【会見全文】武尊が初代タイガーマスクから“7代目タイガーマスク”を襲名!「タイガーマスクとして試合をする機会もあればいい」

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 24日、都内某所にて、キックボクサーの武尊が初代タイガーマスクから“7代目タイガーマスク”に任命された。

 武尊はK-1を背負うキックボクサーとして活躍し、K-1 WORLD GP王座3階級制覇など歴史に名を刻んだ選手。昨年6月の『THE MATCH』での那須川天心との試合は世界中から注目を浴びた。
 この試合の翌週には、長年の酷使による身体のダメージやうつ病とパニック障害を告白して無期限療養を発表し、当時保持していたK-1王座を返上。同年11月にはK-1との期限満了に伴う契約解除および所属ジムのKRESTとの契約解除を発表した。その後、フランスでの復帰戦が6月に行われることや、ONE Championshipへの参戦が発表。武尊の格闘家としての“第二章”には大きな注目が集まっていた。

 そんな中、この日は初代タイガーマスクこと佐山聡が武尊を“7代目タイガーマスク”に任命。初代の手から直々に武尊へ7代目のマスクが授与された。
 これにより、初代タイガーマスク(佐山サトル)、2代目タイガーマスク(三沢光晴さん)、3代目タイガーマスク(金本浩二)、4代目タイガーマスク、5代目タイガーマスク(ミノワマン)、タイガーマスクWに次ぐ7人目のタイガーマスクが誕生することとなった。

 武尊は、大のプロレス好きの両親のもとで幼い頃からプロレスに親しみ、中でも初代タイガーに夢中に。試合後のコーナーポストからのパフォーマンスは初代タイガーをオマージュしたものだという。
 武尊と初代タイガーはとある格闘技の会場で出会い、その後『THE MATCH』での天心戦後に傷心していた武尊が食事会で初代タイガーと同席。
 初代タイガーは以前から児童養護施設にランドセルを届けるなどの社会貢献活動を行っており、武尊もまた児童養護施設への訪問やラオスでの教育支援活動に参加。武尊との共通点や武尊の想いを知った初代タイガーは、「この選手なら」と7代目タイガーマスク襲名の話を伝え、武尊もこれを受諾したために今回の話へと及んだ。
 なお、武尊の7代目タイガーマスク襲名は、武尊のプロレスデビューを意味するものではなく、あくまでも慈善活動を主眼においてのものとのこと。


 まずは、初代タイガーマスクこと佐山聡、武尊が壇上へ。
 着席から会見開始まで、しばし2人で談笑する姿が見られた。

初代タイガーマスク
「本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。武尊選手とお会いしたときにびっくりしたことがありました。『なんて爽やかな選手なんだろう』『なんて人間性に優れている選手なんだろう』と。礼儀正しく素晴らしい青年だと思いました。まず最初に思ったことは、武尊選手のご両親はどういう人なんだろう、ご両親に会いたいなという思いがありました。今日、お母さんに会わせていただいてありがとうございます。流石に皆さん、もうご存知かもしれませんが、人間性だけは世界をまとめていく、格闘技が進んでいくための人間性が必要だということ。彼によって実現していくと思います。また、慈善事業というのも非常に大変なことです。慈善活動をやってらっしゃっていて、その時にハッと思ったのは、『タイガーマスクの慈善事業を継承して行ってくれないかな』ということです。慈善活動は、普通の練習、試合、厳しいプレッシャーの中において、そこを持っていくというのは、相当人間性に優れていないと出来ないことです。それを継承してくれるのは武尊選手の他にありません。これからも期待して、7代目を襲名してタイガーマスクの名前をずっと繋いでいってもらいたいです。反対に、武尊選手に選ばれて本当に光栄です。これからも頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします、武尊選手」

武尊
「本日はお集まりいただいてありがとうございます。7代目タイガーマスクを襲名させていただきました武尊です。よろしくお願いします!本当に、色んな記者会見、試合の対戦相手とだったり、色んな記者会見やったんですけど、今日の記者会見が一番緊張しちゃいます。僕はちっちゃい頃、両親の影響でプロレスの試合をすごいたくさん見てたんですけど、その中でも初代タイガーマスクの試合というのがすごいカッコよくて、強さに憧れて格闘技を始めたんですけど、その最初の強さの憧れを見たのがタイガーマスクだったので、その強さと、子どもたちに夢を与えるパワーだったり、子どもたちの慈善活動をされているタイガーマスクだったり、そういう姿にすごい憧れを持っていたし、やっぱ強い人は優しいし、たくさんの人に夢とか希望とかパワーを与える人なんだなと思っていたので、プロレスと格闘技、また競技は違うんですけど、僕も同じ気持ちで子どもたちに夢を与えられるようにっていう気持ちで試合をずっとしていたので、今回こうして7代目タイガーマスクを襲名させていただくことになって、これからさらにこのタイガーマスクという名前をもっともっと世界に広げて、たくさんの人に、たくさんの子どもたちにパワーを与えられる選手でいたいなと思うので、これからも頑張りたいと思います。よろしくお願いします!」



