山下実優が上福ゆきとの激闘制し「東京プリンセスカップ」涙の初制覇!10・9東京たま未来メッセで瑞希の持つプリプリ王座に挑戦へ

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 東京女子プロレスが8月13日、東京・後楽園ホールで夏の最強決定シングルトーナメント「第10回東京プリンセスカップ」決勝戦を開催した。山下実優が“伏兵”上福ゆきを下して、涙の初制覇を果たした。山下は10月9日、東京たま未来メッセで、瑞希が保持するプリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦する。

 団体旗揚げ当初から、“エース”と呼ばれ、プリプリ王座を3度も戴冠した山下だが、なぜかトーナメント優勝には縁がなく、いつしか「トーナメントは苦手」と言われるようになっていた。だが、“10度目の正直”を期した山下は並々ならぬ決意で今トーナメントに臨んだ。1回戦でプリプリ王者の瑞希に勝利した山下は、準々決勝で宮本もか、前日の準決勝では荒井優希(SKE48)を破り、初めて決勝にコマを進めた。上福は準決勝でインターナショナル・プリンセス王者の辰巳リカを倒す番狂わせを演じ、決勝に進出した。

 いきなり、上福はドロップキックで奇襲をかけ、エルボー連打で先制。山下はミドルキック連発で応戦し、ラリアット、コブラクラッチで攻撃。負けじと上福も前日に初公開したリバース・フェイマサーを繰り出し、コーナーに上ると、山下とエルボー合戦に。上福は蹴り飛ばすも、山下はハイキックから雪崩式アティテュード・アジャストメント。上福はドロップキック、雪崩式ブレーンバスターで反撃し、チョップの乱れ打ちも、山下はミドルキックの連発。上福は卍固め、フェイマサー、ブレーンバスターもカウントは2。走り込んでのフェイマサーを狙うも、山下はハイキックで阻止。さらに、山下は投げ捨てジャーマン、リターンクラッシュ、必殺のSkull Kickを見舞うも、上福の長い足がロープにかかる。山下は後頭部にヒザを叩き込み、ハイキックからクラッシュ・ラビットヒートを決めて3カウントを奪取。試合後、山下は歓喜の涙を、上福は悔し涙を流した。

 マイクを持った山下は「10年目ですよ。やっと獲れました! メチャクチャうれしい。一瞬このうれしさに浸りつつ、私にはこの先の野望があるから」と言い、瑞希を呼び出した。瑞希がリングインすると、山下は「10度目の正直だったから、絶対獲りたい思いはあったけど、それ以上に瑞希が持つベルトに挑戦したい気持ちがあって。瑞希がそのベルトを獲った瞬間から、いつか絶対獲りたいと思ってて。こうしてトーナメント獲って、今なら胸張って、挑戦したいと思います」とアピール。

 これを受け、瑞希は「瑞希がベルト獲ったときから、そんな風に思ってたって。瑞希のこと、好きやな。いつもならイヤやと思うし、絶対試合なんか2度としたくない。だけど1回戦で負けて、すごく悔しくて、優勝してくれてありがとう。私が歩んできたプロレス人生と、みぃちゃんの歩んできたプロレス人生は真逆だと思うけど、尊敬してるし、自分が歩んできた道も自信をもってます。だから、瑞希のことが大好きなみぃちゃんと、東京たま未来メッセで、このベルトをかけて戦ってください」と受諾も、山下からの握手はやんわり拒んだ。大会終了後、東京たま未来メッセでの王座戦が決まったことが発表された。

 バックステージで山下は「10年越しにトーナメントを獲れた私をほめてあげたい。でもすぐ切り替えます。10月まで時間がない。1回戦で瑞希に勝ってますけど、私のなかではまぐれなところがあるんで。しっかり瑞希に勝ってベルトを持ちたい。瑞希が持つベルトがメチャクチャ魅力的に感じて。だからこそ、瑞希が持った瞬間、いつか挑戦したいと思ってて。そのために確かな形がないと瑞希の前に立てないと思ったので」と笑み。決勝を戦った上福に対しては「デビューのときから変わらず、上福のスタイルで勝ちにこだわって。その結果が決勝まで来れたと思ってて。悔しいと思うけど、私からしたらすごいヤツだと思ったし。もっと強くなるだろうと思ったし。決勝で戦えてよかった。上福を倒してこのトロフィーを獲れて力になります」と健闘した上福を称えた。

 惜しくも優勝ならなかった上福は「自分が持ってる知恵を使って、倒したいと思ってた。照れくさくて言えなかったけど、本当はもっと頑張りたいなと思ったし、何かを続けることで何かができるというのを伝えたいと思ったんですけど。それだけじゃ勝つことや一番になる、ベルトを獲るにはまだ気持ち的に弱かったのかな。自分のなかでベルトを持ってようがなかろうが、山下実優という人が、自分が知ってるレスラーで一番強いと思ってたんで。その人に本気でかかってこられたからよかったって、ポジティブな気持ちがある」と話した。

 山下を迎え撃つ瑞希は「みぃちゃんがメッチャ、イヤなんですけど。今回1回戦で負けていたので、優勝してくれてありがとうと思ったし、ここぞというときの山下実優は強いと感じています。だけど自分にも自信はついてきているので、(過去の)勝敗で言ったら五分五分だと思うんです。だから真っ向勝負で頑張ります。バケモノ退治します」と返り討ちを誓った。

 また、マジカルシュガーラビッツ(瑞希、坂崎ユカ)の王座返上により空位になっていたプリンセスタッグ王座の新王者決定戦が、東京たま未来メッセ大会で実施されることが決定。同大会では伊藤麻希vsナイラ・ローズ(AEW)のスペシャルシングルマッチも行われる。さらに、12月14日、米カリフォルニア州ロサンゼルス・グローブシアターで、東京女子と米国の団体PRESTIGEによる合同興行「COMBAT PRINCESS USA」が開催されることも決まった。東京女子からは瑞希、辰巳、山下、伊藤ら数名が出場する。

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