全日本女子プロレスから続く二世対決が実現!府川唯未と大向美智子の娘がバチバチの闘いへ

26日、東京都・両国国技館にてマリーゴールド『MARIGOLD GRAND DESTINY2025』が開催。第1試合では田中きずなwith府川唯未vs心希(しんの)with大向美智子という母を巻き込んだ二世対決が行われた。
田中きずなは、田中稔&府川唯未という名プロレスラーの両親から生まれたサラブレッド。
母・府川さんが頭の怪我が原因で引退していたことから両親ともにきずながプロレスラーになることを大反対していたが、きずなは強い意志を持って説得。高校卒業後の2023年4月2日に憧れのプロレスリングWAVEにてデビューした。
2024年1月の『ARSION THE FINAL~卒業~』に出場した際に「不本意な引退をしたお母さんがやり残したことは全て私がやる」という決意を宣言し、昨年7月にマリーゴールドへ移籍。団体の未来を背負う選手の1人として期待を集めている。
心希(しんの)は全日本女子プロレスやアルシオンで活躍した大向美智子の娘であり、母と同じ15歳の高校1年生でマリーゴールドに入団。
はじめは48グループによるドラマ『豆腐プロレス』でハリウッドJURINA(松井珠理奈)を見てアイドルに憧れ、昨年1月に行われた『ARSION THE FINAL~卒業~』での母の試合を見て「自分にはプロレスの道しかない」と決意。今年5月の国立代々木競技場第二体育館大会でデビューを果たし、母譲りの裏投げを武器に活躍する期待の新人だ。
幼い頃より家族ぐるみで付き合いがあり、旧知の仲であるきずなと心希。マリーゴールドでは互いに団体の未来を背負う存在としてライバル関係となっている。
そんな経緯もあってか、今大会の第1試合では田中きずなwith府川唯未vs心希with大向美智子という二世対決で母娘が揃うことに。連綿と紡がれている女子プロレスの歴史のもっとも新しい光景が見られる試合となった。

試合が始まるとセコンドについた母たちは一切手を出さずに見守り、サッカーボールキックやエルボーの打ち合いできずなと心希は意地の張り合いへ。きずなが親譲りの脇固めで捕らえれば、心希も容赦ない膝蹴りを顔面に叩き込んでいく。心希が継承した裏投げで叩きつけるも、先輩として負けるわけにはいかないきずながヘッドバッドからRe:Dream。これを返した心希に、きずなはスライディングニーからNO.6(=ブロックバスターホールド)で叩きつけ3カウントを奪った。

勝利したきずなは「今日の試合を経て、私はこの2世ということもこれから先ずっと背負って、それをプラスに変えてプロレスラーとして何を以て超せるかは分からないけど、親のことをしっかりと超したいと思います。それが恩返しだと思うので。絶対に私はいつか2世を超えます」と宣言。
これを聞いた母・府川唯未は「この子は多分今日は私の技をなにも使わず、敢えて私を封印して自分で勝負をかけてきたんじゃないかなって思って見てたんです。ホントに『私(母)の夢を背負って』って言ってはくれてるんですけど、ホントにこの子がこうしてプロレスをやってリングに上ってくれていることで私はまた夢を見させてもらっている。『プロレスラーになったからママの夢も背負わなきゃいけない』、そういう付録みたいのはいらないし2世の呪縛みたいなものから解放されてプロレスを楽しんでほしいと私は思っていたので。今日勝てたことで、しかも相手が心希だったことで、自分がしっかり出せたんじゃないかなって私は思っていて。ホントに心希にもお礼を言いたいし、心希のギラギラした目が私は大好きで。お母さんのいいとこをすごい受け継いでて、心希との闘いで気付けたこともあるんじゃないかなって。本当にその子の頑張りだと思うし。良かったです!ありがとうございました!」と感慨深げにコメント。
大向美智子は「この2人ってすごく極端で。私と府川も結構極端なレスラーだったので。こっち(きずな)は2世をあんまり出さないけど、こっち(心希)は2世で行きたいみたいな(笑)そういう不思議な意見の違いがうまく試合として出てたんじゃないかなって。いつかきぃはパパやママの技を使いたくなる日が来るんよ(笑)今は反抗期ですよ(笑)この2人が新しい、今の時代に合ったタッグとして機能して、ベルトでも狙ってくれたらいいなと思います。そんときはまたセコンド付くか!次は竹刀持ってこよっかな♪」とノリノリに。
改めてきずなは「同じ団体になってお互いプロレスラーとしてこれからも闘っていくと思うし、ライバルになるとも思うけど、私の中でしんちゃんがかわいくてかわいくて。ずっと大切な存在なのはこれからもずっと変わらないし、それは改めて今日思いました」とメッセージを送り、心希も「自分は同じプロレスラーの娘に生まれて、同じプロレスラーという夢を持って、同じマリーゴールドのリングに今日この日に立って。私達には運命しかないなって思うから、時にはライバルだし、時には仲間だけど、でも一番の味方でありたいなって思います」と思いを通じ合わせた。
2世レスラーたちによる過去からの継承と新たな時代のスタートが間違いなく行われた試合となった。
















