【試合詳細】3・26 まっする新木場1stRING大会 ビッグプリンス納谷 with イトーキ・オオヨシ&ショータ・オカムラ&イームズ・ワタセ&コクヨ・カズサダ&エーケーレーシング・ヨシムラvsドリームボーイ今成 with 思切投太郎&高久辛飛光&膝十字欣也&丸目込松&野球棒振正&不意突三

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『まっする2』
日時:2020年3月26日(木)
開始:19:00
会場:東京都・新木場1stRING
観衆:216人

【第一部 まっする2】
▼チームLvsチームS~ユウキザ・ロックのシステマ特訓~ 時間無制限1本勝負
[チームL]竹下幸之介/樋口和貞/納谷幸男/○ユウキザ・ロック
11分12秒 ストーンコールド・スタナー→片エビ固め
[チームS]勝俣瞬馬/今成夢人(ガンプロ)/●翔太(ガンプロ)/趙雲子龍(新北京)

▼ヘル・イン・ア・ブルーシート2~ブルーシートの中身は誰だろなランブル~ 時間無制限勝負
<1人目>
○上野勇希
3分51秒 勝俣瞬馬の熱波
●彰人

<2人目>
○上野勇希
7分2秒 コブラツイスト
●渡瀬瑞基

<3人目>
○上野勇希
9分22秒 Xのロケットパンチ→片エビ固め
●平田一喜

<4人目>
○X
12分14秒 タカタニック→エビ固め
●上野勇希

【第二部 2.9次元ミュージカル「必殺技乱発~新木場ユーズ・ユア・イリュージョンⅠ~」】
▼ノーピープル・ノーウェブキャスト・ノーツイートマッチ~ルーザー・リーブ・シンキバルール 時間無制限1本勝負
○ビッグプリンス納谷(新しい牙)
12分30秒 踏み付け式体固め
●ドリームボーイ今成(新しい牙)

▼再試合 ノーピープル・ノーウェブキャスト・ノーツイートマッチ~ルーザー・リーブ・シンキバ・7カウントフォール・ルール 時間無制限1本勝負
●ビッグプリンス納谷(新しい牙)
4分44秒 ぽっちゃりへのヒザ蹴り→片エビ固め
○ドリームボーイ今成(新しい牙)

まっする2で“2.9次元ミュージカル”が開催され擬人化した必殺技男子とパイプイス男子が激闘!今成が熱い気持ちを叫び納谷社長から勝利!『5日後に負ける上野』が5日後に敗北!

オープニング


 新型コロナウイルス問題に揺れるプロレスの界の中でまっするは予定通り開催。
 オープニングVTRでは、出演する人間全員がマスクを着用していて声が聞き取れないということで音声別撮りで本人たちによるアテレコが為された映像が上映。
ここでユウキザ・ロックが登場し、定期的にプロレスのことをSNSで発信している人などを中心に組織している人たちによって議論される「プロレス専門家会議」にてまっする2が予定通り開催されることが決定したという。
プロレス専門家会議では、自粛ムードが冷めやらぬ中、楽しそうにプロレスをやっていることをファンも選手側もどれくらいオープンにしていいのか分からないということが話し合われ、いつものように時事問題や社会問題を面白おかしく扱うと切り取られ方次第で大炎上してしまうというリスクが提唱され、「不謹慎だと思われることを最初からやらなければいい」という結論に達する。
 健康&安全管理に務めた大会開催と決意したものの、マッスル坂井と鶴見亜門前説の担当から異動されることとなり、VTRは終わる。

 そして新しい前説担当として、前回大会のまっする1GP2020で優勝した“プロテインタイガー”の渡瀬瑞基&上野勇希が登場。上野はガスマスクを装着してリングに上がるが、渡瀬との漫談の中でマスクを脱いで素顔を晒す。そして渡瀬は防疫管理はバッチリということを説明し、ほぼ満員となった観衆へ感謝の言葉を述べる。
 しかし、上野は渡瀬に「とんだ世間知らずだ!来てくれたお客さん、なんでキャンセルしないですか!」と怒るが、渡瀬がキャンセルが多少出てしまったことを明かすと、上野は「ちょっと、お客さん!なんでキャンセルするんですか!」と理不尽な逆ギレ。
渡瀬は上野をなだめつつ、コール&レスポンスの練習を始めるが、渡瀬が「笑って!」と煽ると上野は「いいのかな、こんなときに……」と浮かない顔。そして「アッコに!」と煽るが「おまかせしてもいいんだろうか……」と浮かない顔。そして渡瀬が「ひらがなまっする!盛り上がってやるさー!」とおなじみのフレーズで問いかけると、上野は「なんで~?」と対応。渡瀬は「なんでかってそれは~?」とノッていくが、上野は「鍛えてるんだけど本当に大丈夫なんだろうか……」と浮かない顔。
 そして渡瀬は「ここで最重要禁止事項。今のVでもあったけど、100%いじりますよ。そういう人間たちだから。そういうやつらを集めたんだ、ひらがなまっするは。でも勘違いしないでほしいのは、悪いいじり方はしません。みんなで乗り越えよう、頑張っていこうというみんなが幸せになるようないじり方をもしかしたらするかもしれない。でもそこだけ切り取られて表に出されてしまうと確実に炎上します!ウイルスの名前は絶対言わないこと。我々もウイルスの名前は絶対言いません!ですから皆さんも言わないようにしましょう。ウイルスネタだけはノーツイートでお願いします!」と注意喚起。
 上野は「ノーツイートですけどmixiとアメブロは誰もやってるひと1人もいないんで大丈夫ですかね」とノッていくと渡瀬が「親会社をいじんないでください?!」とツッコミ、ひとしきり喋った後、渡瀬と上野が去っていくが、「負けるまであと30分くらい」とテロップが流れ、OPVでは出場選手たちがポーズを決めながら現在の体温を提示。

