【試合詳細】7・9 PANCRASEニューピアホール大会(昼)中田大貴vs 高木 凌 黒澤亮平 vs 小林了平 近藤有己 vs 佐藤豪則 名田英平 vs Ryo
『PANCRASE 335』
日程:2023年7月9日(日)
開始:12:30(DAY TIME)
会場:東京・港区 ニューピアホール
▼プレリミナリーファイト ライト級 5分3R
●水杉泰誠(blooM)
判定0-3
○鈴木悠斗(パラエストラ八王子)
▼女子アトム級 5分3R
○沙弥子(リーバーサルジム横浜グランドスラム)
判定3-0
●MIYU(DFCプロモーション)
▼ライト級 5分3R
○余 勇利(マッハ道場)
判定3-0
●定永大輔(パラエストラ広島)
▼キャッチウェイト 5分3R
●前田浩平(GRABAKA)
判定0-3
○ジョセフ・カマチョ(Spike22)
▼フェザー級 5分3R
●名田英平(総合格闘技道場コブラ会)
判定0-3
○ Ryo(RINGS/グランドスラム)
▼ウェルター級 5分3R
●近藤有己(パンクラスイズム横浜)
判定0-3
○佐藤豪則(Battle-Box)
▼コーメイン ストロー級 5分3R
○黒澤亮平(パラエストラ松戸)
1R 1分40秒、KO(スタンドのパンチ)
●小林了平(SONIC SQUAD)
▼メインイベント フェザー級 5分3R
●中田大貴(和術慧舟會HEARTS)
1R 2分03秒、KO(グラウンドのパンチ)
○高木 凌(パラエストラ八王子)
“絶対に倒れない男vs必ず倒す男”の激突は高木凌に軍配!パンクラス初参戦の黒澤が1RKOで快勝しランカー戦要求!17歳の現役高校生・鈴木悠斗がデビュー戦で勝利
第1試合
水杉は昨年5月のNBT一回戦でデビュー。前戦は敗れているため、ここで勝って弾みをつけたいところ。
対する鈴木はこれがデビュー戦。まだ17歳の現役高校生だ、試合前のインタビューでは「KO勝ちしたい」と語っていた。得意の打撃でデビュー戦を飾れるか。
1R。タックルに入りたい水杉。鈴木は入らせない。水杉が再度タックル、ケージへ押し込んだ。しかし、回って上になった鈴木は腕を狙う。
返して上になった水杉だが、鈴木は腕を取ったまま。そこから三角へ切り替えた。密着して殴る。脱出したい水杉は鉄槌連打。足で防ぐ鈴木。水杉が鉄槌、肩パンチ。
残り20秒。鉄槌を連打する水杉。鈴木が蹴り上げから立ってケージへ持っていったところで終了。
ジャッジは2名が10-9水杉、1名が10-9鈴木。
2R。水杉がタックル。鈴木は切る。さらに水杉がタックルに入るとガブった鈴木が回ってサイドについた。押さえ込んでボディ連打、大きくパンチを落とす。
鈴木がバックに回り、さらに上になり殴る。そしてバックマウント! 返す水杉だが、鈴木はバックをキープし殴る。
残り1分。脱出できない水杉。立とうとするが、鈴木がバックをキープしたまま殴って終了。
ジャッジは3名ともに10-9鈴木。
3R。パンチで出る鈴木。水杉が組みにいくと、鈴木が受け止めヒザ。離れて、さらに水杉が片足タックル。しかし、鈴木がバックを取り殴る。抜けたい水杉だが、鈴木がマウント! 側頭部を殴る。亀になっている水杉。鈴木はバックに回り殴る。さらにバックマウント。
しかし、水杉立ち上がった。鈴木が倒すが、ブレイクがかかった。水杉のタックルを切る鈴木。水杉に向かい「来い!」とジェスチャー。水杉がまたタックルに入るが、鈴木が殴ってタイムアップ。
ジャッジは2名が29-28、1名が30-27の3-0で鈴木が勝利。
打撃が得意と話していた鈴木だが、さまざまなことをバランスよく練習していることがうかがえた。度胸もあり、格闘技に向いている印象。今後の成長が楽しみだ。
鈴木悠斗 試合後コメント
「KOできなかったのがむっちゃ悔しいです。自分の中ではKOしたかったんで、試合には勝ちましたけど、自分の中では負けた感があります。今後も頑張ります」
第2試合
2019年より参戦している沙弥子。昨年9月は藤田よきにアームロックで一本勝ちを収めたが、12月にはジェニー・ファンにチョークスリーパーで一本負けを喫している。今回は出直し戦。良い勝ち方をしたいところ。
