【会見】藤野恵実がPANCRASEでタイトルマッチ挑戦決定!自らの誇りをかけて「ババア舐めんなよ」と戦意高揚!

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 6月5日、都内新宿区のパンクラスにおいて、藤野恵実(FIGHT FARM)が会見を行った。藤野は前回大会「PANCRASE 296」(5月20日、スタジオコースト)にてシャロン・ジェイコブセンと激しい殴り合いの「男前ファイト」を繰り広げ激勝、大きな話題となったばかり。また、
試合の前には「ババア舐めんなよ!」の名言も。

 前回大会の一夜明け会見で、坂本靖・パンクラス運営本部長から「タイトルマッチをオファーしたい」とサプライズ発言があり驚いていた藤野だが、正式にタイトルマッチ挑戦が決まり、改めて決意表明を行った。

 藤野は2004年にMMAプロデビュー。SMACKGIRL、VALKYRIE、JEWELSなど日本の女子格闘技とともに歩んできた歴史の証人的存在だ。
近年はDEEP JEWELS、WSOF、DEEP、Road FCとキャリアを積み、日本人女子のトップとして闘っている。

 前回闘ったジェイコブセンは、女子格闘技Invicta FCで闘っている選手。また、パンクラスの現女王・朱里がUFCに参戦中のため、防衛期限を守れそうにない状況だ。勝ってInvicta出場を狙うのか、パンクラスのベルトを目指すのかが注目されていたが、藤野が選んだのはパンクラスだった。
 「このTシャツの写真をいただいた時はちょっとプレッシャーもあったんですけど、実際に見ると嫌がらせかと(笑)。
タイトルマッチをやってベルトは欲しいと思っていましたが、1戦で……5年ぶりですし、すぐタイトル挑戦はないと思っていたので、ビックリしていますし、すごくありがたいです。この間の試合が終わって、どこに行こうかと考えたときに、キャリアの最終段階でタイトルマッチができるのはこれが最後かもしれないと思って受けました」と、ベルトへのこだわりを話す藤野。
 
 タイトルを争うヴィヴィアニの試合は、三浦彩佳(2017年10月)のセコンドとして間近で見た。

 「すぐ近くで見て、本当に強いと思いました。1ラウンドでけっこう一方的な展開だったので。そのとき、自分もいつか闘いたいと思ったので、今回手を合わせられるのは嬉しいです。三浦戦からやっていないので、どのくらい進化しているかはわからないですけど、あのとき見た限りでは、打撃は強いけど荒いなと思いました。人のことは言えないですけど(笑)、シャープというよりは荒々しい打撃だなと思いましたね。どちらかといえば、打撃よりも寝てからの攻撃の方が強いと思います。三浦はあのとき、首投げしてからバックに行けず、展開が作れませんでした。ヴィヴィアニ選手は寝てからの動きが速かったです。テイクダウンも怖くないだろうし、下からもできるでしょうから、そこは面倒くさい相手ですね。MMAのキャリアは浅いかもしれませんけど、かなり上の方の選手だと思っています」と、ヴィヴィアニの印象を語った。

<ヴィヴィアニ・アロージョからのメッセージ>
「前回、日本のファンが私を歓迎してくれてとても嬉しかったです。そして今回、歴史あるパンクラスでストロー級タイトルマッチに挑戦します。相手は日本の藤野恵実選手です。UFCファイトパスで世界中から見られます。絶対に見逃さないで! 8月5日です。私を応援してください、押忍!」

 さらに藤野は、「前回は、試合中に、けっこうつまらない展開だなと自分で思っていたので、終わった後に周りから褒められてビックリしました。あと、『藤野さんはパンチをよけないんですか?』って言われて……いや、よけてるつもりなんですけど…(笑)」
と前戦を振り返った。
 しかし、長年培ってきたファイトスタイルには揺るぎがない。「自分のスタイルは確立していますし、変わらないです。できることも変わらないと思いますし、精度を上げていくことだけですね。そして、いかに自分を出せるかです。ヴィヴィアニ選手は、1本やKOを取れる相手だとは思っていません。25分間出し切るつもりでやります」と話した。

 今や藤野の代名詞となった「ババア舐めんなよ」について尋ねると、「7月に、大きな大会(※RIZIN.11=7月29日、さいたまスーパーアリーナ)があるみたいですけど、持ち上げて作る選手じゃなくて、こっちは這い上がってきているんです。這い上がってきた者の強さを見せたい。この世代の選手を見ずに女子格闘技と言うなと。這い上がってきた世代の選手は、みんな強いと思います。体も、技術も。その底力を見せたいと思います」と話した。

 藤野がプロデビューした2000年初期、男子の格闘技はPRIDEが大人気を博していた。PRIDE武士道など別名大会が開かれたり、K-1でもK-1 Dynamite! と銘打って総合格闘技の大会が開かれ、INOKI BOM-BA-YEなども含め大晦日に格闘技が開催されるのが当たり前だった。この時代の日本の格闘技を見て育ち、日本で闘いたいと言う外国人選手は今でも多い。現在、日本の選手たちがUFCに憧れるのとちょうど正反対の形だったのだ。
 また、2005年にはCAGE FORCE(旧大会名=D.O.G)が誕生、当時リングが主流だった日本の格闘技界において、いち早くケージを導入・UFCに準じたルールで闘うという試みもなされていた。
 しかし、女子格闘技は、その陰の存在だった。女子の大会はもちろんあり、CROSS SECTION、LOVE IMPACTなど、様々な大会が生まれては消えて行った。そんな時代の中、女子格闘家たちはもがいていた。特に、当時、藤野が所属していた和術慧舟會所属の女子選手たちは、ブログなどで情報を発信したり、ファンに向けた技術講習会などを開き、女子格闘技を少しでも広く知ってもらおうと必死で努力していたのだ。まだスマホもSNSも今ほど一般的ではなかった時代だ。それでも、VALKYRIEはCAGE FORCEの第一部としての存在から脱出し単独開催には至らなかった。

 そんな時代を生き抜いてきた藤野だから、「ババア舐めんなよ」という言葉が飛び出すのも頷ける。
 実は、藤野には7月の「RIZIN.11」へのオファーがあったという。しかし、断った。なぜか。それは、この大会が名古屋で開催されるからである。愛知県は藤野の出身地。だから、ファンを呼べると見込まれたのだろう。しかし、それは藤野のプライドが許さなかったのではないか。自分がここまで格闘技を続けてきたのは目立ちたいからじゃない。強くなりたい、そして強い相手と闘いたいからだ。知名度ではなく、実力を認められたい。だから、規模は小さくても、タイトルマッチを提示したパンクラスを選んだのは不思議な話ではない。

 格闘技をやることが目立つ手段なのは、否定しない。人それぞれ目指すところは違うからだ。しかし、“闘いたい”という止むに止まれぬ衝動に突き動かされる選手、自分を表現するには格闘技という手段しかない選手に心惹かれるのは自然なことだ。

 藤野は最後に「これが本当に最後のチャンスだと思っています。このパンクラスのベルト、絶対に自分のものにしたいです。手にできたら、その瞬間、辞めてもいいくらいの覚悟で臨みます」と語った。柔らかな笑顔だったが、その瞳には強い光が宿っていた。当日は、必ずや日本女子格闘家の意地を見せてくれることだろう。期待したい。

(写真・文/佐佐木 澪)

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