【インタビュー】“ご当地プロレス界の麒麟児”愛媛プロレスのライジングHAYATO&凡人パルプが愛媛県の活性化に尽力!「愛媛の魅力を東京、世界に伝えていきたい!」
某日、全日本プロレスとDDTの愛媛大会に連日参戦を果たしたライジングHAYATOと凡人パルプにインタビューを実施した。
愛媛プロレスとは、2016年4月2日に”愛媛発のご当地団体”として旗揚げされたご当地プロレス団体。当初は元・博報堂のプロレスラー三富政行が社会人プロレス団体としてプロデュースした団体であったが、現在はキューティーエリー・ザ・エヒメ代表のもとで『プロレスで愛媛を元気に!』をスローガンに掲げて活地域に根ざしたプロレス団体として成長を続けている。
2018年7月に起きた西日本豪雨で愛媛が被災した際には、被災翌日に愛媛プロレスのメンバーが生活物資などトラック7台分ほどを被災地の避難所8カ所に届け、そのまま復興活動に参加。地元企業である三福グループやネクスポイント、味元サービスの支援のもと1週間毎日被災地へ物資を届け、浸水した家屋の清掃及び撤去作業に従事するなどのボランティア活動を行った。これらの活動が評価され、キューティエリー・ザ・エヒメが愛媛の情報発信や観光イメージ向上を担う70人目の「伊予観光大使(愛称・いよかん大使)」に就任するなど地元住民たちにも愛されている。
先月の全日本プロレス愛媛大会で行われた1Day6人タッグトーナメントでは、弱冠20歳でありながら愛媛プロレス二冠王のエース、ライジングHAYATOが全日本に初参戦ながら秋山準&カーベル伊藤をパートナーに優勝を果たすという快挙を成し遂げ、翌日のDDT愛媛大会では藤波辰爾と対峙し激闘を繰り広げた。
今年4月に地元・愛媛県四国中央市の“しこちゅう観光大使”に就任した凡人パルプは、同トーナメントでは惜しくも一回戦で敗退したものの、翌日のDDT愛媛大会ではアイアンマンヘビーメタル級王座戦に挑戦し王座戴冠まであと一歩のところまで善戦するなど強くその印象を残している。
まだまだ全国的な知名度は低い愛媛プロレスだが、地元での知名度と支持は絶大なものであり、選手たちの士気も高い。愛媛プロレスの選手たちはどのような想いを胸にリングに上っているのか、両選手の話を通して探っていきたい。
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――HAYATO選手、全日本プロレスに初参戦された感想はいかがでしたか
HAYATO「日本のプロレスファンなら……いや、ゴールデンタイムにプロレスがあった時代の方なら誰でも知ってる全日本プロレスさんに上がれたというのはすごく光栄なことでしたし、レベルの高い選手たちのプロレスを同じリング内で体感出来るというのはとても貴重な経験ができたと思います」
――普段上がっている愛媛プロレスのリングと全日本プロレスのリングで違うと思ったものはありますか
HAYATO「一番に思ったのは、選手たちがケタ外れにデカい!ってことですね。NOAHさんとかにも上がらせていただいているんですけど、皆さん一発一発の攻撃も重いですし、メジャー団体さんの選手はサイズ感が一つ違うなぁと思いますね」
――全日本プロレスへ継続参戦したいという想いはありますか?
HAYATO「そうですね。機会をいただけるのであれば、全日本プロレスさんにもまた上がらせていただきたいです!僕はこれから愛媛プロレスを背負ってやっていきたいという気持ちがあって、僕が全日本さんとかDDTさんとか、もちろんNOAHさんとか、そういう大きな団体に上がることで愛媛で応援してくださってるファンの方が『僕たちが愛媛で応援してるアイツはあの団体にもこの団体にも上がってるんだぜ!』と自慢してもらえるようにするのが僕がファンの方に出来る恩返しだと思っているので、色んな団体さんに上がらせていただけたら嬉しいですね」
――HAYATO選手はアメリカに行ってみたいと思っているという話も聞くのですが、愛媛を飛び出してメジャー団体や海外の団体でスターになりたいという想いがあるのでしょうか
HAYATO「他団体さんや海外に行って世界中誰でも知ってるスターになりたいという夢はあるんですけど、そこがゴールじゃなくて、そこから愛媛に戻って来て、ファンの方に『愛媛にいてよかった!なぜならライジングHAYATOがいるからだ!』って愛媛を誇りに思ってもらうことがゴールなんです。それが一番の夢ですね!」
――HAYATO選手とパルプ選手が参戦したDDTは複数の海外団体と提携していますし、そういった意味では夢に一歩近づいたといったところでしょうか
HAYATO「“四国初のビッグマッチ”と銘打たれていたこともあって参戦選手も非常に豪華なカードで、僕も藤波辰爾選手や谷津嘉章選手というレジェンドと同じリングに立たせていただいて、テレビの中でしか見たことのなかった憧れの選手の空気感を生で感じられたというのは非常に良い経験が出来たと思いますし、僕がDNAに定期参戦させていただいたときに一緒に戦っていた選手たちがすごくレベルが上がっていたのを見て、僕も負けていられないという刺激をもらいましたし、『僕もこういうことが出来るようになったんだぞ!』というものを見せられる機会をいただけたかなと思います」