 その後、7代目タイガーマスクのマスクがお披露目となり、初代タイガーの手で武尊へ授与。
 初代タイガーは、武尊のマスク装着を手伝い、その姿を見ると満面の笑みを浮かべながらグッと親指を立ててみせた。

武尊「嬉しい気持ちと、身が引き締まる気持ちです」
初代タイガー「マスク姿が最高にキレイでビックリしました。そこにも素質があったんだなと思いました」
武尊「嬉しいですね、幸せです!(マスクのデザインは)僕のラッキーカラーを入れていただいて作っていただきました」
 
 マスクの授与を終えた初代タイガーは退席。その後は、映像にて武尊が行ってきた慈善事業の実績が紹介された。
 足立区の児童養護施設『クリスマス・ヴィレッジ』に訪問して子どもたちと一緒に格闘技を通じて触れ合ったり、ラオスの小学校で現地の教育支援活動に携わり子どもたちと交流する武尊の姿が放映された。

武尊「こういう児童養護施設への訪問は、最初に行ったのは3~4年前くらいだったんですけど、地元の養護施設なんかも行かせてもらって。そういうところにいる子どもたちって、ちょっと心に傷を持っていたりとか、家庭環境に不安なことがあったりとか、そういうのを抱えているんですけど、遊びに行って一緒に遊んでると、心を開くとたくさん笑って一緒に楽しんでくれるし、なにか新しいことをやったりとか、『やりたい』っていうパワーを持っているのはすごい感じたので、そういう子たちにも可能性をどんどんどんどん増やしてもらいたいなと思うし、そういう気持ちで、この前行かせてもらったクリスマス・ヴィレッジでも、そのときは格闘技を体験してもらったりとか、色んな可能性を与えていけたら良いなって気持ちで行かせてもらっていて。僕がちっちゃい頃、高校生くらいのときですかね、格闘家になりたいって目標と同じように保育士になりたいなって気持ちもあって、保育士の学校にも行ってたんですけど、やっぱり昔から子どもたちのためになにかできるようなことをやりたいって気持ちがすごいあって。僕は格闘技という形で子どもたちにパワーを与えられたら良いなって気持ちでやってるんですけど、プラス格闘技をやってきてたくさんのファンの人も出来て、今こうして現役でやっている間に影響力もついてきて、今このタイミングで、これを活かせることはなにかなと考えたときに、こういう慈善活動を、僕がやることによって、多分僕が1人だけだと全ての問題を解決出来ないと思うんですけど、僕が活動することでそれに賛同してくれる人たちだったりとか、たくさんの人が協力してくれて、もっともっと大きなプロジェクトとして、こういう企画が出来ていけるのかなという風に思ったので、今回こうしてタイガーマスクという力も借りて、こういう活動をもっと大きくしていけるっていうのがすごく嬉しく思うし、今日本の養護施設を回らせてもらってるんですけど、今映像で見ていただいた通り、海外でもやっぱ生活が貧しい地域だったりとか、僕が行かせてもらったのはラオスという国なんですけど、ラオスは同じアジアの中でも一番の貧困と言われている場所で、僕が行った学校もそうなんですけど、そこじゃない場所では、靴も履いてなかったり、服もボロボロだったり、舗装もされてないところで、土とかにもすごいウイルスがいっぱいあるようなところを裸足で歩いていたりとか、学校もなくて教育が受けられなくて、その教育が受けられないことによって大人になったときに仕事が無くて、そこから貧困が連鎖してっていうのが続いているという現状を生で見て……。やっぱ僕は今こうやって活躍してある程度お金を持っているからこういうことを出来るんじゃないかって思うと思うんですけど、向こうの賃金とか、お金の現状とかを見ると、全然一般の方でも協力出来るような額で色んな問題が解決したりとか。僕が聞いた現地の学校の先生とかの話だと、日本円で15,000円とかの給料で先生をやっているというのを聞いて。でも、その給料も払われていない先生もいて。教員の人も少なくて、勉強を学べる子どもたちがいないって現状を聞いて。ホント、どなたでも一食外食を我慢すれば払えるような額だったりとか、そういうお金でも出来るっていうのをやっぱり実際に行ってみて知ったので、僕も自分でこのプロジェクトを大きくしていきたいですけど、僕1人だけじゃ出来ないことがあるので、僕のファンの方たちだったり、このプロジェクトに賛同してくれる方がいたら、みんなで力を合わせてこういう恵まれない……生活に不安がある子どもたちを助けることが出来たり、生活をもっと良い風に世界中の子どもたちをしていけると思うんで、今回このプロジェクトで発表させていただいたことで賛同してくれる方がおられたらみんなで一緒にこのプロジェクトを盛り上げて、たくさんの子どもたちに夢とか希望とかを持って、夢に向かえる環境を作ってあげたいなと思っています」

