長野じゅりあが“同志”宮本もかとのラストマッチで東京女子を卒業し、プロレスを引退! 「私のなかでかけがえのない2年ちょっとになりました」
東京女子プロレスが4月13日、東京・北沢タウンホールで『TJPW LIVE TOUR 2024 SPRING』を開催した。元空手世界王者の長野じゅりあが芸能活動に力を入れるため、今大会をもって卒業。2年1ヵ月にわたるプロレスラー生活に幕を閉じた。
長野は女優、タレント、看護師、Tik Tokerなどマルチに活動。CyberFight高木三四郎社長にスカウトされ、2022年3月19日の東京・両国国技館でプロレスデビュー。後に「真拳空勝(しんけんくうしょう)」と命名された宮本もかとの空手タッグで活躍。今年2月24日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で鳥喰かやを破り、悲願のシングル初勝利をマーク。昨年10月27日の後楽園ホールでは宮本とのコンビでプリンセスタッグ王座(当時の王者は乃蒼ヒカリ&角田奈穂)に、今年2月10日の後楽園では荒井優希(SKE48)の持つインターナショナル・プリンセス王座に挑むも、いずれも惜敗。目標に掲げていたタイトル奪取はならなかったが、果敢なファイトぶりで“記憶”に残る選手だった。
この日、長野は1日2試合に出場。まず第1試合で、宮本、鳥喰と組み、愛野ユキ、原宿ぽむ、鈴木志乃組と対戦。鈴木を捕獲した長野はブラジリアンキックから旋風脚を決めて3カウントを奪って勝利。
そして、メインイベントではパートナーの宮本と一騎打ち。長野はあらゆる角度からの蹴りで攻めていき、腕固めで絞り上げる。耐えた宮本は羅生門で逆襲。ピンチを脱した長野はブラジリアンキックから旋風脚を狙うも、かわした宮本がゼロ戦キック。その後、両者、壮絶な手刀の打ち合いに。長野の旋風脚を回避した宮本が突き、ゼロ戦キックから鴻臚館(こうろかん)をさく裂させて勝負を決めた。
宮本は「自分のプロレス人生にとって、大きな存在の人だったので、卒業、引退するのはすごく寂しい。ホントは卒業してほしくないって思っちゃうんですけど。じゅりあさんのこれからの未来、幸運を祈ってます。東京女子プロレスに入ってくれてありがとうございました」と涙。
ここで選手を代表して、鈴芽と遠藤有栖から記念の色紙が、愛野ユキから花束が贈られた。長野は「笑顔であいさつしたかったんですけど、ちょっと感情がコントロールできなくて…。フル参戦できなかったっていうのは、引っ掛かりはあったんですけど。皆さんが温かく迎えてくださって。先輩方、後輩とかもたくさん話しかけてくれて。こんな素敵な団体に来れて、私のなかでかけがえのない2年ちょっとになりました。東京女子がホントに大好きになりました。これから私はファンとして東京女子を応援していきます」とあいさつ。最後は所属全選手と握手、抱擁を交わしてリングを降りた。
バックステージで長野は「プロレスの厳しさとか痛さとか痛感したんですけど、すごくプロレスが楽しくて。お客さんも温かいですし、先輩たちもやさしくて。後輩とかも和気あいあいとお話することができて。素敵な空間に来れたと思ってます。2年ちょっとの間で、私の人生ですごくプラスになりましたし、今後も死ぬまで活きていくと思います」と話した。印象に残っている試合について「いっぱいあるんですけど、最後のもかさんとの試合って、2人で積み上げてきたものがあるんで。一番印象に残ってます」としみじみと噛みしめていた。「後悔はない?」と問われると、しばし言葉に詰まり「やり残したことはあります。もっと勝ちたかったし、悔しい思いもいっぱいしたし。まだやりたいって気持ちもあるけど、自分の決めた道だし、ここまで全力で突っ走ってこれたので、ないです!って言っときます」と最後は笑顔を見せた。