【試合結果】10・9 WAVE後楽園ホール大会 【Regina】大畠美咲vs山下りな 野崎渚vs水波綾 宮崎有妃&旧姓・広田さくらvsフェアリー日本橋&田中ミキ 世志琥vs春日萌花

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『Saint October』
日時:2017年10月9日(月)
開始:12:00
会場:東京・後楽園ホール
観衆:430人

▼ヤングWAVE 15分1本勝負
○小林香萌(フリー)
7分35秒 120%スクールボーイ
●高瀬みゆき(Beginning)

▼HAPPY BIRTHDAY WAVE~PRESENT FOR YOU!~ 15分1本勝負
○世志琥(SEAdLINNNG)
10分51秒 ラリアット→片エビ固め
●春日萌花

▼ライバルWAVE~後藤恵介1周年記念試合 20分1本勝負
○朱崇花
7分43秒 逆エビ固め
●後藤恵介

▼コミカルWAVE~フューチャーアンドパスト~ 20分1本勝負 
○宮崎有妃(フリー)/旧姓・広田さくら(フリー)
9分53秒 恥ずかし固め
フェアリー日本橋(OSAKA女子)/●田中ミキ(Marvelous)

▼adios amiga WAVE 15分1本勝負
○桜花由美
12分18秒 ビッグブーツ→片エビ固め
●夏すみれ

▼Anniversary WAVE~長浜浩江3周年記念試合 20分1本勝負
○米山香織(フリー)
6分49秒 ダイビング千豚♪→片エビ固め
●長浜浩江

▼熱波WAVE 15分1本勝負
○野崎渚(フリー)
2分20秒 胴締め式裸締め→レフェリーストップTKO勝ち
●水波綾

▼Regina di WAVE~WAVE認定シングル選手権試合 30分1本勝負
【挑戦者】○大畠美咲
16分7秒 スカイブルー・スープレックス・ホールド
【王者】●山下りな
※山下が3度目の防衛に失敗。大畠が第7代王者となる

大畠が山下を破りRegina初戴冠!長浜を次期挑戦者に指名!退団する夏がGAMIにサヨナラ水噴射!“逸材”田中ミキが大暴れ!

第1試合


 10・3蕨で「ヤング・オー!オー!」デビューしたアクトレスガールズの高瀬みゆき。同じ日に「ヤング」デビューした田中ミキの強烈キャラにも動じずに存在感をアピールしたが、この日の相手は小林香萌。テクニシャンでもある小林を相手に、高瀬はどこまで付いて行けるのかが注目ポイントだ。
 まず仕掛けたのは高瀬。小刻みエルボー、ショルダータックルを放ってロープに走る。これを小林がカウンターのドロップキック。そこから連発していき、逆エビ固めで捕獲する。ブレイクされると張り付けドロップキック→キャメルクラッチへ。
 凌いだ高瀬は逆水平チョップを放っていき、ダイヤル固め。コブラツイストで捕獲したあとカミカゼを狙うも、回避した小林がセントーン! さらにミサイルキックを放つと、高瀬を対角線にハンマースルーする。
 これを高瀬がブーメラン式ドロップキックで切り返し、ジャンピング・エルボーアタック、カミカゼに繋げる。キックアウトされるとすぐに走るも、小林がカウンターの延髄斬り。そして120%スクールボーイで勝利を収めた。

第2試合


 10月8日に32歳となった春日萌花のバースデーWAVEの相手はSEAdLINNNGの世志琥。ビジュアル、ファイトスタイルとすべてが正反対の世志琥を相手に、春日はどう挑むのか!? 
  序盤の主導権を握ったのはやはり世志琥。顔面ウォッシュなどでリードする。劣勢の春日だったが、飛びつきコルバタで世志琥を場外に落とすと、コーナー最上段からの場外フットスタンプを敢行! 形勢逆転に成功すると、リングに戻ってセカンドロープからのフットスタンプを連発していく。
 苦しい表情を浮かべる世志琥だったが、キックとパンチのコンビネーションからセントーンへ。これを寸前でかわした春日がダブルリスト・アームサルトでカウント2。もう一発、ダイビング・フットスタンプを投下する。
 これをかわした世志琥がバックフリップ。セントーン2連発で反撃モード。しかし、春日もクリストで攻勢。コーナーに登ると、追いかけてきた世志琥にブラ下がりフットスタンプ! 続けざまにダイビング・フットスタンプを投下する。
 キックアウトされるとエルボーのラリーとなり、世志琥がギロチンドロップ。春日は丸め込み技でヒヤリとさせるも、凌いだ世志琥がネックハンギングボム、ラリアットと畳みかけて3カウント!

