5・3 WAVE後楽園大会 桜花由美vs尾崎魔弓 水波綾vs永島千佳世 世志琥vs浜田文子
- 2016-5-5
- 試合
- プロレスリングWAVE
『CATCH THE WAVE 2016=SCRAMBLE=』
日程:5月3日(火・祝)
会場:東京・後楽園ホール
観衆:704人
▼オリオンブルーブロック 15分1本勝負
○真琴(REINA)【1戦1勝=2点】
4分49秒 小夜子
●中森華子(JWP)【2戦1勝1敗=2点】
▼レガッタブルーブロック 15分1本勝負
○つくし(アイスリボン)【2戦2勝=4点】
4分22秒 ハルカゼ
●飯田美花【2戦1勝1敗=2点】
▼スクランブルWAVE 20分1本勝負
小林香萌/○夏すみれ/下野佐和子
9分41秒 ダイビング・ボディーアタック→片エビ固め
大畠美咲/●長浜浩江/朱崇花
▼フェアベントレラスvsフェアベンジャーズ 20分1本勝負
山縣優/○チェリー(DDT)
8分36秒 春夜恋
●フェアリー日本橋/X=豊田真奈美(フリー)
▼ポンパドールピンクブロック 15分1本勝負
○藤本つかさ(アイスリボン)【2戦2勝=4点】
5分23秒 ラ・マヒストラル
●春日萌花【1戦1敗=0点】
▼マンダリンオレンジブロック 15分1本勝負
○ハイビスカスみぃ(琉球ドラゴン)【2戦1勝1敗=2点】
7分31秒 マッドスプラッシュ→片エビ固め
●宮崎有妃【3戦1勝1敗1分=2点】
▼アフリカンバイオレットブロック 15分1本勝負
○山下りな【2戦1勝1敗=2点】
11分18秒 ラリアット→片エビ固め
●志田光(フリー)【2戦1勝1敗=2点】
▼シルバーグレイブロック 15分1本勝負
△世志琥(SEAdLINNNG)【2戦1勝1分=3点】
9分58秒 両者リングアウト負け
▲浜田文子【2戦1勝1分=2点】
※デビューの遅い世志琥に1点が加算される
▼イタリアンレッドブロック 15分1本勝負
-桜花由美【2戦1勝1無効=2点】
無効試合
-尾崎魔弓(OZアカデミー)【2戦1敗1無効=0点】
▼クロムイエローブロック 15分1本勝負
○水波綾【2戦1勝1敗=2点】
8分57秒 ラリアット→片エビ固め
●永島千佳世(フリー)【2戦1勝1敗=2点】
元GAEA JAPAN対決となった水波綾vs永島千佳世は水波が先輩超え!桜花と尾崎がトーナメント戦で無効試合
第1試合
開幕戦となった4・10後楽園で大畠美咲との同期対決を制した中森華子。この日は同じく同期であり、“真華不思議”としてタッグを組んでいる真琴と対戦した。もし引き分けた場合は9日デビューが遅い真琴に1点が入る。今年行われたJWP1・11両国大会での直接対決では、中森が真琴に勝利しているが……? なお真琴はこの試合がリーグ初戦となる。
様子を見合う両者だったが、真琴がダイビング・クロスボディー、W・W・ニーを決めると、中森もジャーマン、ビッグブーツ、シャイニング・ウィザードで応戦。さらにダイビング・延髄ニーを放ったが、これをかわした真琴が攻勢。肩車からのフェースバスター、二段蹴りでカウント2。
中森もすぐにフィッシャーマンバスターでやり返し、両者ダウン。ほぼ同時に立ち上がると、中森が顔面蹴り、ジャンピング延髄へ。そして、フィッシャーマンバスターにつなげるもニアロープ。続く丸め込みの応酬から中森が顔面蹴り。しかしカバーの瞬間、切り返す真琴。キックアウトされると、すぐに真琴が新技・小夜子! 形は崩れたものの、執念で押さえ込み白星発進となった。
