イケメンプロレスラーによる新たな舞台『2.9次元ミュージカル』が誕生!

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 27日、2.9次元ミュージカル『必殺技乱発~新木場ユーズ・ユア・イリュージョンⅠ~』が新木場1stRingにて上演された。

 2.9次元ミュージカルとは、ネルケプランニングによる『テニスの王子様ミュージカル』を筆頭に、マーベラスによる『舞台『刀剣乱舞』』、オフィスエンドレスによる『舞台『ニンジャバットマン ザ・ショー』など漫画やアニメ原作があるものを舞台化した2.5次元ミュージカルの市場規模が225億円を超えたことをうけ、市場規模140億円のプロレス業界で働くプロレスラーたちもかつてキン肉マンの2.5次元興行『キン肉マニア2009』を総合演出したマッスル坂井を中心としたスタッフを集めれば2.5次元舞台ができるんじゃないかということから始まったプロジェクト。
 2.5次元舞台を作るためには当然原作が必要だが、わざわざプロレスの必殺技の擬人化マンガ『必殺技乱発(ふぃにっしゅらんぱつ)』を販売し、劇中歌を浜崎あゆみや田村ゆかりの楽曲にも参加している音楽家RAM RIDERに発注。2.5次元ミュージカルを名乗るには2.5次元ミュージカル協会の許諾がいることなどの問題点が発覚し、それを解消する手段として2.5次元ミュージカルより0.4次元分現実寄りの“2.9次元ミュージカル”としてスタートすることとなった。

 『必殺技乱発』は、プロレスの必殺技が美少年に擬人化した“必殺技男子(ふぃにっしゅだんし)”と、悪のパイプイス男子が戦うというストーリー。
 2020年5月という近未来を舞台にし、新型ウイルスの感染拡大により開催が予定されていた各イベントが中止や延期を余儀なくされているという荒廃した世界観の中、東京都江東区の地域密着型プロレス団体『新しい牙(通称:シンキバ)』のベテラン若手レスラー・ドリームボーイ今成を主人公に物語は進んでいく。


 世情により試合が全く出来ず悩んでいるシンキバは、最初こそ無観客試合をネット配信するなど企業努力をしていたが、プロレス以外の様々なコンテンツが無料配信されたことで他にも面白いものがたくさんあることがファンにバレてしまい急速に人気が低下。結果的に経営難に陥り、新進気鋭の敏腕経営者であり現役プロレスラーのビッグプリンス納谷によって買収されてしまう。
 しかし悪徳経営に怒った今成の先輩にあたるミニシアター久弥が納谷に勝負を挑むが、納谷は濃厚接触を嫌がって組合わず。悪徳秘書が“素晴らしい装着感と密着性、特殊抗菌・防臭・防塵に優れたトラスコ中山社のクリーンマスク”を用意し、久弥はこれを装着するが「マスクの密着性が高くて息ができない」と弱ったところをKOされてしまった。
 先輩のかたきを討つために今成が納谷に立ち向かうが、納谷に味方するようにパイプイス男子が今成を襲撃。パイプイス男子とは、プロレスの試合で凶器として使われて壊れてしまい道場の片隅やリングの下などに放置されたパイプイスが怒って擬人化したもの。寄生したレスラーを凶悪化させる付喪神である。
 ピンチに陥る今成のもとへ必殺技男子たちが登場し、投げ技系必殺技の神である思切投太郎(おもいきりなげたろう)はジャーマン・スープレックス、飛び技系必殺技の神である高久辛飛光(たかくからとびみつ)がフロッグスプラッシュ、関節技系必殺技の神である膝十字欣也(ひざじゅうじきんや)がビクトル式膝十字、さらに丸め込み系必殺技の神である丸目込松(まるめこみまつ)、打撃系必殺技の神である野球棒振正(ばっとふるまさ)が現れ、振正がレゴ野球棒、込松がスクールボーイで攻め込み、最後は5人揃い踏みで「俺たちいつでも必殺技乱発!必殺技男子!」と名乗りを上げる。
 オリジナルソングである『必殺技乱発!』に乗ってリング上でダンスを披露した必殺技男子は、「おまたせしました!宿主様!」と今成に忠誠を誓うと、パイプイス男子と寄生された納谷を倒すためいざ最終決戦へ。

 オリジナルソングの『パイプイス×バイブス』に乗ってダンスを披露したショータ・オカムラ、イトーキ・オオヨシ、イームズ・ワタセ、コクヨ・カズサダ、エーケーレーシング・ヨシムラのパイプイス男子たちへ今成は戦いを挑んでいくが、自分の力だけでは実力差があるため必殺技男子を召喚。
 「随分と早いご指名ですねえ。相手にダメージのない状態ではほとんどの必殺技は発動できないんですよ!……ただ1つ、僕の丸め込みを除いてね!」と込松がスクールボーイ。しかしここにオオヨシがリングに飛び込んできて中国4000年の丸め込みでイトーキを丸め込んでキャメルクラッチ。ここで飛光が乱入してカットすると、オオヨシがソバットからロープに飛んでいくが、飛光がキャッチしてボディスラムからフロッグスプラッシュ。ここにショータが入場してパイプイスで飛光を殴打。しかし飛光はショータの延髄斬りをかわし、ショータの持つイスごとドロップキックで吹き飛ばす。さらに追撃を狙って突っ込むが、ショータが引き込んでDDTで反撃。ここに振正が飛び込んできて有刺鉄線バットでショータを殴打するが、ワタセが入ってきて有刺鉄線パイプイスで振正を殴りつける。続けて欣也が入ってきてショータとオオヨシ2人まとめてドラゴンスクリュー。ここへカズサダが入ってきて欣也をイスの上にアイアンクロー・スラム。ここで投太郎が入ってきてカズサダのバックを取るが、カズサダは耐える。