まっする第1試合


 OPVが明けると、内藤哲也のテーマに乗ってユウキザ・ロックが登場。
 
ユウキザは、「ブエナスノーチェス!新木場ァ!ひらがなまっする総合演出、漫画家・イラストレーターのユウキザ・ロックです!本日はですねこのような状況の中、皆さんの不安な気持ちや心配な気持ちを抱えながらですね、この大会が見たいということでこれだけ大勢の人が集まってくれました。本当にありがとうございます!やるからには最高のひらがなまっするをお届けします。よろしくお願いします。ひらがなまっする見たいか?!見たいか?!見たいか?!答えはもちろん、あっせんなよ!……ホンマ焦るわ」と挨拶。

 そして、大会5日前からSNS上にて展開されていた動画シリーズ『5日後に負ける上野』について紹介し、今回のひらがなまっするのテーマは“進化”であると発表。
 続けて第1試合として、前回大会で好評だった体格差のある戦いを進化させたいということで、チームLとチームSの8人タッグマッチ全面対抗戦が発表。
竹下幸之介&樋口和貞&納谷幸男&みなみかわvs勝俣瞬馬&今成夢人&翔太&趙雲子龍というカードが発表されるが、みなみかわが芝居の稽古のためスケジュールNGが出てしまい、まっするの本番を欠場。ユウキザがみなみかわの舞台の告知を行い、第1試合が開始。

 煽りVではみなみかわの代役としてユウキザ・ロックが出場することが発表。「お客さんはみなみかわが見たいんじゃなくて、システマが見たいんだろう?」とぶっちゃける。
 そしてユウキザ・ロックはみなみかわにシステマの呼吸法を教わって特訓していることが明かされ、そのポテンシャルにみなみかわは「一流の漫才師だったユウキザ・ロックさんにこんな才能が隠されていたとは……」と驚愕。
 みなみかわは試合がプロレスルールであることを心配するが、ユウキザ・ロックは2006年のハッスル16でプロレスデビューを果たしており、デビュー約15年のキャリアを持つベテランだったことが説明される。
 対してチームSの今成は「チームSのSはスモールのSじゃねーんだよ!スペシャルのSだエーコラー!」とすごむが、長すぎるため途中でカット。ついに試合が始まる。

 内藤哲也のテーマに乗って入場したユウキザはけだるげに2本のベルトを持ちながら登場。
 趙雲と樋口でゴングが鳴ると、ロックアップで組み合うが樋口が怪力で趙雲を吹き飛ばす。ならばと趙雲はチョップで攻め込んでいくが、樋口はノーダメージで逆に重たい逆水平チョップ。趙雲はジャケットを脱ぎ捨てて樋口の顔に投げつけてチョップを見舞うが、樋口が怒って突き飛ばし両者タッチ。
 翔太と竹下の対面となると、ロックアップからヘッドロック、ショルダータックルの攻防となるが、翔太がぶつかっていっても竹下はノーダメージ。翔太は「竹下お前が行け!」と走らせるが、翔太は竹下の髪をつかんでタックルも、竹下が逆にショルダータックルで吹き飛ばす。ここでユウキザがタッチを求め、勝俣とユウキザの対面に。
 勝俣が強烈なチョップを放つが、ユウキザはシステマの呼吸でダメージを無効化。しかし何発も食らっている内に呼吸が乱れ、ユウキは苦痛に顔を歪める。勝俣が間をとってラリアットを放つが、その間に呼吸を整えてダメージを無効化。ならばと勝俣はマシンガンチョップを放つと、ユウキは「システマが追いつかん!」と悲痛な声を上げる。

 そのままチームSの面々にユウキが捕まる展開となり、翔太がユウキのシャツをめくって背中にひっかき攻撃。翔太は「痛いだろう!」と腹の肉をつまみ上げるが、ユウキはか細い裏声で「ゼンゼンイタクナイ!!」と意地を張る。続けて趙雲と翔太がユウキの股関節を広げていき「痛いって言え!」と迫るが、ここにチームLの面々がカットに入る。しかしこれはチームSの攻撃を助ける結果となり、ユウキは呼吸が出来なくなってしまう。趙雲はフットスタンプやフィストドロップで追撃。ユウキザは「全集中!水の呼吸!」とシステマではなく鬼殺隊の呼吸を使って無効化し納谷にタッチ。
 納谷はチームSの4人をショルダータックルで吹き飛ばし、趙雲にサッカーボールキック。竹下にタッチ。
竹下は趙雲にアルゼンチン・バックブリーカー。カットにきた勝俣と今成を納谷と竹下がアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げて競演。さらに竹下が趙雲にパワーボムを狙うが、趙雲はこれを抜け出してコンビネーションキックからチャイニーズゴリースペシャルボム。両者タッチ。

 翔太とユウキザの対面となると、ユウキザは荒い呼吸でチョップを打ち込んでいくが、翔太のチョップに尻餅をついてしまう。さらに翔太が金的蹴りも、ユウキザはプルプル震えながら呼吸を整え、さらなる翔太の金的攻撃に防御の姿勢を取るが、2発目、3発目と食らってしまう。
 ここにチームLの面々が救出に入り翔太にトレイン攻撃。そして竹下がブレーンバスターからユウキザがフォール。これを今成にカットされるとユウキザはロックボトムで翔太を叩きつけるが、これは今成がギリギリでカット。
 ユウキは竹下の「もう一個ザ・ロック!」の声に応えてよろよろとピープルズエルボー。しかしこれも今成にカットされてしまう。続けて竹下が「猪木!猪木!」と支持を出すと卍固めに捕えるが、これも今成に早急にカットされてしまう。