<試合後コメント>
真琴
——まずは1勝
「勝ったのは嬉しいんですけど、華のこと大好きなのでちょっと複雑な気持ちです。ごめんなさい、華」
——リーグ戦初戦だったが
「久しぶりのWAVEさんで、自分のこと知らない人が多いかなと思ったんですけど、『真琴、真琴!』ってたくさんテープもらえて、それだけでも凄く嬉しかったです」
——残り2試合
「大畠さんに勝ったことないので、でも勝ちます」
第2試合
飯田美花とつくしも2010年デビューの同期レスラー。飯田はLeonに勝って現在2点。つくしはリーグ初戦となるが、Leonがケガで欠場したため不戦勝の2点をゲットしている。なお、引き分けた場合はデビューの遅い飯田に1点が入る。
お互いの意地が爆発するなか、つくしがプランチャで主導権を握る。コーナーに登るも飯田が追いつき、雪崩式ブレーンバスター。両者ダウンとなり、飯田のエルボースマッシュ、つくしのドロップキックがそれぞれ決まる。
ここで飯田はヨーロピアンを狙うが、切り返すつくし。つくしの丸め込みも飯田が切り返しヨーロピアンへ。あわやのシーンが連発するなか、つくしがハルカゼで丸め込み貴重な2点をゲットした。
<試合後コメント>
つくし
——初戦に勝ったが?
「本当に楽しい。プロレスって悔しい思いもたくさんするけど、勝ったときの喜びとか、気持ちが爆発しそうなぐらい嬉しいし。きょうは同期対決で飯田さんのほうがちょっとデビューしたのが遅かったんですけど、一応同期なので。今日も負けられない一戦だったし、明日も文体があるので、里村明衣子と対戦するので、今日は前日ということで特に負けられない一戦だったし。自分にとってキャッチ・ザ・ウェーブも初出場なので、とても大事な試合だし、大会です。このままの勢いで優勝したいと思ってます。頑張ります」
——Leon戦が不戦勝。残りはメラニー戦だが?
「ちょっと日本語が通じないし自分も英語がしゃべれないので試合になるかわからないんですけど、外国の選手と対戦する機会もなかなかないと思うので、ベーターがアイスリボンに来てるので、ベーターに英語を教えてもらいつつ、メラニー選手の弱点とかを動画を見て研究したいと思ってます。いまの自分は無敵です!」
第3試合
第3試合はリーグ戦が組まれなかった選手たちが中心となった6人タッグマッチ。この中でリーグ戦にエントリーしていないのは夏すみれだけだが、見方を変えれば悔しさを爆発させるチャンスでもある。
試合は、大畠vs小林、朱崇花vs下野、長浜vs夏でまずは手合わせ。夏のネックブリーカーが鮮やかに決まるも、大畠が割って入りトレイン攻撃へ。掴まりかけた夏がなんとか逃げ帰ると、小林、下野とリレーしていく。劣勢の長浜を見かねた大畠が助けに入り、3人ドロップキック。大畠のプランチャでフォローする。
リングに戻ると朱崇花vs下野へ。朱崇花の顔面ドロップキックが豪快に決まるも、2発目は下野が迎撃。速攻の雷電ドロップでカウント2。一方、朱崇花はサイドスープレックスでやり返し大畠へ。しかし、小林の串刺しキック、夏の串刺しヒップアタックが大畠にヒット。さらに小林がフィッシャーマンSHでカウント2。だが大畠も低空ボディーアタックでやり返す。
再び長浜vs夏となり、長浜がサクラ落としでカウント2。ロングビーチで絞り上げたが、これは下野がカットに入る。攻守を入れかえた夏がDDTでやり返すと、下野のボディーアタックを挟んでブレーンバスター!
