朱里とPANCRASEで戦う18歳の浅倉カンナが「プロレス技を出したい」という朱里に嫌悪感

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 4月24日夜、「PANCRASE 277」で朱里(ボスジム)と対戦する浅倉カンナ(パラエストラ松戸)が公開練習をおこなった。場所は幼い頃から数々の選手を見て来たパラエストラ柏で、鶴屋浩・パラエストラ松戸代表が見守る中、打撃のスパーリング、父親の浅倉洋平さんをパートナーとしたグラウンドのスパーリング、さらにハンマーでタイヤを殴るトレーニングを披露した。
 まだあどけなさの残る18歳の浅倉だが、トレーニング中には殺気を発散していた。レスリングからMMAに転向して3戦3勝。そのうち1勝はヴァルキリー王者・玉田育子(AACC)からという金星を挙げている、女子総合格闘技界期待の逸材だ。

 鶴屋代表も「やることは全てやってきている。打撃も小さい頃からやってきているので、この試合は打撃VSレスリングではない。打撃、レスリング、柔術をずっとやっているので、“MMA”をしっかり見せられると思う。多分1ラウンドで終わると思う」と太鼓判を押した。
 さまざまな練習を見せた浅倉は、コンディションも好調。「いい練習ができているので、今回は自信しかないです」と微笑む。練習は、日曜日以外の週6日おこなっているという。AACCに週1回か2回、出稽古に行くほかは、ここで練習に打ち込む。パンクラスには初参戦。「試合に出たいと思っていたので、オファーをいただいて嬉しかったです。試合もずっとケージでやってきたので、パンクラスはやりやすそうだなと思っています」と話す。

 相手の朱里の印象を訊ねると「実は最初はあまり知らなくて、この試合が決まってから知りました。でも、とにかく試合がしたかったので、相手が誰とかはあまり気にしていません」と言う。「試合に出ると、自分で予想していた以上に出来たなと思うんです。さらに、いい練習ができているので、試合が楽しみです」と目標を語った。

 幼い頃からレスリングに親しみ、数々の実績を残してきた。その浅倉がMMAをやろうと思った理由はなんだったのだろうか。
「最初はパラエストラでレスリングをやっていたんですけど、そういう練習環境が一番大きかったと思います。小さい頃から見ているので、子供には大人がかっこよく見えるんですよ。それで、自分もやってみたいなと思って始めました道場の先輩たちはすごい人ばかりで、その背中を見て来ました。始めてからも、藤井恵選手や、浜崎選手、RENA選手など、女子選手にも憧れていますし、追いつきたいですね。とにかく、MMAをやることに関して環境がすごく良いんです」と話した。また、もう一つの理由は「ずっとレスリングをやってきたので、(レスリングは)ある程度できていると思うんです。でも、MMAは打撃も入りますし、これまでとは違う自分の成長がわかる、そういう部分が面白いですね」。周囲にいた選手たちが浅倉をMMAの世界へいざない、浅倉は今、自分の新たな成長を楽しんでいるようだ。

2016_04_09浅倉カンナ公開練習 そして、スパーリングパートナーを務めた父の洋平さんの影響も大きい。洋平さんは、実はパンクラスファン。ピーズラボ横浜(旧パンクラス横浜道場)に5年ほど通い、佐藤光留らに指導を仰いでいたこともあるという。「まだ5歳だったカンナを連れて横浜文体へパンクラスを見に行ったこともあります。それなのに、せっかくの近藤(有己)VS菊田(早苗)のときに、こいつ、トイレに行ったんですよ。近藤VS菊田なのに…とんでもないやつです!」と父が言えば、娘は「試合は全然覚えてないですけど、すっごく怒られたことは覚えています」と笑う。そんな父娘は、二人三脚で練習に打ち込んできた。「いつも練習に付き合ってくれます。ウェイトとかも見てくれますし、小さい時から変わらずに、こういう感じでやっています」と話す浅倉。辞めたいと思ったことはありますか? と訊くと、「もちろんあります。でも、お父さんが怖かったので…」と照れ笑いした。

 試合まで2週間強となった。朱里は公開練習で、この試合は打撃VSレスリングであると分析し、KOすると話したが、浅倉はそうは思っていないようだ。「この試合は打撃VSタックルみたいなイメージになっていますけど、そうではないです。私は打撃もできるので、まずKOはされないと思います。3ラウンドやるつもりはありません。勝つことが前提なので、“どう勝つか”ということしか考えていないです」と勝負師の横顔も垣間見せる。
 そして「朱里選手は、プロレスの技も出したいと話していましたけど、私は真面目にMMAだけをやっているので、プロレスの技なんてさせません。真剣にMMA1本でやっている私は負けられないです」と、格闘技選手としてのプライドも。父・洋平さんも「正直、カンナより強い奴なんているのかなと思う、それくらい自信があります。カンナは小1の時から鍛え上げてきました。アマレスだけでなく柔術の大会にも出ていますし、打撃もやっているので抵抗はないと思います。朱里選手はコブラツイストなんて言っていましたが、聞いてガッカリしました。カンナはちゃんとしたアスリートとやらせたかったです。当日、差があることが判ると思います。ガチガチのアスリートとやると、こうなるんだと」と異口同音にアスリートとしてのプライドを語った。

 目標は世界だ。「朱里選手も言っていましたけど、私も最終的にはUFCを目指してやっています。ここで勝ってつなげられたら、いいなと思います」という浅倉の印象は、ひとことで言えば「素直」。どんな道でも、上達する大切な要素は素直さだと言われる。浅倉は、幼い頃からこの素直さで、さまざまなことを学び、吸収してきたのだろう。グングンとまっすぐに伸びた若木は、パンクラスの舞台で花開かせようとしている。

(写真・文/佐佐木 澪)

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