<試合後コメント>
世志琥
「技もスピードも重さも、自分が劣るところはどこもなかったと思いますけどね。バースデーだかなんだか知らねえけど、ウチが相手してやってるんだから、もっと燃えさせてみろよって。まあ、火は点きませんでしたね」
 

第3試合


 2016年10月にデビューした後藤恵介の1周年記念試合の相手は、日本初のジェンダーレス・レスラーの朱崇花。朱崇花と後藤はデビュー年は違うが、同時期に入門したライバル同士。これまで朱崇花は男子レスラーと対戦してなかったため、これが初シングルマッチとなる(タッグでは男子レスラーとも対戦)。
 ロックアップやエルボーの打ち合いとゴツゴツとしたスタート。バックを取った朱崇花がアマレス式アンクルホールド。飛行機投げからのクルスフィクスで捕獲する。
 これを凌いだ後藤はエルボーバットで反撃開始。セントーンから逆エビ固めへ。ブレイクした朱崇花はカウンターのドロップキック。トラースキックでカウント2。後藤もバックフリップで攻守を入れ替え、ダイビング・セントーンを投下。これをかわした朱崇花がトラースキック。そしてサイドスープレックスから、背中へのムーンサルトプレスを投下させたあと、最後は逆エビ固めでギブアップを奪った。
 試合後、後藤が朱崇花に襲いかかる場面が見られたが、朱崇花はエルボーで黙らせた。

第4試合


 「ヤング・オー!オー!」での活躍が二上美紀子社長の目に留まり、今大会への参戦が決まったMarvelousの新人・田中ミキ。田中自身がコミカル志望であることを認めたこともあり、未来のコミカルWAVEを託されたかのような好カードが組まれた。
 田中はスタートから「私に任せてください!」とやる気満々。これを見た広田は「宮崎さんアイツは危険なので……」と先発するも、田中が「どっからでもかかってこい」と両手を広げて変な動きを見せると、広田は「まったく隙がねー!」と諦めて宮崎と交代する。
 ミキワールド全開の田中だったが、宮崎は冷酷に額に鉄拳。そのままカバーしたが、これはフェアリーがカットに入る。田中のフォローにまわるフェアリーは「今日は友達の逸材を連れてきました」と改めて田中を紹介。すると田中は「私は1997年11月2日生まれの19歳。千葉県で生まれ……」と、細かすぎる経歴を話しはじめる。フェアリーに突っ込まれると、「Marvelousの逸材。田中ミキです」とバッサリ省略し、試合に戻る。
 宮崎vs田中のショルダータックルは互角。田中が先に押し倒し、フェアリーと交代。休むことなく田中はフェアリーにステッキを渡すと、フェアリーが魔法で仰向けの宮崎に田中→広田を投下。


 宮崎はハンマー式ボディープレスで攻守を入れ換え、広田と交代。すると、田中は本部席にいた広田の子供を人質に。「この赤児がどうなってもいいのか!」と脅すと、その背後からフェアリーがスクールボーイでカウント2。
 宮崎vs田中となり、田中のロケットパンチが炸裂。一方、宮崎もファアリー&田中に串刺し攻撃をお見舞いする。両腕ラリアットを繰り出すなど善戦する田中だったが、広田&宮崎がボ・ラギノールとときめきメモリアルで挟み撃ち。最後は宮崎が恥ずかし固めで田中からギブアップを奪った。