一方のMIYUはパンクラス初参戦。空手をバックボーンとし、九州の格闘技イベント・大和のジュニア-45kgムエタイ王者にもなっている16歳だ。MMA戦績は0勝1敗。
1R。ジャブを振るMIYU。冷静に見る沙弥子。ケージ上に緊張感が漂う。 MIYUがジャブ、ハイキック。沙弥子も左右パンチ。MIYUのパンチをくぐり、沙弥子が長距離のタックル! テイクダウン!ボディを連打する。
苦しそうなMIYU。返したいが、ガッチリ押さえ込まれ動けない。叩きつける沙弥子。殴りながらハーフマウントへ。なんとか返したいMIYUだが、沙弥子はガッチリ抑えて返させない。ケージを使って立とうとするMIYU。殴る沙弥子。MIYUがなんとかガードに戻したところで終了。
ジャッジは3名共に10-9沙弥子。
2R。MIYUがジャブ、蹴りを出すが、沙弥子は組んでテイクダウン。サイドに回って殴る、さらにマウント! 必死にエビで返そうとするMIYUだが、沙弥子は腕十字へ。しかし、MIYUが腕を抜いて立ちスタンドに。
ジャブを振っていくMIYUだが、沙弥子が組んでケージへ押し込む。投げて上に! 細かく殴る。苦しいMIYU。懸命に返そうとするが、ヒジ連打をもらってしまう。そのまま沙弥子が上をキープして終了。
ジャッジは3名とも10-9沙弥子。
3R。MIYUはさすがに警戒し、なかなか手が出せない。沙弥子はジャブ&ロー。やや距離を取っていたMIYUだがジャブで入る。が、沙弥子が組んで投げテイクダウン! 殴る。暴れるが返せないMIYU。殴る沙弥子。
残り50秒でMIYUが初めて返した! パウンドを入れるが、沙弥子が立ち、組んでケージへ押し込む。沙弥子が投げるが、MIYUが上に。しかし沙弥子がハーフマウントに。このまま終了。
ジャッジは3名とも30-29の3-0で沙弥子が完全勝利。
沙弥子が圧倒し何もさせなかった。MIYUは今後、グラウンドを磨くのは必須だろう。しかし、意地は見せた。今回はグラップラーとの対戦で良いところが出せなかったが、ストライカー同士の試合も見てみたいところ。
第3試合
余は2021年より参戦中。昨年は望月貴史、DARANIに連勝したが、今年3月には平信一に判定負け。連勝を避けたいところ。
対する定永はパンクラス初参戦。2021年、修斗TORAOでデビューしているが黒星。今回はそれ以来のMMA2戦目となる。9位の余を倒し、存在をアピールしたい。
1R。定永がロー。余はすぐ組んでケージへ押し込む。お互い何度も入れ替え合う。余が大きく投げて上に。しかし定永はすぐ立ち、組んでケージへ。
さらに入れ替えた余が大きくヒザを打ち込む。余が投げて上に。定永が立つとバックに回るあまり。正対した定永が入れ替え。片足を取ろうとするがつかめない。
また入れ替えた余が投げてマウント! パウンド連打! 止められるかと思ったが、時間が短く終了。
ジャッジは3名共に10-9余。
2R。両者パンチを出していく。ケージへ押し込んだ定永だが、余が入れ替えてヒザ連打。バックに回りケージへ押し込む。また入れ替えの攻防。定永が片足をつかむが、余が外す。
残り30秒、お互いパンチ。余が組んでケージへ押し込み殴る。定永が離れたところで終了。
ジャッジは3名とも10-9余。
3R。両者パンチを打ち合う。あまりが組んでケージへ。右フック、ロー、ヒザと攻める。またもお互い入れ替え合う。両者とも疲れが見える。
最後の力を振り絞り、余がヒザ連打。バックを取り、正対するとケージへ押し込んでいく。
残り30秒。定永が入れ替えるが、あまりがまたバックを取り、殴ったところで終了。
ジャッジは3名とも30-27の3-0で余が勝利。
第4試合
前田は、2018年IMMAFオセアニア選手権優勝。2019年よりパンクラスに参戦している。昨年3月、田代悠生に TKO勝ちしたが、7月には大塚智貴に判定負け。その後、グアムのBrawl Internationalに参戦し、チョークスリーパーで一本勝ち、さらに今年3月には今井健斗に判定勝ちで2連勝中だ。
