映画『家出レスラー』は現実とフィクションの狭間を攻めた作品に!「とある事件ととある事件を足してこの事件に」「この先輩とこの同期を合わせてレスラーを作った」
9日、映画『家出レスラー』完成披露試写会が上野・飛行船シアターにて行われた。
STARDOMに所属する“女子プロレスのアイコン”岩谷麻優の自伝『引きこもりでポンコツだった私が女子プロレスのアイコンになるまで』が実写映画化されることが発表されたのが2022年。それから主演オーディションが行われ、ミスインターナショナル日本代表候補や元NMB48などを退け、木村昴が座長を務める天才劇団バカバッカの平井杏奈さんが岩谷麻優役に決定した。
さらにロッシー小川をモチーフとしたグッシー小串役に竹中直人さん、同期のレスラー・東子役に木村有希(ゆきぽよ)さん、関係者役に有田哲平さん、古坂大魔王さん、レイザーラモンHG&RGなどが決定。
レスラーも、風香モチーフの流香役に向後桃が、ライバルの花月モチーフの羅月役に朱里が、その他KAIRI(カイリ・セイン)や天山広吉なども出演している。
2年の時を経てついにクランクアップし、5月17日より全国の映画館にて上映が開始される。この日は全国公開に先駆けて関係者への完成披露試写会が行われた。
105分の映画に岩谷の涙あり笑いありの人生が詰め込まれており、レスラー名や立場など一部フィクションがありながらもかつてリングで見た光景やその背景が描かれていた。
筆者としては向後桃演じる流香が喋り方や表情、指導の仕方まで風香によく似せており、この映画のもう一人のMVPとして拍手を贈りたい気持ちだ。
上映後には出演した平井杏奈さん、木村有希(ゆきぽよ)さん、中本大賀さん、竹若元博(バッファロー五郎)さん、岩谷麻優、朱里、向後桃、岡田太郎社長、製作総指揮を務めた木谷高明ブシロードCEOが登壇。
撮影当時はこの映画のプロデューサーであった岡田社長は「映画を作っていた時期は自分もブシロードの人間としてどれだけスターダムを愛して一番頑張って一番スターダムを理解してどう映画のスタイルをどう役者さんに伝えるかを意識していたんですが、今となってはスターダムの社長になり実際にスターダムを見ることになった。自分の立ち場が変わったのが衝撃だったし、その中で最近プロレスを見ている方だったらスターダムに起こった最近のことっていうのはご存知だと思いますが、全ては繋がってるなと。どんな選択をしても自由というか、それをどう正解に導いていくかというか、どう自分の人生に結びつけていくかということなので、この映画で起こっている事も現実で起こっていることも、もちろん現実だったりフィクションだったり色々ありますけど、今回は岩谷麻優さんの半生をこう表したし、そうじゃない周りのレスラーにも人生やストーリーがあるので、是非皆様を追いかけていただければその魅力は伝わるし、この映画の魅力はイコールプロレスの魅力でもあるので、それを見ていただければその人達にとって興味を持ってもらえたらプロレス見に行こうってなると思うので、そこが映画の魅力イコールスターダムの魅力イコールプロレスの魅力であるということを丁寧に伝えたいと思っておりますし感じていただきたいと思っております」とメッセージ。
さらに映画化にあたってスターダムに起きた色々な事件に触れることになったが「僕らは真実とか裏側とか色んな人の見方があるので、これを岩谷麻優さんの人生にどういう影響を与えたかっていう事に絞って表現しました。なので、とある事件ととある事件を足してこの事件にしましたとか、出演者のレスラーもこの先輩とこの同期を合わせてこういうレスラーを作りました。東子vs巨瀬川の事件というか、映画の中で事件になったことっていうのは気を使いましたね」と答え、フィクションと現実の狭間のバランスをとった作品となっている。
岩谷も「この映画ほんとに楽しんでいただけるかすごい緊張感あるんですけど、ほんとにみんなが力こめて精一杯頑張ってくれたので、この映像見たあとだと胸張っていい映画ができたと思いますのでもっと沢山の人にこれから見てもらいたいと思います」と笑顔でコメントした。
映画『家出レスラー』公開まで残り一週間。長くスターダムを見ている人ほど心にくる作品になっているので、是非早めに会場に足を運んでほしい
(C)映画『家出レスラー』製作委員会/World Wonder Ring STARDOM