先天性の病気で無念の引退も第二のプロレス人生がスタート!148cmの小柄女子が2m級の大巨人たちに厳格レフェリング!

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 18日、東京都・新木場1stRINGにて『Evolution新木場大会 #11』が開催。昨年10月にプロレスラーを引退したサニーがレフェリーデビューを果たした。

 昨年3月に生え抜き選手3名とともに旗揚げしたEvolution(通称:Evo女)。全日本プロレスとは資本的な繋がりはないものの業務提携はしており、諏訪魔&石川修司がプロデューサー&コーチを務めて女子選手を育成してきた。
 みっちりと基礎を固めてからデビューしたZONES(ぞねす)、Chi Chi(ちーちー)は全女時代から生きるベテランたちからも高い評価を受けており、デビュー1年目にして他団体に引っ張りだこ。Chi Chiは数多の強豪を下して夏すみれから“Yシャツクイーン”の座を禅譲され、ZONESはセンダイガールズ主催の新人トーナメント『じゃじゃ馬トーナメント』で優勝を果たすなど新興団体にも関わらず女子プロレス界で確かな存在感を発揮している。

 昨年10月に初期メンの1人であったサニーが先天性の脊柱管狭窄症が発覚し引退したことで所属選手が2人になってしまったEvo女だったが、今年1月大会で第4の生え抜き・ソイがデビュー。
 ソイはデビュー後には「お師匠の諏訪魔さんと石川さんの間に生まれたバケモノの子になりたい!」と号泣しながら熱い想いを叫んでおり、“王道”の魂はEvolutionの新人にまで浸透している様子だ。

 石川が今年1月末付で全日本を退団したことで業界が騒然としたが、Evo女では翌2月1日付で石川をEvo女のゼネラルマネージャー(GM)就任を発表。選手としてはフリーランスとして活動し、Evo女では他団体の折衝などを含めたプロレス界との渉外を担当するなど重要人物として残留する形となった。

 石川GMが就任直後に発表したのは、サニーのレフェリーデビュー。
 サニーは「石川GMよりゴリ押しでお願いされまして(笑)」と冗談めかして語っていたが、選手引退後も裏方としてEvo女に残留して縁の下で仲間たちを支え続けていたサニーが形は違えど再び表舞台に立つことにはファンから多くの祝福の声が寄せられていた。


 サニーのレフェリーデビュー戦は、石川修司&ブラックめんそーれvs佐藤耕平&SUSHIという男子のタッグマッチ。
 2m級の大型男子が大暴れするリング内でもサニーは現役時の動きすら感じさせる運動量で縦横無尽に躍動。師匠の石川相手にも怯まず堂々と反則を咎め、必要とあらば荒々しいファイトも辞さない耕平がたじたじになって「厳しいなあ……」とぼやくほどの厳格なレフェリングを見せる。
 試合終盤のめんそーれとSUSHIの激しい丸め込みの応酬にもしっかりと対応してカウントを叩き切り、レフェリーとしての初仕事を終えた。

 大会エンディングには石川がGMとしてリングに上がり、「来月のEvolution1周年大会のメインカードは、ZONESvsChi Chiで。やっぱり、1年間闘ってきた2人がメインを闘ってほしいと思うんで。それで、レフェリーはサニーにやってもらおうと思います」とその場でカード発表。Evo女の初期メン3人が再びリング上で並び立つこととなった。

 大会終了後、サニーのレフェリーデビューについて聞かれたChi Chiは「サニーは去年はちょっと明るく振る舞ってるつもりだったと思うんです。でも、私から見れば、やっぱり落ち込んでたのかなと。『私は裏方だから表に出ないようにする』っていう姿勢が強すぎて、もっと出てもいいのになと思ってました。レフェリーデビューが決まって、本人も違う形ですけど好きなリングに立てるって喜んでたのかなと。SNSとかもまた再開してくれて、今積極的にEvolutionのプロモーション活動にも積極的になってくれて。そういうところで気持ちの変化があったのかなと。そういうのが見れて、自分もすごく嬉しいです」と穏やかな表情で語った。

 引退後のレスラーは、極端にプロレスを忌避するようになったり、一生プロレスに囚われながら真の“引退”を出来ずに残りの人生を悶々と過ごしたりとポジティブにプロレスと向き合えないケースも多くあるという。
 サニーは引退時に「幸せって、無いものを得ることよりも有るものに気付くことだと思います」という言葉を残した。プロレスを愛し続けた上でレフェリーやスタッフという形で大好きな団体や仲間たちを支え続けることが出来るサニーは、既に得ていたものに改めて気付くことが出来たのかもしれない。

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