長浜も朱崇花のドロップキックからカサドーラ。もう一度、朱崇花のトラースキックを呼び込み仕留めにかかるも、これが運悪く同士討ちに。二転三転と戦況が入れかわるなか、夏がダイビング・ボディーアタックを投下し、長浜から3カウント! 先輩の意地を見せたのだった。
第4試合
当日発表となっていたX。リングに登場したフェアリーが自信満々に呼び入れたのは豊田真奈美だった。
フェアリーは豊田を「マナミ」と呼び、ファンにお披露目。すると山縣が「真奈美姉さん、昨日一緒にご飯食べてましたよね。そういう話、出てませんでしたよね!? いくらで買収されたんですか!」と問い詰める。
すると豊田は「買収なんてとんでもない。私は魔法使いやりたいの。だから10万円をお支払いして、フェアリーちゃんの弟子になったの」と仰天発言で周囲を驚かす。
早速、豊田が自己紹介すると、フェアリーがダメ出し。お手本を見せたあと、豊田もスキップからの自己紹介へ。今度は合格点をもらったものの、山縣&チェリーがカットに入り、試合がはじまる。
山縣&チェリーはフェアリーを集中攻撃。山縣のドロップキックが決まり、フェアリーがカバーされたが、豊田が「まだ魔法をみせてもらってないのに、終わらせないでよ」とカットイン。するとフェアリーも「そうね。魔法ね」とようやく魔法の授業へ。ステッキを振って山縣を吹っ飛ばそうとしたが、山縣は無視。フェアリーが「若い人にはよくきく魔法なのに……」とボソッとつぶやくと、これを聞いたチェリーが受け身を取りまくる。
すかさず豊田がミサイル弾。一気に仕留めようとしたが……今度はフェアリーが魔法を使ってないとの理由でカウントを妨害する。そして、豊田にステッキを手渡すも、豊田は魔法を使いこなすことができない。何度やっても同じ結果に、豊田は「10万円返せ!」と詰め寄ると、フェアリーは「10万円はなくなりました。昨日の夜ホストクラブで使いました」と正直に告白。怒った豊田がローリングクレイドルでお仕置きすると、すかさずチェリーが春夜恋で棚ぼた勝利を収めた。
試合後、フェアリーは「アナタは魔法使いとして失格よ。出直してらっしゃい」と負け惜しみ。豊田にとっては、高い授業料となってしまったようだ。
第5試合
2年ぶりのCATCH THE WAVE参戦となる春日萌花はこの日がリーグ初戦。対戦相手は、チェリーを破り現在2点の藤本つかさだ。
まずは藤本が入場。そこを春日が奇襲し、いきなり試合がスタート。場外へのダイビング・フットスタンプを投下した春日はリングに戻ってもダイビング・フットスタンプを投下。さらに極楽固めで絞り上げる。
体勢を入れ替えた藤本がお返しの極楽固め。しかし春日も取りかえす。春日のクロスアーム式エビ固めも、藤本のビーナスクラッチもカウント2。藤本のランニングPK、顔面ドロップキックでも決まらない。春日もチャカチャカを繰り出すが、切り返した藤本がカウント2。ならばと春日も藤本のカサドーラをフェースバスターに切り返し、顔面蹴り。
髪の毛をつかみ合う両者。殺伐とした雰囲気のなか、藤本がドロップキック。たいようちゃん☆ボムを狙うが、回避した春日がチャカチャカでカウント2。ヒートアップする丸め込み合戦のなか、藤本がマヒストラルで3カウント! この結果により藤本は2戦2勝の4点となり、全勝に王手をかけた。
<試合後コメント>
藤本つかさ
「スタート、あれありですか? 先輩の春日さんに奇襲されるとは思ってなかったです。紙テープを巻いてくださったファンの皆様、ごめんなさい。でも勝ったから、今日の紙テープは明日にまわしてね」
——残り1試合はラビット戦
「そうですね。全勝で勝ち上がるのは当然なので、その先を見て試合したいと思います」
第6試合
琉球ドラゴンプロレスからエントリーしたハイビスカスみぃ。初戦を朱崇花に敗れて落としているだけにもう1敗も許されない状況だ。一方の宮崎は公式戦を順調にこなし、1勝1分で2点。この試合が最終戦となる。負けた時点でトーナメント進出がなくなるだけに負けられない一戦となった。