 ならばとユウキはスイート・チン・ミュージックを叩き込むが、これも今成がカット。WWEスーパースターたちのネタが尽きてきたユウキザだが、最後はスタナー。アメプロに精通する翔太が見事なスタナー受けを見せ、ユウキザ・ロックが勝利。

 しかし、試合後には今成が執拗にユウキザのフィニッシャーをカットし続けたことで、「今成さん、トゥーマッチって分かります?」などと非難され、空気が読めないと糾弾される。今成は「そりゃ負けたくないからさ、カットに行くでしょ。そんなに毎週試合無いから体力ありあまってる!」と駄々をこねて口論に。ついにチームSの仲間たちからも「お前のせいでチームSの仕事が減ったらどうすればいいんだ」と批判され始め、樋口の「今成!このド素人が!」に続き納谷の「アンタは映像だけ作ってりゃいいんだよ!」の言葉についに今成もキレてあわや乱闘に。

 ここで仲裁に入ったユウキザが「落ち着いて、俺の話を聞いてくれ!俺はハッスル16以来の試合や。そんときのメインがHGvsインリンや。ハッスルはな、プロレスじゃなくてファイティングオペラって謳ってんねやけど、実はな、ハッスルには台本がある。一流のシナリオライターが作って、やること全部決まっててな、それに向かって全員で進む作品を作ってんねん。君ら若いから全く知らんと思うけど、アイツらは作品を作っとる。プロレスってのは奥が深いねん。だからさ、今成もさ、あないさ、必殺技返すかな?俺ももうロックボトム決まったやないか。あれでいいやないか。何度も何度もしんどいわ。俺47やでお前。頼むわ。みんなでやっとんねんから。せやろ?考えてやらんと。ちょっと次の進行やろうと思ったんやけど、疲れたから鶴見、進行やって。チームSは負けたんだから帰って」と今成にダメ出し。納得行かず暴れる今成をチームSの面々が引きずって退場していった。

 そしてユウキザは「私は前回ハッスル16で島木譲二に負けました。今回復帰でやっと勝つことが出来ました。ありがとうございます。ということで、最後はもちろん締めさせてもらいます。NAYA!HIGUCHI!TAKESHITA!イ・ユウキザロック!ノスオトロス!ロス・インゴベルナブレ~ス!デ!ハ!ポン!」と第1試合を締め、最後は4人で拳を合わせて各々おなじみのポーズで記念撮影を行ってから去っていった。

まっする第2試合


 進行を託された鶴見亜門がユウキザ・ロックが残したカンペを基に進行。
 次の試合は前回大会で好評だったヘル・イン・ア・ブルーシート戦を進化させた試合形式で行われることが発表。今回はさらに「チームMの4人がブルーシートの中で誰と戦っているのか分からなくても面白いのか」を検証するため、対戦相手として“X”を用意。チームMの面々がランブル形式でXと対戦。試合を見る観衆はXの正体を心の中で思い浮かべ、心の中で答え合わせをするという楽しみ方を提示。
そして今回も神実況コンビこと村田晴夫アナ&鈴木健.txt氏がこの試合を実況・解説することとなった。

 最初に、竹下と納谷によってブルーシートに包まれた謎の人物“X”がブルーシートの中に運び込込まれる。
 続いて勝俣と上野が石油ファンヒーターの名機・ブルーヒーターを持ち込み、ゴングが鳴るとDDTサウナ部の熱波師の資格を持つ勝俣がヒーターを点けてブルーシートサウナを作り出す。
 ブルーシートの中で50度を超えると目される温度の中でレスリング戦が展開される中、第3入場者の彰人が入場しブルーシートイン。サウナが苦手な彰人は動きにキレがなく、2人にやられている音と声だけが響く。彰人は汗まみれになりながらアンクルホールドに捕らえていくが、汗で滑って苦戦。しかし彰人は幻のゴライアスバードイーターを完成させるが、ブルーシートの中で展開されているため観衆は誰も見えず。
 ここで勝俣が熱波を送ると彰人は技を解いてしまい、Xによって彰人が60度を超えているというブルーシートの中で延々とロープワークをさせられ、勝俣がさらに熱波を送ると彰人はギブアップ。
 そしてここで村田アナも暑さでギブアップし、ブルーシートの外へ。鈴木氏の解説を聞きながら実況していくという状況が出来上がる。
 続けて第4入場者として渡瀬瑞基が入場。渡瀬はイスを持ってブルーシートインし、イスで全員を殴打。しかし上野がイスを奪い取ってクリーンファイトを要求していることが実況される。
 しかし、上野が鈴木健氏すら見たことのないという技をかけているというが、村田アナがヒントを基に解析するとこれはコブラツイストではないかと分析。さらに「蛇がひねっているような技」と特徴を語るが、村田アナは「そらコブラツイストと違うか……?コブラツイストでギブアップなんて見たこと無い」と言うが、ここで上野が「喰らえ!コブラツイストだ!」と叫び、ミルクボーイ的なやりとりのすえについに技の正体が判明。ここで渡瀬がギブアップ。
 続けて最終入場者の平田がブルーシートイン。いつものようにダンスを踊ろうとするが、入場曲が急に止まって平田の悲鳴が聞こえたためカットされたことが推察され、上野とXが共闘して平田に襲いかかるが、平田が2人に手刀を叩き込んで失神させる。平田は「よくも俺のダンス潰してくれたなあ。カモン!」と叫ぶと再びミュージックスタートするが、再び音楽が止まり、Xが「ロケットパンチ!」と叫びながらなんらかの技を放ち、平田のフォール負けがコール。
 最後に上野とXが残り、Xは「上野!お前の大事なひよこがどうなってもいいのか?!」とDJニラに酷似した声が響き、観衆は大歓声。Xは「これが人質にある限りお前は俺に手を出せない!しかぁし!人質が人質でなくなれば問題ないだろう?!だからこうしてやる!」と叫びながらひよこをランニングスリーで叩きつけたということが実況される。
 続けてXは「上野!お前の大事なワニがどうなるか!」と今度はワニ質を取るが、ワニが木曽レフリーに噛み付き、Xは「ならこれで潰してやるよ!What time is it now!?DJタイム!」と叫ぶが、どうやらこれは木曽レフリーに誤爆した様子。
 そして上野は「DJニラ!お前だけは許さねえ!」とイスで殴りかかるが、Xは再びワニ質をとり、「お前の大事なワニがどうなってもいいのか?!卑怯?ありがとう!最高の褒め言葉だ!」と叫び、手が出せないままの上野が傘で刺されてしまい、Xが負傷欠場している高梨将弘に贈るタカタニックで上野を沈めた。

