クリス・ブルックスが青木真也を破り、1年ぶりにKO-D無差別級王座奪還!12・28両国で“カリスマ”佐々木大輔が挑戦へ
DDTプロレスが11月4日、東京・ひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)で「株式会社ジーニスト presents すみだドラマティック・ドリーム!~全席無料プロレス大会~」を開催した。クリス・ブルックスが青木真也を破り、KO-D無差別級王座を1年ぶりに奪還。年末のビッグマッチ(12月28日、東京・両国国技館)で、ダムネーションT.Aの“カリスマ”佐々木大輔の挑戦を受けることが決まった。
青木は8・25後楽園で上野勇希を下して王座初戴冠。9・8名古屋で遠藤哲哉、10・20後楽園でHARASHIMA、「いつでもどこでも挑戦権」を行使した勝俣瞬馬を連続で退けてV3に成功。クリスは昨年7・23両国で火野裕士から同王座を奪取するも、同年11・12両国で上野に敗れて王座陥落。それ以来、1年ぶりのチャレンジとなった。
気合満点のクリスはゴングが鳴るや否やドロップキック。場外に落とすと、青木を観客席のイスに投げ飛ばす。クリスがチョップ、青木がエルボーで返して、ミドルキックを見舞うが鉄柱に誤爆。リングに戻ると、青木が執ように押さえ込みでピンフォールを狙っていくも、クリスはなんとか返していく。青木がトペを敢行も、クリスがエプロンでパイルドライバー。さらに場外で立てたテーブルに青木を寝かせ、机上パイルドライバーをさく裂。青木が意表を突いて雪崩式フランケンシュタイナーを決めると、クリスは雪崩式ダブルアーム・スープレックスで返す。青木は腕を決め、ゴッチ式パイルドライバー、卍固めで攻め込むも、クリスはエスケープ。青木のフルネルソン・ホールドをしのいだクリスはみちのくドライバーⅡ、蒼魔刀で吹っ飛ばす。そしてクリスは壮絶な張り手連打から、グラウンドでのハウス・ピアノ・デス(変型オクトパス・ストレッチ)で青木から執念でギブアップを奪った。潔く負けを認めた青木はガッチリ握手を交わし、クリスの手を挙げた。
ここで、今林久弥GMがリングに上がり、クリスに「初防衛戦、12月28日、両国国技館大会です。戦いたい相手はいますか?」と問うと、佐々木がリングイン。佐々木は「今日は襲ったりしない。青木真也も素晴らしかった。クリス、おまえが勝つとは思わなかった。おまえが勝ったら言おうと思ってた。最近、愛とか恋とか夢とか、そんなものはクソ食らえだよ。このリングにそんなものは必要ない。俺がそのベルトを獲ったら、DDTのリングをめちゃくちゃなDDTに戻してやる。両国、最高の舞台ですべてを失うんだ。次のチャレンジャーはこの俺、佐々木大輔だ」と挑戦表明。クリスが合意したため、両国での王座戦が決定。佐々木は珍しくクリーンに握手し退場した。
バックステージでクリスは「アオキさんはとてつもなく強かった。素晴らしいチャンピオンだったけど、僕にはこのベルトを獲り返すという夢があって、今日それを叶えることができました。自分がDDTに上がれるなんて、最初は夢にも思ってなかったし、ましてやこのベルトを1度だって獲れるとは思ってなかったけど、それを叶えることができた。肩を脱臼したり、腫瘍が見つかったりも夢にも思わなかったけど、そういったことを乗り越えて、またベルトを獲ることができました。(1年は長かった?)長かったけど早くも感じた。死生観が変わって、自分にどれくらい時間が残ってるんだろうと考えると、ものすごく時が早く過ぎ去ってしまっている感じです。(次は佐々木戦だが?)愛だの夢だのクソ食らえって、DDTを叩き落としてやるって言ってたけど、今のダムネーションT.AはB級C級レスラーの集まりばかりで、そんなことできないんじゃないかと思う」とコメントした。
王座から陥落した青木は「完敗です。8月25日、上野から引き継いだベルトを11月4日まで完走しました。ベルトはメダルじゃないから、獲って終わりじゃない。短い期間だったけど、防衛戦やって完走できたことを誇りに思います。クリスが強かった。立派なチャンピオンだと思います」と新王者を称えた。
挑戦が決まった佐々木は「愛とか恋とか夢とか、そんなラブソング、どっかで勝手に歌ってくれ。俺はへどが出てるんだ。最近のDDT。俺はKO-Dのベルトには今は興味なかったんだ。俺はもうあのベルトなんか遥かに超えた存在だ。あのベルトは今の俺には必要なかっただけだ。最近のクリス、あいつだけじゃねぇ。ほかの奴らもラブソングばっか歌いやがって。俺がめちゃくちゃにしてやるよ。おまえたちにクリスマスは訪れるけど、正月は訪れない」と吐き捨てた。
なお、入場無料の大会を総括した彰人取締役は「たくさんのスポンサー様、協賛様を募ってやる初めての大会になったんですけど。無料でやってみて分かること、たくさんあって。こういう大会をまたやるかどうか検討して考えたい。勉強になった大会だなと思いました。この時期にこういう大会をやるのは、12月28日に両国国技館、直前に(12・22)後楽園があって。そこにたくさんの人が興味をもってもらうようにつなげたくて。ふだんプロレスを見てなかった方、久々にプロレスを見ますよって方をたくさん見かけたので、そういう方が“またDDT行きたい”と思うきっかけになったら、やってよかったのかなと感じております」と話した。