ゴングが鳴っても微動だにしない両者。するとセコンドの野崎が「宮崎さん、もう1分経っています」と声をかける。慌てて場外戦を挑むも、再び仁王立ちの両者。カウント9ギリギリで慌ててリングに戻ると、宮崎が早速恥ずかし固め。しかし、みぃにはまったく効いていない。むしろ、みぃは股を広げて「来なさい」と堂々と受けて立つ。
作戦を変更した宮崎が顔面ドロップキック、サードロープにもたれかかるみぃの顔面にも一発放っていきハリケーンドライバー。コーナーに登ると、みぃがパワーボムで形勢逆転。しかしダイビング・ボディープレスは宮崎も足を立てて回避する。そしてライガーボムへ。
さらに宮崎はムーンサルトを投下するが、これはみぃが寸前でかわす。もう一度、コーナーに登る宮崎が掴まり、みぃが雪崩式ブレーンバスター。宮崎のトラースキック、みぃのラリアットが決まるなか、みぃのジャーマン、ファイナルカットもカウント2。ならばと、みぃがマッドスプラッシュを投下し、3カウントをもぎ取った。最後は握手をかわす両者。そしてもう1回と、再戦を誓ってリングを降りた。
これにて宮崎は、1勝1敗1分=2点でリーグ戦を終了。決勝トーナメント進出を逃した。
<試合後コメント>
ハイビスカスみぃ
——まずは1勝
「ありがとうございます。こないだ朱崇花に負けているので早くもあとがない状態だったのでこれは負けれないというか、だけどやっぱり私の素顔というか楽しい部分が出てしまったかな、と」
——宮崎はどうだった?
「ずっと試合したくて、かなわず宮崎さんが引退されてしまって、何かの試合のときにアンタ宮崎みたいになってきたなとGAMIさんに言われて凄く嬉しかったんです。憧れていたので。それで宮崎さんとやりたい、やりたいと思ってて、今回GAMIさんにアンタやりたいって言ってたから組んだでって言われて、ついに! しかも後楽園ホールでシングルでしかも勝つことができて、もう感無量です」
——残りのチサコ戦に関して
「それがですね、タッグでも絡んだことがなくて、もちろんシングルもはじめて。連絡先も知らない子なんで、どんな試合になるのか、これが一番緊張する試合になりそうですね」
インフォメーション
休憩明けのインフォメーションで二上美紀子社長がつかこうへい作の舞台「リング・リング・リング」の再演に、WAVEの選手(大畠美咲、飯田美花、夏すみれ、長浜浩江)の出演が決定したことをアナウンス。また6月1日から動画配信WAVE NETWORKがスタートすることを明かした(6月1日から6月末まで無料だが、その次の月からは月額/880円)。
第7試合
初戦の米山香織に敗れ、現在0点の山下りな。この試合に敗れればトーナメント進出の夢は潰えてしまう。一方、第6代波女の志田光は初戦の小林を下し順調な滑り出し。この試合に勝って、全勝でトーナメント進出を決めたいところだ。
試合は山下がいきなりショルダータックル。志田もミサイル弾を放つが、かわした山下がトラースキック、馬乗りエルボーを連発していく。志田もヒップアタックで攻勢。バックブリーカー、逆片エビ固めで山下の腰を集中攻撃。堪えた山下がブレイクするとエルボーの打ち合いへ。山下もカウンターのダブルチョップでお返しすると、串刺しラリアット。スリーパーで絞り上げる。さらに胴締め式に移行するも、なんとかブレイクした志田に山下がブレーンバスター→バックドロップでカウント2。
すかさずコーナーに登るも追いついた志田が雪崩式ブレーンバスター! 再び攻守を入れかえ、ランニング・ニー→ファルコンアローで畳みかける。山下もカウンターのラリアットでやり返すが、すぐに志田もケブラドーラ・トドアルト。そしてフルメタルマフラーへ。堪えられると、バックブリーカー! これもキックアウトされると、コーナーに登る。主導権争いが繰り広げられるなか、山下がヘッドバットからの雪崩式バックドロップ。
