【全文掲載】“世界のTK”高阪剛が衝撃KO勝利で引退!10カウントゴングの走馬灯を終えて語ったその思いとは…

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 17日、武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナにて『湘南美容クリニック presents RIZIN.35』が開催。第7試合では高阪剛(52)の引退試合が行われた。

 高阪は1994年にRINGSでデビューし、UFC、PRIDE、新日本プロレスなどで活躍。2015年にRIZINで復帰をしたが、この試合をもって28年の格闘技生活に幕を下ろすことになった。

 引退試合の相手は極真空手世界王者の上田幹雄(26)が務めることに。
 試合は上田のハイキックからのパウンドであわやの場面があったが、上田がローから左ストレートを放ったところに高阪が右フックのカウンターをあわせ、これで仰向けに倒れた上田にパウンドを連打しレフェリーが試合を止めた。

 わずか2分5秒の衝撃勝利で試合を終えた高阪はリング上で家族からの花束を受け取り、以下のように最後のマイク。

高阪「(ファンから「もう一試合」の声があがり苦笑)とにかくあの、今日のこの試合に向けて、沢山のありがとうがあります。まずは、自分のこの希望を聞いてくださって、実際にこの試合を、この自分の最後の試合をRIZINのリングでっていう希望を聞いてくださり、実現してくださった榊原社長、あと、RIZINスタッフの皆さん、それと、この試合実現のために動いてくださった、すべての方に、ありがとうございました!高田さん、後2分ぐらい大丈夫ですか?もう一つは、格闘技をやっていくうえで練習の仲間だったりとか相手だったりとか、家族の支えだったりとか、自分のデビュー戦の相手から応援してくださってる方も見に来ていただいていると思います。そのすべての方にほんとにありがとうございました。自分は総合格闘技をやって始めてから、それまですごいダメな奴だったんですけど、そういう、前向きな気持ちだったりとか、一生懸命頑張ることの大切さだったりとかそういうものたくさん教えてもらいました。その中でも今まで自分が試合してきた世界中の化け物たち、マーク・ハント、ミルコ(・クロコップ)、(アントニオ・ホジェリオ・)ノゲイラ、ランディ・クートゥア、ペドロ・ヒーゾ、リコ・ロドリゲス、バス・ルッテン、名前上げればキリがないんですけど、そういう人たちに自分はいつもボコボコにされてですね、ボコボコにされるたびに俺はもっと強くならなきゃ、もっと頑張らないと世界は取れないという気持ちにさせてもらいました。そのすべての世界中のバケモンたち、ほんとにありがとう。最後にですね、どうもあの、自分の頭の骨にはこう、スゴイいっぱい骨折の跡があるらしいんですね。それは、やっぱりその、世界中のヘビー級のファイターたちにボコボコに殴られて、ついた傷らしいです。ただそれは、致命傷には至らず、自然と身体が治してくれて、それでこうやってリングにも、52歳という年齢で立つことができてると思います。こんな頑丈な身体に産んで育ててくれた自分の両親と、二人の兄貴には本当に心から感謝です。どうもありがとう。最後に、今日来てくださった、ファンの皆さんお客さん、配信やPPVご覧の皆さん、長い間応援ほんとにありがとうございました」

 マイクを置くと引退の10カウントゴングが鳴らされ、高阪剛が28年の格闘家生活に幕を閉じた。

 バックステージで戻ってきた高阪は笑顔を見せ、最後の試合後インタビューへ。

――試合後の率直な感想は
「もちろん試合で勝つのは嬉しいんですけど、『終わっちまうのか』って気持ちの方は強いかもしれないです」

――まだ闘いたいという思いが芽生え……
「いや、それはないです。それはないですけど、なんて言うんですかね。四半世紀くらいこういうことをやってきていたので、『終わっちまうのか』という。自分で勿論決めたことなんですけど、そういう気持ちが。リングに上ったり、リングに上る前の練習だったりとか、キツい練習をやって、こうこうこうした方がいい、ああしたほうがいいって積み重ねたりとか、どうやったら強くなるのかなとか、そういったことは今後やる必要がない。ただもちろん、自分は一生格闘家でありたいと思っているんで、強さを追求していくことはやっていきたいし、それをどうやったらあとに残せるのかってこともすごく重要なことなので、そこに力を注いでいけたらと思います」

