【試合詳細】1・4 新日本プロレス東京ドーム大会 【IWGP世界ヘビー級】ジェイ・ホワイトvsオカダ・カズチカ 【IWGP US】ウィル・オスプレイvsケニー・オメガ 【IWGPジュニア】石森太二vs高橋ヒロムvsエル・デスペラードvsマスター・ワト 武藤敬司&棚橋弘至&海野翔太vs内藤哲也&SANADAvsBUSHI 【IWGP女子】KAIRIvs中野たむ
『アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~』
日程:2023年1月4日(水)
開始:17:00
会場:東京都・東京ドーム
観衆:26,085人
▼エキシビションマッチ 3分1本勝負
△大岩陵平
3分0秒 時間切れ引き分け
△ボルチン・オレッグ
▼『KOPW 2023』進出権争奪ニュージャパンランボー
<退場順>
EVIL→石井智宏→DOUKI→金丸義信→ロッキー・ロメロ→田口隆祐→ヒクレオ→ジェフ・コブ→シェイン・ヘイスト→マイキー・ニコルス→アーロン・ヘナーレ→タイチ→高橋裕二郎→KENTA→エル・ファンタズモ
30分37秒
※SHO、グレート-O-カーン、矢野通、鷹木信悟が『KOPW 2022』決定戦4WAYマッチ進出権を獲得
▼アントニオ猪木メモリアル6人タッグマッチ 30分1本勝負
永田裕志/小島聡/○真壁刀義
9分10秒 エビ固め
藤波辰爾/鈴木みのる(パンクラスMISSION)/●タイガーマスク
▼IWGPジュニアタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/UNITED EMPIRE】フランシスコ・アキラ/○TJP
10分29秒 首固め
【挑戦者組/SUPER Jr. TAG LEAGUE 2022優勝チーム】●YOH/リオ・ラッシュ
※アキラ&TJPが3度目の防衛に成功。
▼IWGP女子選手権試合 60分1本勝負
【王者】○KAIRI(フリー)
5分47秒 インセインエルボー→片エビ固め
【挑戦者/COSMIC ANGELS】●中野たむ
※KAIRIが初防衛に成功。
▼IWGPタッグ選手権試合 60分1本勝負
【王者組/FTR】キャッシュ・ウィーラー(AEW)/●ダックス・ハーウッド(AEW)
10分10秒 消灯→エビ固め
【挑戦者組/CHAOS/毘沙門/WORLD TAG LEAGUE 2022優勝チーム】後藤洋央紀/○YOSHI-HASHI
※ウィーラー&ハーウッドが3度目の防衛に失敗。後藤&YOSHI-HASHIが新王者となる。
▼『NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント』決勝戦 15分1本勝負
●成田蓮
10分32秒 腕ひしぎ十字固め
○ザック・セイバーJr.
※ザックが初代王者となる。
▼NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負
【王者/BULLET CLUB】●“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン(WWE)
9分36秒 ガン・スタン→片エビ固め
【挑戦者】○タマ・トンガ
※アンダーソンが3度目の防衛に失敗。タマが新王者となる。
▼武藤敬司新日本プロレスラストマッチ 6人タッグマッチ 30分1本勝負
武藤敬司/棚橋弘至/○海野翔太
9分20秒 デスライダー→片エビ固め
[L.I.J]内藤哲也/SANADA/●BUSHI
▼IWGPジュニアヘビー級選手権試合 4WAYマッチ 60分1本勝負
【挑戦者/L.I.J】○高橋ヒロム
16分43秒 TIME BOMB II→片エビ固め
【挑戦者】●マスター・ワト
※石森が2度目の防衛に失敗。ヒロムが新王者となる。
※あと2人は【王者/BULLET CLUB】石森太二、【挑戦者】エル・デスペラード
▼IWGP USヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/UNITED EMPIRE】●ウィル・オスプレイ
34分38秒 片翼の天使→片エビ固め
【挑戦者】○ケニー・オメガ(AEW)
※オスプレイが5度目の防衛に失敗。ケニーが新王者となる。
▼IWGP世界ヘビー級選手権試合 60分1本勝負
【王者/BULLET CLUB】●ジェイ・ホワイト
33分3秒 レインメーカー→片エビ固め
【挑戦者/CHAOS/G1 CLIMAX 32優勝者】○オカダ・カズチカ
※ジェイが3度目の防衛に失敗。オカダが新王者となる。
オカダが猪木さんに捧げるIWGP戴冠劇から「1!2!3!ダー!」の大合唱!ケニーがオスプレイとの死闘を制しUS王座奪取!ヒロムが4WAY戦を制し王座戴冠!元WWEのサシャ・バンクス改めメルセデス・モネが電撃登場!
第0試合①
カザフスタン出身の29歳、レスリングの名門・山梨学院大学出身、アジアチャンピオンで世界選手権第5位のレスリングエリートが新日本プロレスマットでエキシビションマッチ。
ボルチンが下からタックルで組み付き、そのまますくい上げて叩きつける。ボルチンが腕を取って巻き投げ、さらに飛行機投げを2連発。バックを取って持ち上げて足元に叩きつけるが、大岩がリストロックから飛行機投げ、腕十字。ヘッドロックからショルダータックルとプロレス技での連撃。大岩がロープに飛ぶが、ボルチンがリープフロッグで飛び越え、ヒップトスからボディスラム。カバーに入り、大岩がキックアウトしたところで3分経過のゴングが鳴った。
<試合後コメント>
大岩陵平
「3分って、短い時間って分かってたけど、俺はレスリングでアイツから取りたかった。アイツはアジアでチャンピオン、世界選手権入賞してるレスリングの実力者だから、俺も(レスリングを)8年やってたから、そこの土俵で戦いたかった。もう1回チャンスがあればお願いします。ありがとうございました」
ボルチン・オレッグ
──エキシビションを終えていかがですか?
「3分だけど、初めてプロレスのリングに上がって、すごく気持ちとしてうれしいです。今までずっとレスリングをやっていて、レスリングでもいろいろな大会に出て勝ったり負けたりしてきました。レスリングでは東京オリンピックと世界選手権のメダルを獲るのを目標としていたけど、その目標は果たせなかったから、これからは新日本のリングでプロレスラーとして活躍したいと思います。今日のエキシビションマッチで、大岩選手もレスリングをやっていてレスリングの動きをするから、いいエキシビションできたと思います。これからプロレスでレスリングの強さと自分の強さを出したいので、よろしくお願いします」
──今後、どんな選手と戦っていきたいですか?
「もちろん強い選手と戦いたいし、これから新日本の選手として、海外の選手とか大きい選手、強い選手と戦って、自分の強さがどれぐらいか試してみたいです。とりあえず強い選手と戦って、もっと上のところで試合できるように頑張りたいと思います」
──これからどんなタイプの選手になりたいですか?
「もちろんレスリングの技を使いたいです。投げが好きだから、投げとか。プロレスの動きの中で自分のレスリングの技を出したいです。強い選手と試合したいですね」
──いつ頃デビューしたいですか?
「できれば早くデビューしたいので、そのためにしっかり道場で頑張って、とりあえず自分のやることをしっかりしてデビューしたいです」
第0試合②
第1入場者のSHO、第2入場者のヒクレオの対面で試合開始。
圧倒的な体格差があるヒクレオとの対戦を嫌がるSHOをヒクレオがボディスラムで叩きつけようとするが、慌てて逃げ出しリングアウト。ヒクレオがトップロープをまたいで場外へ出て追いかけ始める。オーバー・ザ・トップロープのはずが、なぜかヒクレオは失格にならず。
第3入場者のEVILがディック東郷を伴ってリングに駆け込んできて2vs1でヒクレオに向かっていくが、ヒクレオはものともせず振り払ってSHOにラリアット。EVILにフルネルソンバスター。
第4入場者の石井智宏が登場。石井が脱ぎ捨てたTシャツをヒクレオに投げつけて挑発。ヒクレオも身長差を揶揄してこれに応じる。ちょっかいをかけてきたSHOを2人で排除しようとするが、石井が裏切ってSHOとともにヒクレオをダブルブレーンバスター。
第5入場者のグレート-O-カーンが登場。オーカーンはブリティッシュヘビーのベルトを方々に見せびらかして中々リングインせずにいたが、ヒクレオが背を向けた途端にリングに飛び込んでモンゴリアンチョップ。
第6入場者のDOUKIが入場。オーカーンへと向かっていき、ティヘラからトペ・レベルサ。石井とEVILがやり合い、EVILのリングアウトを東郷が場外から阻止し、東郷が石井の足をつかんでOTRさせようとする。
第7入場者のロッキー・ロメロが登場。石井のピンチをロッキーが救出し、SHOにはジャンピングニー、さらにSHOの攻撃をEVILに誤爆させ、EVILがOTRで失格。
ロッキーはSHOにフォーエヴァー・ラリアット。
第8入場者のKENTAが登場。競歩のような早歩きで花道を行進してリングイン。
途端に石井がKENTAに飛びかかっていくが、KENTAがTOMOにナックル&サミングで応戦。
第9入場者の金丸義信が登場。金丸とKENTAがエルボーで打ち合っていく。
第10入場者のアーロン・ヘナーレが登場。石井とヘナーレがショルダータックル、エルボーで正面からぶつかり合い、ヘナーレがバーサーカーボム。
第11入場者の田口隆祐が登場。ヘナーレのバイシキクルキック&オーカーンの王統流二段蹴りで石井がOTRし失格。
田口がオーカーンにヒップアタックを見舞い、脱ぎ捨てたTシャツでオーカーンの首を絞め上げる。田口&ロッキーのダブルヒップアタックが炸裂し、メガコーチズがリング上のイニシアチブを握る。
第12入場者のジェフ・コブが登場。UNITED EMPIREが3人となる。ヒクレオと金丸がやり合ってる隙にDOUKIが飛び込んできてヒクレオに2vs1での攻撃を狙うが、ヒクレオがダブルブレーンバスターで叩きつけ、DOUKI、金丸の順にOTRさせ2人が失格に。
第13入場者のシェイン・ヘイストが登場。シェインがエルボーからロッキーに急角度バックドロップからラストライドを狙うが、ロッキーがティヘラで切り返す。
第14入場者のマイキー・ニコルスが登場。シェインとマイキーのオリジナルTMDKが揃い、2人でロッキーを取り囲みシェインのドロップキックでロッキーをOTRさせ失格させる。
田口がギタって「オヤァイ!」と叫んでケツイェを発射も、シェインがカンチョーで迎撃。シェイン&マイキーがタンク・バスターで田口を突き刺して3カウント。田口が失格。
