「ジャイアント馬場さんは天国からこの事態をどう見るか」アントニオ猪木さん遺族&IGFが中嶋勝彦の掲げる『闘魂スタイル』への警告書の見解を発表
15日、アントニオ猪木さん関連の商標を管理する株式会社猪木元気工場(IGF)より、『闘魂スタイル』を掲げる中嶋勝彦および全日本プロレスへの警告書が発表された。
中嶋は2002年にWJプロレスから当時史上最年少であった15歳9ヶ月でプロレスラーデビュー。その後は佐々木健介に師事して健介オフィスおよびダイヤモンド・リングで活動し、2008年からNOAHに参戦。2015年にNOAH所属となってからは2度のGHCヘビー級王座戴冠や史上初のN-1 VICTORY二連覇を達成するなど団体の中核を担う選手となった。
しかし、中嶋は昨年9月末を以て突然のNOAH退団。フリーとなってからは全日本プロレスへと殴り込みをかけ、11月には青柳優馬を制して三冠ヘビー級王座を戴冠。NXTからの刺客である“ウィリアム・リーガルの息子”チャーリー・デンプシーからも防衛を果たしNXT進出を叫ぶなど、全日本で頂点を極めているばかりか世界も視野に入れている。
全日本に上陸した中嶋は突然『闘魂スタイル』を自称し、昨年末の三冠王座戦では“過激な仕掛け人”新間寿を帯同し『アリ・ボンバイエ』で入場。勝利した後には全日本プロレスのリングで「1.2.3.ダァー!」を叫び、炎のファイターで帰って行くなどNOAH時代を知るファンからは不安な声が聞こえてくる行動を見せていた。
そして、全日本プロレス株式会社は『闘魂スタイル』を商標登録。
これについて猪木さんサイドの関与についての公式発表は無かったが、アントニオ猪木さんの遺族および『闘魂』『1!2!3!ダァー!』などの猪木さん関連の商標権を管理している株式会社猪木元気工場が遺憾の意を発表。
1月末付で猪木元気工場から全日本プロレスおよび中嶋個人へ宛てての警告書が送付されていたとのことだが、その文面が15日に公開された。
同社から発表された警告書の見解では、「猪木家遺族、弊社スタッフに対して、全日本プロレス及び中嶋勝彦選手より弊社管理の商標使用、アントニオ猪木を模倣するような言動をするにあたっての確認連絡は一切ございませんでした。弊社と全日本プロレスの関係の中で実施したものだ、という誤った認識を持たれる方がおりますが事実として連絡は一切ございません」と猪木さんサイドの関与を否定。
さらに、「商標の使用、アントニオ猪木の模倣も寝耳に水であるならば、全日本プロレスにおいて『闘魂スタイル』なる言葉の商標登録を申請されているという事実にも猪木家、弊社とも大変困惑しております。ご存知のように、全日本プロレスの創始者は、猪木と共にプロレスの黄金期の創ったジャイアント馬場さんです。馬場さんは天国からこの事態をどう見ているでしょうか。弊社といたしましては、今後もアントニオ猪木の商標権等を管理運営する会社として、権利侵害におきましては、適切に対処して参ります」と激しい怒りの伝わる強い言葉を使って全日本および中嶋へ抗議の意を示した。
現状、猪木元気工場からの要求は「全日本プロレス及び中嶋選手におかれましても、興行の場で安易に無断で『1・2・3・ダァーッ』等のパフォーマンスをされることのないよう警告いたします」という行動の是正のみ。
しかし、警告書には「今後もこのようなパフォーマンスが全日本プロレスの興行において繰り返されるということになれば、商標権侵害や不正競争防止法違反(周知な商品表示等の主体の混同惹起)として、差止めや損害賠償を求めていくことになります」と法的措置の可能性も示している。
これを受けた中嶋は、記者会見の場で“リング上で「1・2・3・ダァーッ」のパフォーマンスを行ったこと”については謝罪。その上で「自分は『闘魂』と一度も言ったことがない。『猪木さん』とも僕の口からは一度も言ったことはない。自分の生き様である闘魂スタイルを今後使うなと言われて非常に困惑している」という論旨の発言を残している。
その後は赤い闘魂タオルを身につけるのを止め、服装を星条旗柄に変えるなどの対応を行った。
“場外戦”に巻き込まれてしまった中嶋は今後どのようなスタイルを見せるべきなのか。迷わず行けばわかるかもしれない。