志田もランニング・ニーで反撃を試みるが、山下がラリアットで迎撃。すかさずラリアット、引き込み式ラリアットと猛攻をしかけ、最後はロープを往復してのダメ押しラリアットで、第6代波女から貴重な1勝をもぎとった。
<試合後コメント>
山下りな
「ハァ、ハァ、ハァ。つらい、つらい! もー痛い!」
——かなり大きな1勝となったが
「この1勝は大きい! あと私のリーグ戦、残っているのは小林香萌! 志田光との今日の勝ちが絶対まぐれだって言わせない!」
第8試合
Regina di WAVEに就く実力を持ちながら、CATCH THE WAVEには縁がない浜田文子。今年は初戦の下野を下し、さい先いいスタートを切ったが……。
この日の対戦相手は、何かと注目を集める世志琥。世志琥もまた初戦の花月を破り、現時点で勝ち点2をマークしている。2点同士の対決だけにこの試合に勝った選手がトーナメントに大きく前進するのは間違いない。
まずはロックアップで組もうとするが、すぐに離れる両者。バックの取り合いもお互いに取らせない。読みあい、かわしあいのあと、今度はショルダータックルで何度も衝突。続いてエルボーのラリーとなり、世志琥が顔面ウォッシュにつなげる。そして、世志コブラから文子をマットに叩きつける。
文子も巻き返しの顔面キックからムーンサルト・プレスを投下。これをかわされると、場外ムーンサルトアタックを狙う。しかし回避する世志琥。
コーナーに登る文子は世志琥をパワーボムで投げ落とすと、ラリアットの相打ちを繰り返す。これは世志琥がなぎ倒してカウント2。だが文子もすぐにやり返す。
ならばと世志琥はバックフリップからセカンドロープからのセントーンを投下。文子がかわして場外に逃れると、世志琥はエプロンからのラリアットを狙うも、文子がラリアットで足を払う。
場外でヘッドバットを放った文子は、今度こそはと場外ムーンサルトアタックを投下したが……世志琥がかわしたところで場外カウント10となりドローとなった。
試合後も一向に闘いをやめようとしない両者。WAVE勢、SEAdLINNNG勢を巻き込んでの大乱闘となった。
この結果によりシルバーグレイブロックは4選手が2戦を消化。世志琥が3点で一歩リードすることとなった。
<試合後コメント>
浜田文子
「言うことないでしょ。自分もなめてた部分もあるし。ぶっちゃけ本人には失礼かもしれないけど、前の団体で試合してた、世志琥のスタイルでくるのかなと思ったら、ちょっと違ったスタイルで。遠慮はしてないところは、そこは自分を燃えさせてくれたし、なかなかWAVEにいない選手。そういうの見てWAVEの選手がどういうふうに思ったか。怖いもの知らずできてほしいし、キャッチというのもあるし。でも、その上でお客さんに申し訳なかった。これからプロレスのことが大好きで大好きで大好きで帰ってきた世志琥が見えたので、そこは自分からもお願いするし。すごく頑張ってるし。前のことを消したい世志琥が見えたし、感じたし。そしたらチャンスをあげてください。同じレスラーとして。何があったのか知らないし、自分にも興味のない話ですけど、それでも戻ってきたんだから。それがなんで戻ってきたといったら奈七永さんについていくとか、そうじゃなくて、プロレスが本当に純粋に大好きな子と感じたので。負けたくない気持ちももちろんあるし、怖いもの知らずできたけど、まあちょっとガーッてなる部分もあって、自分もそういうふうに付き合わされちゃった反省感ですよね。中に入れて決めにいけばよかったですけど、WAVEのリング上がって何してるんだと自分もがっとなったんで。まあ、続きを残された試合だと思うし。これで私は気持ちよく下がれないんで、キャッチじゃなくてもまたどこかで。どこかじゃないですよね、WAVEのリングで。それこそスペシャルシングルマッチでやりたいです。そしたら、決着をつけます」
——こんなに熱くなったのは久しぶりなのでは?
