故・青木篤志さんの遺志を継ぐ新王者は佐藤光留を倒した横須賀ススム!全日ジュニアが新王者を包囲!

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 3日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2020 NEW YEAR WARS』が行われ、世界ジュニアヘビー級王座決定トーナメントで横須賀ススムが佐藤光留を撃破して新王者となった。

 前王者であった青木篤志さんは自衛隊出身の経歴とアマレスをバックボーンに2005年にNOAHでデビュー。2013年に全日本プロレスに入団後はジュニア戦線を牽引する選手となり、昨年5月に岩本煌史を倒し第51代世界ジュニアヘビー級王者となった際には、ともに全日ジュニアを盛り上げてきた盟友である佐藤光留とガッチリと握手。翌月18日の後楽園ホール大会で初防衛戦を行うことを約束していたが、昨年6月3日夜に青木さんは高速道路をバイクで走行中に事故に遭い急死。
 光留は悲しみに暮れるものの、「生まれることが自然だったら、死ぬことも自然。悲しいのも自然だし、悔いが残るのも自然。俺のプロレスの半分だった青木篤志は本当に死ぬまでプロレスラーだった。俺たち、死ぬまでプロレスやりゃいいんじゃないかと思う」と前を向き、昨年11月より開催されている世界ジュニアヘビー級王座決定トーナメントで「物理的に一生に一回しか達成できない青木篤志から自分へのベルトリレーを完成させる」と優勝を誓っていた。

 『恋しさと せつなさと 心強さと』で入場した光留は、試合前にしっかりとススムと握手を交わしてクリーンファイトを誓ってからゴング。
 光留は序盤から各種キックでススムの腕を一点集中攻撃していき、ススムが倒れるとフォールからの腕十字やアンクルホールドと立ち技でも寝技でも休ませずに攻め込んでいく。しかしススムはドラゴンスクリューで光留の足へダメージを蓄積させると足4の字固めでじっくりと機動力を奪っていく。好機と見たススムは後頭部へのジャンボの勝ち!から雪崩式フロントスープレックスで叩きつけ、投げっぱなしジャーマン・スープレックス、横須賀カッターと攻め立てていく。
 光留も延髄斬りでススムの攻撃にカウンターを合わせ、水車落としやバックドロップを見舞っていき、ジャンボの勝ち!をフロントハイキックで撃ち落として突撃するが、ススムは怯まずにカウンターでのジャンボの勝ち!を叩き込み、3カウントを奪った。
 試合後、リング上で光留は天を仰ぎながら「隊長……」と嗚咽を漏らし、天国の青木さんに向けてなにかをささやきかけていたが、レフリーからベルトを奪うとススムの腰に巻き、ススムの王座戴冠を讃えた。

 試合後、全日本プロレスのジュニア戦線で活躍するイザナギ、ブラックめんそーれ、阿部史典、フランシスコ・アキラがリングに上ってススムへ挑戦を表明するが、このトーナメントで敗退した3人を排し、アキラを次期挑戦者に指名した。

 ススムは「佐藤選手の気持ちが痛いほど分かった。1つ1つの攻撃が重かった。青木選手の気持ちも乗ってるんじゃないかなって。でも、僕は今日やっぱり、簡単に諦めるわけには行かなかったんですよ。僕も色んなものを背負ってきたんで。僕がチャンピオンになりましたけど、歴史と伝統あるベルトです。僕も子供の頃見てました。そのベルトを腰に巻いてますすごく重たいです。でも僕がチャンピオンになった以上は、安心してください、このタイトルを落とすことはしません。上げて見せますんで。これからの世界ジュニア、楽しみにしてください」と新王者としての決意を語った。

 対する光留は殺到する記者陣を手で制しながら「喋ることはないよ……」と去っていった。

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