パンクラスが出場選手の新型コロナ抗体検査陽性を受け開場10分前に大会を中止!「ご来場者の皆様の健康と安全を最優先に考えて即刻中止を判断いたしました」

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 8月23日、東京・新木場スタジオコーストにおいて予定されていた『PANCRASE 317』が、出場予定選手から新型コロナの陽性反応が出たため、急きょ中止となった。

 パンクラスでは、大会1週間前の抗体検査、大会当日の抗体検査と抗原検査と3段階でコロナ感染検査を実施している。しかし、最後の段階の抗体検査で陽性反応が出てしまった。選手の名前は発表されていない。

 パンクラス・酒井正和代表はSNSで「今回3段階目の抗体検査で当日試合予定の選手より陽性反応が出たため、急遽中止を決定しました。中止に関して、開場10分前という直前に判明した事態でしたが、ご来場者の皆様の健康と安全を最優先に考えて即刻中止を判断いたしました」と中止決定の経緯を報告している。
 会場に中止がアナウンスされると、速やかに会場内の消毒とケージの解体が始まった。会場の外では、このために北海道から上京してきた若手の選手らが、せめてもと会場前で記念写真を撮っていた。

 今大会では、メインイベントのフェザー級次期挑戦者決定戦・中島太一(Lotus世田谷)VS堀江圭功(ALLIANCE)をはじめ、修斗世界王者のベルトを返上しパンクラスに参戦した松本光史(M PLATIC)と、岸本泰昭を破った松岡嵩志(パンクラスイズム横浜)とのセミファイナル 、修斗とパンクラスの二冠を制した神酒龍一(CAVE)と、2014年NBT優勝の荻窪祐輔の対戦など7試合がメインカードとして組まれていた。
 また、2020年NBTのほか、初めての試みとしてFighting NEXUS提供の6試合が組まれるなど、盛りだくさんの内容。さらに、YouTubeでのリアルタイム配信が行われるなど、新しい試みが詰まった大会でもあった。
 しかし、開場直前の中止発表。ケージチェックもリハーサルも全て終え、あとは選手がケージに入るだけだった。

 廣瀬隆司・パンクラスコミッショナーは、「残念ですが、これはやむを得ないです。私たちは、お客様はじめ選手やスタッフ、会場にいる全員を感染のリスクから守らなくてはなりません。たとえ開場10分前だったとしても、仕方がありません。誰のせいでもないです」と話し、肩を落とす選手たちに声をかけていた。

 パンクラスは、コロナの影響で今年2月以降3大会が見送られ、先月24日に日程をずらして3ヶ月ぶりの大会が催されたばかりだった。ようやく始動したところへこの中止は、選手、ファン、関係者全てに大きなショックを与えた。
 しかし、パンクラスのみならず、格闘技界全体のためにも、ここからクラスターを出すわけにはいかない。大きな打撃があるにも関わらず中止を決めたのは、英断と言えよう。

 パンクラスは、選手の検査はもちろん、密な空間とならないよう席数を減らし、1試合ごとのケージ消毒や、スタッフのマスク・フェイスシールドの着用、来場者の検温など、数々の対策を講じてきた。しかし、新型コロナ禍はまだまだ終息の気配を見せない。この中でどう安全を守り、大会を行なっていくか。大きな課題となっている。

(写真・文/佐佐木 澪)

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