「久しぶり! 今日はダブルヘッダーなんですけど、本当に寝られなくて。世志琥という選手。なんでこんなに緊張してるのかと思われるかもしれないけど、私人間なんで、緊張しますし。WAVEの大事な試合というのもあったし、これからいく旗揚げ戦も。なんで緊張しだしたかというと18年間やって、一回もデビュー戦の相手になったことがないんですよ。しかも旗揚げ戦のデビュー戦の相手なので。そこから緊張して。1本目うち、次旗揚げ戦の、うわーってなっちゃって全然寝られなかったんです。浜田文子でも緊張しますよ。次はもう1回……」
※世志琥が入ってくる
世志琥「なげえんだ、テメエ、このヤロー。こっちは勝ちなんだよ!(乱闘に)」
奈七永「下がれ、下がれ」
文子「教育しろよ、ちゃんと! バカヤロー!(控室へ)」
世志琥「話、なげえんだよ。自分も負けてないんで。勝ちは勝ちなんで。引き分けですけど、自分に1点入るっつーことを知らなかったな」
——初対決だったが?
世志琥「本当、ただごとじゃない感じ。自分の中でも。相手もそんな感じでくるから。本当に悔しいですね。もう一回。WAVEでもSEAdLINNNGでも、どこでもいいですよ。もう1回シングル、やらせろよ。決着つかねえとよ、気が済まねえんだよ」
※山下が通りがかる
世志琥「なんだよ、テメエもよ。邪魔してきやがって」
山下「邪魔って。もう試合は終わったじゃねえか。オマエがしつけーんだよ。止めてやったんだよ」
世志琥「なんだ、オメーに止めに入られる必要はねえんだよ」
山下「ケガしないように止めてあげたんだよ」
世志琥「オマエにそんな心配される必要ねえって言ってんだよ」
山下「なんだよ。私、きょう勝ったけど。試合結果、ドロー? 点数が入ればいいのかよ」
世志琥「あ? テメーよ。なんだこのヤロー。リーグ戦勝ち上がってこい、このヤロー。その前に18日だ、このヤロー」
山下「いいよ、待ってるよ(もみ合いに。奈七永が止めに入る)。オマエ(奈七永)関係ねえだろ。オマエ(世志琥)絶対勝ち上がってこいよ!」
世志琥「どいつもこいつもしつけーんだよ。そういうことなんで。山下も5月18日SEAdLINNNGで当たりますけど、そこでももちろん自分はぶっつぶすつもりでいますし、このリーグ戦でも自分とシングルでやりたきゃうちは絶対勝ち上がるんで、オマエも勝ち上がってこいよと思います」
第9試合
今大会の注目選手の一人であるOZアカデミーの尾崎魔弓。初戦の長浜戦は反則負けとなったが、尾崎にとっては痛くもかゆくもない様子。対戦相手はOZアカデミーでは正危軍として行動をともにする桜花由美だ。WAVEでの桜花は凶器攻撃を封印していることもあり、尾崎を相手にどんな闘いを見せるのかに注目が集まる。
桜花が握手を拒否すると、尾崎がチェーンを持ち出していく。桜花のビッグブーツをかわしてスリーパーに持ち込む尾崎。桜花の首にチェーンを巻きつけると、レフェリーとぶつかり合いながらも反則攻撃を仕掛けていく。場外戦を挟んだあとも、尾崎は反則ギリギリのチェーンパンチを連発する。
桜花もビッグブーツで反撃。もう一発狙ったが、尾崎がチェーンを投げつけて阻止する。桜花はチェーンをたぐり寄せてバックドロップを放つと、ビッグブーツを連発。そしてダイビング・サンマドロップをキックアウトされるとクロスフェースで絞り上げる。
ビッグブーツとバックブローの打ち合いから桜花が先に仕掛けるが、尾崎がカウンターのバックブローでカウント2。桜花も垂直落下ブレーンバスターでやり返す。コーナーに登るも尾崎がチェーンで妨害。場外戦となり桜花が場外ブレーンバスター。一気に仕留めようとしたが、尾崎もカウンターのバックブロー。そしてイスを握るも、石黒レフェリーが阻止。ここで尾崎はレフェリーに毒霧。レフェリーの視界を奪う。
