女子プロレスマガジン リレーコラムSEASON2 『#2 KIBA~36年間活動中のヘビーメタルバンド~』

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女子プロレスマガジン・リレーコラムをご覧のみなさん、初めまして! Gargoyle(ガーゴイル)というバンドでボーカルをしているKIBAです!……って「誰、お前?」でしょ?
「え? 女子プロレスラーじゃないのかよ。って言うか、女子ですら無いし」だよね。まずは自己紹介させて下さい。

Gargoyleは1987年結成、激しめのヘビーメタルな楽曲を中心としたバンドです。写真でお気付きかもしれませんけど、ヘビメタらしからぬ格好をしてますし、ヘビメタらしからぬことをよくやってる気もしますが、音楽のジャンル的にはヘビメタということになっています。Gargoyleは、この36年間一度も解散や活動停止をすることなく活動を続けていて、ライヴは約1.500本、CDなど音源も数多く販売しています。ざっくりした説明だとそんな感じですかね。
たぶんですけど、気の利いたヘビメタ好きなら普通知ってるんじゃないかなってくらいの存在な気がします。ただ、ヘビーメタル自体が日本ではアンダーグラウンドな面もあるジャンルなので、「誰、お前?」と思った方は、それで全然正解です。むしろヘビメタを聴かずに生きてらして、きっとまともな人生なんだろうなって気もするんで、そのまま生きて下さい。

そんな僕と女子プロレスについて、今回は書かせて頂きます。こんな機会はあまり無いだろうし、長くなるかもですけど、思いついたままにあれこれ書いてみます。

元々僕は男性のプロレスが好きで、中学生辺りから会場に行ったりテレビで観たりしていてました。会場まで行くようになったのは、世代的に初代タイガーマスクがきっかけ。男性のプロレスは、その後、UWF→U系3派→総合格闘技と移行して…そういや最近はほとんど観てないな。
その中の「U系3派」にRINGSという団体があり旗揚げからWOWOWで放映していたんですけど、同じWOWOWで放映していたJWPを観るようになったのが、女子プロレスを見始めたきっかけです。当時週プロ・週刊ゴング・週刊ファイトの3つを毎週買っていたので、女子プロの存在自体は知っていましたけど。

JWPの観戦はWOWOWが主で、時々会場にも行くくらいでしたが、女子プロレスのオールスター戦を当時やっていたでしょ。それはほぼ会場に行ってたと思います。初回の女子プロオールスター戦の時は、終わると終電が無くなってましたよね。東スポ一面に「終電が無くなり帰れなくなった人々」みたいな小さな写真が載ったんですけど、その隅に写っていて。おそらくそれが僕の人生最初で最後の新聞一面だろうな。「貴重な機会をありがとう、長かった初回オールスター戦!」です。
その日は、長与千種選手が確か映画の宣伝か何かで、復活されたんですよね。昔からのファンなんだろうなって方達が客席でペンライトを振っているのに感動して泣きそうにもなりましたが、いちばんすごいなと思ったのは長与選手が花道を歩いて出てくる姿でした。歩いてるだけでカリスマ性が溢れていて「あぁ、この人は男子でいうと猪木馬場クラスなんだ」って歩いて入場する姿だけで納得させられて、その後試合が観れました。
長与選手と言えばですけど、ちょうどその頃Eテレの子供番組「天才てれびくん」で、長与選手のライバルだったダンプ松本さんとドラマをやらせて頂いていたんですよね。確か僕はドラキュラ役で、ダンプさんは僕のことが好きな女の子で、僕を追いかけまわすみたいなコメディでした(このTVのドラマには何度も出してもらいましたが、一度も人間の役は無し…さすがヘビメタ!)。

当時はオールスター戦を観にも行っていたので、女子プロの昔のお話を聴かせてもらったり、時には少しだけ裏話みたいなのも教えてもらったりして、その頃は色々なところで女子プロを楽しんでました。

