自信が持てない22歳の女子エース候補が絶対王者に挑戦!敗北するも王者を病院送りにし「自信になった。誰かじゃなく私が超えたいと思った」

25日、後楽園ホールにてアイスリボン『Oktober Iceribbon Fest2025』が開催。メインイベントでは勝愛実(かつまなみ)の持つICEx∞(シングル)王座へ松下楓歩(まつしたかほ)が挑戦した。
勝は2011年にJWP女子プロレスでデビュー。Leonと日向あずみの指導を受けており、デビル雅美直系のダブルアーム・バックブリーカーやロメロ・スペシャルの使い手として10代の女子高生時代から活躍していた。
様々な団体に出場していたが、母の看病と介護により2014年に引退。その後母が亡くなり、遺品整理中に勝の試合について書かれた母の日記が見つかり復帰を決意。2016年にJWPに再入団し復帰した。
JWPの権利問題で2017年にPURE-J女子プロレスを設立し、全選手が移籍し活動を続けていたが2020年にPURE-Jを退団。その後妊娠し、一度はプロレスのために中絶を決断したが、エコー写真を見た時の感情と周りからの支えの声を聞き2021年から出産のための無期限休業に入っていた。
その後しばらくは表舞台に姿を見せていたかったが、昨年6月に劇団『水色革命』の別ブランドで志田光が座長を務める『コルバタ志田組』に女優として出演。舞台上でプロレスの試合も行い、8月のアイスリボン後楽園ホール大会に姿を現すと入団を発表。9月の横浜大会で現役復帰し、今年1月には団体最高峰のベルトであるICE×∞王座を戴冠。新たなアイスリボンの顔となった。
しかし、現在のアイスリボンはかつてないほどの危機にさらされている。
主力選手の相次ぐ退団や長期欠場などの数多の要因で観客数は減少の一途を辿っており、後楽園ホール大会の客入りが300人を切ることも。チャンピオンである勝はこの状況に人一倍の危機感を募らせており、涙ながらにこの現状を打破することを宣言していた。
この日は本来二世レスラーで22歳の星いぶきが勝の持つシングルとタッグ両方のベルトに挑戦し、1日2回の王座戦を両者行う予定だった。しかしいぶきが10月11日の他団体出場時に前十字靭帯断裂の怪我を負い長期欠場に。これを受けて、いぶきのタッグパートナーであった22歳でキャリア4年のエース候補である松下楓歩がシングル戦を提案し、勝がこの試合を王座戦へと引き上げた。

楓歩は藤本つかさのコスチュームで入場し、試合が始まるとガムシャラに攻め立て、藤本つかさ譲りのサッカーボールキックやドロップキックを叩き込んでいく。だが勝は顔面に容赦ないランニングニーからミサイルキックを突き刺し勢いを削ごうとする。逆に火がついた楓歩が蹴りまくり、エルボーの打ち合いで五分五分へ。ビンタの張り合いを制した楓歩が旋回式ボディプレスを投下しフォール。返した勝にハイキックから走り込んだ楓歩だったが、勝はラリアットで迎撃するとイナズマバスターで突き刺しダイビングエルボードロップ。これで終わりかと思われたが、2.9で返した楓歩がハイキックからバズソーキックを叩き込み、側頭部にサッカーボールキックからファンファーレ(=変形ドライバー)。これを2で返した勝がダイビングエルボードロップからバイオレット・ドライバーで叩きつけ3カウントを奪った。
しかし勝はベルトを受け取るとすぐにセコンドの肩を借りてリングを後にし、脳震盪と思われる症状でそのまま病院へ。

1人リングに残った楓歩は「勝さんが『楓歩はいぶきの代わりじゃなくて立派なメインイベンターだよ』って言ってくれて、私は自分自身に自信を持てないタイプだけど、今日は負けたけど勝さんのおかげでちょっと自信を持つことができました。だから、勝愛実が今はアイスリボンの絶対王者かもしれないけど、自分が超えたい。誰かじゃなく私が超えたいと思いますし、私はアイスリボンでICE×∞もリボンタッグも絶対に戴冠したいと思ってます」と前を向いて強気に宣言。
そこへ、勝が居ない時代にアイスリボンを支えてきた重量級パワーファイターのトトロさつきと、昨年デビューした19歳の若菜きらりが現れベルトに挑戦表明。11月3日の板橋大会で次期挑戦者決定戦が行われることとなった。
今のアイスリボンは小学6年生のりこ、中学2年生の緋彩(ひいろ)もえ&小学生の緋彩ませ姉妹、19歳の若菜きらり、22歳の松下楓歩&星いぶきなど若返りが起きており、黎明期の里歩(りほ)や真琴が中心となっていた時代の選手層に戻っている。
今後の女子プロレスを担う選手たちがどのように成長していくのか、今から目が離せない。
