第5試合


 WAVE初の生え抜きレスラーとして2013年10月にデビューした夏すみれが、今大会を持ってWAVEを退団。今後は、大阪を拠点にフリーとして活動することが決まっている。最後の相手は、夏の憧れでもあり、“Violet Cherry”としてタッグを組んでいた桜花由美との一戦となった。
 昔の入場曲、昔のコスチュームで登場した夏。序盤はドロップキックを連発するなど、新人時代を思わせる試合内容。さらに女子プロムーブを予告するも、逆に桜花が女子プロムーブ。そして串刺しビッグブーツに繋げる。桜花がボディースラムで叩き付けると、飯田、朱崇花、後藤、高瀬、小林、フェアリー、石黒レフェリーが続く。最後に二上社長がストレッチボムを狙うが、回避した夏がなんと社長に顔面蹴り! 二上社長を桜花と協力して張り付けると、顔面に水噴射。最後だからと社長にとんでもない攻撃を仕掛けていく。
 試合に戻り、ビッグブーツのラリーへ。夏はブロンコバスターで攻守を入れ換えると、ダイビング・クロスボディーを投下。寸前でかわした桜花がビッグブーツで飛び込むが、夏もかわしてドラゴンスリーパー。リバースDDTでカウント2。
 エルボーのラリーから夏はミサキスペシャルβ版(仮)をお見舞い。続けざまにビッグブーツを狙うが、かわした桜花がクロスアーム式DDT。カカト落としでカウント2。一方、夏もカウンターのビッグブーツ! 流れを変えるとTo be continuedも繰り出す。
 いずれもキックアウトした桜花はネックハンギングボム→垂直落下ブレーンバスターへ。自ら引き起こした桜花は投げっぱなしタイガースープレックスからハーフダウンの夏にビッグブーツでトドメを刺した。


桜花「夏、プロレスラーだったら自分で起き上がれ。夏、今日でアナタはWAVEを退団します。アナタが入ってきた4年半前、はじめての生え抜き選手で凄く嬉しかったことを覚えています。凄い純粋そうでいい子が入ってきたなと思ったら、蓋をあけてみれば、わがままで全く言うことを聞かなくて、会社をずいぶん困らせてくれました。でも、夏を5年後にプロレス界の中心に立たせると言った私の行いは、夏がどんどん自分の好きなように動いていくことによって、ぜんぜん違う中心にいってしまいました。でも、それが夏の凄くいいところだと思う。何も縛られずに自由に羽伸ばして自分が好きなようにフリーとしてやっていってください。でもフリーって思うほど甘くないから、私は夏には手を貸しません。アナタがフリーになって凄く凄く大変な思いをして、もうこれはどうしようもないなって思った時以外は、私は手を貸さないから。アナタは一人で頑張っていってください」
夏「(泣きながら)本当にダメな後輩でした。たくさん怒られて、迷惑もかけたし、でも、その時にいつも先輩とか会社が守ってくれて、それでなんだかんだ、今こうして私は試合をすることができていると思っています。これからは自分のケツは、自分でぬぐわないといけません。もしかしたらご飯が食べれなくなるかもしれません。でもその覚悟を持って、私は退団を選びました。結局、退団する私が今こうやっていくら何を言ったところで、結局、薄っぺらく聞こえてしまうんじゃないかと思うんですけど、でもどうしても、最後だから伝えさせてください。私がこうしてリング上で受け身を取って稼いでいるのは、先輩たちがゼロから私に受け身を教えてくれたからだし、いま、私は笑顔でリングに立てているのは、同期とか後輩がずっと側で助けてくれたからだし。いま、私がとても幸せに生きていて、プロレスというか、人生が楽しいと思っていて、楽しい人生を送れているのはGAMIさんと桜花さんがいてくれたからと、それは本当に思っています。離れる私がこんなこと言っても、薄っぺらいかもしれませんけど、本当にGAMIさんと桜花さんには感謝をしています。私をプロレス界に入れてくださって本当にありがとうございました。4年間、このWAVEの会場に足を運んで見に来てくださった北海道から沖縄まで、全国のお客様に改めてお礼をお伝えしたいと思います。ホントにありがとうございました。まだまだ引退するわけではありませんので、暇な時にでも……。いつでも私はプロレス会場のどこかにいると思います。よかったらぜひまた私の顔を見に来てください。プロレスリングWAVEをこれからもどんどん×2楽しんで、応援してください。ありがとうございました」