ただ、オールスター戦が落ち着いた後くらいから、何となく女子プロレスと触れ合う機会があまり無くなっていったんです。僕自身がちょうど総合格闘技に熱中し始めた頃でもありましたし。
そんなある日、世志琥選手が総合格闘技に出た映像を観る機会があったんです。それでGargoyleのライヴ写真を撮って下さってる方が女子プロレスもやってられたので「世志琥選手は元々何の格闘技をやってたの?」って訊いたんです。すると「何もやっていなかったらしいですよ」と教えてもらい、まずは世志琥選手に俄然興味が湧いてきました。

男性でもプロレスラーの方が総合格闘技に出られる場合は、(U系以外)ほとんどが元々アマチュアなどで格闘技をやってらした選手です。女子プロレスラーの方も、それまで僕が印象的だった総合と言えば、藪下めぐみ選手がグンダレンコとやった試合でしたし(古くてすみません)。いまさらですけど、格闘技とプロレスは遠目に見ると似ているけど、全然違う競技です。なので、バックボーンとして格闘技をやっている選手が出るのが普通。なのに、他の格闘技経験が無くプロレスだけで総合に出た世志琥選手ってすごいな、これ最初に好きなった頃に思い描いていたプロレスラーの姿やんって、感動したんです。子供の頃の僕が勝手にプロレスラーに描いた幻想に、世志琥選手が応えてくれた気がして。

お陰で、久し振りに女子プロレスにも興味が湧いてきました。そこからSEAdLINNNG を観に行くようになったんです。世志琥選手もGargoyleのライヴに来て下さったりして、嬉しかったですし。ちなみに、その際ご本人にもうかがいましたが、やはりプロレス以外は何もやってらっしゃらないとのことでした。しかも、笑いながら「え、何もやってませんよ」くらいに軽く答えて下さり、格好良いな~って。
SEAdLINNNGは所属選手が少ないから、観に行くうちに他の様々な選手のことも知れたりもしました。あと最近の事情は「女子プロレスマガジン」で知ったりして。ただ、それも世志琥選手が試合に出られなくなってから、何となく女子プロを観に行く機会がまた無くなってしまって。

ところが、昨年からまた女子プロレスに関わる機会が、偶然出来たんです。しかも、これまでの観戦とは全然違う形で。
僕が普段好きでやっていることに「パチスロ」というのがあります。パチンコ屋さんにあるスロットマシンです。これも知らなかった方がいらっしゃると思いますが、こっちも知らないのは正しく良い人生だと思うので、むしろそのまま生きていって正解です。
そのパチスロに「ハナハナ」シリーズという機種があり、僕は好きが高じてハナハナで流れる歌を作り歌わせて頂いています。そしてハナハナを作っている会社パイオニアが、昨年からOZアカデミーさんの大会を主催されるようになったんです。主催大会にはパチスロ機にちなんだ「マスク・ド・ハナハナ選手」が出場され、パチスロで流れる歌を入場の際に会場で歌わせて頂くようになりました。

プロレスの入場曲を歌えたのはもちろん嬉しかったですし、搬入やらリング設営やら色んなことが見れて、どれもめずらしくておもしろかったです。
歌った後には試合も観れる機会がありました。もちろん、試合はどれもおもしろいです。会場で観る迫力や、選手の方の健気さや頑張り、キャラクターもおもしろさや格好良さ…などなど、僕よりもこれを読まれてるみなさんの方が詳しいでしょ? だから、まぁそこは割愛しときますわ。

