全日本プロレス前社長の秋山準がDDTへレンタル移籍!「全日本での僕の役割は終わった。色々思うところはあるが男は黙ってDDTに尽力する」

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 7月1日付で、全日本プロレスからDDTプロレスリングにレンタル移籍することが決まった秋山準(50)率いる「秋山軍(仮)」が、DDTの“若きエース”竹下幸之介(25)がリーダーを務める「オールアウト」との激しい全面対抗戦が開戦した。

 DDTが27日、東京・新宿FACEで「DDT TV SHOW! #8」を開催し、動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」で生放送された。

 オープニングでは公開会見が行なわれ、冒頭で、DDT・高木三四郎社長が「秋山選手は5月からDDTのゲストコーチに就任していただきまして、『TV SHOW!』にもレギュラー参戦していただいております。その反響も大きく、選手にものすごく刺激になっています。リング上でも秋山軍(仮)が結成される動きがあるなかで、ゲストというくくりからレンタル移籍という形で参戦していただくことはできないかと思いまして、秋山選手にお願いして、全日本の福田社長の合意を得られましたので実現する運びとなりました。レンタル移籍の期間中はドラマティック・ドリーム・チームの一員として、秋山選手の歴史と伝統、そしてプロレスラーとしての『1から10』、すべてを選手に叩き込んで、DDTのリング上、そしてプロレス界を大いに盛り上げていただきたいと思います」と経緯を説明。

 全日本・福田剛紀社長は「秋山選手のDDTプロレスリングへのレンタル移籍が決まりましたので、ここにご報告をさせていただきます。秋山選手はプレーヤーとしての活躍だけでなく、オールジャパン・プロレスリング株式会社の前社長として、全日本の看板を守り続けていただきました。今回、高木社長からレンタル移籍の話を伺ったときには、全日本としても戦力的に大変痛いものがあると感じましたが、秋山選手の存在は日本プロレス界の財産ですので、業界発展のために広く後進の育成に、まだまだ尽力していただけるとの思いが強くなり、最終的な結論に至りました。秋山選手のDDTでの活躍を願って送り出したいと思っております」と話した。

 DDTのTシャツを身にまとった秋山は「7月からDDTプロレスリングにお世話になります秋山準です。いろいろ思うこともありますが、男は黙ってDDTで尽力させていただきたいと思います」と決意をみなぎらせた。

 バックステージで、高木社長は「コロナの時期で興行もできてない状況のなかで、DDTとしてもこの時期にプロレス、レスリングを見つめ直すいい機会だと思っておりまして、秋山選手にお願いしてゲストコーチ並びにレギュラー参戦していただいたんですけど。反響が大きく、選手もすごく刺激になってますし、いろいろな部分を吸収したい気持ちが強くなってきまして、私自身も秋山さんの歴史と伝統をDDTに吸収できるものは吸収したいと思ってまして、そのなかでもう少し踏み込んだ形で参戦していただけないかなと。レンタル移籍というのはその流れのなかでできた話で、秋山さんもDDTのリングですごくイキイキとしてらっしゃったので、ダメ元で秋山さんと福田社長にお願いしたところ快く了承していただけました。来ていただいたからにはすべてを我々に伝えていただきたいと思っておりますので、盛り上げていただきたい」とコメント。

 秋山は「全日本のファンの皆さん、今までどうもありがとうございました。社員、選手の皆さんに本当に感謝しております。去年、社長、取締役解任となり、唯一自分で若い子たちに教えることを続けていたんですけど、去年の年末に福田社長から『TAJIRI選手が今後は教える』ということがあり、実際自分のなかで全日本は、試合はありますけど、実質ボクの役目は終わったのかなというところで、タイミングよく高木社長からこういうお話をいただいて、また今日も当たる竹下選手もそういう気持ちでいてくれると。ボクに断るものは何もなくぜひやらせていただきたいと。福田社長にもその話をしたところ、ぜひということでこういう形に至りました。今後DDTのファンの皆さんの前で、ボクの持っているものすべてを選手もそうですけど伝えていければと思います」と話した。さらに「この年になって、まだ必要としてくれるところがあるということでうれしかったです。伝えるものって、あとは自分で考えていくことだと思うので。ボクはいつも言っているんですけど、王道というのは(ジャイアント)馬場さんのものであって、ボクのものではないんですよ。それは今の全日本の選手たちも『オレたちが王道だ』って言える人は誰もいないと思うんですよ。オレがそうじゃないんだから。だから自分たちの道をしっかりつくっていってもらいたいと思います」と新たな戦場に思いをはせていた。

