戦うバービー人形がスターダムの格闘戦士相手に王座防衛!対戦相手の強さを「私おおらかだから認めるわ」
29日、新宿FACEにて『#Evolution新宿FACE大会30~プロレスリングEvolution 諏訪魔新社長就任記念大会~』が開催。メインイベントでは“戦うバービー人形”Chi Chi(ちーちー)の持つセンダイガールズワールドジュニア王座に“ビートストライカー”八神蘭奈(やがみらんな)が挑戦した。
Chi Chiは全日本プロレスの諏訪魔が社長を、石川修司がGMを務めるEvolutionで2023年3月にデビュー。3歳から20年以上クラシックバレエを続けており、お嬢様かと思いきや女子プロレス界トップクラスの気の強さとバービー人形を彷彿とさせるコスチュームのギャップで一躍人気レスラーに。
デビュー戦から優宇と戦い、その後も様々な強豪との試合で急成長を遂げると、2024年にキャリア3年未満の選手によって争われるセンダイガールズ『じゃじゃ馬トーナメント』を制覇。その勢いのまま11月にセンダイガールズワールドジュニア王座を戴冠し、2024年の1年間で104試合とキャリア1年半とは思えない試合数をこなした。
対する八神はは朱里に憧れてスターダムへ入門し、2023年12月にプロレスラーデビュー。双子の妹と名乗っている"闘うドラマー”RANNAはバンドでドラムの演奏をしながら、プロレスと演劇を融合したハイブリッドエンターテイメント『魔界』にて犬江親兵衛役として出演していた。
2人はプロレスリングWAVEが主催するシングルリーグ戦『CATCH THE WAVE 2024』に出場し、6月の静岡大会で初対戦も時間切れドローに。ブロック1位決定戦で再戦し、腕ひしぎを極めた八神が勝利。
今年1月3日のスターダム有明大会でさくらあやを相手に同王座を防衛したChi Chiの前に八神が現れ「去年の夏、CATCH THE WAVEでChi Chiから白星上げたこの八神蘭奈がいるってこと忘れてんじゃないの?自分はそのベルト挑戦する権利あると思う。どこでもどんな場所でも挑戦しに行ってやるよ」と宣言すると、Chi Chiは「覚えてるよ。このベルトに挑戦したいんだったら、スターダムのリング好きじゃないから、うちのリング来る?丁度プロレスリングEvolution新体制になったから、うちのリング上がってよ」と、この日の興行での王座戦を決定した。
試合は激しい蹴り合いから客席になだれ込んでの荒々しい場外乱闘で始まり、リングに戻れば八神が関節技で捕らえていく。必殺のビート・ストライク(=ブラジリアン式バズソーキック)を放つも、避けたChi Chiがすかさず水面蹴りで倒して足4の字固めへ。そのままビンタの打ち合いから打撃の応酬になると、八神のハイキックでChi Chiがダウン。
フラフラと立ち上がったChi Chiは意地のエルボー連打からヘッドバッドを叩き込んで反撃すると、ハイキックからスピンキックを叩きこみ、諏訪魔直伝のバックドロップ2連発で八神を沈めた。
まさに意地の張り合いと呼べる試合を制したChi Chiは「おい八神、プロレスラーはリングの上がすべてって言ってたよな?私はそうじゃないと思うんだよ。リングの上でやるのはもちろん、その他のことも全部プロレスに繋がってくるんだよ私の人生は。だけど、八神がリングの上が全てって言いたくなる気持ちが闘ってわかった。強いもん八神。私、おおらかだからそれ認めるわ。これで八神と私は1勝1敗1引き分け。価値観は違うけど同期だし、やっぱ強い奴とずっと闘っていきたいと思うから、お前のとこの嫌いなリングにでも今度出てやるよマジで」と、スターダムオーナー社長の発言を引用し評価。
これを聞いた八神は「おい、今日Chi Chi闘ってくれてありがとう。うちのとこが嫌いなChi Chiが、おおらかでいてくれて助かるよ。まあ、今日で決着はついたと思ってないし、うちもChi Chiといつまでも闘いたいって思うから、お前の嫌いなリングでも、お前の大好きなリングでも、日本でも海外でもどこでも追いかけてやるからよ。いつでも待っとけよ、ぜってぇそん時は負けねぇから」とライバル宣言を行った。
新体制一発目となったこの日は超満員札止めに。大成功で終えたメインイベンターはこの勢いのまま、今年設立されるEvolutionベルトの初代王者へ照準を合わせた。