北岡悟がクラウドファンディングで無観客MMA大会『iSMOS.1』の開催を発表!「この大会を1回で終わらせたくない」

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 来たる7月31日、北岡悟が、パンクラスイズム横浜の道場にてMMA大会「iSMOS.1」を開催することとなった。観客は入れずネット中継となる。
 当日は4カードが予定され、北岡、近藤有己らが出場。初の大会開催に向けて意気込む北岡に話を聞いた。

――ご自分で大会を開催するというのは、いつ頃から考えていらっしゃったのですか?
「4月に、ABEMAで『Road To ONE 2nd』がありましたよね。あの大会に青木真也が出て。あれを見て、無観客で大会やるならここ(パンクラスイズム横浜)でやるのが映えると思ったんです」

――Road To ONE 2ndが行われた4月17日は、緊急事態宣言が発出されたすぐあとで、大会も次々中止になっていた時期で、選手はみんな闘う場を失ってしまいました。北岡さんのSNSなどからも、試合をしたいという気持ちがすごく伝わっていました。
「はい。この大会も、自分が試合をするという形でやりたくて、とにかく自分が試合をしたいというのが大前提でした。
 今(※5月30日現在)、ちょっと緩くなっていますけど、4月の時点ではまあまあ厳しい雰囲気でしたよね」

――場所は、パンクラスイズム横浜の道場ですね。
「ここならフルケージがあって、イベントとして形になると思いました」

――横浜は、アマチュアの大会にも使われていますし、いい会場ですよね。さて、「iSMOS.1」という大会名ですが、ここには、どのような意味を込められたのでしょうか。
「これは『イズモスワン』と読みます。パンクラスイズム横浜の前身は『パンクラスism』でした。僕が運営するようになって、文字並びの纏まりとして美しくないと思って『パンクラスイズム横浜』にしたんですけど、元々は『ism』。その語源であるギリシア語が『ISMOS』なんですね。今回、大会を開催するにあたり、パンクラスismの系譜を正当に受け継ぐ証として、頭文字を小文字 の“i”にしました」

――パンクラスのDNAが脈々と受け継がれていて、嬉しい限りです。また、「.1」とナンバリングされているのは、今後も見据えてのことでしょうか。
「これが『iSMOS』の発進になります。その始まりを告げる意味でナンバリングしました。そして、2回目もやりたいな、と漠然と思っていて、この大会を1回で終わらせたくないという思いもこもっています。
 もちろん、先のことは何とも言えないです。ぶり返しもあるかも知れません。ですが、ここまでくると、もう関係ねえよ、自分でやるならやるよ、と」

――なるほど。意欲が伝わってきます。今回、4カードが決定していて、パンクラスイズム横浜所属の4選手が出場しますね。
「自分の試合のみのワンマッチでも成り立つとは思いましたが、もっとイベント感というか興行感を出すには、昔のism興行のような形がいいと思いました。
 そこで、真っ先に思い浮かんだのが近藤(有己)さん(※VS餅瓶太/和神会)でした。もしも自分がここで無観客大会やるとして試合いかがですか?、という感じで構想段階で話したら、是非、と快諾をいただきました。僕と近藤さんがいれば、それなりの興行になりますし、話題にもなると思います」

――北岡選手の試合(※VS小金翔/フリー)は、RIZIN.17(2019年7月28日、さいたまスーパーアリーナ)のジョニー・ケース戦以来1年ぶりになりますね。
「これ以上、試合をしなかったら、1年以上空いてしまいます。もう今がギリギリのライン。自分の中で、7月がデッドラインでした。通常の状態でなら、年内に2試合して、年末のイベントに出る、とイメージしていて、年末までに2勝したい。この大会を1回で終わらせたくないというのには、そういう気持ちもありますし、いろいろな意味で可能性を感じさせるようなものをやりたいです」

――選手は闘い続けていないといけないですもんね。
「気持ちとしては、これで終わりでもいい、すべて出し切るという気持ちがあります。それとは矛盾するようですけど、1回こっきりにならないよう、思い切り良いイベントを見せたいという気持ちも同時にあります。僕自身の闘いがそうであるように」