第15入場者の高橋裕二郎が登場。KENTAとマイキーがエルボー合戦を展開する中、裕二郎がヒクレオへケインで殴りかかるが、ヒクレオがショルダータックルでふっとばす。コブ&オーカーンが2人でヒクレオへと向かっていき、オーカーンがラリアットでヒクレオをOTRさせる。ヒクレオが失格。
第16入場者の矢野通が登場。矢野の長い長い肩書紹介の間にTMDKが2人がかりでコブをOTRさせ、コブが失格。
コブの敵討ちに燃えるヘナーレがTMDKへ向かっていき、再びタンク・バスターを狙うが、ヘナーレが同士討ちさせ、シェインがOTRして失格。
オーカーン&ヘナーレが2人がかりでマイキーをOTR。マイキーが失格。
KENTAが“東京ドームで背後から襲撃する”というお家芸でUNITED EMPIREの2人を襲撃するが、返り討ちにあってしまう。
第17入場者のエル・ファンタズモが登場。ファンタズモがヘナーレにローリング背中ひっかきから裕二郎&SHOとウルフパックを合わせる。ファンタズモがヘナーレをトップロープ越しにエプロンに落とし、乳首をひねり上げるとヘナーレが落下。OTRしたヘナーレが失格。
第18入場者のタイチが登場。タイチがリングインすると、他選手が全員場外へとなだれ込んでいき、リング上はタイチ1人へ。矢野がリングに入ってくると、タイチが上手投げ。オーカーンが入ってきて2人で蹲踞の姿勢からぶちかましも、タイチががっぷり4つで組み合って上手投げ。
第19入場者の鷹木信悟が登場。1・4東京ドームには出ないことを宣言していた鷹木の登場に会場が沸き、タイチは蹲踞の姿勢で鷹木を待ち受ける。タイチのアックスボンバーと鷹木のパンピングボンバーがぶつかり合い、がっぷり4つに組み合ってタイチが上手投げ。タイチは裕二郎、SHO、KENTA、ファンタズモの4人に同時にぶつかってくるよう要求。タイチは受け止めようと踏ん張るも、ここに鷹木も加わり5人がかりでOTRさせ、タイチがOTR。
KENTA&裕二郎が鷹木に向かっていくが、鷹木は「まとめて!」と2人まとめてパンピングボンバー。裕二郎、KENTAの順にOTRさせ、2人が失格。
鷹木がSHOにパンピングボンバーも、ベイビーたるファンタズモがダディである鷹木に背中ひっかき。鷹木が怒るが、ファンタズモが「ソーリー!シンゴパパ!」とハグを求める。鷹木がハグを交わすも、ファンタズモは急所へ右ストレート。今度はこれを見切った鷹木が場外へ放り出すが、ファンタズモが鉄柵に着地。OTRはしていない判定になりセーフ。裕二郎&KENTAがかついでリングに戻すと鷹木を捕獲。ここにSHOが突っ込んでくると攻撃がファンタズモに誤爆。なんとか落ちずに耐えたファンタズモに鷹木が突っ込んでくると、2人共トップロープを超えた状態でエプロン上で打撃合戦。ここにSHOが突っ込んでくるも、攻撃がファンタズモに誤爆。ファンタズモがOTRし失格。
この時点で矢野通、鷹木信悟、SHO、グレート-O-カーンの4人残りとなったため試合終了。この4人で翌5日にKOPW 2023を争うこととなった。
すでに勝利を確信しているのか、新造されたKOPWのベルトはオーカーンが持ち帰った。
<試合後コメント>
鷹木信悟
「去年の1・4、一番最後に入場した俺が、今年はダークマッチだよ。へッ、面白いね。KOPWに関しては、昨年末に撤退を宣言したが、気が変わったよ。いろいろあってな。まぁ、新日本からもちろん打診はあったよ。前年度の覇者としてランボー出てくれと。俺からしたら、ふざけんなと思ったよ。散々、(KOPWの)タイトルマッチをあれだけやって、年が明けたらリセット? ドームの本戦にも組まれない。ふざけんな、この野郎。だが少しだけ、光が差したな。散々言ってきて、ついにKOPW、ベルトができたじゃねぇか。まぁそれでも俺は撤退を宣言したから関係ないと思って、地元・山梨に帰って悶々と年末年始を過ごしてきたが、ある出来事があってな、スイッチが入ってんだ。ある出来事って、たった3日前だよ。元旦(正確には元日)、他団体だが、プロレスリングNOAHが(日本)武道館ですごい興行やったみたいんだな。まぁ俺は、見に行ったわけでもねぇし、配信をリアルタイムで見たわけじゃねぇけど、ものすごい反響があったってことが俺に伝わってきてるよ。知り合いのマスコミに聞いても、いいもん見たと。同業者として、そりゃ悔しいに決まってんだろ。そんなこと考えてたらな、俺の不満とか悩みなんか、ちっぽけなもんだよ。ちょうど山梨にいたから、毎日のように俺は富士山を見ていた。(年明け)最初のトレーニングは山登りしてな、山の頂上から富士山を見た。そしたらな、一つ結論が出たんだよ。やっぱり鷹木信悟は、テッペンを目指さなきゃ意味がねぇだろ。俺のやることは一つだ。小さなチャンスを、大きなチャンスに変えてみせる。そしてチャンスはつかむもんじゃねぇ。チャンスは、奪うものだ。あのKOPWのベルト、O-カーンのクソ野郎がベタベタ触ったからな。あれを言い出したのはこの俺だ。最初にあれを腰に巻くのも、俺しかいねぇだろ」
グレート-O-カーン
「(※ブリティッシュヘビー級のベルトを腰に、KOPWのベルトを腹に巻いて引き揚げてきて、用意されていたイスを蹴飛ばしから)あけまして、ご愁傷さま。残念じゃが、2023年も余の王朝時代じゃ。昨年、新日本プロレスのレスラーで一番、奴隷のように働いてやったがな、それは余が人気者だからだ。今年も始まって、もうすでに3つの広報の仕事をこなしてきたよ。ヘナーレを呼んでラジオを配信して、絵馬にめでたいことに、寿のように描かれ、そして紅茶をプロデュースしてやった。じゃがな、人気だけじゃねぇんだよ。実力があるからこそ、それらがついてくる。イギリス最強のベルト(ブリティッシュヘビー級)、そしてKOPWのベルトも余の腰に、すでに巻かれた。鷹木はなんかゴチャゴチャ言ってたよな。もう2度とKOPWやんねぇとか、そんなよ、マニフェストも守れねぇヤツによ、何が守れんだ? 去年の立ち位置、IWGP世界ヘビーの立ち位置すら守れねぇよ。矢野もこれ(KOPW王座)をずっと守ってきたみてぇだが、そんなもの守れねぇよ。余がすべてを支配する。明日も、いやこれからずっと、未来永劫、楽しみだなぁ……」
SHO
「見たやろ、見たやろ? 余裕よ。去年のな、50周年だとか、今日の追悼大会だとか、知ったこっちゃないんよ。全部な、この俺のためにあるんや。見たらわかるやろ。残った連中も、雑魚しかいないよ。オイ明日、余裕や。(新設されたベルトは)俺のもんにしたる。今年は全部、俺たちHOUSE of TORTUREのもんや。見とけ」
アーロン・ヘナーレ
「(※まだ余力が残っているのを示すように何度も軽くジャンプ、そしてシャドーボクシングのデモンストレーションを見せる)何ひとつダメージは受けてないぞ! 見ての通り、まったくのノーダメージだ。だけど負けだなんて、どういうことだ! ダメージがないならば失格にならないはずだ! 一つダメージがあるとすればチクビだな。唯一攻撃を受けた個所といえば、乳首だけだ。やってられないぜ。ELP(ファンタズモ)にまたやられたよ。あいつ、いつも俺に対して邪魔ばかりしてくる。オレを倒せないからといって、今日も最終的には俺の乳首をつかんできやがった。『NEW JAPAN ROAD』の時のヒクレオを覚えてるか? あいつ自分ひとりでトップロープを越えて下りていったが、今日は俺は何もしてないのに、なんでこんな状態で負けなければいけないんだ? しかしながら、今まだ俺の最高は見せていない。2023年は俺にとってターニングポイントになる。俺は自分のルーツに立ち返り、ニュージャパンでもAEWでも、REVプロ(英レボリューション・プロレスリング)でも、そして『NJPW TAMASHII』を含めても、自分以外には誰もできないプロレスをするんだ。バーニング・スピリットがどうこうでなく、俺のこの心にあるファイティング・スピリットを見せてやる。UNITED EMPIREが認めた男だぞ。2023年は目標に向かって突っ走る。ザックvsナリタの勝者でもいいし、明日の4WAY(KOPW戦)の勝者でもいい、もしくはタマ・トンガとマシンガンの勝者でもいい、FTRかYOSHI-HASHI&ゴトーのタッグチャンピオンでもいい、そこに俺が絡んでいく。今年は俺の年にする。焼けほとばしるステーキを味わいたいんだ。ULTIMATE WEAPONが今、解き放たれた!」
タイチ
「はぁ、あ~あ。最後の方に出てきてこれか……。一応、元(KOPW)保持者だったから、最後から2番目(の入場)だったの? 大チャンスかと思ったけどな。ま、一区切りついたよ、これで。KOPWとはもう、縁がないみたいだな。こんだけしつこくしがみついても、結局、こうなるってことは……。一区切りついた、これで。KOPW、世話になった。楽しかった。さて、これで俺の中では2022終わりだ。明日から2023。どうしようかな? どうしよう……。まぁ、クッキリではないですけど、おぼろげながらに見えてきた景色があるから。まぁ、明日が終わってからじゃないですか。まぁ明日が始まってからからだな。じゃあなKOPW、世話になった。じゃあな……」
第0試合③
昨年10月にこの世を去ったアントニオ猪木さんのメモリアルマッチ。出場する6選手は赤い闘魂タオルを身につけて入場。裁くレフェリーは2020年に引退したタイガー服部。
藤波と永田の対面でゴングが鳴ると、ロックアップでロープへ押し込み合い、バックの取り合いからリストの取り合い。再びロックアップから永田がヘッドロックに捕らえショルダータックルからミドルキックを連打していくが、藤波がキャッチしてドラゴンスクリュー。みのるにタッチ。
みのると永田が顔面をバチバチと張り合い、みのるが自軍コーナーに押し込んでタイガーにタッチ。
タイガーは永田にミドルキック連打からソバット。サーフボードストレッチから頭頂部へのエルボースタンプ、サッカーボールキックから藤波にタッチ。
藤波は永田とチョップ合戦を展開し、打ち勝った藤波がみのるにタッチ。
みのるは強烈なエルボーを連打していくが、永田も絶叫しながらエルボーで返答しエクスプロイダー。小島にタッチ。
小島はみのるにマシンガンチョップから串刺しジャンピングエルボーから「いっちゃうぞバカヤロー!」とファンとともに叫ぶが、みのるが振り払ってビッグブートを発射。小島がキャッチして振り払いエルボー合戦へと持ち込むが、みのるが強烈な一撃で小島をダウンさせてタイガーにタッチ。
タイガーとみのるがサンドイッチミドルキックを見舞い、みのるのナックル、タイガーのソバットからタイガードライバー。さらに弓引くナックルアローを連打していくが、小島がラリアットで撃ち落としてコジコジカッター。真壁にタッチ。
