能登半島地震と亡き師匠への思いを叫んだ田村男児が世界ジュニア王座初防衛!「僕らはプロレスラー。試合をして勇気を与えたい」

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 2日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『新春ジャイアントシリーズ2024』が開催。田村男児が佐藤光留を下して世界ジュニアヘビー級王座の初防衛に成功した。

 男児は2019年1月2日に全日本生え抜きの新人としてデビュー。2020年にはあすなろ杯で優勝を果たすも、その後はシングルで目立った戦績は無し。
 同年代の青柳亮生、ライジングHAYATO、大森北斗らに次々とスポットライトが当たっていく中でも男児は腐らず研鑽を続け、佐藤光留とともにジュニアタッグリーグ優勝。さらにアジアタッグ王座やUNタッグ王座を戴冠などタッグ戦線で結果を出すことが出来るようになっていった。
 そんな中、昨年12月にはジュニアのシングルリーグ戦で優勝を果たし世界ジュニア王座への挑戦権を獲得。大晦日には不動の王者となりつつあったGLEATのエル・リンダマンを撃破してジュニアの至宝を全日本に取り戻した。

 王座戴冠から2日後となるこの日、男児が初防衛戦の相手として迎え撃ったのは兄貴分である佐藤光留。全日本ジュニアを長年支え続けてきた屋台骨たる光留を超えることは、これから全日本を背負っていく男児にとって避けては通れない試練だ。


 試合は無骨なエルボー合戦に始まり、中盤まで小細工なしの殴り合いで真っ向勝負。敢えて避けずに互いのビンタを顔面で受けあっていく意地の張り合いには大歓声が起きる。
 光留は男児の腕に狙いを定め、腕へのミドルキック連打から隙あらば腕十字を狙っていくサブミッション攻勢。しかし、男児は光留のキムラロックをぶっこ抜いてデスバレーボムで叩きつける力技で反撃の狼煙を上げ、光留の延髄斬りを受けても倒れず怒涛のラリアット連打。それでもなお肩を上げる光留に対し、男児はデビュー時から使い続ける逆エビ固めを決め、これでギブアップを奪った。

 マイクを取った男児は、「僕はこの1月2日後楽園ホールでデビューしました。その時の対戦相手が、佐藤光留&青木篤志組でした。あの時のことは今でも思い出します。何もできなくて緊張しきった、デビュー戦でした。でもこうやって、デビュー戦の相手と、この1月2日で、世界ジュニアの防衛戦できたこととても嬉しいです。願わくば、ほんとは、青木さんともやりたかったです。けど、そんなたられば今通用しないんで、今をちゃんと生きます」と、2019年6月に帰らぬ人となった師匠・青木篤志さんの名を挙げながら思いを吐露。

 そして、「昨日、能登半島で大きな地震がありました。僕は何をすればいいのか考えましたけど、僕らはプロレスラーなので、試合をして勇気を与えたいと思います。色々変わっていく時代ですが、僕たち選手たちは、明るく楽しく激しくを2024年もやっていきます!だから安心してください」と力強い言葉で締めた。

 その後、バックステージに戻った男児は、次期挑戦者に岩本煌史を指名。
 岩本は男児がデビューから1度も勝てていない相手であり、直近でもシングルリーグ戦で敗れている。さらに岩本は男児の入門時には幾度も世界ジュニア王座を戴冠していたかつての全日本ジュニアの象徴の1人。男児にとって超えなければならない壁の1人だ。
 若き生え抜き王者が描いていく全日本ジュニアの未来をこれからも見守っていきたい。

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