超人・石森太二が1日8試合の無茶を完走!次回は後楽園ホール大会を宣言しドラゴン・キッドとの一騎打ちを誓う
12日、東京都・新宿FACEにて『ザ・リーヴpresents 超人・石森太二は無茶をする』が開催された。
同大会は、石森が慇懃無礼なAIの無茶振りに振り回されながら企画されていったプロデュース大会のようなもの。出場選手は当日発表という試合が多く事前に全貌は不明のままであったが、全試合に石森が出場するという“無茶”だけは確定。
結果的に石森太二というプロレスラーの過去・現在・未来を感じられるカードが並ぶ大会に。当日券も販売されない真の札止めという券売も最高のものとなった。
大会開始前のオープニングで石森が挨拶のために上がってくるも、AIが「早速こちらにお着替えをお願いします。時間がありません、お急ぎください」と黒のショートタイツを提示。急遽第0試合が行われるという無茶振りで大会は始まる。
ヤングライオンの姿と曲で入場してきた石森は、石森に憧れて新日本に入団した永井大貴とシングルマッチを行った。
第1試合では、紆余曲折の末に石森太二&KAGETORAvsバラモンシュウ&バラモンケイ&バラモンリュウスケのハンディキャップマッチが実施。
リュウスケ以外は闘龍門9期生の同期。バラモン兄弟がリング内外で水をぶちまけて会場が阿鼻叫喚となる中、石森がボウリング攻撃の餌食に。このピンチをKAGETORAが救出すると、石森がバラモン兄弟へボウリング攻撃でお返し。交通標識での攻撃もなんとかしのぎ、最後は石森がケイを首固めで3カウント。
場内に『キープ・オン・ジャーニー』が流れ始めると石森は心底嫌そうな表情で退場。リング上ではリュウスケが1人でノリノリで踊り続けた。
場内の清掃および石森の着替え待つ間、スクリーンでは『グレイス傑作選』と題された石森のグレイス発言の総集編が流れ続ける。そんな中、AIが「石森選手、着替えどうですか?着替えだけに、リボーンですか?」と煽り散らかす。
第2試合ではX(イキのいい新日本選手)とアナウンスされていた選手とのシングルマッチへ。その正体は藤田晃生であることが判明。
この試合は序盤から石森が肩への一点集中攻撃からBone Lockへ捕らえる黄金パターンに持ち込むが、藤田が多彩なジャーマンで対抗しネ申スペシャル。石森が必死で耐える中で10分フルタイムドローを告げるゴングが鳴った。
第3試合では、石森太二&SHO&シュン・スカイウォーカーvsジェフ・コブ&関本大介&石川修司の6人タッグマッチが実施。
SHOが大巨人たちにビビりまくって逃げ出す中で両者リングアウト決着となるも、シュンの劇場型マイクによって再試合が決定。相手3人を「デカいだけの雑魚」と大言壮語を吐いたシュンはその言葉通り体格差をものともせず大暴れ。
しかし、最後はSHOのトーチャーツールを奪って凶器攻撃を狙ったのが仇に。コブが隙を突いて石森をスクールボーイで丸め込んで3カウントを奪った。
第4試合では、“SHOKUNINランブル”と題されたバトルロイヤルが実施。
外道とディック東郷の対面に始まり、日高郁人も現れてFECが再結成。しかし、藤田ミノルが現れて日高を改心させると“相方タッグ”としてFECと対峙。
金丸義信、MAZADAとヒールのSHOKUNINたちが場をかき乱す中、ロビー・イーグルスが登場。ロビーはかつてZERO1に参戦した際に日高に師事したことがあり、奇跡的に実現した師弟コンビで大暴れ。石森とプライベートで親交が深く、辛い時期を支え合ってきたというDDTの彰人も登場して観衆を驚かせた。
残っていた選手が全員相打ちとなり、無人のリングに石森が入場。闘わずして石森が勝利したかと思われたが、最終入場者として葛西純が登場。
石森と葛西は激しいラリアット合戦を展開し、葛西が石森の頭に竹串の束をぶっ刺した上でリバースタイガー・ドライバー、パールハーバー・スプラッシュと猛攻。石森は意地で返してみせるも、反撃の余力は残っておらず。葛西がOTRさせて1人勝ち残った。
マイクを取った葛西は「おい石森太二よ。今日見てたけど、お前随分と無茶してるなあ?でもなあ、オイ。無茶をしてる度合いならオレっちも負けてねーんだよ。でもお前の無茶っぷりも大したもんだ。点で終わらせず、線につなげようや。お互いこれからも無茶していこうぜ!」とエールを贈った。
第5試合、今大会のメインイベントでは本来であれば石森とドラゴン・キッドのシングルマッチが予定されていた。
源流は同じ闘龍門ながらお家騒動によって袂を分かつ形となり、1度も闘っていない2人のドリームカードとして注目を集めていたが、キッドが今月7日の試合で首を負傷して欠場に。カード変更によって対戦相手はXと発表されていた。
死闘を経てメインイベントにたどり着いた石森へ、AIが「本日のXを発表致します。透明なドラゴン・キッド選手です。石森選手ほどの実力者であれば、透明なドラゴン・キッド選手とも素晴らしい試合を展開できるはずです」とアナウンス。
石森が「茶化して終わるんじゃねーよ!ここまで駆け抜けてきたんだよ。もう1試合やって、駆け抜けたいんだ!」とついにブチ切れると、AIは「それではセカンドプランを提案致します。私にはよくわかりませんが、人の思いは受け継がれていくものだそうですね?そして、どうやら人はその受け継がれていくものに特別な感情を抱くようです。そして、統計の結果、師匠のピンチには弟子が駆けつけるものだそうです」と淡々と語る。
その直後にキッドの弟子であるドラゴン・ダイヤの入場曲が流れると、場内はこの日一番のぶち上がりを見せる。
石森vsダイヤのシングルマッチが始まると、ダイヤはデジャ・ヴやクリストといったキッドの技も駆使して突貫。石森はダイヤのスピードに苦戦する場面もあったが、DDDDTをサイファーウタキで切り返す機転を見せ、ダイヤの必殺技であるレプテリアン・ラナも丸め込みで切り返す。
最後は石森がレフェリーの隙を突いての急所蹴りからBone Lock、リバース・ブラディーサンデー、ブラディークロスとフルコースをお見舞いして3カウントを奪った。
試合後、マイクを取った石森は「アイツ(AI)最初からすんげーナメたこと言ってたんだよ。『石森興行で後楽園でやる自信が無い』と。この空席無い状況でも、この試合見ても、自信無いって言えるか?ここじゃ箱がちいせーだろ?!だからよ!次回は後楽園でやらせろ!」と吼える。
そして「俺、ここでどーしてもやらなきゃいけない相手がいるんだよ。中々さ、オトナの事情でリングでは巡り会えない人生だけどさ。次回大会、俺の興行で、メイン、シングルマッチ。石森太二vsドラゴン・キッド。これだけはやってやるぞ。ドラゴン・キッド!俺は待ってるぞ!」と決意を叫んだ。
再試合などを含めて全8試合を完走した石森は「すべては神の恵み。そう!グレイスだ!」と決めセリフでカッコ良く大会を締めるが、AIはエンディングとして深夜2時の石森太二が歌う『ギンギラギンにさりげなく』の隠し撮りと思われる映像とともにスタッフロールを放映。最後まで石森らしさが詰まった大会となった。