桜花はビッグブーツで跳び込むが、尾崎がかわして石黒レフェリーに誤爆。尾崎のイス攻撃も石黒レフェリーに誤爆してしまう。リング上が無法地帯となると、カッとなった桜花がイスを手に……。収拾不可能となったリング上、さらには自身の視界を奪われた石黒レフェリーがノーコンテストを告げた。
この結果により尾崎の決勝トーナメント進出は消滅。桜花にも黄色信号が灯ることに……。
<試合後コメント>
桜花由美
「意味わからないです。だって、尾崎さんが凶器使ってるとき、石黒は反則とらなかったわけでしょ? じゃあ凶器は反則じゃないじゃん。自分が当たったからって、反則とるのとかって(おかしい)」
——この失点は痛い?
「メッチャ大きいです。尾崎さんからちゃんと勝とうと思ったんです。でもやっぱり尾崎さんはいつもの尾崎さんで、これで負けてしまうと思ったら、イスを持ちだしちゃったんですけども、でも、反則って4カウントまでOKですよね。反則じゃないじゃん。勝手にレフェリーが判断して決めて意味わからないです」
尾崎魔弓
——無効試合になったが
「あの石黒は融通きかないやつだね。ヒールのいない団体のレフェリーはダメだな、つかいもんになんなくて」
——2試合続けて得点なしだが
「まあ別にさ、どうでもいい。好き勝手暴れたいから出ただけ。100万ならあるし、あはははは。ちょっと面白そうだから、点数うんぬんじゃなくてさ、レフェリーかたいよなー。アイツちょっと教育しなきゃダメだな。私がたまに出るときはさ、もうちょっと大人の対応をしろと」
——あえてレフェリーに毒霧を放ったように見えたが?
「こないだWAVEの博多のときに長浜とやったんだよね、リーグ戦で。あんときもアイツさ、めんどくさかったんだよ、レフェリーが。だから博多から引きずってるの、むかつくの。だから今日は絶対アイツにやってやろうと最初から思ってたの。しかもチェーン蹴ってさ。やっちゃいけなくないレフェリーが。いいの? 今度会ったときはただじゃおかないよ」
——最終戦はSareeeだが
「またアイツがしゃばってくるからなー。アイツとリングで会うときにはもっと楽しい。Sareeeとシングルははじめてだから、それも楽しみ。どう2人をいじめようか」
第10試合
メインイベントは水波綾vs永島千佳世の元GAEA JAPAN対決。キャリアでは永島が9年も上だが、リーグ初戦を落としている水波にとっては先輩であろうが、何だろうが勝たなければいけない状況。しかも、水波を破った希月に、永島は勝利している。
背水の陣で挑む水波がスタートから飛ばす。パワースラム、スピアで永島を場外に落とすとエプロンからの紅の豚。
先手を取られた永島だったが、フェースクラッシャーで攻守を入れかえブラ下がり腕十字。耐えきった水波はぶっこ抜きジャーマン、紅の豚と挽回していく。そしてラリアットを放ったが……。
かいくぐった永島が横十字。水波がエルボーを連発していくも、永島が裏投げでカウント2。さらにダイビング・フットスタンプを投下する。水波もかんぬきスープレックスからスピアでカウント2。ドラゴンSH、ダイビング・ギロチンドロップでも決まらない。タワーハッカーボムを狙った水波だったが、これをウラカンラナで切り返す永島。DDT、フィッシャーマンバスターにつなげていく。
水波もドラゴンSHを狙うが、これを切り返す永島。水波がカサドーラで丸めると、永島もお返し。ヒヤリとした水波だったが、キックアウトすると電光石火のラリアットで3カウント!
