調印式に出席した安永有希と神酒龍一が「パンクラスのベルトだから欲しい」と熱弁!

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 6月27日午後、都内新宿区のパンクラスに於いて『PANCRASE 279』(7月24日、ディファ有明)でおこなわれる第3代フライ級王者決定戦の調印式があった。
 ベルトを懸けて闘う安永有希(東京イエローマンズ/同級1位)、神酒龍一(CAVE/同級2位)は、廣瀬隆司コミッショナーの立ち会いのもと、出場誓約書にサインした。

 神酒は昨年12月、清水清隆の王者査定試合に勝利し挑戦権を獲得。安永は今年3月、リルデシ・リマ・ディアスを破り、挑戦権を手にした。安永が、試合後「神酒選手とやりたいです」とマイクアピールすると、神酒がケージイン。「やらないとは言わないけど、(安永の勝利は)意外だった。今日の試合はあまり面白い試合じゃなかったので、次は自分が面白くします」とコメントしている。それから4ヵ月。1983年生まれ、同い年の2人がついに激突する。

——まず、お2人からひと言ずつお願いします
神酒「CAVEの神酒です。この試合は、勝つという意外の意味はないと思っています。絶対にベルトを獲ろうと思っています」
安永「パンクラスのタイトルマッチは2回目ですが(※前回は2012年12月、清水清隆のスーパーフライ級王座に挑戦)これは絶対に獲らないといけないと思っています。神酒選手は同い年で、いろいろ思いはあると思いますけど、僕にもあるので、絶対に獲りたいです」

——安永選手の印象はいかがでしょうか
神酒「組み技が強くて、相手を惑わすのが巧い。タイミングを作るのが巧いクレバーな選手だと思います」

——そんな安永選手にどう対応していきますか
神酒「対応するという考えは好きじゃないです。やろうと思えばできると思いますが、そういう闘い方をするつもりはないです。自分のやりたいことを押し付けていく、それだけしか考えていません。安永選手のリズムは独特なものがあるので、付き合ってしまうと良くないと思っています」

——では、安永選手は、神酒選手の印象はいかがですか
安永「何でも出来て、打撃が強くて、同い年で。そんな感じです」

——どんな対策をしていますか
安永「それは言えません」

——お2人は、これまで出稽古などで接触したり、一緒に練習したりしたことはあるのでしょうか。そこで、いつか闘うことになるかも知れないと思ったことはありますか?
神酒「2011年か2012年ごろに東京イエローマンズで練習させていただいていたので、練習したことはあります。その頃はまだひな形というか、今のスタイルが確立されていなくて、朝日(昇)さんにアドバイスを受けながら迷っているという印象がありましたね。その頃はまだ、闘うことになると考えたことはなかったです」
安永「そうですね、数年前、来てもらっていました。でも、その頃、神酒選手は修斗に上がっていたので、闘うと考えたことはありませんでした。でも、パンクラスに参戦したとき、もしかしたら、いつか闘うかもと思いました」

——さて、お2人はタイトルマッチにふさわしい試合とはどんな試合だと思いますか?
神酒「よく言われることですけど、やはり気持ちだと思います。技術とかパワーとかもありますけど、お客さんが見に来ているのは気持ちの部分だと思います。そういう試合がやれればと思います」
安永「何がふさわしいかというのは、わからないです。ふさわしかったかどうかは、試合を見た人が決めることで、僕がやらなくてはいけないのは、勝ちにいって、そして自分が勝つことです」

——タイトルマッチは5分5ラウンドの長丁場です
神酒「パッと終わるのが理想ですけど、試合は何があるか分かりません。なので、気持ちも身体も準備しています。5ラウンドということに惑わされて、自分の出す手が小さくなってしまうのは避けたいですね。面白くないですから」
安永「5分5ラウンド闘う準備はしてきています。でも、試合というのは、やってみないとどうなるか分からないので、あらゆる準備をしています」

——安永選手は、神酒選手よりもパンクラス参戦歴が長いですが、その分ベルトへの思いは強いですか?(※安永は2011年から、神酒は2015年から参戦)
安永「そうですね、やっぱりベルトは獲りたいですね。でも、神酒選手も獲りたいと思うので、同じくらいじゃないでしょうか」

——神酒選手は第4代修斗世界バンタム級王者です。パンクラスのベルトを巻くと、2団体を制覇した初めての選手となります
神酒「関係ないです。特にそういう存在になりたいとも思いません。初めてなんて、どうせ誰かがなるんですから関係ないです」

——改めて、パンクラスのベルトに対しての思いを聞かせてください
神酒「僕が格闘技を始めたころは、パンクラスはプロレスの大きい団体の1つでした。まさか自分がそこに上がらせていただいて、さらにキング・オブ・パンクラスに挑戦させていただくなんて1年前には考えられませんでした。今は、このベルトが喉から手が出るほど欲しいです」
安永「とにかく、獲らないといけない。絶対に獲ります」

 近年、日本の団体のベルトは海外へ行くためのステップと考える選手も多い。決して間違いではないし、考え方はそれぞれだが、やはり、“この団体のベルトだから”、“このベルトだからこそ”欲しいと思う選手同士の試合には見る方も燃えるものがある。一過性でなく、このベルトを保持し、価値を高めてくれる王者が誕生してほしい。それは、日本人が海外で活躍するのと同じくらい大切なことだ。安永、神酒両選手にはぜひ、日本人の底力を見せつけるような試合を期待したい。

(写真・文/佐佐木 澪)

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