小島聡が第三世代の思いを背負って急遽王座挑戦も戴冠ならず!ザック・セイバーJr.は「精神を糧とする日本のプロレスに多くの尊敬すべきことを学んだ」
9日、東京都・後楽園ホールにて新日本プロレス『カンタン酢 Presents Road to DESTRUCTION』が開催。ザック・セイバーJr.が小島聡を下してNJPW WORLD認定TV王座の14度目に成功した。
NJPW WORLD認定TV王座とは、長年新日本プロレスを中継してきたテレビ朝日の提案によって企画された新日本で6本目のシングル王座のベルト。
今年1月に初代王者決定トーナメントを制したザック・セイバーJr.は国内外で幅広く防衛戦を行いV13を達成(※国内で5回、国外で8回)。名前こそ冠していないものの、本来の意味で一番“IWGP”の思想に近いベルトになりつつある。
ザックは8日の後楽園ホール大会でボルチン・オレッグの挑戦を受けるはずであったが、ボルチンが体調不良のため欠場に。当日になって急遽NOAHに遠征中だった大岩陵平が清宮海斗を伴って凱旋し王座に挑戦。大岩を下して防衛に成功したザックは清宮と睨み合って“NEXT”を期待させる。
しかし、ザックはバックステージでコメントを出している最中、トイレに行くために偶然通りがかった小島聡を次期挑戦者に指名。漏らしそうで焦っている小島に有無を言わさず話を飲ませるなど、最高のエンターテイナーぶりを発揮している。
ザックと小島のNJPW WORLD認定TV戦は第5試合で実施。この日のメインイベントでは天山広吉&真壁刀義&タイガーマスクがNEVER6人タッグ王座に挑戦することもあり、第三世代への熱い注目が集まる大会となった。
試合が始まると、会場が大・小島コールに包まれる中で小島の大胸筋が躍動。天山を思わせるヘッドバッドを叩き込み場外戦でも小島が圧倒していくが、ザックは一瞬の隙を突いて右腕への一点集中攻撃。小島のラリアットを封じにかかる。
小島は敢えて痛む右腕でエルボーを放っていく意地を見せ、マシンガンチョップ。さらにエプロン上の攻防では中西学を思わせるマッケンローを放って見せる。さらにコジコジカッターを狙うが、ザックが空中で腕を取って腕十字。さらに体重をかけながら腕固めで絞り上げるも小島はなんとかブレイク。
小島は折れずにエルボー連打からコジコジカッター。サポーターを投げ捨ててラリアットを発射も、ザックがフロントハイキックで撃ち落としまさかのラリアット連打。小島は真っ向からこれを受け止めていき、カウンターのラリアットでザックをダウンさせる。
小島はさらにラリアットをヒットさせ久々に繰り出すCCD。さらにラリアットを放つが、ザックが飛びつき腕十字。さらに三角絞めから腕固めに捕らえると小島がたまらずタップアウト。
14度目に成功したザックは、去っていく小島に深々と一礼。対戦相手へのリスペクトを忘れない英国紳士ぶりを見せた。
バックステージに戻ったザックは「コジマサン、スゴイヨ。スゴイ、ホントニ。ナンネン?カレハ、ナンネン?30ネン? スゴイヨ。タブン、コジマサンガ、イチバンイタイ」とアゴの痛みに耐えながら日本語で小島を称える。
そして、「俺は12歳の時から日本のプロレスのファンだった。多くの尊敬すべきことを学んだ。日本のプロレスは精神を糧とする。皆が例外なく、同じ闘魂を見せつける。あの闘魂だ。30年経っても、変わらず王座戦に勝ち、トーナメントに勝ち、若手のための革命的な新しい王座に挑戦する。俺はあの姿勢が好きだ。でも彼の時代は終わった。TMDKの時代だ」と胸中を語った。
一方、小島は「降って湧いた挑戦権だけど、俺にとっては降って湧いてるわけではなくて、地道にここまでやってきた結果だと思ってるよ。いろんな偶然が重なって今日みたいな日を、また、迎えることができた。俺にとって、2023年は本当に特別な年になるかもしれない。このままいけば。しんどいけど、だけど、今日までこうやって生きてる。そして、明日からも! 生きてく。それが小島聡のプロレスラーとしての生き方です」と語り、早速小島らしく前を向いた。