<試合後コメント>
桜花由美&夏すみれ
——いまの気持ちを。
夏「団体に対しての気持ちで言ったら、やりきったなという気持ちではいます。でも、試合はぜんぜん歯が立たなくて、最後くらい桜花さんに対してもだし、お客さんに対しても、一人になっても大丈夫だなって安心させてあげないといけなかったと思うんですけど、やっぱりそこに関してはやっぱり悔しいかなと思いましたね」

——ずっと見てきたと思うが。
桜花「運動神経がまったくなくて、前転とかできなかった子が、4年半経って、ちゃんと受け身が取れて、最初の頃、ヒザをケガしてしまったんですけど、それ以外は大きなケガもなく、受け身を取れてるのが見えるので、どんなにやってもこの子は大丈夫っていうのを今日は見せたかったし、いつもコミカルよりの試合ばかりで、ちゃんとした試合とかあんまりやってなかったんで、この子はどんな試合をしても楽しい試合もできれば、激しい試合もできるんだよっていうのを最後、見せたかったのがあるので、今日はガッツリいきました。でも、本当にいいエルボー入ったし、コイツに負けたくないなって思うような蹴りとかエルボーが来たので、この子、大丈夫だろうなっていうのを試合を通してわかりました」

——入場曲もコスチュームも変えてきたが。
夏「いまのWAVEのお客さんは、自分を応援してくれたお客さんは、本当に練習生の時からずっと応援してくれてる。最近はYシャツマッチとかもやっていて、最近、応援してくれている人は、私のこの時代を知らないと思うので、実はこういうことをやっていたんだよっていうのを見せたかったし、古くから応援してくれる人たちには、本当に見守って、見続けてくれてありがとうっていう気持ちがあったので、私はレスラーである以上、試合だったり入場のパフォーマンスだったり、そういうのしか、お客さんに返せる方法が浮かばなかったので、せめてもの意思表示で、今日はデビュー当初の感じで来ました」

——今日のWAVEの最終試合は満足?
夏「いや試合は悔しかったんで、やっぱり私まだまだだなって思ったけど。でも、やっぱ私の中では最後に桜花さんと試合できたことがよかったなと思うし……だから満足です」
桜花「今後、フリーになってもWAVEにいた夏すみれでしょって言われて、夏が他でフリーになったとしても、他でやらかしたりすると、WAVEの看板が汚れるので、ちゃんと考えながら行動してもらいたいな、と。フリーになったからといって、すべてが自由ではなく、いままでがあったから、フリーの夏すみれがいるっていうのを忘れないで、本当に落ちぶれないで、プロレス界で夏が頑張っているっていうのを見せて欲しい。本当にいま夏、何してるの?とかにならないように。本当にそうして欲しいし、夏の潜在能力って凄いものを持っているので、自由にできるようなところまでいけたらな、と思います。おごらないように、もう1回、あと5年後、もしかしたらプロレス界の中心になれるかもしれない。いろんな経験した方がいい。私はフリーを経験したことがないからわからないけど、フリーでいろんなことを経験して、またWAVEのリングに上がってくれたらなと思います」