真壁はタイガーに串刺しラリアットからコーナーに上ってテンカウントパンチ。ノーザンライト・スープレックスを狙うが、タイガーが振り払ってロープに振り、その先で待ち構えていた藤波がドラゴンスクリュー。カットに来た永田にもドラゴンスクリュー。さらにカットに来た小島にもドラゴンスクリュー。みのるが小島にスリーパーホールド、タイガーが真壁に卍固め、藤波が永田にドラゴンスリーパーの絞め技競演。
真壁がラリアットを発射も、タイガーがキャッチして回転十字架固め。真壁がキックアウトするとタイガーがロープに飛ぶが、真壁がパワースラムで迎撃。さらにラリアットからコーナーに上ってキングコング・ニードロップを狙うが、みのるがコーナーに追っていってヘッドバッドで撃ち落とし、タイガーが飛びついて回転腕十字を狙うが、真壁が振り払う。倒れ込んだタイガーが下からサムソンクラッチを狙うが、真壁が上から強引に押さえ込んで3カウントを奪った。
藤波「ちょっと息上がってるけど、改めて新年あけましておめでとうございます!今日はアントニオ猪木さんの追悼大会にご来場頂き本当にありがとうございます。まだまだこのあと猪木さんの闘魂を持って上がる選手がいっぱいいますので、どうぞご期待ください!せっかくですから、例の猪木さんのアレを行きましょう!どうぞご唱和ください!行きまーす!1!2!3!ダーーッ!!どうもありがとうございました!」
<試合後コメント>
永田裕志&小島聡&真壁刀義
──アントニオ猪木メモリアル6人タッグマッチというタイトルの試合で、そのメンバーとして闘った思いというか気持ちを聞かせてください。
真壁「だって、猪木さんに直接関わったのは、正直俺たち世代の人間じゃない? 下の世代はもういないからさ。大事なものを教わったと思うし。ただ、あれだな。今日の試合は俺がダメだったね。最後ゴチャゴチャしてた。最後はキッチリ固めたかったね。そこがまだ未熟っていうところだよね」
小島「明けましておめでとうございます。このような大会で、そして猪木さんの冠がついている試合に出られて本当にありがたいと思います。私は多分、今日のメンバーで一番猪木さんからは縁遠い人間だと思うんですね。ご挨拶はしたけども、他のメンバーに比べると縁が遠かった。にも関わらず、こうやってタオルを持って参加させてもらったのは本当に幸せだと思っています。今日は本当に忘れられない1日になりました。ありがとうございました」
永田「今年の東京ドームはアントニオ猪木追悼試合という形で参加させていただきました。今日の試合をもし会長が見られていたら私が代表して、『バカ野郎ーッ!』って言われたんじゃないかなと、そう思っています。猪木会長は選手全員に何か言いたい時は、いつも私を怒鳴り散らして説教することで、選手全員に『闘いとは』、『闘魂とは』ということを教えてくれた存在でした。今日この試合をやってみて、また改めて天国の猪木会長からこのようなお叱りを受けたんじゃないかなと。また言ってほしいなという思いがあり、それが試合終わった後の感想です。今年も1年頑張っていきたいと思います。会長に常に見られているという思いを忘れることなく、これからも現役生活をやっていきたいと思います。ありがとうございました」
──今日から次の50年に向かうスタートになります。今年に懸けた一言をお願いします。
真壁「やっぱあれじゃない? 凄えプロレス見せるってことじゃない? アントニオ猪木の時代もアントニオ猪木の時代で凄えもんがあったよね。ただ猪木さんの真似したってさ、あの人は満足しねえじゃん。新しい世代、新しいプロレス、それを見せてったらあの人は文句言わねえだろう。言わねえし、言わせなきゃいいだろう。多分、俺たちはその気持ちで闘っているから、いつも。それだけだよ」
小島「私は昨年の4月からプロレスリング・ノアで試合をさせてもらっていますので、いろんな意味でイレギュラーな闘いになってますけども、本当に猪木さんの教えっていうかね、いつ何時っていう言葉を胸に、どのリングにいても小島聡を貫いていきたいと思います。ありがとうございました」
永田「51年目になりますけど、やはり新日本プロレスの看板を背負っている限りはいつ何時、猪木会長の目が光っているかを肝に銘じて、これからいろんな所で闘っていきたいと思います。本年もよろしくお願いします」
鈴木みのる
「俺の方から一言。あんまり思い出とか、実は持ってない。なんてたって、デビューして1年も経たないうちにここを辞めてっからな。それと忘れちゃなんねえことがもう一つ。アントニオ猪木は死んだんだ! もういねえんだ! いつまでもいつまでも猪木猪木猪木猪木うるせえよ! でもな、大丈夫だ。俺がまだ生きてる。(テーブルをダンと叩いて立ち上がり)俺がまだプロレスラーとして生きてる。以上」
タイガーマスク
「新年明けましておめでとうございます。新年最初のドームでね、アントニオ猪木メモリアルマッチという冠がついた試合にまず出られたことが、自分にとっては何よりも嬉しいし、もの凄く光栄なことですね。今回鈴木さん…鈴木軍を離れて初めて組んで、あとは藤波さん。まあ僕は人は違えどタイガーマスクということで、昭和新日軍という形で組んだんですけど、やはりどうしてもジュニアヘビー級の損というかね、ヘビー級の人に向かっていく部分で体の当たり負けがあったりするんですけど。僕は多分、藤波さんはもちろんのこと、鈴木さんよりも猪木さんと接していただいたのは凄く少ないんですけども、2006年のイタリア巡業からもの凄く猪木さんに可愛がっていただいて、東京に戻ってもいつも電話がかかってきて呼ばれたりとかして、一緒に食事をさせていただいてて、非常に猪木さんには可愛がっていただいて。一つ猪木さんから言われたのは、もちろん勝負だから勝ち負けというのはあると。ただ、その中でどれだけ強さを、自分の強さというものを試合の中で見せられるか。自分が持っているものですよね。それは佐山さんにもよく言われたんですけど、自分がどれだけ試合に対して、相手に対して怒りを出せるか。そこが出せれば勝負よりも価値があるっていうことは言われたことがあります。だから僕は常に厳しいと、ファンの中では言われてることもあったんですけども、そういう試合を心がけていました。まあ、先程鈴木さんが言われたように猪木さんが亡くなってしまって。ただ、僕は亡くなってしまったけどもやはり猪木さんの闘魂は、この新日本プロレスにいる以上は全選手が背負わなければいけない運命だと思っています。どんな試合にせよ。だから今日の試合も真壁に獲られているんですけども、多分お客さんが『ああ?』っていう部分もあったと思うんですけど、あれがいつ何時何があるか分からないプロレスだと思いましたね。負けといて言うのもあれなんですけど。だから非常にこの試合に関しては僕は感慨深いし、出させていただいたことに関して、ありがたく感じます」
──今日のマスクもタイツのカラーも初代を意識されていると思うんですけど、そこはいかがですか?
「そうですね。こういう冠が付いてるし、やはりアントニオ猪木さんに少しでも、佐山さんが今は体の調子があまり良くないのでね、僕がこういう形でやってますっていう部分で。『だらしねえな!』って言われるかもしれないですけど、こういう部分で見せられて凄く。あとはドームなんでね、ファンにの方に喜んでいただければというのがあります。ありがとうございました」
藤波辰爾
──まずアントニオ猪木メモリアル6人タッグマッチを闘い終えて、今のお気持ちを聞かせてください。
「やっぱりここしばらくアントニオ猪木さんの影っていうのか、どうしても我々の世代からすると忘れることができない。自分自身が特別なのかもしれませんけどね。まあ僕は思いっきり引きずっていこうかなっていう。これはまだ自分自身がアントニオ猪木を見足らない。まだまだ見ておきたかったっていうのが心残りであるんでね、やっぱりそういうのが。これはもう猪木さんにはなれない。また真似をしようと思っても真似はできない、あの闘魂というのはね。でも、少しでも猪木さんの言わんとするファイティングスピリッツに近づいていければなっていうのがね。今日もまだ、去年の8月以来、なんかまだ足が浮足立っているみたいなね、なんか地に足がつかないみたいな感じなんですけど、これは徐々にそれを克服するしかないんですけどね。とにかく自分は思いっきり背中に背負って、リングに上がり続けていきたいと思いますね」
──今日の試合で猪木さんに伝えたいメッセージはありましたか?
「今日はね、世代がだんだん変わってきて、本当に猪木さんを知る選手ばっかりなんだけども、特にそういう中で皆それぞれ自分の動きをしているし、これがどっかで闘うシングルであったりとかシチュエーションは違うんでしょうけど、こういう感じなんでね。まあ特に僕が入ったから、ちょっと今までのチームワークとは違ったんで、ちょっと闘いづらかったかもしれないですけどね。でも、6人の中で誰が勝利を獲ってもおかしくないっていう相手ばっかりなんでね。そういう中で今回僕が入りましたけど、とにかく僕自身が久々に興奮しすぎたのかなっていう。まあ1.4の東京ドームっていうことがあるんでね。久々の新日本プロレスの1.4って、これは特別なんだよね。今日も会場入りする前にファンが押しかけている中で全国から来ているっていうか、懐かしいなっていうのもあって、自分自身からすれば慣れ親しんだ新日本のリングであるんだけども、やっぱりしばらく上がっていなかっただけにね、新鮮っていうのかやっぱり浮足立っちゃいますね(笑)。だけど凄くいい心地良さがありましたね」
──最後に「ダァーッ!」をやられましたけども。
「これは本当にやって良かったのかな?(笑)。これやったらお客さんは帰っちゃうんだよ? 大丈夫? お客さん、まだいる? 大丈夫ですか? これから試合が始まるんだよね?」
──まだいます。
「じゃあお客さんも分かってるから大丈夫でしょう(笑)。でもね、お客さんは待ってるんだよね。今日のアントニオ猪木さんのメモリアル大会っていうこともあるんでね。これは自分自身が許されてる雄叫びなんでね。自分自身にも気合いを入れる意味でね。まあお客さんも最後じゃないんで、中途半端な『ダァーッ!』をあげてましたけどね。でもこの後、誰かが締めてくれるでしょう(笑)」
──久々の声出しの「ダァーッ!」でした。
「声出てましたね! これは良かったんじゃないですかね」
──新日本プロレスは引き続き51年目に入ります。
「僕自身は50周年が終わりましたんで、新たな目標をまず掲げて、猪木さんに常に『バカ野郎ーッ!』って言われないように、肝に銘じてリングに上がりたいと思いますね。今年1年よろしくお願いします」
──猪木さんと最も長い時間を過ごしてきた藤波さんにとって、猪木さんの一番凄い部分はどういうところに感じていましたか?
