「明るく楽しく激しく、そして卑屈に最低に陰湿に」青柳優馬が綾部蓮を制して三冠ヘビー級王座V2!28歳の陰湿王者が全日本プロレスの53年目を背負う!
22日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『旗揚げ記念シリーズ2024』が開催。青柳優馬が綾部蓮を破って三冠ヘビー級王座の2度目の防衛に成功した。
青柳は、色々あって選手・スタッフが大量離脱し、諏訪魔いわく“焼け野原”になった全日本から生えてきた希望の芽。宮原健斗とともに2010年代後半から全日本の未来を背負って闘ってきた。
チャンピオン・カーニバルでジャンボ鶴田さんが持っていた最年少優勝記録を更新(26歳6ヶ月)するなどの記録を打ち立て、2度の三冠王座戴冠も果たしている新時代エースの1人。“陰湿”という他に見ないテーマを掲げる堂々としたふるまいや渋い見た目から忘れがちだが実はまだ28歳であり、まだまだこれからの伸びしろの塊だ。
この日、青柳が2度目の防衛戦の相手として迎え撃ったのは、今年の王道トーナメント優勝者である綾部蓮。
綾部は2020年9月にTAKAみちのく率いるJUST TAP OUT(現:JTO)でデビューし、200cmの身長を武器に活躍して話題をさらう。全日本にも石川修司のパートナーとして継続参戦を続けてきたが、自ら入団を直訴して今年3月に全日本所属に。現在は20代の未来ある選手たちが集ったユニット【ELPIDA】の中核を担っている。
この日は全日本プロレス旗揚げ52周年記念日ということもあり、青柳はPWF&インターナショナル&UNの3本のベルトを持って入場。現在の三冠ヘビー級王座はベルトが1本に統合されているため、かつてのベルトの一夜限りの復活にオールドファンは大いに沸いた。
試合は序盤から場外戦が勃発し、青柳が左足首を痛めて自力で起き上がれないほどのダメージを負ってしまう。
これを勝機と見た綾部はガンガン攻め続けるが、綾部が攻め疲れを起こした瞬間に青柳が突然元気に動き始めて一気に逆転。足の負傷はブラフであったことが発覚する。
青柳は首へのダメージを集中させつつ胴絞めフロントネックロックやエンドゲーム(※ハンマーロック+フロントネックロック)などのサブミッションで攻め立てていくが、綾部はアイアン・メイデン(※変形ドラゴン・スリーパー)やドラゴン・スープレックス・ホールドなどで猛攻。
綾部が必殺のデス・ルーレット(※旋回式みちのくドライバーII)を狙うが、着地した青柳がラリアットから北原光騎さん直伝のスピンキックを連打。さらにロックスター・バスター(※変形フィッシャーマン・バスター)からTHE FOOL(※旋回式ロックスター・バスター)を決めて3カウントを奪った。
試合後、マイクを取った青柳は「この時期になるとよ、全日本プロレスファンの皆さんは、所属選手が来年契約するかしないかで一喜一憂する時期なんだ。綾部蓮、俺の中で、お前は全日本プロレスに必要な男だ。辞めてくれるなよ。とか言って俺が辞めたらすいません。いやもうこの前ちゃんと契約したんで大丈夫ですよ。どうせ俺なんか、どこも呼んでくんねーからさ」と青柳らしい卑屈かつファン心理をピンポイントに突くマイクで観衆を沸かせる。
そこへ、デイビーボーイ・スミスJr.が登場し「アオヤギ、今夜の大勝利を祝福したい。だが俺がここに来たのは祝いに来ただけではない。その大切なレガシーを取りに来た。ジョニー・スミス、ダイナマイト・キッド、私の父デイビーボーイ・スミス、その3人ができなかったことを私がやろう。三冠ヘビー級王者に俺がなる!」と宣戦布告。今月末から始まる北海道シリーズでスミスを迎撃することを宣言した。
その後は「今日で全日本プロレス、53周年目に突入しました。僕は今年でキャリア10年。全日本プロレスの年齢でいったら、5分の1も所属していません。でも、これからどんどん過去の偉人たちに負けないような全日本プロレスを、過去以上の輝きを、この全日本プロレスに復活させます。そのためには!今日ご来場の皆さん、そしてこれなかった全日本プロレスTVにいる皆さん、その皆さんの力が必要です。どうか、53年目も青柳優馬に、全日本プロレスに力を貸してください。明るく、楽しく、激しく、そして、卑屈に、最低に、陰湿に盛り上げていきます!」とファンへ青柳らしいワードチョイスでのメッセージを送った。