元大相撲力士が新宿のド真ん中でひき逃げにあいブチギレ!外国人観光客の映像配信にも映り込み大事件に発展!?

26日、東京都・末広通り商店会プロレス広場にて『末広通り商店会プロレスフェスティバル2025 2Days』が開催された。
商店会プロレスとは、末広通り商店会会長の石川国由氏が音頭を取って行っている商店街活性イベントの一環であり、公道にリングを立てて行われる観戦無料のプロレス大会。
商店会プロレスは令和の世に1990年代のインディープロレスの魂を語り継いでいる現TTTプロレスリング代表のガッツ石島がプロデュースしており、初めてプロレスを見る人を含む老若男女が幅広く楽しめる大会を展開している。
こうしたコツコツとした活動が評価され、2022年から商店街振興のための東京都の事業としても商店会プロレスを継続的に開催。
お笑いを中心とした演芸&戦後の日本人を元気付けてきたプロレスを“日本の伝統文化”と位置付け、文化保存運動の一環としてリングを使ったエンターテイメントを提供するなどプロレスを見たことがない人がプロレスに初めて触れる機会を創るための草の根運動を行っている。
この日は金曜日の朝10:30から開催という奇特なイベントにもかかわらず、リング周辺には開始前から約50人の観衆が待機。その中でも3~4割程度が外国人観光客であり、写真や動画を撮影したり、自撮りで動画配信をしながら大会をレポートする観客の姿も見られた。
中でも外国人観光客が大喜びで見ていたのは、藤原秀旺vs星誕期のシングルマッチ。
星誕期はアルゼンチン出身の元大相撲力士であり、183cm 135kgの巨体を誇る超大型レスラー。対する秀旺は観衆の洗脳活動を主とする奇行系ヒールユニットを率いる岩手の奇人であり、この日も特別な改造自転車(バイ秀クル)に乗って入場するという奇行に及んでいた。

試合では序盤から誕期が相撲仕込みのパワーファイトで圧倒していくが、秀旺は場外戦に誘い込んでバイ秀クルでの轢殺を狙う。しかし、誕期はバイ秀クルをガッチリとキャッチして自転車ごと上手投げで秀旺をアスファルトに叩きつけるという荒業で対抗。
誕期はツッパリ連打でコーナーに押し込み、串刺しボディスプラッシュ。2発目をかわした秀旺がまたも場外戦に引きずり込むと、今度はバイ秀クルでの轢殺に成功。しかし、誕期が憤怒の形相ですぐさま起き上がると秀旺は脱兎のごとく逃走。ブチ切れた誕期が秀旺を追いかけていってしまったため、レフェリーは無効試合の裁定を下した。
この試合はインディープロレスが“インディー”たる悪ふざけの部分が先行した内容であったが、エンタメに振り切っていた内容は通りすがりの非プロレスファンの心を掴んでいたと言える。プロレスファンが思う“本物のプロレス”は非プロレスファンには刺さらないこともままあるため、こうした場でこうした試合を見せることはプロレスを世に広めていくための正解の1つと言って過言でない。
商店会プロレスのようなオープンな場で行われる無料のプロレス大会は、プロレスの裾野を広げていくことにつながる。大きな団体のビッグマッチだけではなく、こうした草の根運動もプロレスの発展には必要不可欠だ。現在はニッチ寄りの趣味とされることが多いプロレスだが、プロレスがお茶の間で放映され、老若男女皆がプロレスを愛していた時代をまた築き上げるためにもこうした小さな試みにも注目していきたい。