「やっぱりね、年間多い時は250~260試合やっててね、長い巡業の中でだらけることがあるんだけど、そういう時でもやっぱりその姿を見せちゃいかんというね。まあプライベートの時はいいんだけど、猪木さんは会場入りした時にお客さんの前で絶対にそれはダメだと。よく控室から猪木さんが竹刀を持ってね、試合中ですよ? もう若手の試合中に長い巡業の中でちょっとだらけてきた……これは別に怠けたわけじゃないんだけど、やっぱりだらけた試合なのかなと。それは猪木さんが見たら控室からガターンと音がして、凄い血相を変えて、竹刀を持ってリングに上がってくるんですよ。それで試合をしている二人をボコボコに殴るんですけど、お客さんは何だか分からないよね。でも、我々レスラーは猪木さんが何を言わんとしているか分かるんですよ。でも、それだけ猪木さんはリング上では命をもの凄い懸けているというのか、真剣にあれしてて、闘う部分の心構えを教えられたような気がしますね」
第1試合
王者組のリングインを待たず、YOHがノータッチ・トペ・コンヒーロで奇襲。
挑戦者組がTJPに狙いを定め、2人でホイールバロー式ボディプレスからリオがケブラーダ。4人入り乱れた場外戦へ。花道でリオがTJPのフラップジャック+アキラのフェイスクラッシャーの合体技を被弾し、YOHがローンバトルを強いられることに。
王者組の息もつかせぬキックコンビネーションからアキラがダブルチョップ、串刺しラリアットからYOHをコーナーに宙吊りにしてTJPにタッチ。
アキラがロープウォークからのミサイルキックを見舞い、TJPがエプロンでアキラを肩車し、場外のYOHへセントーンアタックの形で投げつける。TJPがYOHに顔面ウォッシュ、さらにリオも重ねて顔面ウォッシュを狙うが、リオがカウンターのスピアーを見舞い、YOHからタッチを受ける。
リオはアキラをスクールボーイの形で転がしてから旋風脚。さらにTJPへトラースキックからの延髄斬り、さらにハンドスプリングエルボーで2人まとめてなぎ倒し、場外に逃れたTJPにトペ・スイシーダ。反対側に逃れていたアキラにもトペ・スイシーダ。リオはアキラをリングに放り込み、1回転多く回って叩きつけるキルスイッチからYOHにタッチ。
YOHはリオと3Kを狙うが、TJPが飛び込んできてYOHの足をキャッチし、アキラがトラースキック。リオがTJPへトラースキック。アキラが場外に排除しようとするが、YOHが横からアキラにトラースキック。
YOHがアキラを雪崩式DIRECT DRIVEで投げようとするが、下からTJPが肩車の形でYOHを担ごうとする。リオのサポートが入り、YOHとTJPがアキラを摩周で投げつけるような形になり、さらにYOHがアキラにファルコンアロー式ネックブリーカー。そこへリオがフロッグスプラッシュを投下しYOHがフォールもカウント2。
YOH&リオがアキラをロープに振ると、TJPがエプロンから手を伸ばしてブラインドタッチ。2人が3Kを決めると、その上にTJPがマンバスプラッシュを投下。TJPがYOHにデトネーションキック。さらにリーニングタワーを狙うが、YOHがリバース・フランケンシュタイナー。リオがアキラをスパニッシュフライで叩きつけ、TJPに3Kを炸裂させるもアキラがギリギリでカット。
リオが張り手連打からスーパーマンパンチ、アキラにラッシュアワーを叩き込み、YOHがTJPにDIRECT DRIVEを狙うも、TJPが一瞬の隙を突いた首固めで3カウントを奪った。
<試合後コメント>
フランシスコ・アキラ&TJP
※TJPは用意された缶ビールを開け、振り回してアキラにかけ、席に着く前に話し出す。
TJP「この瞬間のために俺は戦い続けてきた。プロレスを始めた最初から、俺はこの大きな大きな賞のためにやってきたんだ。しかしまだまだこれからだ。このタッグのタイトルを防衛したこと、そして『SUPER Jr TAG LEAGUE』の勝者と対戦すること。俺はまだこれよりも大きな大きな賞レースに出て行くつもりだ。ここまで血と汗と涙を流しながら、日々努力をしてきた。俺はよく『何にも気にしてない』と言われるけど、まぁだいたいにおいてはそうだ。だが今日の試合に関してはそうじゃなかった。リオとYOH、『SUPER Jr TAG LEAGUE』のチャンピオンに勝つ、そこに関してはずっと気にかけていた。なぜならタッグのチャンピオンというのは最強のはずだからだ。だが今日ついに、アイツらが獲得したトロフィーを参加賞に変えてやったんだ」
アキラ「ここまで挑戦してきた、だがまだまだ終わったわけじゃない。今日、この試合に勝てたことで一つ、大きなものを達成することができた。東京ドームという最大の舞台で戦うことができて、そこで勝利を挙げることができた。さぁ、次に進む時が来たようだな。まだ何が待っているのかは分からないが、先に進んでいく。そして、チャンピオンとしてリオとYOHにお礼を言いたい。彼らは偉大なチームだったが、俺たちに勝てるほど偉大ではなかったということだ。お疲れさま。(※以下、イタリア語でお礼を述べる)
TJP「彼は今、『ありがとう』って言ってたよ」
──この大会はアントニオ猪木追悼大会でしたが、あなたが猪木さんから学んだこととは?
TJP「昨日の記者会見の前にもそれを聞かれて、考えたんだ。闘魂とは何なのか、猪木さんとは何なのかってね。猪木さんは俺に、勇敢さとは何かを教えてくれたと思う。その勇敢さとは、ただリングの上で戦うというだけでなく、人々に理解されなくても、みんなに信じてもらえなくても、自分の信じた道を歩み続けるという勇敢さだ。自分自身も、何が流行っているからとか、誰々がこういう意見を持っているからとかではなく、自分が考えた素晴らしさ、最高だと思うところに足を踏み入れていく、それが自分自身の何よりも大切な信条になっている。今も、この試合が終わってここから一歩足を踏み出せば、何が起こるか分からない。でも俺は進み続ける」
YOH&リオ・ラッシュ
YOH「(※英語でリオに)大丈夫か?」
リオ「いや、全然大丈夫じゃない……。もしかしたらこの試合に勝てるかと思っていたのに、とても残念で仕方ない。この試合に向けてしっかりと準備してきて、自分も出来上がっていただけに、何とも言えない。プロレスの世界に足を踏み入れてから、いろいろな混乱の中で、アップダウンも経験しながらここまで来ることができた。だが、みんなによく聞かれていたんだ。『本当にオマエはこのタイトルがほしいのか?』って。自分自身にもその質問をしてきた。俺を見てくれ。(※机を叩き、大声を上げて)俺をよく見ろってんだ! もちろんこのタイトルがほしくて、今まで戦ってきた。そしてYOHと2人、お互いにお互いを必要とし合いながら、ここまで戦ってきたつもりだった。ここで諦めたら、今まで積み上げてきたもの全てがなくなってしまう。俺はここでは諦めないし、絶対に止まることはない。自分自身を鼓舞して戦い続ける。今、この顔の状態が、骨が折れているのか、頭蓋骨がどういう状態なのか、全く分からない。でもそれがどうした? 俺はこれぐらいでは止まらないぞ」
YOH「いや、何でしょうねえ。まぁリオのことが心配だってのもあるんですけど、試合の戦法だったり試合構成だったり、全てこっちが優位に立って組み立てていたはずなんで、最後で俺が申し訳ないっていう気持ちと……今日の負けはネガティブに捉えるんじゃなくて、次につながる負けだと思ってるんで。今はただリオが出血して、(傷が)骨までいってないかとかね、そっちが心配なんで、しっかりこの後ドクターに診てもらって、また明日も試合なんで、そこに備えたいと思います」
リオ「(※立ち上がり、2人で控室に戻ろうとしながら)スシが食いたい。スシを食いに行こうぜ」
YOH「(※控室に向かいながら)病院の後にね」
第2試合
ロックアップからロープに押し込み合い、KAIRIが離れ際にボディブロー。たむのヘッドロックもKAIRIがアームドラッグ。さらにランニングエルボーを発射も、たむがブリッジでかわし、スクールボーイの形で転がしてからの低空ドロップキック。たむがKAIRIの目の前に寝転んであざどいアイドルポーズ。
KAIRIが髪をつかんで引き起こしエルボーを叩き込むと、真っ向からのエルボー合戦へ。たむがロープに飛ぶと、KAIRIが十字ロープワークからインターセプター。さらに行進ポーズから串刺しスライディングD。ダイビングエルボーバッドからロープに飛ぶが、たむがスピンキックでカウンターして場外に叩き出し、コーナートップからのプランチャを投下。
たむがKAIRIをリングに放り込み、ジャーマン・スープレックス・ホールド。さらにバイオレット・スクリュー・ドライバーを狙うが、KAIRIが振り払ってカットラス。たむはこれをガードしてバイオレット・スクリュー・ドライバー。KAIRIがカウント2.9でギリギリのキックアウト。
たむは我武者羅なエルボー連打から踵落とし。ロープに飛ぶが、KAIRIがカウンターのカットラスをクリーンヒットさせ、引き起こしてもう一発カットラス。コーナーに上ってインセインエルボーを投下して3カウントを奪った。
その後、WWEを退団後に参戦が噂されていたサーシャ・バンクス改め、メルセデス・モネがリングに登場。ガウンの背中にはカタカナで「バンクス」と書かれている。
KAIRIがメルセデスの眼前にIWGP女子のベルトを掲げると、メルセデスは握手を求め、2人がしっかりと手を握り合う。その瞬間にメルセデスが背中合わせに担ぎ上げ、変形の旋回式DDT。
メルセデス「KAIRI、IWGP女子王座戴冠おめでとう。私はここ、新日本プロレス、スターダムのリングに立った。私がこのリングのスタンダード。このリングのCEOとなる。KAIRIサン、IWGP女子王者を楽しんでね。すぐに私が奪い取ってあげるから」
<試合後コメント>
KAIRI
「(※用意されていた祝杯用の缶ビールを開けて)まずは、勝利に、乾杯。まずは、中野たむ選手。あの子の情念、リングの上で改めて体感して、メッチャ刺激的で、最高の東京ドームの試合。彼女といっしょじゃないとできなかったと思います。中野たむ、たむの漢字は、たくさんの夢、多い夢、中野多夢でしょ。これからもっともっと、あんたも夢をかなえていってください。そして私は、もっともっと大きな夢をつかむために、このベルトを守り続けます。そして、モネ……どこかで見たことある。闘ったこともある。あのオーラ、あの選手しか出せない。そんな世界の、トップ中のトップの選手が、このベルト、興味があるって? 私もあの選手とは一騎打ちで、ずっとずっと憧れで、闘いたいと思っていたので、これからどうなる? ちょっと、引き続き目を離さないでください。今日は楽しい時間をありがとうございました。(※写真撮影中につぶやくように)大航海時代の始まりです」
中野たむ
「かわいいですか? ブスですか? (※手で顔を覆いため息をつくと、涙声になりながら)……チャンスを、つかみかけると、いつも上から、手のひらからスルスルこぼれていって、あきらめ切れない……あきらめるよりかなくて。(※涙が止まらくなり)すいません。1.4、猪木さんの追悼興行にタイトルマッチをさせてもらえたことは、本当に光栄に思ってます。でも、私は、かませ犬じゃない。KAIRI、あなたとの戦いは始まったばっかりだから。あなたをどこまでも追いかけます。覚悟はできてる。……ありがとうございました」
メルセデス・モネ
「ハロー、皆さん。私はニュージャパンとスターダムの女子部門のCEO、メルセデス・モネです。今、私は世界征服に向けてのツアーの真っ最中。でもまず初めに、日本に立ち寄ってみました。私が最初に日本に来たのって、あなたたち本当にラッキーね。そうじゃないって?」
――イエス!(ラッキーに思います)
「サンキュー。そんな私に何か質問があるならば、もちろん今、受けてもいいわよ。IWGP女子のベルトを奪うのはもとより、日本全土を虜にしてしまうわ。スゴイ?」
――……。
「せっかく私が日本に来て、みんな何カ月も待っていたはずなのに、この大切な機会で質問もしないなんて、どういうことかしら? せっかく直接言葉を交わせる機会だっていうのに。私はあとがつかえてるから時間がないのよ」
――IWGP女子のベルトを獲ったら、次は何をしたいですか?