カズサダ「ほう、いいクラッチだ。おい必殺技男子!お前たちの目的は何だ!なぜ我々の邪魔をする!」
投太郎「そこにいる納谷から3カウントを取って、その身体に寄生するお前達パイプイス男子をこの世から消滅させることさ!」
カズサダ「消滅させるだと?面白い。だったら俺にそのフィニッシュを決めてそこにいる納谷から3カウントを取って見るんだな!」

 投太郎がジャーマン・スープレックスを狙うが、中々上がらず苦戦。カズサダが振り払って投太郎にアイアンクローを決めると、まるでメキメキというSEが響き渡るかのような恐るべき威力で投太郎を苦しめる。さらにカズサダがドクターボムを狙うが、投太郎も投げっぱなしジャーマン・スープレックスで対抗。
 投太郎は「さあ今成さん!納谷からフォールを取るんだ!」と叫び、今成が3カウントフォールを決めるが、なぜか試合終了を告げるゴングが鳴らない。

 パイプイス男子にはまるでウイルスのように進化した新型パイプイス男子であるエーケーレーシング・ヨシムラが残されており、ヨシムラを倒さないと納谷社長は浄化されないということが明かされる。
 大量のパイプイスを持ったヨシムラがリングに登場し必殺技男子たちを次々倒していき、ピンチに陥る必殺技男子へ久弥から「新型パイプイス男子の撃退法が分かったぞ!手洗いうがいをしっかりやるようにフォールの時間をかけてしっかり抑え込むしか無い!これからは1(いち)、2(に)、3(さん)、4(し)、5(こ)6(ろ)7(な)!こ・ろ・な!までしっかり抑え込んで初めてあいつらを撃退できるんだ!」とアドバイスが贈られる。


 ここで新たな必殺技男子・サプライズ型必殺技の神である不意突三(ふいつくぞう)が颯爽とリングへ登場すると、ワタセをリングアウトさせ、ヨシムラにソバットからスワンダイブ式フランケンシュタイナー。そして納谷社長に今成とともにダブルのフィッシャーマンズ・スープレックス。さらに突三がコーナーに上がっていき、納谷社長にシューティングスター・プレスを狙っていくかと思われたが、技を出すこと無くコーナーから降りてしまう。
 今成は突三に詰め寄っていくが、突三は今成にヘッドバッドで不意を突き、トーチャーラックボムで叩きつけると「プロレスにおける最大のサプライズ。それは信頼した仲間による裏切りである!」というナレーションとともに突三が去っていく。大の字に倒れ込んだ今成を納谷社長が踏みつけてフォールし3カウント。

 敗北し、団体を去る事が決定した今成は「もっとプロレス、このリングでやらせてくれ!」と絶叫するが、悪徳秘書は「プロレスやりたいって思ってるレスラーはな、いま日本中にいっぱいおるねん!でも出来へんねん!俺らは決行した!その気持ち背負って試合出来んのか?!ファンはな、カッコいい技とか、そんなんも見たいけど、選手の心が見たいねん!お前、心の試合が出来んのか!俺たちの感情を動かせんのか!」と問いかけ、今成はこれに「プロレスがやりたい!ここで!心を解き放ちたい!」と涙の訴え。これを聞いた納谷は「俺だって色んな挫折乗り越えてきたんだよ!今でも挫折することたくさんあるよ。だから最後にもう一回アンタと試合してやるよ!」と今成の前に立ちはだかり、一対一の勝負を受ける。


 言葉に鳴らない熱い気持ちを叫びながらエルボーを叩き込む今成だったが、納谷は突っ込んでくる今成を蹴り飛ばし、エルボーでなぎ倒してからチンロック。今成は壮絶な悲鳴を上げながらもロープにたどり着くが、納谷は強烈なビンタを叩き込み「来い!今成!」と今成に打撃を打たせていく。
 今成はランニングエルボーを連打し、さらにスライディングキックからフォール。しかしこれはカウント6(ろ)で返される。今成は必殺技男子たちに自身へエルボーを打たせて気合を入れると、納谷へぽっちゃりへの膝蹴り3連撃と怒涛の攻めを見せ、1(いち)、2(に)、3(さん)、4(し)、5(こ)6(ろ)7(な)のカウントを観客とともに絶叫しフォール。今成が執念の勝利を収めた。

今成「納谷!俺の気持ち、応えてくれてありがとう!こんな熱い試合が出来て、本当に嬉しい!お前も挫折いっぱいあるだろうし、僕も挫折して今こうやってプロレスに救われています。また一緒にプロレス団体、やりましょうよ。」
納谷「俺は負けた!負けた人間はこのリングを去る!」
今成「なんてまっすぐな人なんすか!」


 今成は、よろける納谷社長に肩を貸し一緒に退場。リング上に取り残された必殺技男子たちは、リングの下から自分たちを睨みつけるパイプイス男子をリングに上げると
投太郎が「パイプイス男子、俺たちの長い戦いが終わった。お前たちに帰る場所はもう無いんやろ?それを俺たちが居場所作ってやるから、俺たち10人で新しいプロレス団体、旗揚げしねえか?」と握手を求め、カズサダは「次は負けねえからな!」とガッチリその手を握り、健闘を称え合い大団円で幕を閉じた。

 超満員札止めの会場で大歓声に包まれ幕を閉じた『必殺技男子』の次回公演は、7月9日に新木場1stRINGにて『まっする3~必殺技乱発 新木場ユーズ・ユア・イリュージョンII~』として開催を予定している。

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