第6試合


 夏すみれの退団にともない、今後のWAVEを背負うべき存在として、飛躍が期待される長浜浩江。自身の3周年記念マッチは、8・12大田区でタッグながら勝利している米山香織戦との一戦に。米山は長浜の1周年記念マッチを闘った相手でもあり、節目の試合では必ず長浜が対戦を希望する相手でもある。
 試合は長浜がドロップキックで奇襲。クロスボディーでカウント2。米山も同じ技でやり返す。ブリッジで起き上がった長浜がドロップキック。すると米山は「長浜浩江3周年を記念して逆水平チョップを3発いきまーす」と言いながらも、張り付け逆水平チョップを10連発。
 さらにエルボーの打ち合いから米山がモンゴリアンチョップ、ぐるぐるパンチ、クロスチョップをお見舞い。
 長浜もドロップキックで攻守を入れ換えると、ミサイルキックからサクラ落としでカウント2。コーナーに登るも米山が雪崩式ノーザンライトへ。長浜もカサドーラからのエビ固め、変形ジャックナイフエビ固めを狙うが、米山がカウンターのソバットからジャーマンへ。キックアウトされると、ダイビング千豚♪で3カウント!

第7試合


 WAVE9・28新宿大会で、水波綾は「8月12日、大田区で復帰して、それで満足なのかよ! 自分と野崎、同期だよね? このままじゃ、このWAVEというリングで埋もれていって、ただの人数合わせの一人に過ぎなくなるぞ」と、野崎渚を叱咤激励。野崎の闘志に火を点けるべく組まれたシングルマッチとなったが……。
 水波の入場を野崎が奇襲し、場外で大暴れ。リングに戻った野崎はブレイジングチョップからの串刺しビッグブーツを見舞うと、野崎のビッグブーツvs水波のエルボーの打ち合いへ。そしてショルダータックルを放った水波がナルシストラリアットを狙うが、かいくぐった野崎が胴締めスリーパーで捕獲! 水波が落ちてしまい、レフェリーストップがかかった。試合が終わり、意識を取り戻した水波が襲いかかるも、時すでに遅し……。

<試合後コメント>
野崎渚
「4年半ぶりに復帰して、ただ試合をこなすだけというか水波が言った通り、人数合わせになってしまうなと。どこかで自分から変わっていかないといけないと思ってたところ、水波がこないだの新宿で『後楽園で試合やろう』って言ってくれたことが嬉しくて、これは絶対チャンスだと思って、何が何でも勝たないといけないなと思って臨みました。結果、ああやって水波の動きを研究して少しでもチャンスがあったらスリーパーやろうと思っていて、1回で落とせたというのが凄く……嬉しすぎて本当よかったなと思います」

——熱さが足りないと指摘されて自分でも感じた?
「そうですね。4年半ぶりに復帰して様子を見てたというか、自分のプロレス感とかが戻ってなかったりしてたので、熱に関しては確かになかったのかなって」

——今後の目標みたいなものはできた?
「水波に勝てたことって凄く大きなことだと思うので、WAVEで今日メインの山下vs大畠、大田区でメインに出ていた朱崇花とか、WAVEって強い人が多いのでその人たちにどんどん食らいついていきたいなと思います」

第8試合


 2016年のZAN1クイーンとなった大畠美咲がついに「いつでもどこでも挑戦権」を行使。大畠は2013年の初代レジーナを決めるトーナメントにもエントリーしており、今回の挑戦は通算4度目、今年2度目のレジーナ挑戦となる。一方、山下は「チャンピオンの自覚はわからない」と言いながらも、世志琥、朱崇花を次々と撃破。徐々にレジーナの風格が備わってきた。
 まずはロックアップから山下が押し込みクリーンブレイク。ヘッドロックやリストロックは互角。ショルダータックルを放った山下が串刺し攻撃で試合をリード。エルボーの打ち合いから山下がサソリ固めでステップオーバー。
 ブレイクした大畠がクロスボディーで反撃に転じるも、山下がキャッチ。しかし、すぐにDDTに切り返す大畠。ならばと走る山下だったが、かいくぐった大畠がワキ固めからの腕十字→三角締めに移行する。脱出されると、飛びつき腕十字へ。そして、アームブリーカーを放つが、山下もスリーパーに切り返す。これは早めに大畠が脱出。
 エルボーの打ち合いから山下がヘッドロック。引き込み式ラリアットでカウント2。トラースキックから後頭部へのランニングニーをお見舞い。今度こそスリーパーへ。
 10分経過。山下はバックドロップを狙うが、大畠が着地し投げっぱなしジャーマン。そして低空ボディーアタックを放つ。手拍子のなか、コーナーに登る大畠。だが山下が追いつき、雪崩式ブレーンバスターでカウント2。ここで山下はスプラッシュマウンテンの体勢。これをエビ固めで切り返す大畠。ブルークラッチもカウント2。
 山下もカウンターのヒザ蹴りからラリアット。スライディングラリアットと畳みかける。正調ラリアットもカウント2。ここで山下はもう一度スプラッシュの体勢。大畠を担ぎあげたが、大畠が逆打ちに切り返す。
 両者ハーフダウンのなか、エルボーを打ちながら立ち上がる大畠。バックブローを狙うが、ガードした山下がバックドロップ。大畠がすぐに立ち上がると、もう一度山下がバックドロップを狙うが、エアレイドクラッシュに切り返す大畠。
 すぐさまスカイブルースップレックスを狙うも、山下が回転エビ固めに切り返す。ならばと大畠はカウンターのバックブローからジャーマンへ。花マルどっかん。も返されると最後はスカイブルーSHでトドメ。4年の歳月をかけてついにレジーナ初戴冠となった。

