【インタビュー】安永有希が2年ぶりの出場を果たす『PANCRASE 317』で4年ぶりの勝利を誓う!「リズムに乗って自分のやりたいことや持ち味を生かして闘う」

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 7月24日、5ヶ月ぶりにパンクラスが開催される。客数を減らし、1試合ごとのケージ消毒、選手の複数回のコロナ抗体検査、控え室の入室人数制限、選手チームへのマスク配布など、さまざまな対策がなされた大会となる。
 その『PANCRASE 317』(新木場スタジオコースト)に、安永有希(東京イエローマンズCUTE)が出場する。安永の出場は2018年8月の中村龍之戦以来2年ぶり。2011年NBTで優勝、2012年にはタイトルマッチ挑戦も経験した安永だが、現在は6連敗中。プレリミナリーファイトからの出直しを図る安永に話を聞いた。

――お久しぶりです。コンディションはいかがですか?
「体調はいいです。いい感じに作って来られましたね」

――コロナ禍で満足に練習ができない期間もあったと思いますが、どのように過ごされていたのでしょうか。
「バイクに乗ってUber Eatsでバイトしたりしてました。ジムも休んでいたので」

――そうだったんですね。練習はどのような感じでしたか?
「1人でやる練習と、あとはジムの人を1人だけ呼んで簡単な打ち込みとか、それくらいしか出来ませんでしたね」

――大会はもちろん、練習もできないとなると、体調を保つためにどんなことをされていましたか?
「特に、これといって特別なことはしていないです。走ったりとかしか出来ないですし……」

――不安はありませんでしたか?
「特になかったです。久しぶりの試合ですけど、(コロナ禍が)こんな状態ではいつどうなるかも分からないですし。準備はしていましたけどオファーも1回流れているので。でも、6月の初めくらいに試合の話がありますよと言われて。緊急事態宣言が解除されてジムも再開していたので、いいタイミングでオファーをいただきました」

――いつもと違いましたか?
「うーん、普通の感じで臨めましたね。いつもより追い込みは少し足りなかったかなと思いますけど、今の自分にできることは精一杯やりました」

――2年ぶりの試合ですね。
「はい。しかも僕、4年勝ってないんですよ。リズムがわからなくなっているので、リズムに乗りたいです」

――安永有希といえば「ダンシング」ですが、勝ちのリズムを取り戻すために、スタイルを変えたりはしましたか?
「4年勝ってないんですけど、自分とは何ぞや、ってことを考えたとき、違うことをしてもダメなんじゃないかなと。僕らしい闘いをするのが一番なんじゃないかなと。でも、そういうことを考えていると、どんどんハマっていって、結局わからなくなっちゃうんです。自分探しの旅に出ちゃダメですね。あまり考え込まずに、自分のやりたいことや、持ち味を生かして闘いたいです」

――相手の印象はいかがでしょうか。
「けっこう距離をうまく取って来て、遠いところからサイドキックを出したり飛び込んで来たりする印象があって、やりにくいですね。相手の距離にならないように、そして自分のリズムでどう繋げて行くかということを意識しています」

――安永選手のパンクラス初参戦が2011年。9年経って、選手の顔ぶれも変わって来ています。現在のパンクラス・フライ級をどう見ていますか?
「けっこう若手の選手が出て来ていますよね。今は半分くらいそうなんじゃないですか。新しいメンバーになっているので、何人かやってみたい選手はいます」

――再出発はメインカードではなくてプレリミですが、これについてはどう思っていますか?
「2年前は、試合の最後の方は『なんで俺、こんなことやってるんだろう。早く試合終わらないかな』って考えながらやっていました。今もまだ、自分の気持ちはハッキリこうだ、とはなっていないんですけど、2年ぶりにやってみたいという気持ちになっています。明日、ケージに入ったらどうなるのか、自分で楽しみです。ダメになるのか、(今後が)楽しみになるのか……。練習では気持ちは乗っています。どうなるんでしょうね。うん、楽しみです」

――以前も言ってらっしゃいましたが、勝ってリズムに乗れれば……
「頑張っても結果が出ないと、やる気がなくなっていっちゃうんですよね。頑張ったのに、って。明日は良い方に変わるといいです。やるしかないですね」

――久しぶりの試合。お客さんにとっても、久しぶりの大会です。どんなところを見せたいですか?
「やっぱり安永だわ、というところを見せたいですね。パンツ一丁でテイクダウンして、セコく勝っていく、みたいな。自分のゲーム展開は、動いて動いてウザイと思われるようなスタイルです。そういうのを見せたいですね。試合を楽しめれば結果もついてくると思います」

 安永は、入場時に踊ったり試合でもダンスのような動きをして、少し変わった選手のようなイメージがあるかもしれない。しかし、話を聞くたび、真面目な人柄や、繊細な気持ちを持っていることが伝わってくる。だからこそ、取り力が結果に結びつかなかったり、思うようにリズムに乗れなかったりしたこの4年は、まさにあがきにあがいた時間だったのではないだろうか。
 「天は自ら助くる者を助く」。この試合が、安永の格闘技道に立ちはだかった高い壁を突破するきっかけとなることを願う。

『PANCRASE 317』(7月24日/新木場スタジオコースト)
▼プレリミナ安永有希リーファイト 第3試合 フライ級 5分3R
(東京イエローマンズCUTE)
VS
聡-S DATE(Team DATE)

(写真・文/佐佐木 澪)

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