高級タワマンでプロレスラーが子どもたちのヒーローに!イケメンヒーローが120kgの巨漢レスラーに大逆転勝利!

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 7日、東京都・文京ガーデンテナント中庭にて『アクロバトル商店会フェス 2025』が開催された。

 本イベントの基となったのは、新宿三丁目の末広通り商店会(新宿区)が商店街活性イベントの一環として公道にリングを立てて行っているオールスタンディング形式かつ観戦無料のプロレス大会。
 こうしたイベントを約10年に渡って定期的に続けてきた草の根運動が評価され、2022年から商店街振興のための東京都の事業としても商店会プロレスを継続的に開催。2022年&2023年にはこのプロレス祭りの輪を広げて行くべく、たかの台地区商店会(小平市)、東久留米駅前商店会(東久留米市)を合わせた3つの商店会でタッグを結成したイベント『闘強商店会プロレス』を実施した。

 2024年には『演芸とプロレスのエキサイティング笑店会フェスティバル』が開催され、今年は『アクロバトル商店会フェス 2025』の名で開催。今年は巣鴨大鳥神社商店街(豊島区)、末広通り商店会(新宿区)、文京ガーデンテナント会(文京区)の3商店会が参加した。
 昨年は“プロレスと演芸は日本の伝統文化”と位置付け、力道山世代の祖父母から孫世代へ文化の継承をテーマに実施。今年は大道芸とプロレスをメインに据えて商店街振興と文化伝承を兼ねたイベントとして実施。3組の大道芸人がパフォーマンスを見せた後にプロレスが3試合行われる形になった。

 初回10月5日の巣鴨大会では、都内主要ターミナル駅に近いJR巣鴨駅の眼前のロータリーにリングを設置したため、ほんの少しでも足を止めてイベントを見た人数はおそらく数千人にのぼる。
 2回目となる11月1日の新宿三丁目大会では、土地柄もあり外国人観光客が半数近くを締めるグローバルなイベントとなり、新宿の公道上を貸し切って行われたため一瞬でも目に入れたという人はおなじく数千人にのぼるだろう。
 他方、今回の文京ガーデンテナントの会場は地下鉄駅出口直結という立地ながら、公道から見えない建物の中庭での開催。先の2つの例に倣った基準で言えば観衆の数は最も少なかったと言える。


 しかし、先の2つと違ったのは観客のほとんどが未就学児~小学校低学年程度のお子さんのいる家族連れだったこと。イベント開始前に行われたお手玉教室では、十数名のお子さんがこぞって参加。
 大道芸のコーナーでは子どもたちがエプロンサイドに張り付き、芸人の技が決まるたびに大はしゃぎ。パフォーマンスを行った芸人の1人は「長くやってるけどこんなに子どもから声援をもらったのは初めて」と語っていた。

 そんな子どもたちの声援を最も集めたのはメインイベントで行われた、ガッツ石島&マスクドミステリー&定アキラvs神崎ユウキ&橋之介&阿部史典の6人タッグマッチ。
 全員コワモテでアンコ型のガッツらに対し、神崎らは若く爽やかなイケメン揃い。ガッツらはヒールでもなく特に悪いこともしていなかったが、子どもたちのほとんどは神崎らを”ヒーロー”、ガッツらを”敵”とみなして声援を贈っていた。


 試合は、パワーと実力で勝るガッツらが押して行き、神崎らは序盤からピンチに陥る。
 初めてプロレスを見る子どもたちは選手の名前までは分からないので「頑張れレッド!」「負けるなブルー!」などコスチュームの色を叫んで応援。さながらヒーローショーのような空間が広がる。

 “ブルー”である青いコスチュームの神崎が集中砲火を浴びる展開となるも、神崎が逆エビ固めを受けてロープを目指すと、子どもたちが駆け寄ってきて神崎を助けようと手を伸ばす。神崎がロープではなく小さなファンの手を取ると、レフェリーもブレイクを宣言。
 さらに神崎が子どもたちからの声援を集める中、来年1月9日のTTT後楽園ホール大会でインディー統一無差別級王座戦が決まっているガッツと神崎の対面に。ガッツは豪快なパワーファイトで圧倒する王者の意地を見せるが、神崎も必死で食い下がる。最後はガッツがゴーストバスターを狙ったところを神崎が一発逆転の首固めで3カウント。
 神崎の勝利に大喜びした子どもたちが駆け寄ってくると、神崎も笑顔でハイタッチに応じていた。

  イベント終了後も神崎らは子どもたちに囲まれて大人気。
 すっかり神崎ファンになった女児の親御さんへ写真の掲載許可を取り行った際、この女児は試合後に神崎に書いてもらったサインを嬉しそうに見せてくれた。また、イベント終了後には「来年1月9日のTTT後楽園ホール大会も見に行きたい」と言い出した子どものために親がチケットの購入方法をスタッフにたずねている姿も見られた。
 新たなプロレスファンを生み出したという意味では、このイベントは大成功だったと言えるだろう。


 全3回に渡って繰り広げられた『アクロバトル商店会フェス 2025』も今回がフィナーレ。
 少しずつ内容を変えながらも毎年の恒例行事となりつつある本イベントは各所から好意的な反応が起きており、毎年複数の商店街から「来年以降にウチでも出来ないか」と問い合わせが来ているという。
 行政からの反応も良く、地元消防署も参加してリング上で防災・救急訓練を行うなど地域の信頼を得られているイベントへと成長した。この輪が広がっていけば、全国各地の商店街でいつもプロレスが見られる光景が広がる未来もあるかもしれない。

 プロレスがゴールデンタイムにテレビで放送されていた時代ははるか昔のことであり、親の影響でもなければ今の子どもたちが自発的にプロレスに興味を持つ機会は極めて少ないと言える。
 人通りの多い屋外にリングを立てての無料イベントということで人生で初めてプロレスを見るという通りすがりの観客も多いため、プロレス界全体の課題である”最初にプロレスに触れるキッカケ”を生み出しているのはこのようなイベントだ。
 “プロレスで町興し”というのはよく聞くテーマだが、現代日本においてプロレスに興味の有る人と無い人とでは残念ながら後者のほうが圧倒的に多い。大道芸やお笑いといった身近なもの、身の回りの安全対策といった関心を持ちやすいものと掛け合わせることでプロレスもより浸透し、老若男女から隔てなく愛されるお茶の間コンテンツに返り咲くことが出来るかもしれない。

 大きな団体の大きな大会だけでなく、小さな団体の小さな草の根運動がプロレスファンを増やす縁の下の力持ちになっていることにも着目していきたい。

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