パンクラス初参戦のカマチョはグアム在住。日本には柔術の試合で3度来たことがあるという
プロデビューから5連勝しており、今年3月にDEEPファイターの中村真人にTKO勝ちしている。今年3月、LFAで1R肩固めで初黒星を喫した。
公開練習では調子が良さそうだったが、計量オーバー。落とし切れず、キャッチウェイトでの試合となった。
1R。パンチを振るカマチョ。ケージへ押す。前田はヒザを入れケージへ。カマチョは両足を抱え上げて尻もちをつかせた。
ケージで立った前田は入れ替えてヒザ連打。カマチョは再び引き込んで尻餅をつかせた。またケージを使い立った前田。殴るが、カマチョがケージへ押し込んだ。
残り1分。前田がバックブロー。パンチを出し合う両者。前田がケージへ押し込んでヒザ連打。カマチョがボディを殴り、ケージへ押し込んだところで終了。
ジャッジは3名10-9カマチョ。
2R。お互いパンチ。カマチョが片足タックルに入るが、ケージでこらえ、倒れない前田。バックに回ってチョークを狙う! カマチョはカカト連打。前田は座った体勢で絞めるが時間切れに。
ジャッジは3名10-9前田。
3R。カマチョがパンチから両足を取り、尻もちをつかせる。鉄槌を落とす前田はケージを使い背中をつかない。カマチョはボディを殴る。前田立ち上がった。ケージへ押し込んでいくカマチョ。前田はヒジ連打、細かく殴る。
立った前田。カマチョはロー。大きく腕を取った前田が上に。ハーフマウント。鉄槌、パンチ連打。カマチョも殴るが疲れている。
返して上になろうとするカマチョ、ケージで立とうとする前田。残り10 秒で立った前田がヒジを入れたところで終了。
ジャッジは3名29-28、3-0でカマチョが勝利。
第5試合
2019年NBT優勝の名田は6位。狩野優、透暉鷹に連敗していたが、今年3月の前戦では糸川義人に判定勝ちで連敗を止めた。泥くさいファイトスタイルが魅力の名田、ここからさらに上を狙っていきたいところ。
第3代THE OUTSIDER 75-70kg王者・Ryoは2020年より参戦している。初戦から3連勝したが、その後4連敗中。行き詰まりを感じたのか、グランドスラムにも所属し新しい環境で練習してきた。その成果が出せるか。
1R。いきなり跳び蹴りで前に出たRyo。そのまま組んでケージへ押し込む。ヒザ、ボディ連打からのテイクダウン! 名田が返すとRyoは下から三角を狙う。外した名田は肩パンチ、パウンド。
Ryoが立ち、ケージへ押し込んで肩パンチ、ヒザを打ち込む。さらにロー、肩パンチ。
名田がバックを取り、投げて突き放す。パンチ。Ryoも投げて座らせる。なだは正座状態で鉄槌。立ちながら殴ったところで終了。名田にいつもの勢いが感じられない。
ジャッジは3名10-9でRyo。
Ryoは試合中、金網をつかむ行為があったため口頭注意を受けた。
2R。Ryoが蹴りから組んでケージへ。名田はヒザ。Ryoが投げてマウント! 殴る。
しかし脱出した名田は立ってケージへ押し込んでいく。入れ替えるRyo。名田は肩パンチ。さらに入れ替えてヒザ。パンチを振った名田。Ryoは組んで毛ケージへ。金網をつかんでいると指摘される。
お互い入れ替え合い、ヒザを打ち込む。残り1分。Ryoが投げてマウント。名田が殴ったところで終了。
ジャッジは3名10-9でRyo。
3R。パンチを振る名田。ヒザを入れると、Ryoが組んでバックに回った。首を狙う。しかし、名田が回ってバックを取り投げた! バックを取ったまま押し込む。投げた名田だが、Ryoは腕を取っている。危なかったが外した名田。Ryoが再び腕を狙うが、名田は外して殴る。
Ryoはケージへ押し込むが、殴って離れた名田。右ハイキック。しかしRyoは再び組んでケージへ。ヒザを打ち込む。
残り30秒。入れ替えた名田。さらにRyoが入れ替える。名田がパンチ連打。ミドルを入れたところで終了。
ジャッジは3名29-28の3-0でRyoが勝利。
第6試合