試合後、感極まった様子の水波は「オイ勝ったぞ、水波が! 今日勝ったけどまだ、まだわからない。なんかいろいろわからないけど、今年、自分がこの波、掴まないともうダメでしょ!って、自分で思っています。この勝利で波をつかんで私、水波綾が2016年の波女になります。今日はありがとうございました!」と必勝宣言し、リングを降りた。
<試合後コメント>
水波綾
「キャッチが始まって、いつもの明るく激しい、楽しいスタイルよりはどちらかというと、そんな明るくもなく、ただ勝つことだけでいかないと、やっぱりキャッチって残れないなとここ何回か、キャッチに出て思ったので。キャッチの試合のときはそういうふうにしようと思ってやってるんですけど、今日はどうしても外せなくて、最初で空回りしてたんで。そこからなんとか自分の気持ちもだし、ペースもだし、落ち着かせようと思って。そこから取りにいくっていうふうにもう一回、この試合はそういう気持ちのなかでいろいろありました。永島さんは元をたどればGAEA JAPANというところで、しかも寮長だったので。めちゃめちゃ厳しかったですね。GAEAは2005年になくなりましたから。11年たってこうやってCATCH THE WAVEというリーグ戦でシングルで当たれることは、ものすごく、本当に運命というものを感じています。だからこそ今日、私は後がないのもわかってたし、今日は勝たなきゃいけないという気持ちはすごく強くて。なんとかスリーが入る形で勝つことができました。初戦で負けてしまってよくないスタートを切っているので。そういった部分で次、お客さんからしてももう水波ダメだろと思った人、いっぱいいると思いますけど、私の中では一回も、初戦負けたからといってモチベーションが下がったことはなかったですし。そこがたぶん、いままでと違うところはそういう気持ちの面の強さがすごくあるので。それがこうやって勝ちにつながるとすごく自信になるし。結果として勝ちが出たので自信にはつながりました。だけどまだ本当に終わってないので。本当に安心してコメントを出すときは、私は波女になったときかなと思ってます」
——残りのリーグ戦は?
「田中盟子選手。すごく若手で勢いがある人だと思って、自分も実はすごく闘ってみたい後輩の一人ではありました。でも、向こうも勢いあるけど、こっちはその勢いを飲み込んだ上で、私の勢いで勝ちたいと思ってます」
——たまたまのことだと思うが、Marvelousの旗揚げの日にこのカードが組まれたことは意識していた?
「全然。すみません、キャッチが始まってから誰であろうが目の前の相手を倒すという意識になっているので。周りのどうのこうのは本当に頭になくて、あまり考えてなかったです」
——優勝宣言も出たが?
「そうですね。さっきも言ったんですけど、ここ8年、9年やってて、WAVEにきて5年目。いま、いまって感じてる部分があって、それが一つモチベーションの高さに出てると思うし。いまいかないとっていう気持ちが強いし、口に出して言えばそうやって意識せざるを得ないし。自分の中でもそう思ってますし。だからああいうふうな言葉が出たんだと思います」
(記事・写真提供 プロレスリングWAVE)