――相手の印象は
「ホントにすごいポテンシャルを持った選手だなって思いました。もちろん蹴りもそうだし、動きだったりとか、身のこなしというか。いや、スゴいなぁ~って思いました。すごいと思いながらもどこかで嬉しい気持ちがあったかもしれないですね。ちょっと覚えてないんですけど、その感情は。でもようやく日本人のヘビー級が扉を開いてくれたかって気持ちがもしかしたらあったかもしれない。自分は試合の時にはしっかり前に出て目の前の相手を倒すことしか考えていなかったので、その中でもそういう気持ちが芽生えたというか、あった気がします」

――最後の試合で勝利して引退となりました。今後の活動については
「まずはうちの道場生、ALLIANCEの道場生をしっかり鍛えて強くして世界を目指せる選手にしていくってことがまず第一ですけど、もう1つは自分が闘ってきたヘビー級ってカテゴリーを絶やさないっていうか、今後もどんどん広げて発展させられたら良いなと思っていて。そういったところも、具体的にはわからないですけど、そういうことが力になれることがあればと思います」

――最後の試合のコンディションはいかがでしたか
「自分自身はいい形で仕上がったと思っていて。正直、上田くんの動きが見えないところもあったんです。でも自分自身がやろうとしていることについてはしっかり体が動いてくれて。逆に上田くんの体のズラしとか、ああいうところは今後もっともっと鍛えれば必ず上に上がっていけるポテンシャルを持ってるなと感じました」

――これからは後進の指導もそうですが、ご自分のエクササイズも続けられますか
「もちろんです(笑)一生続けます」

――試合前に体がどう動いてくれるかということは考えたか
「なにも考えていなかったです。いつも心がけていることは常に前に出て自分の眼の前にいる相手をどうやったら倒せるかっていう2つだけなんで。それは技術といえば技術なのかもしれないですけど、それは練習の中でああでもないこうでもないって言いながら取り組んで、体にどんどん植え付けていくというか、そういった作業をずっとやってきたので。リングに上ったらさっき言った2つしか自分には頭の中で考えていなかったので。体が勝手に動いてくれます」

――ダウンを奪ったあとのパウンドがすごく早かった。それも考える前に体が動いた?
「そうですね。倒し切るっていうイメージが、体がしっかり反応してくれたかなって思います」

――リング上で終わったあとに走馬灯のように思いが
「まさにそれが起こったんですよ。起こりましたね。最後に名前を挙げた連中、ああいった連中にのされた記憶とか、画面に田村さん、RINGS時代のときとかすごい強い先輩だった田村さんとスパーリングした記憶、新弟子時代の記憶とかが色々一瞬の内にめぐりました。死んじゃうんじゃないかって、走馬灯のようにいろんなことがめぐりました」

――その中に前田さんに怒られた記憶はありますか(笑)
「前田さんの付き人だったので、付き人時代の、仕事をやりくりしながら練習したなあっていうのを、僕はあとから思い出しました(笑)」

――後進の格闘家に伝えたい事は
「自分は正直、さっきリングで名前を挙げた選手に勝ってたわけでもないし、逆に一発でのされたりとかミルコには一発で意識飛ばされてとか、マーク・ハントの試合は途中から全く見えてないし、リコにいたっては顔面血まみれにされたし、戦績的に考えると自分は負けがすごく多かったと思います。でもそこから学んだことは確実にあって、そこで気持ちをもう1回立て直して、前に進むんだって意志を持たせてくれたのは、本当に強い連中と肌を合わせたからだと思うし。もしかしたら今日の試合もああいう連中と闘ってきたっていう自信というか、そういうのが体の奥底にあったから最終的にKOに結びついたのかもしれないし。そういった意味では総合格闘技にはもちろん技術的なことも大事だし、いろんな局面でどう闘うかって闘い方も大事だと思うんですけど、一体ベースは何なのかと見つめ直すことが実は重要なんじゃないのかなと、なにか伝えられたと思います」

――引退試合に向けてのコンディション調整に不安はあったか
「まったくなかったです。試合に向けてのトレーニング、これも自分にとって大事なことなんですけど、道場での指導も大事だし、その他実況解説の仕事もものすごく大事だし、その中ですべてのところから色んな要素としてモチベーションがあったりとか、そういう事ができているというかいただいているので、逆にそうやって忙しく動かせてもらってる方が強くなれると、そういう感じがします」

