場第二体育館大会にて両者のシングルマッチが実現。
この試合は世羅が羅紗鋏でHANAKOを下し、試合後には「ワシが入場してきた時泣きそうな顔してるからどんな事になるかと思いきや、強くなったなHANAKO!こんなに苦戦するとは思わず、あなたの成長を肌で感じられてとても嬉しく思います。ただ、ワシは、来年の1月12日引退が決定してます。HANAKO、それまでに世羅超え、見せてくれよ!」と再戦を熱望。HANAKOも涙声で「世羅さんが引退するまでにもっとつよなって、直接あんたから!勝って!世羅超えしてやるよ!」と絶叫した。
世羅の引退が迫り、再戦の機会は訪れないまま終わるのかと思われていたが、世羅の引退2日前に滑り込みで正真正銘最後のシングルマッチが実現した。

試合前から涙をこらえている様子のHANAKOは世羅とガッチリ握手を交わしてから試合へ。
試合は初っ端からゴツゴツのエルボー合戦に始まり、HANAKOが打ち勝ってショルダータックル。世羅はサミングで怯ませてから顔面をゲシゲシと蹴りつけていき、逆エビ固めで絞り上げ、腕も取ってカンパーナの形で吊り上げる。
ここから世羅の腰への一点集中攻撃が展開され、長身のHANAKOには効果抜群の様子。HANAKOは強引に担ぎ上げてバックフリップやニードロップなどで反撃していくが、腰のダメージからか普段の威力は出ていない様子。
世羅も即座に反撃に移り、セラリズムバスターからゆりかもめ。さらに必殺のダイビング・ダブルニードロップを狙うが、HANAKOが下から捕獲してハイアングル・バックドロップで反撃。
HANAKOは白鷺(※肩固め)やビッグブーツと連撃し、世羅が起きるのを待ってエルボーの打ち合いでの真っ向勝負を求める。「来いよ!」と両手を広げる世羅に対してHANAKOは恩返しのエルボー猛連打。すべてを受けきった世羅は心底楽しそうに笑いながらワンツーエルボーで反撃し、シュバインバスターから串刺しランニングダブルニー。世羅が「終わりじゃあ!」と叫んで羅紗鋏を狙うが、HANAKOは白鷺で切り返して捕獲。意識を手放しかける世羅だったが、なんとかロープを掴む。

HANAKOは天に向かって雄叫びを上げ、JPコースター。世羅は被弾しながらも丸め込みで切り返す意地を見せるが、HANAKOがラリアットの連打で猛攻。再び白鷺でガッチリと捕らえ、グラウンドでの胴絞め式に切り替えると世羅もたまらずタップ。11分59秒のラストコンタクトが終わった。
マイクを取ったHANAKOは「世羅超えしたぞぉ~!このカードが決まって、メチャクチャ楽しみやったけど、この日が近づいてくるにつれて……世羅さんとの関係が終わっちゃうのかって思うと、メチャクチャ怖くて……でも楽しみで……。なんとも言えない気持ちで今日この日を迎えました。でも!私は世羅超えをするって気持ちはずっと変わってへんかったし、私は!フェラリさっちゅう名前をもらってから、世羅さんを絶対に超えてやるってずっとずっと諦めないで来ました。今のHANAKOがいるのは、紛れもなく世羅さんのおかげです。本当にありがとうございました!」と深々と座礼。
世羅は「6月に代々木で闘ったときにした約束、世羅超えをしてみろっていうのを……普通に果たしちゃったじゃんかよぉ!そう簡単に超えてくれるなよぉ!でも引退前にHANAKOの成長をしかと感じられて、これで心置きなく引退できます。学生時代のとき、数ある女子プロレスラーの名前の中から世羅りさを選んでくれてありがとうッ!」と優しく語りかけ、2人がガッチリ抱き合う。
HANAKOはボロボロ泣きながら「そんな世羅さんが明後日ここで引退すんねん!私も出させてもらう!お前ら全員見に来いよ!分かったか!」と、1月12日に後楽園ホールで18:00から行われる世羅りさ引退興行『世羅りさ引退興行 ~蒼焔万丈~』への来場を促した。

バックステージに戻った世羅は「後楽園ホールという場所で最後にHANAKOと闘えて、しかも世羅超えされちゃって。そりゃあ悔しいけど、悔しい以上に嬉しい。そういった感情のほうがデカいと思います。学生プロレスのときに『フェラリさって奴がいる』って聞いたときは『なんておもしろい奴なんだ!』って思ってましたけど、ここまですごい選手になるとは流石に思ってなかったので。これからもHANAKOの輝かしいプロレスラー人生を、私はOBとして見守りたいと思います」とHANAKOへの思いを語る。

一方のHANAKOは「正真正銘最後の世羅さんとのシングルマッチで、やっと世羅超えをすることが出来ました。私はプロとしてプロレスラーになるって決めたときに、学プロがプロになる1つの選択肢になればいいなって思ってて、プロミネンスに上げてもらったときも現役とか後輩の子たちに夢見せたいなってずっと思ってて。私自身が世羅さんに勝つことも夢の1つとしてずっと心にありました。学プロレスラーの夢やったけど、私1人の夢として今日その夢を叶えることが出来て、すごくすごく嬉しいです。これからこのフューチャーチャンピオンとしての姿も見せることが出来たし、もっと大きなレスラーになって世羅さんにも見守っててほしいと思います」と熱い思いを語った。
HANAKOは「学プロがプロになる1つの選択肢になればいい」と語っていたが、日本のプロレス界のツートップと言える新日本プロレスの社長も、スターダムの社長も学生プロレス出身。業界全体で見れば、今は学プロ出身者が過去最高に輝いている時代と言える。
HANAKOがこれから偉大なレスラーとして名前を残すことで学プロ界にも人材が集まり、そこから優秀なプロを輩出するというサイクルが出来るというプロレス界全体が活性化する未来が訪れる日も近いのかもしれない。
