「とてもいい質問ね。まず私はここに、お金を得るために来たわ。まずは円を。そしてダイヤやルビーなど、ありとあらゆる宝石を。その次にはもしかしたらドルの方にも手をかけるかもしれないけれども、自分が獲得できるすべてのものを手にするために闘っていきます」
――KAIRI選手以外に闘ってみたい女子レスラーはいますか?
「復帰してくれるならレジェンドであるアジャ・コング、マナミ・トヨタもいいわね。現役ならAZM、ミユ(山下美憂)、それ以外にも多くのレスラーにも興味があるわ。でも一番初めにKAIRIサンと闘うと決めたのは、私たちの間には過去があるからです。2月18日、サンノゼ(米カリフォルニア州)、ニュージャパンとスターダムにおける史上最高の試合になると思うので、みんな楽しみにしてくださいね。サンキュー、アリガットーゴザイマース」
第3試合
YOSHI-HASHIとウィーラーでゴングが鳴ると、ウィーラーが流れるようなグラウンドテクニックでリングを支配。YOSHI-HASHIがヘッドロックからショルダータックルで倒して見せ、両者タッチ。
後藤とハーウッドの対面となると、ロックアップからロープに押し込み合い、ハーウッドが離れ際に張り手。エルボー合戦となり、ハーウッドが強烈な逆水平チョップからロープに飛ぶ。YOSHI-HASHIが飛び込んできてダブルショルダータックルを見舞い、ざんまいから早速の消灯を狙うが、振り払ったハーウッドが後藤にブレーンバスター。場外へ出た毘沙門へウィーラーが超スピードのトペ・スイシーダ。ハーウッドが後藤を雪崩式ブレーンバスターで叩きつけ、すぐにウィーラーがフロッグスプラッシュで追撃。
FTRは後藤にサンドイッチラリアットを放ち、ハーウッドのパワーボムからウィーラーがフルネルソンスープレックス、さらにウィーラーがジャックナイフで押さえ込むもYOSHI-HASHIが必死のカット。後藤がウィーラーをラリアットで撃退し、ハーウッドには牛殺し。両者タッチ。
YOSHI-HASHIが1vs2の逆水平チョップ合戦を挑み、ハーウッドを低空ドロップキックで撃退しウィーラーにブレーンバスターを狙うが、着地したウィーラーがハーウッドにタッチ。
ハーウッドがYOSHI-HASHIにナックルを見舞っていくが、YOSHI-HASHIはロープに飛んでヘッドハンター。後藤にタッチ。
YOSHI-HASHIが「消灯ォ~!」と叫んで合体技を狙うが、ウィーラーがカットし、後藤にビッグリグ。YOSHI-HASHIが必死のカット。
ウィーラーがYOSHI-HASHIへブレーンバスターを狙うが、YOSHI-HASHIがロープを超えての場外ブレーンバスターという決死の技で後藤へ勝負を託す。
ハーウッドがパワーボムを狙うが、後藤は幾度もショルダースルーで切り返し、ブレーンバスター。後藤がYOSHI-HASHIにタッチ。
YOSHI-HASHIはハーウッドにラリアットを発射。ガードされると逆水平チョップ、トラースキックからカルマを狙うが、バックを取ったハーウッドがジャンピング・パイルドライバー。さらに戻ってきたウィーラーとともにマインドクラッシュで突き刺すも、後藤がギリギリでカット。
FTRが2人でYOSHI-HASHIを囲み、再びビッグリグを狙うが、YOSHI-HASHIが1人隠し狭間でチャンスを作り、後藤がラリアット。YOSHI-HASHIのトラースキックから「せーの!」で消灯を決め、ハーウッドから3カウント。毘沙門が世界最強と名高いタッグチームのFTRを破ってIWGPタッグ王座を取り戻した。
<試合後コメント>
後藤洋央紀&YOSHI-HASHI
YOSHI-HASHI「ありがとうございました!」
後藤「ありがとう!」
──2022年を『WORLD TAG LEAGUE』優勝、そして2023年をIWGPタッグ奪取と、最高の形で締めくくって、最高の形でスタートを切りました。今のお気持ちを聞かせてください。
YOSHI-HASHI「いやもう最初の出だし、今年の初めにこうやってタイトルマッチを組んでもらって、当たりとかもめちゃくちゃ強かったし、なんとか勝ったけどダメージは正直凄かったっすね」
後藤「今日の結果はYOSHI-HASHIが、いやヨッちゃんが俺のパートナーであったこと、それが一番だと思います。ありがとう」
YOSHI-HASHI「ありがとうございました」
──今、ヨッちゃんと呼びましたが、毘沙門の絆がより深まったという手応えはおありでしょうか?
後藤「それが今日の結果だと思っています」
──『WORLD TAG LEAGUE』の頃はその呼び方で揉めるような一面もありましたが、そのへんは後藤選手、全て氷解されたということでよろしいのでしょうか?
後藤「そうですね。今日の結果が全てだと思います。ギクシャクしてたら今日の試合は勝てないですよ。タイトルも獲ってないんで。今日獲れたことが一つの過程として、重要な俺たちの一部だったと思います」
──改めてIWGPタッグチャンピオンになって、毘沙門はどういうチャンピオンロードを歩んでいきたいと思っていますか?
YOSHI-HASHI「さっき言ったんですけど、タッグの時は上下(うえした)、上下(じょうげ)、関係ないから、ゴッちゃん、ヨッちゃんって言っているけど、今日のタッグマッチはゴッちゃんじゃなくて、まさしく後藤さんでしたね。あのもの凄いラッシュ、あれは普通だったら絶対に返せないと思うし、試合中に見てて後藤さんがやられて倒れた時に、正直これは立ってこれないって場面が結構あったんですよ。でも、そこでも立ち上がってセーブに来たっていうのは、これは打たれ強さだったりとか、それを超越した凄まじいものを持った人間なんだなと思って、今日はゴッちゃんじゃなくて後藤さんって呼びたいなって心から思いました」
後藤「ゴッちゃんでいいよ(笑)。今日の結果はYOSHI-HASHIがパートナーでなければ、俺も獲れてないと思うんで、ヨッちゃん、もう先輩後輩を超えたものが俺たちにはあると思っています」
YOSHI-HASHI「毘沙門として(『WORLD TAG LEAGUE』を)2連覇して、このIWGPのタッグのベルトも2回戴冠して、もう新日本プロレスでテンコジ、毘沙門と呼ばれても絶対にいいと思っている。この新日本プロレスのタッグ、今ナンバー1、いや世界に通ずると俺は思っている、今日闘って。もう毘沙門はキテると思ってるし、とりあえず清算しなきゃいけない対戦も俺の心の中であるからそれを片付けて、もっともっといろんなヤツと防衛戦を繰り広げたいなと思いました」
──世界というお話も出ましたが、今日はまさしく世界のトップクラス・FTRとのタイトルマッチ。その世界の強さを体感した上で今日勝ったわけですけども、FTRのチームとしての印象はいかがだったでしょうか?
後藤「やっぱりタッグワークも隙がないし、今日勝てたのはいくつもの偶然が重なっただけかもしれないし、世界最高峰のタッグ、前回のオージー・オープンもそうだと思うし、その中に俺ら毘沙門が食い込んだんだっていう実感は、今日の結果を見てもありますね」
──FTRを倒したことで国内のみならず、世界中から毘沙門というタッグチームが注目されて、これから狙われるようになってくると思われますが、そのへんについてはどのように思われていますか?