第2回BNT優勝、第5代・第8代KOP、第3代ライトヘビー級KOP、第9代ミドル級KOPと、輝かしい記録を残してきた近藤。今月48歳を迎えるが、未だ格闘技への情熱衰えず闘い続ける、まさにレジェンドという言葉がふさわしい選手だ。
パンクラス内だけでなく、2000年という早い時期からUFCに挑戦、さらにPRIDE、戦極、ONEなどさまざまな舞台で闘い、日本の格闘技の歴史の生き証人でもある。
対する佐藤は2008年よりパンクラスに参戦し、第6代ウェルター級KOPに輝いている。パンクラスでの最後の試合は2013年5月、タイトルマッチで鈴木槙吾をアームロックで下している。
その後、UFC、PRO FC、Top FC(韓国)などを歴戦。PRO FCではウェルター級王者となっている。2017年以降はマットから遠ざかり、近年はBattle-Boxでの指導を行なっているが、パンクラス「プレ30周年記念マッチ」として10年ぶりに参戦する運びとなった。
計量では、以前と変わらない様子でブランクを感じさせなかった佐藤。「パンクラスが一番好きな団体で、近藤選手が一番好きなパンクラスの選手」と話している。
近藤と佐藤の試合は実に13年ぶり(2010年2月)。当時は近藤が判定勝ちしているが、13年の時を超え、どのような闘いを見せるのか。
1R。ローで前に出ていく近藤。ジャブ。佐藤は左右ジャブ、右ミドル。近藤はローで出る。佐藤が右フック、近藤がかわす。佐藤がパンチで出る。ロー、ミドル。
残り1分でバッティングによりタイムストップ。近藤の指が佐藤の目に入ったようだ。すぐに再開し、近藤が前蹴りを出したところで終了。
ジャッジは3名とも10-9佐藤。近藤は手数が足りない。佐藤はグラップラーのイメージだが、組みにいかなかった。
2R。近藤がジャブ。佐藤もパンチを振り、プレッシャーをかける。組んでケージへ押し込むが、近藤が引きはがした。近藤はロー、ジャブとリズムを守る。佐藤は左右ジャブ、左フック、ロー、左ハイキックと手数を出していく。
残り20秒で近藤がワンツー! ここで終了。
ジャッジは3名10-9佐藤。近藤は終盤に入りエンジンがかかってきた様子。
3R。パンチを出していく近藤。佐藤はジャブを当てている。近藤が左パンチ。佐藤もジャブを出すが、疲れが見える。
逆に調子を上げてきた近藤は詰めていき前蹴り、ワンツー、カーフキックと攻める。組んでくる佐藤を引きはがした。
佐藤の攻撃が単発に。残り20秒でバックを奪いケージへ。近藤が正対したところで終了。
ジャッジは2名が29-28、1名が30-27の3-0で佐藤が勝利、復活を果たした。
佐藤豪則 試合後コメント
「だいぶ前ですけど、(パンクラスも)リングからケージに変わって。僕が出ていた時ってリングだったので。選手もけっこう変わってて、知ってる選手がいなくなってて。パンクラスっていう名前ですけど、当時とは別物だなと思って試合をしました。でも、近藤選手は『パンクラス』って感じでした。昔ながらのパンクラスという感じで(感慨深そう)(今後も参戦はある?)終わりの始まりっていう感じで、引退に向けての再スタートなので、そこに向けて一所懸命頑張ろうかなと思います」
終了後、笑顔で握手を交わした両選手。かつて「近藤さんに勝って世代交代をします」と語った佐藤。その胸にはどのような思いが去来したのだろうか。
38歳、引退への道を考えておかしくない年齢だが、残りの格闘技人生を、パンクラスで幸せに終えてもらえたら…と願わずにいられない。
第7試合
パンクラス初参戦の黒澤は、修斗第6代世界ストロー級王者。負傷による長期欠場で王座を返上している。2年半のブランクののち復帰したが、猿丸ジュンジ、新井丈に敗戦。今年4月、大城匡史にスリーパーホールドで一本勝ちを収めたが、今回からパンクラスに闘いの場を移した。
対する小林は空手をバックボーンとし、Fighting NEXUSで闘ってきた。今年2月、宮澤雄大に判定負けを喫した。パンクラス初参戦。
1R。小林が右ハイキック、右パンチ。プレッシャーをかけ、さらに右ハイキックと攻める。
黒澤が左右フック。速い! さらに右パンチで小林ダウン! すぐに立ったが、さらに黒澤の右がヒット、小林がダウン!
