アイドルレスラーが昼ドラさながらの殴り合いも最後は涙の和解?!「ありのままの自分をさらけ出せるようになってスッキリ」

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 4日、神奈川県・横浜武道館にてスターダム『U-REALM Presents YOKOHAMA DREAM CINDERELLA 2021 in Spring』が開催され、中野たむがなつぽいとの因縁戦を制してワンダー・オブ・スターダム王座(白いベルト)の初防衛に成功した。

 たむとなつぽい(当時:万喜なつみ)は互いにアクトレスガールズとしてBeginningに所属していた過去があり、仲睦まじい様子を見せていたものの、たむが2017年にBeginningを退団した際にはなつぽいがたむを厳しく批判。その後、なつぽいも2018年に退団するが2人のリング上での接点はなく、それぞれの道で戦ってきた。紆余曲折の末に2人はともにスターダムの所属選手となり、互いを意識するかのような発言はしていたもののリング上での目立った接点はないままに。

 たむが先月の日本武道館大会で白いベルトを奪取すると、なつぽいが挑戦を表明。ついに両者の王座戦が決まると、調印式に出席したなつぽいは過去に撮った2人の写真を泣きながら引き裂き「ホントに大好きだったのに。本気で信頼してた私が馬鹿みたい!」とたむへの複雑な思いを叫んだ。
 これに対するたむのアンサーは「いっつも営業スマイルのいい子ちゃんぶってるなっちゃんの、そのドロドロの、宇宙一汚い嫉妬深さをもっと見てみたい。このタイトルマッチ、あたしの心も体も揺さぶってよ」とさらになつぽいの激情を煽るものであり、決戦に向けて両者の感情は過熱していた。


 先月28日の大阪大会でスターライト・キッドを相手にハイスピード王座の初防衛に成功し、勢いづくなつぽいは、試合開始直後からトップギアのスピードでたむを翻弄し、頭からペットボトルの水を浴びせかけるといった昼ドラさながらの挑発を行う。たむもリング内外でたっぷりとやり返してからなつぽいと同じく頭から水を浴びせる挑発で返し、互いのドロドロした感情が顕現したかに思われた。
 しかし、試合終盤に顔面をビンタで張り合う互いの目からは涙が流れており、打撃を通して互いの真っ直ぐな気持ちをぶつけ合っていく展開に。その後は互いに得意とするジャーマン・スープレックス・ホールドの打ち合いとなり、一歩も引かぬ意地の張り合いを展開。最後はたむがさらにバイオレットシューティング2連打から、自身のコスチュームを掴んで追いすがるなつぽいの顔面を踏みつけ、そのまま引き起こしてトワイライト・ドリーム(※変形クロスアームジャーマン・スープレックス・ホールド)で叩きつけて3カウントを奪った。

 試合後、たむが「なっちゃん、アンタ性格悪すぎ。ねぇ、あのさ……たむのこと、まだ嫌い?」と語りかけると、なつぽいは「大ッ嫌いだよ。たむちゃんのせいでさ、性格悪いのバレちゃったじゃん!」と泣き笑い。その後は互いに憎まれ口をたたきながら白いベルトをかけての再戦を誓い合った。

 バックステージに戻ったたむは「なっちゃんは、私がアクトレスの頃からずっとずっと超えられない壁だったので、変わらず強くて速くてなんでも出来て……スゴいなってずっと思ってます。だから私はアクトレスを抜けて、自分自身の力で這い上がってやるって思ってここまでやってきた。だからなっちゃんのお陰でもあるんです、ここまで来れたのは。感謝してます」となつぽいへのリスペクトを口にする。

 対するなつぽいは「スッキリしました。『いつも元気で、明るくいなくちゃいけない』って思ってたんです。でも、たむちゃんは自分の気持ちは全部曝け出して表現してて、正直カッコ良かった。『たむのせいで』って言ったけど、ある意味『たむのおかげ』で、裏も表もありのままの自分を曝け出せるようになった気がして、なんかスッキリしました」と笑顔。
 そして、カイリ・セインこと宝城カイリから受け継いだという碇のマークが入ったニーパッドをなでながら「大好きな選手にちなんで、絶対諦めない精神で、スターダムを駆け上がっていきます!」と白いベルトへのリベンジを誓った。

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