エンディング


大畠「VTRでも出てた通り、私は初代のトーナメントからずっとレジーナ取りたくてたまらなくて、4年かけて……やっと叶えられます。長くて辛くて苦しかったけど、諦めなくてよかったです。私はレジーナになったら、やりたいことがあると言いました。やりたいことというか、今後の防衛戦のコンセプトなんですけど、私からは後輩しか指名しません。それは私が今まで先輩方とかにたくさんのチャンスいただいて、成長できたから、今度はそれを後輩たちに返してあげたいという思い……そして、私よりキャリアのあるお姉様方は自分たちでチャンスを掴めばいいと思うからです。だから、いままでチャンスはなかったけど、実はいいもの持っているとか、そういう子たちを引き出してあげたいと、このタイトルマッチで引き出してあげたいと思います。その一歩として、まずは10月22日の新木場大会でタイトルマッチを行いたいと思います。その相手は長浜。長浜は、誰より練習してるのは知ってるけど、誰より本番に弱くて、試合にそれが出せないから、凄くもったいないなといつも思っています。自分で限界を決めないで、私からこのベルトを剥がすつもりで、いい試合しようとかそんなの考えないでいいから、とにかく本気で勝ちに来てください。1回、勝ったんだから可能性あるよね?」
長浜「1回勝ったんで、もう1回、大畠さんから取って、そして、もうちょっと自分もやっぱり上にいきたいという気持ちあるんで、それを10月22日に、これからのためにやりたいと思います。お願いします!」
大畠「GAMIさん決定でいいですか。決定です。そして、毎年11月といえばNEXTというZABUNグループ内での次期挑戦者決定トーナメントが行われます。GAMIさん……私は後輩と防衛戦やりたいです。後輩にベルトを取られたいと思っています。だから正直おばさんはいらないんですよね。ZABUNという括りなしにしませんか? それで私、以下の後輩でトーナメントにしてくれません?」
二上社長「じゃあアニキ(水波の挑戦)もナシということですね?」
大畠「ごめん!(とリングサイドの水波に謝る)」
だが、水波はそれどころではないようで、大畠の初戴冠に涙。
大畠「何? あははは」
二上社長「さっきからな、ずっと泣いてんねん」
大畠「ありがとう……」