素晴らしいKOで黒澤がパンクラス初戦を飾った。
黒澤亮平 ケージ上コメント
「パンクラスのベルトを獲りに来ました。若林(耕平/1位)、八田(亮/2位)、北方(大地/3位)、誰でもいいんで、次はランカーとお願いします」
第8試合
2020年よりパンクラスに参戦している中田。ここまで7戦5勝、直近では昨年7月に内村洋次郎にTKO、今年3月、三宅輝砂にフロントチョークで勝利している。2021年、2022年にはRIZINにも参戦。打たれても引かず、未だKOされたことがない。
対する高木は2021年より参戦中。ここまで6戦5敗4KOと高いKO率を誇る。試合前インタビューでは「誰もKOしたことのない中田選手をKOすれば、本物のストライカーとして認めてもらえると思う」と話していた。倒れない中田か、必ず倒す高木か、勝負の行方は。
1R。開始直後、中田が前蹴り連発。高木は右フック。中田の蹴りがローブローとなったことを高木がアピール。ダメージはなく、握手してすぐ再開した。
高木の右でグラつく中田。尻もちをついたが、すぐ立つ。さらに高木がパンチを打つと、中田は組んでケージへ押し込む。突き放す高木。
警戒しながら中田が左右パンチ。さらに出たところへ高木の右パンチがヒット、中田ダウン!高木が追撃に入るとレフェリーが止めた。
高木凌 ケージ上コメント
「やっぱり、自分はこの瞬間のために生きてるなって、すごく実感しています。プレリミナリーファイトの時は、KOしてもお客さんがいなくて、こういう歓声を感じられなかったんですけど、今こうやって、自分のことを知らない人たちも自分のことを見て拍手してくれて、本当に涙が出そうなくらいムチャクチャ嬉しいです。どうでしたか。自分の右は、ボクシングの世界チャンピオン・田口さんという人から教わっていて、その技を使えば、誰でも効かせることはできるんで。自分はもっと上に行きます。本当に1人1人、応援してくれている人に感謝してます。本当に1人1人に、本当に“ありがとう”を送りたいです。どうもありがとうございました!」
高木凌 試合後コメント
「本当に疲れました。試合より、試合前の方が嫌なんですよね。緊張するんだよ、緊張しちゃうんですよ俺は(笑)最近、変にパンチが打てるようになっちゃったから、何で倒そうっていう選択肢を選ぶのが難しくて。今日は珍しくフック系を打ってたんですけど、最初に大振りになって、ああ、これはダメだと思って修正できました。自分でも、これは右でいいやって。(中田選手は)もっとガンガン来ると思ったんですけど、思ったより来なくて『よかったぁ』って(笑)。来ないでほしくて。でも、それでも打たれ強かったです。一番最初だけ、ほんの0.5秒くらい自分も怯んだというか『あれ、効かないのかな!?』って。でも、1発でダメなら発、2発でダメなら3発、打ちまくってやるって思ってやりました。でも、最後は力まずに打てましたね。本当に無意識、何も考えてなかったです。練習してきたことが、体から勝手に出てきたっていう感じでした。やっぱり右は自分の武器なんで、これからも生かしていきたいですね。今回は、ずっとアゴだけを狙うイメージをしてました。テンプルじゃなくて、ここ(アゴ)。テンプルは我慢できちゃうから。一番最初(に当てた)のは、多分テンプルですよね。でも、やっぱりアゴが一番効きますよね。ジャブは鼻から下を狙おうと思ってて。だいぶ顔も効いてたかなと思います。実は、試合直前の火曜日、MMAのスパーリングで右の親指が亜脱臼みたいになってて。だから今日、館長とミット打った時に超痛くて。ミット打ち、1分半くらいでやめたんですよ、メチャクチャ痛くて。でも、それを口に出したら試合に影響しそうだったんで、言わずにいました。試合中に亀井(晨佑)さんの姿を探したんですけど、見つけられなくて、この間のところにいなかったですね。(亀井は中田と既に闘っているため)亀井さんを見て安心したかったんですけど、見渡しても見つからなくて(笑)。ああ、いない…と思ったけど我慢して。まじ疲れました(笑)試合の時は、勘って言ったら適当って思われるかもしれませんけど、動くままに、あんまり動きを考えるっていうよりは、体の中から出てくる信号に従って闘うって感じです。それがいいのか悪いのか分からないですけど。今日はちょっと荒いかんじがして、迷ってました。何で倒せばいいんだろう、って。でも、最後は右っていうのは決めてて。ちょっと今日は体が重くて、コンディションあまりうまく作れてないなって思ってました。そこは改善していかないとと思います。でも、練習通りに勝ててよかったです。」
プレ30周年記念の近藤VS佐藤、そしてコーメイン、メインイベントの鮮やかなKO劇で会場は興奮の渦に包まれ、NIGHT TIMEへ続いた。
(写真・文/佐佐木 澪)