 その後、武尊が先頭に立って行う『7代目タイガーマスクプロジェクト』の活動が紹介。
 児童養護施設等への支援のほか、子どもたちが退所(自立)した後も支援活動を継続することを主眼に置き、日本だけでなく世界の子どもたちを支援していく方針が語られた。
 具体的な活動としては、「必要物品の寄付」「自立に必要なスキルアップ授業の実施」「養護施設の状況調査と発信」「募金活動」の4つの指針が示された。


 その後は質疑応答へ。

――慈善活動を目的での襲名とのことだが、リング上でのタイガーマスクとしての活動はあり得るか
武尊「今のところは予定はないですけど、それをやることによって7代目タイガーマスクプロジェクトがもっともっと広がっていくのであれば僕もそれは考えたいと思います」

――改めて、タイガーマスクになった気分は
武尊「もう、本当に嬉しい気持ちもたくさんあるし、タイガーマスクという、僕がちっちゃい頃に憧れたスーパースターで、その名前を受け継げるということは、その責任もあるので、すごい身が引き締まる思いだし、これからもっと頑張っていこうという気持ちです」

――初代タイガーがお母さんに会ったとのことだが、親御さんの感想は
武尊「この話を初めてお母さんにしたときに、やっぱりすごい感動してくれたし、今日もお会いする前はもうホント、お母さんが緊張して震えてるみたいな感じだったので(笑)でも、佐山さんのおかげでこういう風にこのプロジェクトも大きくなって、お母さんにも会っていただいて、本当に良い親孝行をさせていただいているなと思っています」

――チャリティ活動について、海外では著名人が主導しているイメージがあるが、武尊選手も世間に顔を出している人間としての責任は感じていたか
武尊「責任というよりは、僕は有名になる前からこういう活動をしたいと思っていたし、自分に出来ることで、学校を訪れてミット打ちを見せたりとか、僕の体験談とか経験談を話したりとか、そういことでパワーになるんだったらっていうので、ちっちゃくではあるんですけど昔からそういう活動をさせてもらっていたので、僕が有名だからとかそういうのは関係なく、今の知名度をこういう形で利用できるのであれば、それによって助かる人たちだったり、このプロジェクトが大きくなるんだったらありがたいと思います」

――初代タイガーも先程仰っていたが、選手活動と慈善活動の両立はハードなものになると思う
武尊「そこは大変なこともあると思うんですけど、僕は今までも試合前とかそういう場所に行ったり、子どもたちに会いに行ったりすると逆にパワーを貰えるし、子どもたちに、『この前会った武尊選手が勝った』ってなったら子どもたちにパワーをあげられると思うし、逆に僕も会いに行ったときに『あの子どもたちに勝った姿を見せなきゃ』っていういいモチベーションになったりパワーももらえているので、大変なことももちろんあると思うんですけど、パワーを貰えるほうが大きいと思うので、全然問題ないと思います」

――今後武尊選手のタイガーマスク姿はどういうところで見られるのか
武尊「訪問のときだったりとか、そういうところで喜んでもらえるんであればマスクで登場したいなと思うし、さっき言ったみたいに、僕がこのマスク姿で試合をすることがあって、それによってもっともっとこのプロジェクトが広がっていくのであれば、しっかりちゃんと準備をして、そういう舞台もあれば良いのかなと思います」

――試合での入退場にマスクを被ることは考えているか
武尊「それもこれから考えていこうと思っています」

――今後、このプロジェクトに既存の格闘技団体・選手に協力を呼びかけることは考えているか
武尊「今日発表だったんで、まだこの話は誰にもできていなかったし、でも、タイガーマスクというよりかは慈善活動については僕のジムの仲間だったりとか、それこそラオスの教育支援のときも、同い年の格闘家の大岩龍矢も一緒に連れて行って向こうで格闘技のパフォーマンスを見てもらったりとかもしたので、このプロジェクトに賛同してくれる選手がいたら一緒にやっていただけたらと思うし、格闘家だけじゃなくて他の著名人の方だったりとか、最近は他のアスリートの方とかも交流させてもらっているので、こういう話をしたときに『是非是非!』って言ってくれる方もたくさんいたし、協力してくれる方がおられたらたくさんみんなと一緒にやっていただけたらと思っています」

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