 そこに田中ミキが現れる。

大畠「誰ですか? 呼んでないのに」
二上社長「後輩っていう括りならいいんですよね?」
大畠「ベルトを取るって前向きな後輩で」
二上社長「逸材やで。私の大好物の逸材やで?」
大畠「どうせ優勝できないんで入れてもいいですけど、後輩でお願いします。それと後輩ではないんですけど、野崎! 今日、見てないんですけど、水波から勝ったんですよね? それがまぐれか実力か、この先、人数合わせになるか、中心になるか、このNEXTトーナメントで見たいから野崎も参加させてください。出たいでしょ?」
二上社長「いいですよ。今日、2分20秒で(水波が)負けてた。もう1個、会社からいいですか? チャンピオンになったんで、どうしてもやってほしいことがあるんです。この後楽園ホール見てください。旗日ですよ、今日」
大畠「今日は運動会が多いらしいですよ」
二上社長「運動会があろうが、何があろうが、みんなレディ・ガガのコンサートなら行くんちゃうか?」
大畠「レディ・ガガじゃないです」
二上社長「このオレンジ(空席)を埋めてもらっていいですかね。アナタがチャンピオンのうちに」
大畠「頑張ります」
二上社長「いやいや実行してください。4年かかってベルト巻いたならそれくらいやり遂げられるでしょ」
大畠「意地悪な言い方ですね!」
二上社長「4年もかかったなら、それくらいやってくださいよ」
大畠「わかりました! いままでのレジーナができなかったこと、やってやりますよ! ということで、あー疲れた。ちょっと頭が回らないんですけど、本当に人気・実力ともにナンバーワンということを証明できた次はそれをいろんなところに広めていかないといけないと思っています。そして私が軸となってWAVEをもっともっと大きくしていかなきぃけないと思っています。そのためには一人のスターじゃなくて、選手も、お客さんの協力が必要です。これからもWAVEを大きくするために協力してください。よろしくお願いします。本日は運動会、文化祭等、お忙しいなか、WAVEを選んでご来場いただきまして誠にありがとうございます。これがWAVEだー!」

<試合後コメント>
大畠美咲
「本当にやっという感じです。本当はもうちょっと早く取るべきだったし、取れる実力は付いてたと思うんですけど、私の気持ちが、ベルトにふさわしくなかったのかなって、いま思えばそうだったのかなと思います。でもいまは自分のために巻きたかったんじゃなくて、この先どうしたいとか、このベルトを使ってどうしていきたいのが明確になったから取れたんだと思います」

——山下戦はどうだった?
「本当に5月、6月って2カ月続けて闘ったんですけど、その時より、ぜんぜん。数カ月しか経ってないのに重さが増してて、油断してたらやられてたなって。前の山下だと思ってかかっていたらやられてたなと思います」

——いろんな技を出したが?
「特に新しいことはやってなくて、10年間の私の積み重ねというか、昔やってきたことで勝負しようと思ったので、それを全部出し切っただけですね」

——途中、エアレイドクラッシュを出したが。
「もともと吉田さんが教えてくださった時に、バックドロップの切り返しとして私が開発したのって吉田さんがおっしゃってて、ふとバックドロップされている時に思い出したんです。で、次もしやろうとしたら、それしかないと思ったんで、あれで攻守が逆転できたのかなって思います」

——ようやくレジーナを巻いて。
「本当に、本当に嬉しいです。4年間ずっと思い続け来たベルトで、志田にも先越されて、水波にも、山下にまで先越されて、本当に悔しい思いをしてきたので、やっと晴らすことができた」

——初防戦の相手に長浜を指名したが。
「要所、要所、楽しそうに、いい試合してるなって思うんですけど、やっぱりそれがつねにできてるかと言えばそうではないと思うし、波があるので、波があってもいいんですけど、下のほうの波なので、それをもうワンランク高いところに持っていってあげたいなというのはあります。本当に誰よりも一生懸命練習に参加しているのは私とか水波が見てて、練習では本当に、練習はもっと感情とか技術とかもそうですけど、出せているんですよ。それがホントに試合で50%くらいしか出てない印象があるので。でもキャッチの時に、私にシングルで勝った時みたいに、あとがないとか大事な試合、絶対勝ちたい試合とかなったら、出来る子だと私は信じているので、それを私が引き出してあげたいと思います」

——二上社長からオレンジ色を消してくれ、という要望があったが。
「そうですね。いままでのレジーナにはそんな厳しく言ってなかったのになっていうのはあるんですけど、逆に言えば私だからできるとGAMIさんは思っているはず。だから受け身になるだけじゃなく、時には会社の意向を無視してでも私がWAVEという団体を広めていきたいと思います」