実は、昨年のそのパイオニア主催OZアカデミー「BATTLE BIG BONUS」沖縄大会の後に、選手の方達と主催会社の方達の食事会に、僕も少しだけご一緒させて頂く機会がありました。その話をしようかなと。
僕は隅っこで眺めていただけですけど、プロレスの大会だけじゃなくて食事会までもがメチャクチャおもしろかったんです! 正直「すげぇな、女子プロレス!」って、食事会でさらに思ったくらい。僕は長くバンドをやってるので、昔のロックバンドの伝説的なハチャメチャな打ち上げみたいなのも、そこそこ経験してきました。そんな僕の目から見ても、あれはすごかった…。
食事会での選手のみなさんは、それぞれがリングで観る選手のキャラクターそのまま……いや、キャラクターがさらにエスカレートした感じで。豪快な方はさらに豪快、可愛い方はさらに可愛く、人の良さそうな方はみんなにすごく優しくて、嫌な感じの人はちゃんと嫌な感じのままで、仕切る人は「そこまで仕切るの?」ってとこまで仕切ったりしていて。試合を観ていて感じてたキャラクターのままに、全員が食事会でも過ごされてたんですよね。みなさんを眺めてるだけで、本当に面白かったです。
あと、お酒の飲み方もみなさん「これぞプロレスラー!」って豪快さでした。「それじゃ昭和の男子プロレスラーの酒豪伝説やん!」って思ったくらい。僕はというと、繰り広げられる風景をただ呆然と観ているしかなかったです。食事会に参加したというより、あれはもうプロレスを観に行った時と同じイチ観客でしたよ。お店の中は一言でいうなら、まさに“カオス”でした。

もしかしたら、食事会に来られてる関係者の方達へのサービスで、あんな風にやられてたのかなと思うこともあります。それか、女子プロレスラーのみなさんは、本当に普段からあの感じなのかもしれません。真相は不明です。おそらくこの先も僕ごときが知ることは無いでしょう。でも、それが良いと思っています。世志琥選手と同じで、僕が勝手に描いていたプロレスラーの普段の姿の幻想に応えて…いや、それよりもすごかったんだから。

さて、そのパイオニア主催OZアカデミー「BATTLE BIG BONUS」大会ですが、今年もあります!
東京は終わってしまいましたけど、今月30日名古屋ダイヤモンドホール、9月17日福岡 西鉄ホール、11月23日沖縄武道館が予定されてます。

あと、僕がやっているGargoyleも今月36周年を迎え、その記念ライヴが渋谷のSpotify O-WESTであります。興味は無いかもですが、同じ女子プロ好きとして…あるいは、正しくない生き方を眺めにでも、ヘビメタに幻想を持ってでもかまわないので、気が向いたら遊びに来て下さいな。あ、近頃のバンドのライヴはだいたいそうですけど配信もあるので、会場はちょっと…って方は、そちらでもどうぞ~。

ではでは、GargoyleのボーカルKIBAでした。

※追伸:男子/女子プロレス・総合と色々見ましたが、自分がされたら嫌だろうなって技の1位は、最初に見た時からずっとJWP福岡晶選手のムーンサルトフットスタンプです。

Gargoyle 36th Anniversary『Maitreya』
日程:2023年7月17日(月・祝)
開場16:00/開演16:30
会場:東京・渋谷 Spotify O-WEST
出演:Gargoyle(sprt:Gt.KOUSUKE / Gt.耕史朗 / Ba.JUN / Dr.たけち)/メトロノーム/UCHUSENTAI:NOIZ/NoGoD/バーベル

■OZアカデミー女子プロレス名古屋大会
『パチスロハナハナプレゼンツ~BATTLE BIG BONUS IN NAGOYA~』
日程:2023年7月30日(日)
開始:12:30
会場:愛知・名古屋市クラブダイアモンドホール

■OZアカデミー女子プロレス福岡大会
『パチスロハナハナプレゼンツ~BATTLE BIG BONUS IN FUKUOKA~』
日程:2023年9月17日(日)
開始:13:00
会場:福岡・西鉄ホール

■OZアカデミー女子プロレス沖縄大会
『パチスロハナハナプレゼンツ~BATTLE BIG BONUS IN OKINAWA~』
日程:2023年11月23日(木・祝)
開始時間未定
会場:沖縄武道館

★女子プロレスマガジンは1~2ヶ月おきに発刊中。日々のニュースはアメブロにて。お取り扱いは試合会場のほか、水道橋・チャンピオン、神保町・書泉グランデ、秋葉原・書泉ブックタワー、書泉オンライン(&楽天市場店)、前橋・リングサーチほか、通信販売も可能です。最新号Vol.57は7月10日より発売中!

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