――これから全く何もしなくて良いオフを迎えたら何がしたいですか
「釣りがしたいです!今バスに関してはものすごくいい時期なんで。終わりごろになると不味くなるんで、5月の頭とかになるともっと不味くなるんで、今週中には行きたいです(笑)」

――今後も格闘家で有り続けるとは思うが、それ以外にやりたいことはあるか
「う~ん、無いですね。というか格闘技ってものをこれだけ長くなってくるとそれ以外を柱にするイメージが自分にはわかないというか、なにをするにも格闘技をやろうとする情熱とか取り組む姿勢とか、それを生かして次の何かってのは考えられるんですけど、それ以上のものが今の自分には想像つかないですね」

――高阪選手にとって日本の格闘技界はどうあってほしいか
「世界に目を向けてほしいなっていうのは絶対あります。もちろん国内同士のしのぎ合い、削り合いで強くなっていくとか、どんどんどんどんレベルアップっていくことって重要なことだと思うんですけど、一歩外に踏み出していったときに、『なんだよ、リーチぜんぜん違うじゃん!』とか『組んだときの力、なんだコイツ?!』って選手がホントにいっぱいいるんで。スタミナの化け物とか、異常に体が柔らかいとか、ホントにいっぱいいるんで。総合ってのはそういう選手たちと同じリング、同じルールのもとでやり会える数少ないチャンスだと思うんですよね。だから世界に目を向けてどんどんどんどん、海外に練習に行くとかキャンプを1回張ってみるとかそういうところで日本の格闘技はレベルアップするってことが起こると思う。これよりもっと!っていう欲を持って取り組んでもらいたいなと思います」

――昨日の大会で関根選手が「昭和最強!」と叫んだが、ご覧になりましたか
「わからないです。自分見てないんで」

――「昭和最強」という言葉をどう受け止めるか
「それぞれ最強があっていいと思います。おそらく関根くんは関根くんの中にある最強と、自分の中にも強さってカテゴリ、自分の思いがある強さ、それぞれに強さがあると思うんで」

――特に昭和にこだわりはない?
「ないです」

――「世界に目を向けて欲しい」という言葉があった。高阪さんがやってきたことですが、対世界という意味では日本人ヘビー級は厳しいという現状もありますが、日本人選手が勝てるようになるためになにを大事にしてほしいか
「ベースをしっかり作るってことが必要なんじゃないかなと。それはフィジカルだったりとか、根気強く続けられるだけの、馬鹿になれる頭だったりとか、そういったものが重要だと思う。それがあって次の技術だったりとか、試合の勝ち方が見えてくると思うので。
最初からフィジカルで敵わないからって他の方向に逃げちゃうと絶対うまくいかないと思います。自分は何回も苦い思いをして、フィジカルを強くする、芯をしっかり強くするっていうのはどういうトレーニングをすれば良いのかって試行錯誤を繰り返してやっていって、自分なりに見つけられたものってのがあって。だからそういった自分にとっての柱をしっかりと、時間はかかるんですけども、それを見つける取り組みを辞めないでほしいですね」

――これから試合がない生活が始まるが、今の生活、気の持ちよう、考え方は変わりそうか
「それはないと思ってます。というのは、やっぱり自分、未だにトレーニングしてても自分に腹が立って。『なんでもう1回出来ないんだ』『なんでこの重さ扱えないんだ』『なんでタックル切られんだよ』とか、毎日の練習とか取り組みとかで必ずこういうことを思ってるんですよ。自分は完璧な人間ではないので。穴だらけなので。それをどうやったら強くなるのかなっていうところを、考えずにいられない。そこはまた変わらないので、試合の直前の状態ってのはこれから無いんで。無いと思ってるし、信じてます」

――試合をしていないだけで来年の高阪さんがもっと強い可能性もありえると(笑)
「あるかもしれないです(笑)」

――入場時に黒帯を握りしめていた
「あれはですね、自分が柔道時代に段を初めて取ったときのものです。そこが自分にとってのスタートだったっていうのを思い返して。だから今回は持ってきて、その思いを背負うっていったら大げさですけど、握りしめて試合やりたいなって思って持ってきたんです」

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