「BreakingDownみたいな形式でやればよかった」プロのリングに学生プロレスラー、アマチュアプロレスラー、一般人の子供らが大集合し闇鍋バトルロイヤルを実施!
29日、東京都・後楽園ホールにてDDT『Sweet Dreams!2023』が開催され、ダークマッチに数多くのアマチュアプロレスラーたちが参戦を果たした。
黎明期のDDTでは学生プロレスなどのアマチュアプロレス出身の選手が多く参戦しており、現在も団体の顔として活躍するHARASHIMA、男色ディーノらも学生プロレスの出身。
団体が大規模になっていくにつれアマチュアプロレスラーの登竜門としての側面は失われていったが、高木三四郎の中では“どインディー”の魂は消えておらず、DDTでは2018年には全国のどインディーレスラーを集めた夢の祭典『ALL DOIN』の開催、2019年には男色ディーノがアマチュアプロレス団体『成り上がり』を創設するなど機会を創ってドラマティック・ドリームを提供してきた。
かつて澤宗紀と組んで“変態大社長”として暴れまわっていた高木は、今年1月に澤の魂を継ぐ阿部史典と“煩悩大社長”を結成し「DDTのデタラメさを取り戻す」と宣言。
さらに、「今の日本のプロレス界、変えようじゃないか。団体の垣根をぶっ壊す。これを見てるインディー団体、どインディー、ローカル、アマチュア、学生プロレス、一般人。1・29後楽園で誰でもいいから名乗り挙げてこい。ただしメチャクチャ来られたら困るからノーギャラだ。史上初の“ノーギャランブル”をやる!」と後楽園ホール大会のダークマッチで闇鍋じみた試合を強行することをぶち上げた。
このノーギャランブルに出場したのは、高木三四郎、阿部史典、ASHUKA(SUGAMOプロレス)、有路明憲(成り上がり)、井上象策(成り上がり)、怪人・骸696(ゆるキャラプロレス)、キム・ヨッチャン(フリー)、クラッシャー猪馬(SUGAMOプロレス)、グレート-CO-カーン(SUGAMOプロレス)、グレート-GO-カーン(UWF関東学生プロレス連盟)、軍団ひとり(CWP)、しんや(成り上がり)、通天閣下(フリー)、ディック・ズレーター(AZW)、手塚awesome一郎(成り上がり)、どぴゅー♡マッキンタイア(UWF関東学生プロレス連盟)、鳥呑多々忌(成り上がり)、"母の子"マザコン・キッド(HWWA)、ビッグベアー(フリー)、ファック竹田(UWF関東学生プロレス連盟)、太くて固いの星ぃ野勘九郎(AZW)、BRA-VO(AZW)、ヘン・チーナ(成り上がり)、マチョ・ギャローズ(愛知大学プロレス研究会)、もりはるおみ(元nkw)、竹本穂梛(一般人)、条柴拓真(フリー)、5代目タイガーマスク(フリー)、小橋太っ太(西口プロレス)。
どインディーのみならず、学プロ・草プロなどを見る目の肥えたファンが腰を抜かすレベルの豪華メンバーが集結した。
まずは試合開始直後に登場したキム・ヨッチャン、軍団ひとりらDDT古参ファンがよく知るメンツが自由なエアライブをしながら会場を練り歩き、観衆に「これは普通の試合にはならない」という覚悟を完了させる。
nkwでケニー・オメガと試合をしたこともあるもりはるおみの波動拳→Vトリガー、通天閣下の通天ボンバー、プロレス未経験の一般人・竹本穂梛くん(11歳)の逆水平チョップやダイビング・クロスボディが炸裂するなど煩悩大社長が追い込まれていく展開となり、一橋大学世界プロレスリング同盟(HWWA)の現役選手であるマザコン・キッドがフェニックス・スプラッシュを放つなど躍動。HWWAから現役選手がプロ興行の後楽園ホール大会のリングに上がるのは金的桜ヶ丘(今成夢人)以来とのことだという。
試合も終盤に入ると、元2AWの条柴拓真が現れて阿部が「プロレスラーがいる!」と驚愕したり、学プロOBのディック・ズレーター&BRA-VO&太くて固いの星ぃ野勘九郎が自団体・AZWの大会告知チラシを高木の額にステープラーで打ち付けたり、グレート-CO-カーンのコーカーンが攻撃されたりとリング内外が混沌に染まっていき、煩悩大社長が収拾をつけるべく策を弄して残存選手たちを同時にリングアウト負けさせることに成功。最後は、ハイタッチすると見せかけた阿部が高木をスクールボーイで押さえ込んで3カウントを奪い、1人勝ち残りに成功した。
試合を終えた阿部は、「高木さん、プロレスは幅が広いですね」と感服。
対する高木は、「幅が広いなあ。アマチュアプロレス、学生プロレス(の現役)、学生プロレスOB、一般人、スーツアクター、子供、お笑いプロレス、芸人さんらにも来てもらってね。今日、オーディション形式でやればよかったね。BreakingDownみたいな。もうちょっと1人1人のことを掘り下げたかったよね」と振り返りつつ、「スカウトしたいよね。俺にフェニックスやりそうになった奴(マザコン・キッド)とかさ!あと、グレート-CO-カーン!コーカーンはコーカン度アップですよ!あれは中邑珍輔になれる!」と大はしゃぎ。
今後のプロレス界の掘り下げに期待をもたせつつ、最後はバックステージで再び集合して記念撮影を実施し、アマチュアプロレスラーたちによるビッグマッチは大団円の内に終わった。