——次のNEXTは他団体の若手が出てくる?
「そうですね。なんだったら私は全団体の女子団体の若手に参加してほしいくらいで。その前に、私と長浜の防衛戦があるので、そこでベルトを落としてしまっても、私より若手だとしても長浜よりも先輩がいるわけであって、それはそれで長浜もいい経験できると思うし、私が防衛したとしてもその子の持ち味を最大限に出してあげて、それでも私は勝てるんだよっていうのを証明できると思います。出たいって私に直訴してきてくれてもいいかなって思うくらいです。このWAVEでトーナメントがあるんだよっていうのをネットやSNSとかで耳にして、今までWAVE出たことないけど、そのトーナメント出たいっていう人はぜひ私にTwitterなり、メールなりで言ってきてくれたらなと思います」

——他団体を見に行ったりする?
「それも考えています。スカウトに行くというわけではないですけど、防衛戦の相手としていろんな団体の若手を見に行かなきゃって思っています」

山下りな
「負けと言うよりは、大畠さんの完勝、完全勝利という印象です。ベルトは持って行かれてしまったんですけど、それで私は落ちるような相手ではなかったことが誇らしいといいますか。大畠さんの執念と実力を認めざるを得ない闘いでした」

——大畠はいままでとは違った?
「違う! ぜんぜん違います。今日で最後ですか?ぐらいの。毎回、そんな闘いなんですけど、やっぱりいつも試合できるっていうありがたみを忘れている気がして、それを改めて思い知らされたような。いやーなんか寿命を削るような試合でした(苦笑)。笑っちゃうような。でも楽しかったな……。やりたいことっていうのもリングの外で倒れながら聞いていたし、それを聞いたうえでやっぱり大畠さんのアンテナ広さと感性といいますか。ああ、そういうことを考えているんだ……みたいな。誰も思わないようなことを考えているし、朱崇花戦で、朱崇花に足りない物を指摘しましたけど、今日、闘いのなかで、大畠さんに自分に足りない物を思いしらされたなと思うし。そこが私の弱さでもあるし、それをちゃんと受け止めなきゃいけないなっていう部分は、最初のタイトルマッチが水波さんで、ちゃんと受け止める強さを学んだし、そうだな……。正直、ベルトを持って無駄な時間は1秒もなかったなって。チャンピオンになった時間は凄く短かったんですけど、ベルトとは?と聞かれたら、正直、ベルトっていいなって。考え方は凄く変わりましたね。それがわかっただけでも儲けものかな、と。やっぱり嫌いよりは好きのほうが何百倍もいいに決まっているしね。ちょっと嫌悪感があったベルトだったんですけど、好きになりました。ベルトはいいですよ。自信持って言えます。私はWAVEのレジーナのベルト、最高峰のベルトだって言われるだけのベルトだってことは自信持って言えます。持った人にしかわからないし。自信持って言える」

——NEXTのトーナメントでも若手を指名するそうだが。
「あー、なんか言っていましたね。後輩しかできない。でも野崎さん挑戦する。そういうことですよね? 私はもちろんベルト好きですよ。好きって言ったし、またベルトを何回でも巻きたい。私は挑戦します。挑戦させてもらいます」

——大畠の試合に関して、前回は一歩も二歩も進んでみたいと思えたと発言されていたが。その先、見えた?
「そうですね。でも、その4歩、5歩も大畠さん先を行っていたので、ちょっとまだまだ私も引っ張ってもらう立場だなと今日は感じましたね。悔しいな、でも、この悔しさも含めて大畠さんの頭の中に私はいるんだなと思います。でも、いまはそれを認めます。大畠さんの予想の中にいる私でいいから一歩、二歩先、行ってやりますよ。あーーーー。いやー、しかし、泣いてる水波さんもカッコよかったですね。ちょっとかわいかったな。ああいうところずるいですよね。もっていっちゃいましたね、水波さん」

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