全日本プロレスの遺伝子を持つアマゾネスレスラーが松本浩代に破壊されるも「この私をただの新人と思わないでいただきたい!」

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 5日、東京都・新木場1stRINGにて、『Evolution新木場大会 #2』が開催された。

 株式会社Evolutionは、2021年10月より全日本プロレスと業務提携した株式会社ステータスの100%子会社であり、全日本プロレスと業務提携はしているものの資本的な繋がりはない会社。ステータス社はセールスプロモーションをメインに行う広告代理店。

 当団体は、株式会社Evolutionによる『女子プロレスラー育成プロジェクト』によって誕生した女子プロレスの新団体企画としてスタート。全日本プロレスの諏訪魔&石川修司がプロデューサー&コーチを務めて女子選手を育成し、「全日本プロレスと女子はきっちり線を引いていきたい」とあくまで別団体として旗揚げを目指してきた。

 今年3月31日に旗揚げ戦を行い、サニー、ZONES(ぞねす)、Chi Chi(ちーちー)の生え抜き選手3名がデビュー。
 石川修司プロデューサーが「まず受けが出来ないとプロレスは始まらない。そこは全日本の教え」と語っていたように、受け身を徹底的に仕込まれてリングに立った3人はデビュー戦とは思えない安定感のある試合を見せ、プロレスファンを唸らせた。

 今大会のメインイベントでは、ZONESが松本浩代と対戦。
 ZONESは158cm 70kg、2年のムエタイ歴とボディビル系競技歴がある。自らが標榜するアマゾネスのごとき肉体美を誇り、デビュー戦では山下りなとパワーファイトで互角の真っ向勝負を展開した逸材。
 松本も「Evo女からオファーを頂いて対戦相手はZONES選手だろうと思ったらやっぱりZONES選手。顔付きがデビュー2戦目とは思えませんが、私が見たいのはもっと先の顔。心が折れるのか、ZONES選手の底力が見れるのか。私はその顔を見るつもりで全力でぶっ壊しにいくよ」と語るなど、高い期待を寄せていた。

 プロレス観戦に馴染みの無い観客も多い中で松本が入場すると、そのオーラだけで会場を支配。観客の1人が思わずつぶやいた「強そう……」の言葉に松本が「強いんだよ」と不敵な笑みで応える。


 試合が始まると、ZONESは真っ向からの力比べを求め、一時は松本を腕力で圧倒。バチバチのチョップ合戦を展開し、両者の胸はあっという間に真っ赤に染まっていった。
 松本は敢えてZONESの攻撃を全て受け止め、同じソバージュヘアのZONESを「テメー!この髪型、誰の許可もらってんだコノヤロー!許さねーぞ!」とヘアホイップで放り捨てたり、場外戦で観客席へ叩き込んだりと大暴れ。
 さらに松本がラリアットで仕留めにかかるが、ZONESもラリアットで迎撃。全く互角の撃ち合いが展開されていき、松本は「大サービスだ!」と必殺のライガーボムを仕掛ける体勢へ。ZONESがこれを丸め込みで返そうとするも、松本は許さず逆エビ固め。さらに「ZONES、ぶっ壊すぞ~!」と串刺しボディスプラッシュを見舞い、最後はテキサスクローバーホールドでギブアップを奪った。

 松本が余裕の笑みを浮かべながら倒れ伏すZONESを見下ろして去っていくと、泣きじゃくりながらマイクを取ったZONESが「あぁ、痛い!全身痛いけど、この負けを絶対に無駄にはしないからなッ!松本浩代!EvolutionのZONESがタダで負けたと思うなよ!この試合のすべての内容を全部搾り取って、ZONESの血と骨と肉にしてやるからな!いつになるかは分からないけど、高いところにいる貴女を必ず倒しに行く!松本浩代選手、今日は対戦してくれてありがとうございました……!」と絶叫。
 さらに、「負けたけど、このZONESをただの新人と思わないでいただきたい!」と矜持を掲げ、「もっと練習して、私たち3人はもっともっと高いところへ行きます!だから、今は底辺かもしれないけど、ずっと見ててください!」と叫んで大会を締めた。

 バックステージに戻ったZONESは、反省点を口にしつつも「私はこの鍛え抜いた身体も、気迫も、他の新人には絶対負けないと思っているので、そこは見せられたと思っています」と折れぬ心を見せつける。
 そして、「相手が誰であってももちろん全力でやる所存ではいますが、パワーファイターとぶつかり合うと、なんか熱いものが胸に残って、終わった後すごく楽しい気持ちが残るので、またパワーファイターとやりたいです」と女子プロレス界のパワーファイターたちとの真っ向勝負を熱望した。

 また、第1試合でChi Chiと対戦して勝利した雪妃真矢は、Chi Chiの打撃の強さを受け身の技術を絶賛「ミサイルキックみたいなリスクのある技をきちんと出せるっていうのは、そういう指導の賜だと思う。しっかり練習してきたんだなって。負けないようにしなきゃ!(笑)」と、その地力の高さを絶賛。
 第2試合でサニーを破った駿河メイは、「同じ148cm!どんな148cmの女の子かと思ったら!あ~んなに明るい子がもう1人いただなんて、メチャクチャ嬉しいです!今日デビュー2戦目とは思えないくらい風格が漂ってて、すごくこれからもっと一緒に試合したいなって思いました!いつか148cmタッグなんて組めるんじゃないかな~ってすごく楽しみにしてます!」と大喜びで試合の感想を語っていた。

 入門から数ヶ月でデビューすることも珍しくなくなった現在の女子プロレス界で、長い下積みを経てデビューしたEvo女の面々の今後の飛躍に注目が集まる。

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