第1回M-1準優勝者が総合演出したプロレスラーが漫才で笑撃優勝!

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 27日、新木場1stRingにて『まっする1』が開催された。

 『まっする(ひらがなまっする)』は、2004年にマッスル坂井が主催する形で旗揚げされたDDTプロレスの大人気ブランド『マッスル』の新しい試みとして開始された興行。
 昨年8年ぶりに開催されたマッスル両国国技館大会では、元マッスルメイツであり純烈リーダーの酒井一圭HGが一日限りの復帰を果たし、芸人のクロちゃんが南海キャンディーズの山ちゃんと肛門爆破をかけて闘うなど世間一般からも注目を浴びる話題騒然の大会となった。
 そんなハードルの上がりきったマッスルを、メンバーを総入れ替えする形で若い世代を巻き込む大会にするべく立ち上げられたのがこの『まっする(ひらがなまっする)』だという。

 興行がスタートすると、マッスル坂井と総合演出の鶴見亜門を追い出す形で、総合演出と構成を担当したという謎の演出家ユウキザ・ロックと演出助手のサウスリバー南川が登場。この『まっする(ひらがなまっする)』を「Cygamesの親会社の子会社presents」としてスタートを宣言し、彰人、今成夢人、上野勇希、勝俣瞬馬、翔太、竹下幸之介、趙雲子龍、納谷幸男、樋口和貞、平田一喜、渡瀬瑞基の11名が新メンバーとしてリングへ上がる。
 ユウキはプロレス界のグレーゾーンを撤廃すべく、まずは『身長のさばよみ問題』を正すために身体測定を始めるが、“大鵬三世”納谷幸男が201cmと公表されている身長が197cmであったことが発覚し、2メートルを超える大型新人と言われていた納谷は「僕は悪くありません!」と涙目に。納谷はデビュー時には197cmと公表していたというが、“初代タイガーマスク”佐山サトル率いるリアルジャパンプロレスのパンフレット掲載から201cmになっている事がわかると「これ以上の真相追究はやめとこう。お客さんも今のことは全て忘れてください!」と無かったことに。


 色々あって現代アイドルのようにグループ分けして売り出す方針となり、身長順に【チームS(160cm台)】翔太、今成、勝俣、趙雲【チームM(170cm台)】平田、上野、渡瀬、彰人【チームL(180cm以上)』樋口、納谷、竹下に別れ、Lが一人少ないので南川が合流。
 一軍を決めるべく試合が行われ、SとLのヘル・イン・ア・ブルーシートデスマッチはプロレス頭が試される激しい試合ながら4分でLがSから逆転勝利。しかしMとMの試合になると、どちらが優勢かわからないまま試合を続けている事と、よしもと芸人として10年・プロレスラーとして5年のキャリアがある渡瀬が面白くない事に腹を立てたユウキが試合を中断させ、テーマを決めて渡瀬が面白く4分で終わる試合を要求する。
 渡瀬が「出来ますよ!」と即答して試合が再開されるが、比較的無難に試合を終えた渡瀬に「今日13時にみんな集合して設営してる中、よしもとのライブがあるゆうて遅れてきて、合わせもネタ飛ばしながらやって。どうなんこれ?3人に迷惑かけてるやんか。2団体所属とか知らんけどさ、どうやねん」と説教。これにキレる渡瀬に彰人も「渡瀬くん、この際だから言わせてもらうよ。芸人として10年?僕は全然信じられないよ。僕たちは君のことを一回も面白いなんて思ったこと無いよ。プロレスだって5年も経っていつまでもしょっぱいままだろう?お前はプロレスラーやってるときは『僕は芸人だから』って逃げてるんじゃないのか?お笑いのネタだって君はプロレスのネタを絶対入れるでしょう?それは僕からしたらプロレスに逃げてるとしか思わないよ。君の今のプロレスに対する姿勢、芸人に対する姿勢、全部中途半端だよ!」とガチ説教を行うが、興奮したことで試合中に飲んでしまった毒が体に周り死亡。平田もついでに死亡。
 同僚を毒殺した罪により、ユウキは生き残った渡瀬と上野を解雇処分とした。

 気を取り直してAEWなどで世界で注目を集め始めた男女混合のミックスドマッチをまっする風に世界初として行うべく、プロ&素人によるミックスドタッグマッチとして竹下幸之介&みなみかわvs勝俣瞬馬&大吉昌の試合が行われることに。
 ロシアの軍隊格闘術であるシステマを体得しているというみなみかわを勝俣が痛ぶり続ける展開となり、システマの呼吸法により涙目になりながらも「いだぐありまぜん」と耐え続けるみなみかわだったが、過呼吸により顔を真っ赤にして素人目に見てもヤバい状況に。これをシレッと登場した遠藤哲哉が救出して試合を終わらせると、ユウキとみなみかわをぶん殴ってシレッと退場。
 演出家にツッコミが入った事で大団円をむかえようとするが、ここでマッスル坂井と鶴見亜門がリングに登場し「渡瀬と上野にもう一度チャンスを与えてほしい」とパワーポイントによるプレゼンを始める。
 マッスル坂井はもう一つの顔であるスーパー・ササダンゴ・マシンとして煽りパワポというWWEの選手もうっかり真似してしまうほどの技を持っており、渡瀬のチャンスを得るべく行ったプレゼンでユウキザ・ロックの正体が第一回M-1グランプリで準優勝を果たした『ハリガネロック』のユウキロックであることを暴露。NSC時代にはケンドーコバヤシとユニットを組んでいたこともあり、爆笑オンエアバトルやTHE MANZAIで活躍したユウキロックは「お笑いは一夜にして人生を変える」という言葉の体現者。蝶野正洋が一夜にして人生を変えたG1 CLIMAXを筆頭に、K-1グランプリ、M-1グランプリと時代を変えて日の当たる最高の場所となった世界を目指すべく、渡瀬と上野は漫才で竹下&みなみかわと対決することとなった。

 みなみかわも実は松竹芸能の芸人であり、竹下と “デンター&システマ”というユニットを組んでシステマを活かした体当たり的な漫才ネタを披露。痛みが伝わるお笑いにプロレスファンからも歓声が飛ぶなか、渡瀬と上野の“プロテインタイガー”がリングイン。
 台本も全て渡瀬が考えユウキロックが練習指導したという渾身のネタに漫才初挑戦の上野が才能を開花させ、普段プロレスでは無言キャラの渡瀬がペラペラと喋りお笑い芸人であったことが露呈するなかM-1と同じく持ち時間4分の決勝ネタは終了。
 ガチンコの観客判定で勝敗が決し、緊張感に包まれる会場でプロテインタイガーに大きな拍手が飛ぶと、ガラにもなく叫んでガッツポーズを決めた渡瀬は安堵感からか涙を流す。

 「芸人10年やってますけど、漫才らしい漫才を初めてやりました」と笑顔を見せた渡瀬を囲み、『3!2!1!ひらがな~!まっするまっする!』とファンとともに合唱を行って、本家M-1のスポンサーであるサイゲームスの親会社であるサイバーエージェントの子会社であるDDTプロレスグループがプレゼンツするまっする1GPは、プロテインタイガーが初代優勝者として大団円で幕を閉じた。

 なお次回『まっする2』は、3月26日に新木場1stRingにて開催される。

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