 なお、今後の全日本への参戦について、秋山は「レンタル移籍とは言え、DDTの人間なので、オファーをいただければ、そのときに考えるということです」と答えた。

 この日の第5試合に登場した秋山は、大石真翔、岡谷英樹とトリオを結成し、秋山に宣戦布告した「オールアウト」の竹下、勝俣瞬馬、飯野雄貴と激突。

 秋山と竹下は、全日本の16年6月15日、東京・後楽園ホール大会(秋山、青柳優馬VS竹下、遠藤哲哉)以来、丸4年ぶりの対戦となったが、大将同士がともに先発を買って出た。ふたりは手の取り合いから、激しいエルボー合戦を展開。代わった勝俣も、エルボー連打で秋山に決死の攻めを見せた。5分過ぎ、竹下が秋山にランニング・エルボー、ラリアットを叩き込めば、秋山はジャンピング・ニーパット、エクスプロイダーで反撃。新人の岡谷も、猛烈な勢いで竹下にエルボーを繰り出した。逆襲に転じた竹下は、テキサス・クローバー・ホールドから、逆片エビ固めに移行して、岡谷を絞り上げるも、秋山がカット。10分過ぎ、岡谷を捕らえた飯野がスピア連発で3カウントを奪い、両軍による対抗戦第1ラウンドは「オールアウト」が「秋山軍(仮)」を制した。

 試合後、竹下は「ボクは今日あまり言うことはない。秋山コーチとの対戦はリング上がすべてと思ってるので。一つ言うならば、久しぶりに緊張感のあるプロレスをしたな、と思いました。(岡谷は)若干ボクの10代の頃とかぶりますね。岡谷は、あまり言葉とかには出さないんですけど、先週(20日)、秋山さんにマイクを振られたとき、『近い将来、DDTをボクが引っ張ります』みたいなことを言ってて、勢いで言ったのかもしれないけど、日頃から半分くらい本気で思ってないと、そういうときってパッと出ないんですよ。あれを聞いたときに、ここ数年になかった若手というか、いい意味でビッグマウスというか、本気でそう思ってるんだろうな、って感じました。岡谷には今日、対戦して違う何かがあるような気がしました」と振り返った。

 秋山は「(竹下は)でかくなったな小僧、って感じです。一発一発の当たりも強いし。ただ、オマエはDDTの何なんだ? それがまだわかってない。それを理解してない。わかったときにはすごい選手になる。ここから飯伏(幸太)クンみたいにメジャーになった選手もいる。竹下、オマエはDDTにいて、メジャーと肩並べるくらいになれ。それくらいの力はある。今のままじゃダメだ。自分で考えろ。オレも全日本からここにいて、『何しに来たんだ?』と。それをしっかり考えてオレもやる。それをしっかり考えてやるから、一時より身体も動いてるし、動くようにもってきた」とコメント。秋山はこの日、旧バージョンのテーマ曲で入場したが「シャドー・エクスプロージョンって、いちばん気合入ってたときなんです。今のスターネスは、落ち着いてきて変えたけど、シャドー・エクスプロージョンって、カッカカッカ出て行ってたときの曲なんで」と話した。

 秋山が他団体の選手ではなくなり、DDTに籍を置くことで、両ユニットの闘いは、より一層激しさを増すのは間違いなさそうだ。

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