 ここでユウキザが再登場し、ブルーシートをめくらせると、中にはワニによってフォールされている上野とニラの傘だけが残されており、Xはこつ然と消えてしまう。

ユウキザ「『5日後に負ける上野』作者のきくちゆうき改め、ユウキザ・ロックです。最終回、いかがだったでしょうか。物語っていうのはみんなの心の中に結末っていうのはあると思います。だから僕からは何も言いません。皆の心の中で考えて皆さんの中で結末を作ってください。ただ、その後の上野、そして5日より前の上野が知りたい方は……実は、書籍化が決定しました。それと、映画化が決定しました。僕のTwitterで見ていたのは映像ではなく良く出来たアニメーションでした。今回映像化ということになりました。あとグッズも作っております。あとLOFTでポップアップストアも開催しております。そして超大物アーティストとのコラボも決定しております。今後もですね、大手広告代理店とタッグを組んで様々な展開をしていきますので皆さん楽しみに待っていてください」

 ユウキザは、『5日後に負ける上野』が最終回を迎えると同時に多面展開するなんらかの“案件”であったことを明かすが、ここで鶴見亜門が「そういう広告代理店と何ヶ月も前から仕込んできたような巨大プロジェクトって、ホントに僕たちに合ってるんでしょうか?!」食って掛かる。
 「稼げるときに稼がんと!」とまっするをキャラクタービジネスとして“進化”させたいユウキザと、「僕らは気の合う仲間と集まって本当に面白いと思えることをしたいだけなんです!」とコンテンツのクオリティを“進化”させたい亜門が言い争うが、次第に互いのプライベートにも踏み込む罵り合いに発展してしまう。

 しかし、ここでササダンゴがリングに上がって来ると、ユウキは「スーパー・ササダンゴ・マシンさんじゃないですか!俺大ファンなんですよ!」と笑顔に。
 ササダンゴは「今日はあの、鶴見亜門さんにひらがなまっするをどうしたらいいか相談されたのでプレゼンの資料を用意して来ました」と煽りパワポの準備があることを明かすと、はしゃいだユウキが選手たちを全員リング上に集め、スクリーンでプレゼンを鑑賞。

 ササダンゴは、2019年のプロレスの市場規模は140億円にものぼり、ここ5年間で毎年3%ずつ上昇している成長中の業界であることを説明。しかし、1年で45%も成長している2.5次元ミュージカルというさらに熱い市場があることを明かし、その市場規模は225億円とプロレスを遥かに上回っていることを明かす。
 この金額にリング上の面々は一気に色めき立ち、ササダンゴは「今日の選手・スタッフを集めれば2.5次元舞台が出来るのではないか」と提唱。自身が2009年に手掛けた“早すぎた2.5次元ミュージカル”こと『キン肉マニア2009』を引き合いに出し、プロレスで2.5次元舞台は可能であるとアジテーション。
 しかし、2.5次元ミュージカルを名乗るには2.5次元ミュージカル協会の許諾がいることなどの問題点を上げ、それを解消する手段として2.5次元ミュージカルより0.4次元分現実寄りの“2.9次元ミュージカル”を提唱。
 しかし、これを実施するに当たっての問題点として「我々には二次元がない」と語り、それを解決するために一旦二次元を経由することにし、『漫画版ひらがなまっする』の用意があることを明かし、これを完全舞台化するというプランをぶち上げる。その名も『必殺技乱発(ふぃにっしゅらんぱつ)』。この漫画版を休憩中に売店で販売、およびDDTの公式Twitterなどで無料公開し、劇中歌やダンスなども用意していると明かす。選手たちは原作を読み込んで役作りをするために慌てて退場していった。

『必殺技乱発~新木場ユーズ・ユア・イリュージョンⅠ~』


 『必殺技乱発』は、プロレスの必殺技が美少年に擬人化した“必殺技男子(ふぃにっしゅだんし)”と、悪のパイプイス男子が戦うというストーリー。
 2020年5月という近未来を舞台にし、新型コロナウイルスの感染拡大により開催が予定されていた各イベントが中止や延期を余儀なくされているという荒廃した世界観の中、東京都江東区の地域密着型プロレス団体『新しい牙(通称:シンキバ)』のベテラン若手レスラーのドリームボーイ今成(今成夢人)は試合が全く出来ず悩んでいた。
 シンキバは最初こそ無観客試合をネット配信するなど企業努力をしていたが、プロレス以外の様々なコンテンツが無料配信されたことで他にも面白いものがたくさんあることがファンにバレてしまい急速に人気が低下。結果的に経営難に陥り、新進気鋭の敏腕経営者であり現役プロレスラーのビッグプリンス納谷(納谷幸男)によって買収されてしまう。
 