後藤「もちろん望むところです」
YOSHI-HASHI「もうどんな相手でも、俺たち毘沙門はいろんな連携だったり、入り方だったり、盤石なものができているので、完全に。もうどの世界レベルのタッグチームと闘っても、絶対に俺たちが勝つっていう自信は今はあります。とりあえずここまで2連覇するとか、凄い時間が正直俺はかかったし。『その通りにやると上手くいく』なんて、誰も教えてくれないし、結局自分で迷いながら、間違いながら歩いていって、それで掴み取った自分の道が一番正しい道なんだなって思いました。迷いながら、間違いながら歩く道が正解の道で、今ここにある俺が一番の正解だって、今日は思いました。ありがとうございました」
キャッシュ・ウィーラー&ダックス・ハーウッド
ウィーラー「(ビールを寄越すように要求し、それを受け取ると自分の体にかけて)俺の怪我に、そして負けた俺たちに!」
ハーウッド「キャッシュと俺は10年間、タッグで闘ってきた。十年一昔と言うが本当に一区切りだ。俺たちの目標は新日本プロレスに参戦すること、そこでタッグのチャンピオンになること、トーキョードームの『WRESTLE KINGDOM』に参戦すること、これらを目標に掲げてここまでやってきた。『WRESTLE KINGDOM』は俺たちにとってこれ以上に重要なことはない程に、大きな大きなイベントだ。なので勝敗に関係なくこの場で試合ができたのは嬉しいし、元世界ヘビー級タッグチャンピオンであるということも喜びではあるが、今日負けてしまったことには変わりない」
ウィーラー「そう、負けというのは何よりも悔しいものだ。体よりも精神的にやられる。しかもここ1カ月でタイトルマッチで3回負けている。俺たちはこの1年、本当に大きなことを達成してきた。この二人でできることをやってきた。ダックスも言ったが、『WRESTLE KINGDOM』で闘うということは俺たちにとって目標の一つだった。それを達成したのは嬉しいが、やはり負けたことは悔しい」
ハーウッド「どの団体で闘うか、どのテレビ局に出るかは関係ない。もし、ただ一つ最強のタッグチームがいるならば、それは俺たちだ。俺たち以外にIWGPタッグ、ROH、AAA、WWEロウとWWEスマックダウン、AEW、NXTのタッグのベルトを獲得したチームはいない。ヤングバックスだろうが何だろうが関係ない。俺たちが最強で最高のタッグチームなんだ。だからこそ、俺たちは止まらない。もし天井があるならば、それすら突き抜けて行こう」
ウィーラー「星の数は関係ない。セブンスター、エイトスター、ナインスター、どれだけ獲得しようが、俺たちは止まらないんだ」
ハーウッド「サンクス・トーキョー!」
第4試合
ゴングとともに2人が突っ込んでいき、ザックが飛びつき腕十字を狙うが、成田も即座に応戦しグラウンドで腕関節の奪い合い。ザックのサッカーボールキックをかわした成田がストンプを発射もザックは余裕を持ってかわし、クリーンブレイク。
手4つで組み合い、ザックがクロスアームスリーパーに捕らえていくが、成田もクロスアームスリーパーで切り返し手4つで組み合いながらミドルキックでの蹴り合い。成田がビッグブートでふっ飛ばしてハーフハッチ・スープレックスを狙うが、ザックがアームブリーカーで切り返す。
ザックは指関節を取りながらの腕固め、さらに立てたヒジへのフットスタンプ。さらにアームブリーカーからロープに飛ぶが、成田がカウンターのフロントスープレックス。
成田は串刺しバックエルボーからハーフハッチ・スープレックス。さらにコブラツイストを狙うが、ザックもコブラツイストでの切り返しを狙う。ザックがヒップトスからサッカーボールキックを見舞うと、成田もサッカーボールキックで返し、自ら背を向けて座り込みサッカーボールキックを促す。ザックもサッカーボールキックを打ち込んでから背中を向けて座り込み、サッカーボールキックでの意地の張り合いを展開。
互いに立ち上がって顔面へのビッグブートの打ち合い。これを制したザックがサッカーボールキックも、成田が即座に起き上がってサッカーボールキック。2人共すぐに起き上がって向かっていき、成田が延髄斬りからエルボーバッド連打。ザックもエルボースマッシュで応戦。成田は組み付いてブリザードスープレックスからザックの両手を掴みながらビッグブートを連打。ザックは蹴り足をキャッチしてヒザ十字に捕らえるも、成田はローリングしてすぐにロープへ。
ザックはヒザへのローキック連打から小刻みなサッカーボールキックを連打。成田が「来いやァ!」と叫んで敢えて正面から受け止めていき、雄叫びを上げながらのミドルキック一発でザックをなぎ倒す。成田は「まだだ!」とミドルキックで追撃し、ダブルリストアームサルトから両手を掴んだまま引き起こす。ザックが飛びついて三角絞めを狙うと、成田が顔面を踏みつけて脱出。
成田は痛めつけられた左腕をかばいながら右腕でエルボーを発射していく。ザックが左腕へのミドルキックを放っていくと、成田がビンタで怯ませてからスリーパーホールド。ザックはサムソンクラッチを狙うが、成田が上から潰してフォール。ザックはさらにレッグロールクラッチで切り返すもカウントは2。
成田とザックが互いにジャーマンで投げ合い、成田がニールキックを発射も、ザックがハイヒして自爆させ、成田のフロントスープレックスを着地してレッグロールクラッチ。成田がキックアウトするも、ザックが絡みついてコブラツイスト。成田もコブラツイストで切り返して見せ、グラウンドコブラからヒザ十字を狙うが、ザックが即座に腕十字。一瞬で完璧に極め、成田がたまらずタップ。ザックが新日本では初のシングル王座戴冠を果たした。
試合後、TMDKのシェイン&マイキーの2人がリングに上がり、ザックにTMDKのTシャツを差し出して勧誘。ザックは笑顔でTシャツを着てTMDKへ加入。NOAHで若手時代をともに過ごした3人が世界で通用する一流選手へと成長し、新日本マットで結束した。
<試合後コメント>
ザック・セイバーJr.&シェイン・ヘイスト&マイキー・ニコルス
※ザックはTMDKの2人と談笑しながらインタビュースペースにやってくる。
シェイン「言いたいことはたくさんあるよ。ザックが俺たちを日本に連れてきてくれてから、10年以上かかった。ザックは新日本に来て鈴木軍に入って、その鈴木軍は解散したが、もしかしたら俺たちはその時をずっと待っていたのかもしれない。ザックが俺たちTMDKとやっていけるようになれば、本当にうれしい」
ザック「(※日本語で)ヒサシブリダネ! いい気分だけど、何をしたらいいのか分からないよ。まず乾杯しよう。(※3人で乾杯)新日本プロレスに来て6年、初めてシングルのベルトを獲得することができた。6年間、鈴木軍の一員としてやってきて、そしてその時が終わり、これからはTMDKとしてやっていくのかもしれないな。でもオマエら、ギリギリまで俺にTシャツをくれなかったよね? だけどマイキーたちが新日本に来て、これから変化の時がやってくるのかもしれない。彼らは最強のタッグチームだ。だけど、まだ実力をみせるところまでは行っていない。これからベルトを獲得することにもなるだろう。俺みたいにいい筋肉がついてるしね」
※3人で「筋肉はあるよ」「俺は脳みそだってあるぜ」などと口々に言い合う。
ザック「ごめん、集中できないよ。笑いが止まらなくて、何の話をしてるのか分からなくなっちゃう。通訳さん、ごめんね。よし、一度ちゃんと話に戻ろう。実はこのインタビュースペースに来ると、いつも15分以上いろんな話をしてるんだ。政治とか音楽とか、いろいろね。ジョージ/マイケルを降臨させたりもしてたんだけど、それは今日はやめとこう。この3人でやっていくことになるということは、俺がリーダーなんだよね? ということは、俺は『フロントマン』ってことになるのかな? もっと平等な呼び方がいいな。じゃあ俺がフロントマンで、ドラマーな。マイキーがギター? ま、それについての詳細はまた後で説明するよ。(※TMDKの2人に)ビール持って先に戻ってて。俺はもうちょっと残って話すから」
※TMDKの2人は先に控室へ。
ザック「本当に最高の気分だ。初めてシングルのベルトを獲得することができたよ。6年は長かった。俺の本来の夢はIWGP世界ヘビー級のベルトだけど、ここでベルトを獲るというのは、何にも代えがたい特別のものがある。ただ、これはまだ目標達成への第一歩だ。でもこのベルトを保持し続ける限り、メインイベントでベルトを守っていきたいと思っている。ただ、今日勝てたというのは何よりもうれしい。なぜなら猪木さんに捧げる追悼大会で勝つことができたからだ。プロレスというのはとてもマジカルなもので、自分の実力一つで、テーブルもラダーもなく戦っていくべきだと思っている。なので俺のこのベルトの防衛戦は、日本国内で、メインイベントでやってほしい。俺は日本に住んでいるから、日本中どこでも行くからね」
ザック「そして成田、今日は本当にいい試合だったと思う。たくさんのプレッシャーの中で戦うことができてよかった。成田のデビュー2戦目、2017年の『G1 CLIMAX』でも対戦した覚えがある。可能性のある選手だとは思ったが、まだまだこれからだ。まだまだ俺に勝つことはできない。『サン・オブ・ストロングスタイル』と言うならば、俺こそがストロングスタイルだ。100%ヴィーガン、ジョージ・マイケル公認のブリティッシュ・テッカーズだ。『テッカー』こそがストロングスタイルという意味なんだ。みんな、覚えといてくれよな」
成田蓮
「決勝で負けて、ベルトを獲れなかったからと言って、自分のストロングスタイルはまだまだ負けちゃいないと思ってるんで、まだまだ、まだまだこれからなんで、折れずに。絶対折れませんよ。今年の目標、いつ何時、誰でも挑戦する。以上です」
第5試合
アンダーソンがレフェリーからのベルト返還要求を無視してタマの眼前にベルトを掲げ、そのままベルト殴打。さらにロケットキックで場外にふっ飛ばし、鉄柵へ叩きつけるネックブリーカー。会場から大ブーイングが起きると、アンダーソンは正座して「ゴメンナサーイ♪ゴメンナサーイ♪」と笑顔で謝罪して観衆を煽っていく。