――藤波選手と谷津選手が第一線で活躍されていたときには、まだHAYATO選手は生まれていないんですよね
HAYATO「僕が生まれるずっと前から活躍されている方で、今では色々な選手が使っているドラゴンスクリューだとか、ドラゴン殺法の数々を開発された方の技を生で食らったというのは、思い出すだけで手足ガクブルというか(笑)歴史上の人物とタイムスリップして会えたみたいな感じです。不思議な感覚ですよ」
パルプ「僕の世代はちょうどゴールデンタイムにプロレスをやってた世代なんですよ。全日本プロレスさんに出たときは秋山準選手とも戦えましたし、本当のレジェンドが自分の目の前にいるというのは、彼とは違った感動が僕の中にはありましたね」
――パルプ選手は、DDT初参戦がなんと後楽園ホール大会(2018年9月23日実施)だったんですよね
パルプ「そうですね。『ALL DOIN』への参加オーディションという形のバトルロイヤルに出させていただいていました。HAYATOは若いし、DNAに出たり、東京の他団体さんとか上がらせてもらってたりするんですけど、僕くらいの年齢の選手が今回みたいなビッグマッチの、しかも王座戦に上がらせてもらうのは本当に嬉しいことですね。僕はHAYATO以上にチャンスが少ないので、そのチャンスを掴めたということが自分の人生の中で糧になるというか、励みになりますよね」
――前回DDTに出場した際にALL DOIN(2018年11月9日実施)への切符を掴んだパルプ選手ですが、ALL DOINには出ていらっしゃいませんでしたね
パルプ「その時は平日だったんでちょっと出られなくて、もう出る機会も無いのかなと諦めていたところで今回地元でビッグマッチがあって、自分も出させてもらって、それが王座戦!『僕もベルトに絡めるんだ!』って嬉しくなりましたね。僕は40歳からプロレスを始めたので、喜びも人一倍でしたね」
――40歳からプロレスを始めて、大手団体の王座戦に出場するというのはとても夢のある話だと思います
パルプ「これはね、僕が証明できました。全日本プロレスでは憧れの秋山準選手と対戦もできましたし、40歳になってから17歳のHAYATOと一緒にデビューして、3年経ってこうして夢の舞台に上がれるんです」
HAYATO「あっ、そっか!デビュー戦一緒の日だ!(笑)」
パルプ「そうよ(笑)先輩も後輩も無いよ。息子みたいな奴が同期なんですよ(笑)でも、まだまだ負けたくないですよ。アイアンマンの王座戦では大鷲透選手とか、DRAGON GATEの頃から見ていた選手とかの中に僕がポッと入っていいところまで残れたりして、見に来てくれたお客さんもすごく喜んでくれたので良かったなあと思いましたね」
――パルプ選手は今後参戦したい団体や、対戦してみたい選手など、今後に向けての希望はありますか
パルプ「僕は年齢的もそんなに長く続けられる方ではないと思うんですけど、他のプロの団体さんに出させてもらえるなら……お邪魔にならんように(笑)僕は興行の最初の方で笑いを交えた試合で場を温めると役割というか、『最初にお客の心掴むのは俺や!』みたいな気持ちがあって、全部の試合を合わせて一つのプロレスの大会になると僕は思っていて、僕は僕の役割の中でお客さんを沸かせるのが仕事だと思っているので、僕のそういう力を必要としてくれる団体さんがあるなら是非お邪魔させていただきたいです」
――最後になりますが、ファンや世の中に向けてメッセージをお願いします!
パルプ「これは世の中の同世代とか、その上の世代の方に伝えたいんですけど、自分が子供の頃に見ていた選手と同じリングの上で戦って肌を合わせてもらえるという機会を得るという感動は、同世代なら分かってもらえると思うんですけど、筆舌に尽くしがたいものがあります。僕は40代でデビューして、子供の頃の夢を叶えたんですね。どんな年取っても、諦めさえしなければ夢は叶うし、チャンスは掴めるんです。全日本さんに出たときに、諏訪魔選手と石川修司選手が言っていました。『40代からが全盛期!』って。まさに僕も今からが全盛期ですよ!(笑)」
HAYATO「僕はいつも言っていることなんですけど、良いものは東京・関東に集まっていると皆さん思っていると思うんですけど、良いものは絶対地方にもありますし、地方の良いものも知ってもらいたいです。地方に見に来るのがしんどかったら、僕が行ってお見せするので、『東京以外にもこんなに面白いものがあるんだ!』と思ってもらえたら嬉しいですよね。そういったことを世の中に発信していきたいですし、プロレスも、名産品も、色んなところに伝えていきたいですよね!その内、アメリカとかにも『日本の愛媛にはこんなスゴいものがあるぞ!』というのを伝えていけたらと思います!」