 上記内容が煽りVTRで紹介された後に会場に照明が灯ると、リング上ではミニシアター久弥(鶴見亜門)とドリームボーイ今成がハードなトレーニングを行っており、新社長であり、新しい牙の試合ではなく自身のYouTubeばかり配信している新社長の愚痴を言い合う。
 そこへビッグプリンス納谷と悪徳秘書(ユウキザ・ロック)が入場し、悪徳秘書は納谷社長のYouTubeチャンネル『なやチャンネル』の配信のために、「試合もないのにトレーニングしてどうするんだ」と嘲笑して2人のトレーニングを止めさせようとする。
 これに怒った久弥は、レスラーとしての威信をかけ納谷社長に勝負を挑む。

 ゴングが鳴ると、勇ましいBGMとともに納谷と久弥の試合が始まり、久弥が手4つを求めるが、納谷はマスクを装着していない選手との濃厚接触を嫌がって組合わず。悪徳秘書が“素晴らしい装着感と密着性、特殊抗菌・防臭・防塵に優れたトラスコ中山社世のクリーンマスク”を用意し、久弥はこれを装着。
 改めて手4つで組み合うが、「マスクの密着性が高くて息ができない」と久弥の心の声が響き、久弥が力を失ったところで、納谷のプリンスメーカーが炸裂。久弥はKOされてしまう。
 久弥は「今成、これからのシンキバはお前がエースだ。あとは、頼んだ、ぞ……」と死んでしまう。号泣する今成だったが、「久弥さんの敵は俺が取らせてもらうぞ!」とゴングを要求。
 しかし納谷は格闘技仕込みのコンビネーションパンチで今成をダウンに追い込んでいくが、今成は「坊ちゃん育ちにはプロレスが無理だってこと教えてやるぜ!」と噛み付き攻撃。5秒以内ならば反則が許されることを逆手に取った攻撃で攻め込んでいく今成だったが、ここで誰も正体を知らない謎の選手、イスのメーカー名を冠した名のショータ・オカムラ(翔太)が現れ、今成をパイプイスで殴打。納谷はイスを振りかぶるが、ここで時が止まり、スクリーンにはその魂をマスクに乗り移らせた久弥の姿が。
 久弥は納谷社長を倒すため、今成に自身が大切にしている必殺技を5つ授けると宣言。

 VTRが明けると、オリジナルソングである『必殺技乱発!(ふぃにっしゅらんぱつ)』に乗って必殺技男子たちが登場。
 擬人化した投げ技系必殺技の神である思切投太郎(竹下幸之介)はジャーマン・スープレックス、続けて擬人化した飛び技系必殺技の神である高久辛飛光(上野勇希)がフロッグスプラッシュ、さらに擬人化した関節技系必殺技の神である膝十字欣也(彰人)がビクトル式膝十字、さらに擬人化した丸め込み系必殺技の神である丸目込松(平田一喜)、擬人化した打撃系必殺技の神である野球棒振正(勝俣瞬馬)が現れ、振正がレゴ野球棒、込松がスクールボーイで攻め込み、最後は5人揃い踏みで「俺たちいつでも必殺技乱発!必殺技男子!」と名乗りを上げる。

 大ダメージを負った納谷社長は悪徳秘書に連れられて退場していった

 そして必殺技男子は、オリジナルソングである『必殺技乱発!』に乗ってリング上でダンスを披露し、「おまたせしました!宿主様!」と今成に忠誠を誓う。
 状況が飲み込めず困惑する今成に対し、投太郎は「先程のショータは厳密にはプロレスラーではなく、プロレスの試合で凶器として使われて壊れてしまい、道場の片隅やリングの下などに放置されたパイプイスが怒って擬人化したものであり、寄生したレスラーを凶悪化させる付喪神である」と説明される。
最近の具体例としては、パイプイス男子に寄生されたレスラーがLINEの公式アカウントなるものを作り、そこに連絡をくれた女性ファンをアレコレしてしまうというプロレス界の風紀を乱す存在になってしまったという。必殺技男子はそのパイプイス男子を倒すために遠い未来から送り込まれてきた存在なのだという。
 新たな宿主となった今成は大喜びで必殺技男子たちと自撮りをするが、必殺技男子たちは写真に写らず今成だけが映った写真が撮れる。
 ここで悪徳秘書からLINEが届き、翌日にノーピープル(無観客)・ノーウェブキャスト(無配信)・ノーツイートマッチ(口外無用)、敗者がシンキバから去るというルールでの再戦を要求。今成もこれに応じ、決戦に向けて自分で煽りVを作る必要もなく、色々と余裕ができた今成はエニタイムフィットネスでトレーニングを行おうと宣言して意気揚々と去っていく。

 会場が暗転すると、スクリーンには道場の片隅に放置されていた壊れたパイプイスたちになんらかの魂が宿り、霊体となって就寝中の納谷社長の体内に入っていく映像が映し出される。
 そして納谷社長の精神世界の中で先の試合に敗れて苦しんでいたショータの元へ、イトーキ・オオヨシ(趙雲子龍)、イームズ・ワタセ(渡瀬瑞基)、コクヨ・カズサダ(樋口和貞)、エーケーレーシング・ヨシムラ(吉村直巳)というイスのメーカー名を冠した新たなパイプイス男子たちが登場。5人で必殺技男子たちとの決戦に挑む姿勢を見せた。