アンダーソンがタマを花道に引きずっていき、電飾輝く花道上でのバーナードライバー。さらに花道を両手で叩いてガン・スタンを発射も、タマがプッシュして脱出。アンダーソンが花道の傾斜部分に着地する形になり、受け身が取れずに大ダメージを負う。
2人はエプロン上でのエルボー合戦を展開し、タマがエプロン上でのガン・スタンを狙うが、振り払ったアンダーソンがビッグブートで吹き飛ばす。
劣勢のタマだったが、雄叫びを上げながらエルボーで殴りかかっていき、猛連打でアンダーソンを怯ませラリアット。さらに串刺しボディスプラッシュ、ボディブロー連打から串刺しドロップキック。もう一発ボディスプラッシュを放つが、アンダーソンがかわして後頭部へジャンピングブートから旋回式ガン・スタン。
アンダーソンがコーナーに上がり、ダイビング・リバース・ガン・スタン。アンダーソンがマットを叩いて銃口を突きつけ、正調ガン・スタンを狙うが、タマがキャッチしてデスバレーボム。タマがコーナーに上ってシュプリーム・フロー・アタック。さらにシュプリーム・フロー。これを返されると、タマがガン・スタンを発射も、アンダーソンがキャッチして振り払う。タマがロープに飛ぶとアンダーソンもロープに飛んでガン・スタンを狙うが、タマがかわして延髄斬りを叩き込み、セカンドロープを踏み台にしたガン・スタン。さらに正調ガン・スタンで叩きつけ、カウント3を奪った。
<試合後コメント>
タマ・トンガ&邪道&カール・アンダーソン
邪道「コングラッチュレーション、タマ」
タマ「サンキュー(※と言って邪道、ヒクレオとハグする)。12年……12年かかった。でもついに、自分はシングルのベルトを獲得するという最高の瞬間がやってきた。シングル王座ではあるけど、自分の愛する人たちといっしょに、この輝きを分かち合いたいと思っている。そしてカール・アンダーソンにも感謝、愛を伝えたい。兄弟よ、アイ・ラブ・ユー」
アンダーソン「ヘイ(※と言いながら入ってくる)。おめでとう、ビッグマン。(※警戒する様子を隠せないタマに向かって)大丈夫、大丈夫、何もしないから(※と言って両手を上げるポーズ)。おめでとう(と言ってタマとハグする)。タマ・トンガこそがビッグスーパースターだ。(※ウリウリくんに向かって)どうした? 父の敵だったカールに怒ってるのか?」
ウリウリくん「怒ってるよ」
アンダーソン「オイ、俺に怒ってるだって? すべてに関してありがとうって言いたい。サンキュー。ここ数カ月間、俺は最低の態度をとっていたけど、すべてに対してありがとうと言っておく。タマ・トンガ、これで和解だ。気を取り直して乾杯しよう。(※乾杯したのち)タマ・トンガはビッグスーパースターだ。近々、タマ・トンガがIWGP世界ヘビー級のベルトに挑戦することになるだろう。ぜひ、そうしてくれ。アリガトー。サンキュー、タマ(※と言ってその場を立ち去る)」
タマ「(※アンダーソンが去っていく後ろ姿を見つめながら)さっきも言ったけど、カール・アンダーソン、アイ・ラブ・ユー、兄弟よ。俺はカール・アンダーソンのことが大好きだ。俺たち2人の間にはたくさんの素晴らしい思い出がある。それらは絶対に消すことはできない。そして何よりも、いっしょに過ごした時間は自分にとって学びになっている。彼は長年、自分にとって素晴らしい師であった。本当に長い間そうだった。そして今日、ともに歩んできた道は終わり。俺は新しい道を進み始めることになる。NEVER無差別級のベルトを手にすることができた。まずここでみんなに感謝したい。ジャドーよ、サンキュー。『WRESTLE KINGDOM 17』にタマ・トンガが出場し、NEVERのベルトを獲得してチャンピオンになった。サンキュー」
※ウリウリくんにベルトを持たせて引き揚げていく
第6試合
武藤が先発を買って出ると、愛弟子のSANADAが先発志願。SANADAがプロレスLOVEポーズを武藤に向けると、武藤もプロレスLOVEポーズを合わせるが、SANADAが低空ドロップキック、ドロップキック、スワンダイブ式ミサイルキックと連撃。さらにシュミット式バックブリーカーからラウンディングボディプレスと武藤への愛に溢れた猛攻も、武藤がキックアウト。
SANADAがロープに振るも、武藤が低空ドロップキックからシャイニング・ウィザード。さらに武藤がボディスラムからコーナーに上ってムーンサルト・プレスを狙うが、棚橋が慌てて武藤を引き止める。SANADAが向かっていくも、武藤が首投げからのフラッシングエルボーで迎撃。棚橋にタッチ。
棚橋もSANADAにフラッシングエルボーを見舞い、ブーメランアタックからエアギター。さらに太陽ブローの連打からロープに走るが、BUSHIがエプロンから一撃入れ、内藤が低空ドロップキックで追撃。そのまま場外で内藤と海野がやり合っていく。
代わるBUSHIは、棚橋にネックブリーカードロップから内藤にタッチ。
内藤は棚橋にエルボー連打からコーナーで振り子式ドロップキック。武藤の前で拳を突き上げる。棚橋もエルボー連打で突っ張るが、内藤は延髄斬りを発射。棚橋はこれをかわしてドラゴンスクリューを見舞い、棚橋が海野にタッチ。
海野が内藤にミサイルキック、SANADAにアームドラッグからフランケンシュタイナー、BUSHIにホップアップ式ボディスラムと大暴れ。さらに内藤にフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドからSTF。さらに武藤がSANADAに足4の字固め、棚橋がBUSHIにテキサスクローバーホールド。
海野がロープに飛ぶが、内藤はマンハッタンドロップからエルボースタンプ連打、さらにネックブリーカードロップを見舞ってBUSHIにタッチ。
BUSHIはコーナーに上ってミサイルキックからウインドミルで立ち上がり、DDTを狙うが、海野がスマッシュ・マウス。SANADAが飛び込んできて海野、武藤にドロップキックを放つも、棚橋がSANADA、内藤にツイスト・アンド・シャウト、BUSHIにスリングブレイド。そして武藤がBUSHIにシャイニング・ウィザードを叩き込み、海野がデスライダーで突き刺してカウント3を奪った。
<試合後コメント>
武藤敬司&棚橋弘至&海野翔太
武藤「まあ、感想を言うか? いやあ、久しぶりの東京ドーム、タナよ。試合よりも入退場の長さに参ったよ。腰痛くなったよ。たださ、今日は猪木さんのイベントも兼ねてるということで、本当は試合の中で卍固めとかさ、あと俺はインディアンデスロックとか得意としているから、本当は狙ってたんだけど、オマエが余裕を与えてくれなかったな」
棚橋「すいません」
武藤「ホ~ント、せっかちなプロレスしやがって。本当はそういうの狙ってたんだよ」
棚橋「いやあ、まだちょっと若さが出ちゃって、僕も。すいません」
武藤「まあそんなところだな、俺の感想は。まあまあ久しぶりの東京ドームなんだよ。その中で俺、1カ月後に引退試合を控えているから、やっぱり東京ドームクラスだと普段と感触も体感も違うじゃん、なんか」
棚橋「違いますよね」
武藤「その中でなんか今日、こういい形で東京ドームを吸収することができたよ、ありがとう」
棚橋「ありがとうございます」
武藤「俺ばっか喋ってもしょうがねえ。(隣りにいる海野に向かって)オマエが目立たなきゃいけねえんだから」
棚橋「武藤さん、新日本プロレスラストマッチになりますけども、そのあたりは?」
武藤「そんな、必死だからあっという間に終わったよ。感想どころじゃないよ、息も上がって」
棚橋「新日本プロレスのキャリアの中で一番思い出深いこととかありますか?」
武藤「東京ドームか? それは2009年にオマエとここでやって、オマエに負けたことだよ」
棚橋「ありがとうございます!(笑)」
武藤「やっぱ負けた試合の方が憶えてられるんだよ」
棚橋「ありがとうございます。こちらからは以上です」
武藤「(再び海野に向かって)オマエ、喋れ」
海野「はい。本当に偉大なる先輩方と今日タッグが組めて光栄でした。新日本プロレスのトップ、いやプロレス界のトップに立つための何かを、今日は得たと思います。今後の自分のプロレス人生において、必ず活かしていきたいと思うので、自分にもご注目ください。本日はありがとうございました」
──武藤選手、対戦相手で一番気になった選手は誰ですか?
武藤「いや、全員気になってましたよ。やっぱりSANADAとかBUSHIとかね、プロレスのオーディションで俺が引っ張った人材であって、果たしてそこで俺が引っ張ったことが良かったのかどうなのか、俺だって少しは自問自答して。でも、なんかアイツらのやる気とか輝きを見たら、『ああ、アイツらをプロレスラーにして良かったな』って思いましたよ。あと内藤にしてもいろいろ噂で武藤LOVEっていうのをいろんな所で言っている中で、やっぱりそういうことを言われるとこっちも気分は悪くはないからね。そういう部分で非常に興味を持ちましたよ。興味を持ったって言っても、あと1回しか試合がないからね。どうしようもできないんだけど、まあまあ楽しい空間でした」
──試合中、蝶野選手と何かコンタクトされていましたけど、何か言葉を交わされたんですか?
武藤「いや、やっぱり引退試合……もう遅いんだけどな。もう遅いんだけど、やっぱり蝶野もリング上がってほしいなと思いながらハッパかけたつもりだったけど、やる気なかったな(笑)」
──ムーンサルトプレスは棚橋選手に止められましたけど、止められなかったら飛びました?
武藤「いやあ、あの一瞬にね、いろいろ走馬灯のようにね、医者の顔とかさ、家族の顔とかさ。あそこで棚橋が止めてくれて良かったですよ」
棚橋「僕も武藤さんのムーンサルトプレスを見たいという思いと、まだ序盤だし、引退試合も残されてる状況で、泣く泣く、泣く泣く。ファンの方からはきっとブーイングだったと思うんですけど、止めさせていただきました」
──武藤選手の全く知らない世代の海野翔太選手はどうでした?
