初公開となる“初代タイガーマスクの真実”を佐山サトルが講演!「ちんどん屋がなにやってんだと人生の恥を感じていた」「嘘をついて日本に帰るのを断っていた」
- 2025-8-23
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23日、東京・神田神社(江戸総鎮守 神田明神)にて『佐山武道 初代タイガーマスク 佐山サトル特別講演会“精神論”“タイガーマスクの真実”“修斗”』が開催された。
2020年からスタートした神田明神と“初代タイガーマスク”佐山サトルとのコラボレーション。『初代タイガーマスク 勝守』の授与やデビュー40周年を記念した神田明神資料館での『佐山武道~初代タイガーマスクの武道精神と日本文化~展』などが毎年行われてきたが、毎年行われる佐山サトルの講演会が今年も実施されることになった。
この講演に関して佐山サトルは「いよいよタイガーマスクの姿を、真実を語る講演をやりたいと思います。前の講演の時に、新間さんが意見を述べて『今度タイガーマスクのことを聞きたい』と。だったらその真実、今まで話したことないような真実をそこで話してみたいなと思って。今のプロレスと我々がやってたプロレスはどっちが強いとかじゃなく、スタイルがまるで違うので、そこの秘密を広めていきたいなと思います。新日本プロレスで育ったタイガーマスクが、メキシコ、イギリス、そして世界を飛んで、ニューヨークまで飛んで行って、全盛を極めたタイガーマスク。そのタイガーマスクの時代と今のプロレスがどう違うのか?実力的には代わりはありません。スタイルが違うだけです。そのスタイルを、亡くなった新間さんとともに直したいなぁ、もっと面白いプロレスを皆さんに、戦いのプロレスを提供したいというのが私の夢です」とコメントを残していた。
当日登壇した佐山サトルは「新間さんの遺言通りタイガーマスクについて語りたいと思います」と、ポツポツと生まれの山口県・下関市時代から語り始める。子供の頃から『プロレスラーになるんだ』と祖母にも誓い、家出するように新間寿さんに電話してプロレス界の門を叩いたという。
藤原喜明にスパーリングでけちょんけちょんにされると「体力をつけてもう一回来い」と言われ、東京でバイトをしながら体力をつけ、再度受けたときにグラン浜田さんや藤波辰爾が海外に行っており雑用係がいなかったため受かったようなものだと当時を振り返る。
その後目白ジムで藤原敏男と会い、総合的に使えるステップやタイミングを学んだ事で総合格闘技の技術が自分の中で確立し、20歳でメキシコに行って来いとの命令で2年間現地へ。
メキシコでカール・ゴッチさんから『イギリスに行け』と言われ、竹刀を持って死亡遊戯の黄色い衣装スタイルのサミー・リーという名で活動することに。
そんな中突然新間さんから「タイガーマスクの映画を撮るから帰ってこい」と連日電話があり、「猪木の顔を潰すことになるから頼む」と殺し文句を言われ、「税金の関係で無理」と嘘をついて断ったものの政府関係者に新間さんが手を回して日本に帰る事になったという。

会場につくとマジックで書いたようなマスクと腰のあたりまでしかないマントを見て「騙された」と失意のどん底になり、「早く終わってイギリスに帰ろう」という気持ちのままリングに上がり、「全然沸いてないな」「このちんどん屋がなにやってんだ」と人生の恥を感じていたが、ダイナマイト・キッドの素晴らしさを感じながら闘ったものの、当日は自分の試合を振り返る気にもなれず早く帰ろうとしたが、マスコミに囲まれ新間さんから「もう帰るな」と言われタイガーマスクが定着していくことに。
この一つ一つの行動が、儒教と行動学に繋がってくると精神論の話に変わり、意識と無意識の間にあるクリティカルファクターという安全装置で物事が当たり前になってしまう事に慣れずに行動することが大切であり、狂愚誠愛の意識で作ったのが修斗であったと伝えた。
最後に「一番のタイガーマスクの秘密は、新間さんに嘘をついていたこと」と笑いを誘い佐山サトルの講演は終了した。
その後は修斗初代ウェルター級チャンピオンの渡部優一、第2代ライト級チャンピオンの坂本一弘、佐山サトルの長男・佐山聖斗が登壇し修斗とはなんぞやと、先日公開されたアルティメット・シューティングについて解説がされた。
アルティメットシューティングは市街地型実戦武道・掣圏真陰流をベースにしているので、グラウンドになり膠着すると相手に囲まれる可能性があるので、寝技のない総合格闘技といえるルールになっているという。このためにバンテージ一体型の新しいグローブが開発されている。
オープンフィンガーグローブを作ったと言われる佐山サトルは「アルティメットシューティングはいわゆる最強を狙った格闘技ではありません。ボクシングという打ち合いの競技があるとしたら、クリンチばっかりしているのが総合格闘技的なものではありますが、クリンチをして寝技に行こうとする状態これを外します。そうすると関節技が強い選手、寝技が強い選手が強いわけではなく、あたらしい技術が出てきます。おさえて肘を受け止めて打つ練習、倒れながら打つ練習、こういった特別な技術が育ってくると思います。新しい格闘技はボクシングのような総合格闘技、新しいスポーツです。この技術を考えながら作っていったのがアルティメットシューティングです。選手が育つにつれて新しい技術が育ってくると思います。礼儀礼節、武道の心を持った選手を作るのが狙いです。ありがとうございました」と挨拶し、この日の講演会は幕を閉じた。
今後も神田明神では来年の初代タイガーマスク45周年に向けて何かしらをおこなっていく予定とのことだ。