 VTRが明けて会場が明るくなると、リング上にパイプイス男子たちが勢揃いしており、オリジナルソングの『パイプイス×バイブス』に乗ってダンスを披露。

 まずはドリームボーイ今成が入場。マスクに魂が乗り移った久弥から「おい今成!コンディションは大丈夫なんだろうな?必殺技はあくまで必殺技。序盤のレスリングや中盤の組み立てを疎かにするんじゃないぞ!試合の最後の方に出すから必殺技はフィニッシュって呼ばれるんだ」とアドバイスを受ける。

 続けてビッグプリンス納谷と悪徳秘書が入場し、ゴングが鳴ると、勇ましいBGMが鳴り響く中、納谷社長がパンチやボディスラムに鋭いSEが付くほどの猛攻を仕掛ける。「昨日あのあとやることが無さ過ぎて遅くまでトレーニングしてしまって全身が筋肉痛だ!しかも体格差がありすぎて全然こっちの攻撃が効かない!もうダメだ!助けてくれ!必殺技男子!」と今成の心の声が響く。

 ここに込松が登場し、「随分と早いご指名ですねえ。相手にダメージのない状態ではほとんどの必殺技は発動できないんですよ!……ただ1つ、僕の丸め込みを除いてね!」と込松がスクールボーイ。
 しかしここにオオヨシがリングに飛び込んできて中国4000年の丸め込みでイトーキを丸め込んでキャメルクラッチ。
 ここで飛光が乱入してカットすると、オオヨシがソバットからロープに飛んでいくが、飛光がキャッチしてボディスラムからフロッグスプラッシュ。
 ここにショータが入場してパイプイスで飛光を殴打。しかし飛光はショータ延髄斬りをかわし、ショータの持つイスごとドロップキックで吹き飛ばす。さらに追撃を狙って突っ込むが、ショータが引き込んでDDTで反撃。
 そしてここに振正が飛び込んできて有刺鉄線バットでショータを殴打。

 さらにワタセが入ってきて有刺鉄線パイプイスで振正を殴りつける。
 続けて欣也が入ってきてショータとオオヨシ2人まとめてドラゴンスクリュー。
 ここへカズサダが入ってきて欣也をイスの上にアイアンクロー・スラム。

 ここで投太郎が入ってきてカズサダのバックを取るが、カズサダは耐える。

カズサダ「ほう、いいクラッチだ。おい必殺技男子!お前たちの目的は何だ!なぜ我々の邪魔をする!」
投太郎「そこにいる納谷から3カウントを取って、その身体に寄生するお前達パイプイス男子をこの世から消滅させることさ!」
カズサダ「消滅させるだと?面白い。だったら俺にそのフィニッシュを決めてそこにいる納谷から3カウントを取って見るんだな!」

 投太郎がジャーマン・スープレックスを狙うが、中々上がらず苦戦。カズサダが振り払って投太郎にアイアンクローを決めると、まるでメキメキというSEが響き渡るかのような恐るべき威力で投太郎を苦しめる。さらにカズサダがドクターボムを狙うが、投太郎も投げっぱなしジャーマン・スープレックスで対抗。
 投太郎は「さあ今成さん!納谷からフォールを取るんだ!」と叫び、今成が3カウントフォールを決めるが、なぜか試合終了を告げるゴングが鳴らない。

 ここで再びスクリーンに映像が映し出され、マスクに魂が乗り移った久弥から、パイプイス男子にはまるでゲーミングチェアのように進化した新型パイプイス男子である大将のエーケーレーシング・ヨシムラが残されており、ヨシムラを倒さないと納谷社長は浄化されないということが明かされる。
 大量のパイプイスを持ったヨシムラがリングに登場し、「皆さんはじめまして新型パイプイス男子のヨシムラと申します」と恭しく挨拶をしてから必殺技男子たちを次々にイスで倒していき、振正にはイスを投げつけてキャッチさせた上でラリアット。さらに他のパイプイス男子によって投太郎がコーナーポストに縛り付けられ、ヨシムラが今成にデスバレーボム。
 ここで悪徳秘書が「この新型パイプイス男子のパンデミックを収束させるには、3カウントではダメだ!最低7秒!7カウント必要だ!」と進化したパイプイス男子の恐るべき力を語る。
 さらにスクリーンに映し出された久弥から「今成!新型パイプイス男子の撃退法が分かったぞ!手洗いうがいをしっかりやるようにフォールの時間をかけてしっかり抑え込むしか無い!これからは1(いち)、2(に)、3(さん)、4(し)、5(こ)6(ろ)7(な)!こ・ろ・な!までしっかり抑え込んで初めてあいつらを撃退できるんだ!」とアドバイスが贈られる。

 動きを封じられた必殺技男子たちは試合を今成に託すが、今成がうろたえている間にパイプイス男子たちに袋叩きにされてしまい、さらに納谷社長がプリンスメーカーを叩き込む。

 今成は絶体絶命のピンチとなるが、ここで突如『必殺技乱発!』から遠藤哲哉の入場曲が鳴り響き、新たな必殺技男子・擬人化したサプライズ型必殺技の神である不意突三(遠藤哲哉)が颯爽とリングへ。
 突三はワタセをリングアウトさせ、ヨシムラにソバットからスワンダイブ式フランケンシュタイナー。そして納谷社長に今成とともにダブルのフィッシャーマンズ・スープレックス。さらに突三がコーナーに上がっていき、納谷社長にシューティングスター・プレスを狙っていくかと思われたが、技を出すこと無くコーナーから降りてしまう。
 今成は突三に詰め寄っていくが、突三は今成にヘッドバッドで不意を突き、トーチャーラックボムで叩きつけ、「プロレスにおける最大のサプライズ。それは信頼した仲間による裏切りである!」というナレーションとともに突三が去っていく。大の字に倒れ込んだ今成を納谷社長が踏みつけてフォールし3カウント。