――試合で何か起こった時のことを考えて、部屋を片付けて覚悟してから会場に向かったというパンクラシストのエピソードを思い出します。では、若手選手2試合の見どころを教えてください。
「はい。パンクラスイズム横浜からは、木村裕斗と矢澤涼が出場します。
 まず、木村裕斗は、友實竜也選手(ゼロ戦クラブ)と対戦します。木村裕斗はアマチュアで二冠、PANCRASEマーシャルワールド杯2019と、DEEPフューチャーキングトーナメント2019で優勝しています(ともにウェルター級)。ちょうど、どのタイミングにどこでデビューさせようかと考えていたところでした。
 相手の友實選手は、僕がDEEPジムの頃に3年くらい一緒にやってきた選手で、はっきり後輩と言える選手です。この2人には、格闘技をやっていく上で僕の考えが入っています。その2人がどんなぶつかり合いをしてくれるのか、とても楽しみです。大会でなければ、観客として見たいくらいのカードですね」

――プロデビューが師匠の大会でそれも初開催なんて、なかなかないですよね。では、もう1試合は。
「もう1試合は、THE OUTSIDERの現王者・大井洋一選手(ALLIANCE)に矢澤諒がチャレンジします。矢澤にこのイベントで試合をするなら誰と闘いたいか聞いたら、大井選手と闘いたいと。大井選手にもけっこう早い時点で連絡していて、オファーも快諾してもらいました。
 大井選手は15分動ける身体を作るとのこと。矢澤も簡単な試合にはさせないと意気込んでいます」

――とても楽しみです。また、北岡選手は、選手として以外にも、プロデューサー的な役割をしなくてはならないですね。
「大会進行などはこれから考えて、詰めていきます。試合は1つ1つ、勝負論があるかと思います」

――今回は観客を入れない大会となりますが、どのように運営されて行くのでしょうか。
「資金はクラウドファンディング『Makuake』(https://www.makuake.com/project/satoru_pank
で募ります。もしもご興味ございましたら何卒宜しくお願い致します」

 2020年前半は、コロナ禍により世界が大きく揺れた。
 4月7日には緊急事態宣言が発出され、外出自粛や施設の使用制限など、これまで当たり前にできたことが、できなくなった。もちろん格闘技界も例外ではなく、次々と大会が中止・延期に追い込まれてきた。
 しかし、5月25日に緊急事態宣言が解除され、社会活動も徐々に緩和されることに。プロスポーツのイベントは、6月19日以降、無観客(ネット中継など)での開催が可能となる。
 そうは言っても、無観客での大会や、半数の観客しか入れず席の間隔を開けるような大会では採算が取れず、実際には開催不可能に近い。しかし、選手は闘い続けなければ生きていけない。であれば、自分たちでその場所を作るしかない。
 iSMOS.1は、そんな北岡悟の、そして選手たちの、熱い思いが詰まったイベントだ。
 「イズモス」はギリシア語だが、出雲大社を連想させる語感。出雲大社は、神々が集まる特別な神社だ。7月31日、イズモスには闘いの神が集まるのではないか。ここから、また一つ新しい歴史が始まるかも知れない。絶対に見逃せない大会だ。


[大会概要]
大会名:iSMOS.1
日程:2020年7月31日(金)
開始:20:00(予定)
会場:パンクラスイズム横浜
主催:パンクラスイズム横浜
中継:ニコニコ生放送/ニコニコプロレスチャンネル(予定)

[対戦カード]
▼71kg以下契約/ユニファイドルール 5分3R(判定なし)
北岡 悟(パンクラスイズム横浜)
VS
小金 翔(フリー)

▼78kg以下契約/ユニファイドルール 5分3R(判定なし)
近藤有己(パンクラスイズム横浜)
VS
餅 瓶太(和神会)

▼61kg以下契約/ユニファイドルール 5分3R(判定なし)
矢澤 涼(パンクラスイズム横浜)
VS
大井洋一(ALLIANCE)

▼73kg以下契約/ユニファイドルール 5分3R(判定なし)
木村裕斗(パンクラスイズム横浜)
VS
友實竜也(ゼロ戦クラブ)

※全試合、決着がつかない場合は時間切れドロー。

[クラウドファンディング]
『Makuake』https://www.makuake.com/project/satoru_pank
期間:2020年6月1日(月)〜6月22日

(写真/主催者提供、文/佐佐木 澪)

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