悪徳秘書「今成、社長は7カウントいるけど、お前は3カウントで十分なんや。今成、分かってるやろな?団体を去ってくれ。お前、言うても、いろんな映像の仕事とか出来るやろ。大丈夫や。団体から去れ」
今成「ヤダ。去りたくない!まだ試合がしたい……。他に仕事はあるのかも知れないけど、プロレスやりたいんですよ!俺!学生時代にmixiで坂井さんからメッセージが来たんです。『学生プロレスの選手の相手を探してるから俺と試合をしてくれ』って。そのメッセージで僕の人生が変わったんです!そこからDDTと関係を持つようになって、坂井さんにも憧れるようになって、拙い美大生だったけど、坂井さんみたいにプロレスと映像を駆使してるクリエイターになりたいって、そっからずっと思うようになって、ずっと今日まで生きてきたんです!そんな坂井さんがずっとずっとうだつの上がらない僕に、こうやってプロレスと映像とか使って!なにか代弁できる場を!作ってくれた!坂井さんは、一回引退してからもずっと僕のことを心配してくれたんです!坂井さんが引退して、入れ替わるように映像班に入って、ずっとボロボロになって映像作ったけど、でもやっぱ、映像作りながらDDTのことを大好きになって、俺もプロレスがどんどんどんどん好きになって、それでもうだつ上がらないけど!俺、今もこうしてプロレスやりたいって思ってる!もっとプロレス、このリングでやらせてくれ!」
悪徳秘書「プロレスやりたいんか?プロレスやりたいんか!」
今成「もっとやりたい!」
悪徳秘書「ただな、プロレスやりたいって思ってるレスラーはな、今日本中にいっぱいおるねん!でも出来へんねん!俺らは決行した!その気持ち背負って試合出来んのか?!」
今成「ヤルッ!!」
悪徳秘書「ファンはな、カッコいい技とか、そんなんも見たいけど、選手の心が見たいねん!お前、心の試合が出来んのか!
今成「ヤルッ!!心の試合がやりたい!!
悪徳秘書「俺たちの感情を動かせんのか!」
今成「プロレスがやりたい!ここで!心を解き放ちたい!」
悪徳秘書「……納谷社長、いいですか?!」
納谷社長「俺だって色んな挫折乗り越えてきたんだよ!今でも挫折することたくさんあるよ。だから最後にもう一回アンタと試合してやるよ!」
悪徳秘書「じゃあ見せてくれ!プロレスをッッ!」
今成「……アンタは俺から3カウントを取ったら勝ち!俺はアンタから絶対!7カウントを取る!7カウントを取って勝ちだ!戦いのゴングを鳴らしてくれッ!」

 ゴングが鳴るとともに今成が突っ込んでいき、雄叫びを上げながらガムシャラなエルボー連打。納谷社長の重い一撃に怯むも、すぐにまた突っ込んでいって言葉に鳴らない熱い気持ちを叫びながらエルボーを叩き込む。納谷社長のニーリフトで崩れ落ち、苦悶の表情を浮かべる今成だったが、すぐに立ち上がってエルボーを速射。
 納谷社長は突っ込んでくる今成を蹴り飛ばし、エルボーでなぎ倒してからチンロックで痛めつける。今成は壮絶な悲鳴を上げながらもロープにたどり着くが、納谷はフルスイングのエルボー、首相撲からのニーリフト、さらにランニングニーと叩き込むがこれはカウント2。
 納谷社長はさらにブレーンバスターを狙うが、今成は必死に堪えて逆にブレーンバスター。ここで悪徳秘書がパイプイスを持ってリングに上がるが、納谷社長がこれを止めてパイプイスを取り上げ「来い!今成!」と真っ向勝負を挑む。
 今成は怒涛のエルボー連打で納谷にヒザを付かせると、そのまま覆いかぶさってマウントエルボー。フォールもカウント1。ならばと今成は何度もランニングエルボーでぶつかっていくが、納谷は正面から耐えて強烈なビンタ「来い!今成!」とさらに今成に打撃を打たせていく。
 今成はランニングエルボーを連打し、さらにスライディングキック。しかしこれはカウント6(ろ)で返される。
今成は必殺技男子たちに自身へエルボーを打たせてさらに気合を入れると、投太郎はヘッドバッドからビンタ。今成は納谷社長に正面からぽっちゃりへの膝蹴り、後頭部へのぽっちゃりへの膝蹴り、さらにロープを2往復してからのぽっちゃりへの膝蹴りと怒涛の連撃を叩き込み、そして1(いち)、2(に)、3(さん)、4(し)、5(こ)6(ろ)7(な)のカウントを決め、今成が執念の勝利を収めた。

今成「納谷!俺の気持ち、応えてくれてありがとう!こんな熱い試合が出来て、本当に嬉しい!お前も挫折いっぱいあるだろうし、僕も挫折して今こうやってプロレスに救われています。また一緒にプロレス団体、やりましょうよ。」
納谷「俺は負けた!負けた人間はこのリングを去る!」
今成「なんてまっすぐな人なんすか!」

 今成は、よろける納谷社長に肩を貸し、一緒に退場していった。

リング上に取り残された必殺技男子たちは、リングの下から自分たちを睨みつけるパイプイス男子をリングに上げる。
投太郎が「パイプイス男子、俺たちの長い戦いが終わった。お前たちに帰る場所はもう無いんやろ?それを俺たちが居場所作ってやるから、俺たち10人で新しいプロレス団体、旗揚げしねえか?」と握手を求めると、カズサダは「次は負けねえからな!」とガッチリその手を握る。

 最後は必殺技男子とパイプイス男子が握手やハイタッチを交わして健闘を称え合い、今成、納谷もリングに戻ってきてエンディングテーマが流れる中で全員でカーテンコール。
 さらに桜吹雪が舞い散る演出の中で全員で踊り、最後は全員で手をつないで輪になり、会場の四方の観衆へ挨拶した。

 そして大会の締めにユウキザとマッスル坂井、鶴見亜門もリングに上がり、全員に大会の感想を述べさせる。

チームL
竹下「まあね、最後熱い試合も見れたし、必殺技乱発も良かったんじゃないでしょうか!」
納谷「こんなご時世だからこそ、今成さんとこんだけ熱い試合がすることが出来てすごく嬉しかったです!」
樋口「今日感じたことは、やっぱりプロレスっていいなあってホントに思いました」
吉村「はじめまして。最初で最後のラップでした(笑)皆さんちゃんと聞いてましたか?(笑)もう無いんで!もう無いんで!(観衆の「えー!」の声に)……じゃあやる!(笑)」

チームM
渡瀬「最初に、ノーツイートっていったのに、早速ツイートしてたやついたぞ!見つけるからな!(笑)ありがとうございました!」
上野「ひらがなまっするはですね、非常にプレッシャーが多すぎるんですけども、それがとても楽しくて。今日も皆さんありがとうございました!」
彰人「僕、ミュージカルで一度大失敗したことがあって、新北京プロレスっていうので大ゴケしたことがあって。めちゃくちゃトラウマで前回以上に緊張してヤバかった(笑)でもなんとか上手く出来て良かったです!ありがとうございました!」
平田「むっちゃ達成感ヤバい!(笑)そして必殺技男子、終わりたくないっすね~!またどこかでやりたいです!」

チームS
趙雲「ホント、この年になってまさかダンスの練習とレコーディングをすることになるとは思わなかったんですけど(笑)プロレスしてると新しい発見があって今回もすごく楽しかったです!ありがとうございました!」
勝俣「ダンスの振付をしたこともないのにダンスの振付を任されて、プレッシャーがすごかったんですけど、やっぱ終わってみるとひらがなまっする最高だなって思いました!これからもっとひらがなまっするのメンバーでもっともっと大きなところに行きたいと思いました!これからもよろしくお願いします!ありがとうございました!」
翔太「(泣きながら)最後の試合で、僕はロックさんの言葉で僕はちょっとやられてしまって……。今成さんに……うぅっ……今成さんに、ぼくらのプロレスをかけて戦ってもらってるような気がして、しばらくみんな、プロレスは死なないなって思いました。だから、だから、ははっ!プロレスは絶対に無くならないと確信したんで、みんなでこれからもプロレスを大好きでいましょう!」
今成「えっと、ずっと昔に僕と翔太さんはマッスルの、レッドカーペットっていう学生プロレスのアレに出たんですけど、こうやってマッスルメイツになれて本当に嬉しいです!マッスルありがとうございました!」

坂井「世の中が自粛ムードでちょっとみなさんも穏やかなスケジュールがアレだったので、こんな楽しいことを練習してしまいました。今日は本当にありがとうございました!ちょっとまたしばらくプロレス業界も世の中全体もちょっとさみしいことになりますけども、ホントにこれが終わりなんじゃなくて、ホントに今日が、ここが、今が、僕たちの新しいスタートになれるように、今日は一日、この日のためにホントに1週間、無茶ぶりだったと思うんですけど、まさかたくさんこんなにみなさんが……(感涙し始める)……応えてくれると思いませんでした。ありがとうございました!ホントにちょっと、たくさんのお客さんの前で中々プロレスしづらい状況が続くかも知れないけど、楽しかったですね、今日ね。なんか、スゴいなって思った。みんなが。DDTはどこのプロレス団体にも負けないと思うし、もっともっと新しいことやったり、面白いもの作って、一緒にお客さんを楽しませて、俺たちも楽しませてもらいましょう!ありがとうございました!また、ちょっとあまりにも面白かったんで、もう一回やりましょう!2.9次元!もっかいやろう!次の公演では、次に出来るか分からんけど、どんな形でもその日にやろうよ。そのときに『必殺技乱発』、ユーズ・ユア・イリュージョンIIをやりましょう!もうちょっと必殺技男子見たいんで、パイプイス男子も。乱発しましょう!じゃあ締めましょうか!
……あっ!大事なこと忘れました。先程歌わせていただきました、テーマソング『必殺技乱発』と『パイプイス×バイブス』のほうがですね、なんとですね、優秀なスタッフたちの頑張りのおかげで200枚限定ではありますが、CDのほうが刷り上がってしまいましたので、どうか同人誌とCDをお買い上げいただき、また自宅の方で彼らの歌を聞いていただければと思います。……22時前だったら、アンコールでまた『必殺技乱発』聞きたかったんだけど、いまの今成のマイクが長すぎて、ホントに、ホントに、ホントに怒ります。これから俺は(笑)……いやいやいや!頑張ったって!冗談だって!(笑)じゃあ今日は一番頑張った今成さん!……と!上野で!じゃんけんして、どっちかが締めましょう!」

 ジャンケン勝負は今成が勝利し、今成がマイクを取る。

今成「皆さん本当に今日はありがとうございました!こんな状況ではありますけども、プロレスにはたくさんのエネルギーがあると思います!僕たちはまだまだどんな状況でもそのエネルギーを皆さんに伝えられるように頑張ります!それでは皆さんご起立ください!3!2!1!ひらがな~!まっするまっする!ありがとうございました!」

 そしてスクリーンにはエンドロールが流れ、最後に7月9日に新木場1stRINGにて『まっする3~必殺技乱発 新木場ユーズ・ユア・イリュージョンII~』が開催されることが告知された。

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