武藤「いや良かったですよ。ルックスもいいし、肉体もタナに負けてないぐらいいいし、動きも良くて。あとは経験。あとはいっぱい失敗もしてほしい。いいことばっかりじゃなくて、失敗もカサになるから。失敗の方こそカサになるからね。ねえ、タナね? 苦労したもんな、オマエもな」
棚橋「はい(苦笑)」
武藤「いろんな部分で。いいっすか? ウィーッシ! どうもありがとう」
L.I.J&金剛
内藤「俺は新日本プロレス時代の武藤敬司選手に憧れを抱き、プロレスが好きになって、そしてプロレスラーになったわけで、そんな武藤敬司選手の新日本プロレスラストマッチで一緒にリングに立てたこと、それはまさにデスティーノ、運命ってことでしょ? 残念ながら今日、あまり絡む時間がなかったんでね。まだ引退まで時間があるんでしょ? じゃあ……(遠くに集団の人影を見つけて)オイオイオイ! 見覚えのある方々がいらっしゃってますよ(と内藤が言うと、拳王率いるプロレスリング・ノアの金剛の選手たちがコメントスペースに入ってくる)」
鷹木「(BUSHIの介抱についてきたが、コメントスペースに入ってくる金剛の選手たちを見て)ヘイヘイヘイヘイ!」
内藤「どうなされたんですか? 新年早々、東京ドームのチケットでも買って来られたんですか?」
鷹木「オマエら場所違うだろ! ここは東京ドームだぞ? 後楽園じゃねえぞ。何だよ! 何しに来たんだよ。(近づいてきた拳王に対して)近えな、オマエ!」
拳王「何しに来た? 新年の挨拶だよ」
鷹木「オオ、じゃあ言わせてやるよ」
拳王「明けましておめでとうございます…なんて言うと思うのか、バカ野郎! オイ、金剛とロスインゴ、決着ついたか?」
内藤「ついたね。俺はちゃんと3カウント聞いたよ。この目でも見たね。なんなら、皆様も見たでしょ? 新日本プロレスワールドをご覧の皆様も、ちゃんと3カウント入ったの見たでしょ?」
拳王「オイオイオイ、オメエはよ、あんなんで満足してんのか? オイ、あれでロスインゴが上とか、そんなこと思ってんのか、テメエ?」
内藤「思ってんね、残念ながら。だって、勝ったままだもん」
鷹木「いつの話してんだよ! 1年前のこと、誰も憶えてねえよ!」
拳王「あんな全然決着なんてな、ついてねえだろう! テメエたち倒してやってもいいんだぞ、オイ! 今から倒してやってもいいんだぞ!」
鷹木「いや、前回勝ってるのは俺らだから」
拳王「あん? あんなので決着ついてるわけねえだろう」
鷹木「ほう、やるか、また?」
拳王「やってやるよ! 決着ついてねえからな! 決着…つけてやる…」
鷹木「でもまた、6人タッグとか10人タッグとかやってもしょうがねえから、シングルやタッグで、どうせやるなら決着つけようぜ!」
拳王「なかなか面白いこと言うな。オイ、いいか、オイ! シングルだ! 見てみろ! 1vs1だ。金剛はな、何でもいいぞ! 6人いんだよ。テメエらは何人いんだよ? 1vs1だ。どっちが強いか、決着を…つけてやるからな」
鷹木「何でもいいよ。言いたいこと言ったら、とっとと帰れ、オマエら、コラ! 他のヤツは喋んねえのかよ」
内藤「出口はあちらで~す」
鷹木「(タダスケに向かって)タダスケ、オマエも何か喋れ、コラ!(と言って、イスを床に投げつける)。オイ!」
内藤「(金剛が引き返すと)帰っちゃったよ。帰っちゃったよ(笑)。そう言えば、去年の東京ドームにも来てたよね?」
鷹木「アイツら東京ドームが相当好きだな」
内藤「去年と今年と、随分と暇なんだね。残念ながら我々、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンはオクパード、忙しいからさ、もしやるんなら早めに日程を教えてくれよ。じゃないとさ、忙しくて予定が入っちゃうから。そこはノートランキーロ、焦った方がいいぜ! カブロン!」
※SANADAとBUSHIはコメントスペースにいたが何も発言せず、ノーコメント。
第7試合
ゴングが鳴ると同時にヒロムはデスペラードに、ワトが石森にドロップキック。ヒロムがワトにラリアットも石森がワトにドロップキック。デスペラードが石森にギターラ・デ・アンヘルを狙うと、ヒロムが2人にまとめてドロップキック。ワトが飛び込んでくると、ヒロム&デスペラードがダブルのショルダータックル。
ヒロムがデスペラードに共闘を求めるが、デスペラードの答えは首固め。石森がカットに入ると、ヒロム&石森がデスペラードにトレイン攻撃を狙うように見えたが、石森がヒロムに首固め、ワトがカットも、デスペラードがワトにスクールボーイ。ワトがこれを返すと、石森がデスペラードに、ヒロムがワトに同時にスクールボーイ。4人それぞれ距離を取りクリーンブレイク。
石森は場外に降りて3人で好きに闘えと言わんばかりに花道で座り込む。
結果的にヒロム&デスペラードが「合わせろよ!」「オメーが邪魔なんだよ!」と罵り合いながらも共闘するような形でワトに集中攻撃。しかしタイミングが合わずにいたところをワトが2人の攻撃を誤爆させ、2人にまとめてフェイスクラッシャー。
ワトはデスペラードにエルボー連打していくが、デスペラードがヒロムとワトを説得にかかり、ヘイトを石森に集める。
デスペラードが花道に突っ込んでいくが、石森はアームドラッグでいなし、ヒロムにはショルダーバスター。ワトがショットガン・ドロップキックで突っ込んでくると、かわしてヒロム&デスペラードに誤爆させ、石森はご機嫌な様子で1人リングに戻っていく。3人がリングまで戻ってくると、石森がケブラーダで3人まとめて圧殺。場外カウント19で全員慌ててリングに戻ってくる。
石森はデスペラードを丸め込むがカウントは2。さらに石森が延髄斬りからスライディングジャーマンで叩きつけ、コーナーに上ってファイヤーバードスプラッシュを発射。デスペラードが避けると石森が着地。ワトがコーナーから飛び込んでくると石森がかわすが、デスペラードが石森の足を取ってヌメロ・ドス、ヒロムがワトにD。ワトがヒロムを持ち上げ、デスペラードの上にバスターして脱出。この攻防はワトの1人勝ちに。
ワトは、ヒロムにチョップ連打から左右のミドルキック。さらにヒロムちゃんボンバーをかわしてティヘラで場外に放り出してトルニージョを狙うが、石森が場外から足を引いて妨害。ヒロムが石森にサンセットフリップパワーボムを狙うが、石森が一回転して着地。そこへデスペラードがセカンドロープ上を飛び抜けるトペ・コンヒーロ。さらにそこへワトがノータッチ・トペ・コンヒーロで飛んできてデスペラードを押しつぶす。3人が団子になっているところへ、ヒロムがダイビングセントーンボム。4人が場外で大の字に。
ヒロムはワトをリングに放り込み、串刺しデスバレーボム。もう一発を狙うが、石森、デスペラードが入ってきて慌ててカット。ロープに飛ぶ石森をデスペラードがスパインバスターで叩きつけ、ワトがロコ・モノを避けてネックブリーカー。さらにヒロムにTTDを狙うが、ヒロムが振り払ってホップアップパワーボム。背後から石森が組み付いてブラディ・サンデーも、即座にデスペラードが組み付いて石森にギターラ・デ・アンヘル。さらにピンチェ・ロコの体勢も、ワトがトラースキックでカットしバズソーキック。ワトがデスペラードにレシエントメンテを狙うが、デスペラードが振り払ってロコ・モノ。リング上で4人が大の字に。
4人がふらふらとほぼ同時に立ち上がり、満身創痍の様子で打撃戦を展開。ヒロムがデスペラードにハイキック、ワトがヒロムにトラースキック、石森がハンドスプリングエルボーを発射もワトがキャッチしてレシエントメンテ。これを返されるとワトがコーナーに上がり、RPPを狙うが、場外からデスペラードが足をつかんで妨害。石森がデスペラードを場外に蹴落とし、ワトへ雪崩式ブレーンバスターを狙う。そこへヒロムがやってきて2人を裏摩周の形でまとめて叩きつけるが、デスペラードが必死のカット。
ヒロムとデスペラードがふらふらとエルボーで打ち合っていき、デスペラードが強烈なエルボーで撃ち抜いてヒロムをダウンさせ、リバースタイガードライバーからロコモーション式でピンチェ・ロコを狙うが、ヒロムが持ち上げてTIME BOMB。これはカウント2で返されてしまう。
ヒロムはTIME BOMB IIを狙うが、そこへワトがスワンダイブ式エルボースマッシュでカットし、デスバレーボムにレシエントメンテII。完璧に決まっていたものの、石森がレフェリーを場外に引きずり出してカウントを妨害。
石森がリングにイスを持ち込んでワトを殴打してダウンさせ、レフェリーをリングに放り込んでからブラディ・サンデーを狙うが、ワトが着地してレシエントメンテII。ギリギリのタイミングでヒロムが低空ドロップキックでカット。
ヒロムが石森を引き起こそうとするが、ワトがヒロムにハイキックから通天閣ジャーマン。完璧に決まったもののカウントは2。ワトはレシエントメンテIIを狙うが、ヒロムが着地。ラ・カレテラを狙うが、ヒロムがキャッチしてTIME BOMB IIで叩きつけてカウント3。2年ぶり5度目のIWGPジュニア王座戴冠を果たした。
<試合後コメント>
高橋ヒロム
「キツいって……、あの試合の後にすぐコメント出すのは。悪いけど!(※テーブルに着席)ここでこのまま10分間休ませてもらうから、10分後に来てください。解散!(※と、テーブルに突っ伏す)」
──お疲れさまでした!
「(※顔を起こし)休ませてもらえないとは。でも何すか、今日は質疑応答があるんですか。うれしい。うれしいな。よかった。ちょっと、乾杯ぐらいさせてくださいよ。(※缶ビールを開ける)乾杯! ありがとう!(※ビールを飲み干す)あーっ! しみるぜオイ!」
──壮絶な戦いでしたが、ベルトを獲りました。
「2年ぶりだよ。知ってた? 俺がチャンピオンじゃないの、あんまり想像できないでしょ。2年ぶりなんて思わないでしょ。『またヒロムかよ!』ぐらいのテンションじゃないの、まさか? でも2年ぶりだからね。俺は何度も挑戦はしたけどさ、獲れてないんだよ。やっと帰ってきてくれた、このベルトさん(※ベルトを抱きしめる)もう離さないよ。何回目かな? 何回目のベルとかな? 分かんないけどさ」
──5度目ですね。
「5度目だよね。でもそれだけ、負けてるってことだからね。もう5度目で終わりにしようよ! もう永久チャンピオンですわ、はい」
──今日も大変な戦いでした。少なくともライバルが3人確実にいるという戦いでしたね。改めて4WAYにはどんな感想を?
「だってさ、一人ひとりすごいんだもん。ていうかこの新日本プロレスっていうのは、すごい人間しかいないわけだからね。その人間4人が集まってるんだよ。すごい試合なんて当たり前。読み合いなんて当たり前。騙し合いなんて当たり前。人を信じるだけ、バカを見るよね。でもさ、人を信じれなくなったら終わりじゃん、人間って。そう思わない? 人はだからさぁ、なるべく信じてたいよね。そう思わない? でもさ、好き勝手やってる人間がいい風に思える、そんな時代じゃない? 何か、真面目にやってることが馬鹿らしくなるぐらい、テキトーにやってることが、意外と華が出たりするからね。面白い時代だよ。その中での駆け引き、騙し合い、信じ合い。4WAYらしい試合だったんじゃないかなと思うよ」
──ただ最後はTIME BOMB 2でしっかり沈めました。3強の中に割って入るワト選手の勢いを潰した形にもなりましたけども。
「3強だとかさ、何強だとか言ってるのってさ、結局、会社がつけてるわけでしょ。ジュニアはこの3人とかって。別にさ、3強だろうが何だろうが、関係ないよ。みんな新日本プロレスで戦ってるんだよ。何強とかさ、もうなくしてもいいんじゃないかな。何強とかって言うことによってさ、客さん、見てる人を洗脳してるわけだよ。『お、この3人がそんなに強いんか』みたいなね。会社がお客さんをコントロールするっていうのは、何かちょっと、好きじゃないよな。うれしいけどね、個人的には。3強だか4強だかに入れてもらえてるのはね。でもさ、そこは見てる人が判断すればいいと思うよ」
──この先は“1強”を目指しますか?
「また、何かそう言ってくるね! 『3強とか4強はもういいんじゃないの?』って言ったのに! まぁね、これをさ、防衛し続けたいよね。そして最多防衛記録。だってHEAT選手でしょ、今持ってる最多防衛記録。11回かな。もう何年前よ、その記録? 塗り替えたいじゃん。そろそろ塗り替えなきゃいけないでしょ。それが俺の役目だと思ってるよ」
──ありがとうございます。
「もういいの? ホントに? 聞きたいのそれだけ? 次の防衛戦の相手とか聞かなくていいの?」
──イメージはありますか?
「ないです! 来る者拒まず。まぁね、この後3WAYだか4WAYだかで勝っても、誰も納得いかないでしょ。シングルでやれよと、そういう意見が出るのは当たり前です。だってチャンピオンから勝ってないんですもん。当たり前だよね。だから俺もね、石森太二から取るまではね、このベルトを巻きたくないなとかって思ってるよ。でも、ノリで巻いちゃうかもしれないから、その時はごめんなさい。でも覚えてる限りは、チワワを倒すまではね、巻きたくないな、そういう思いもあるから。あとね何と言っても、『BEST OF THE SUPER Jr』でボッコボコにやられた金丸、やりたいよね。チワワとさぁ、ノブおじを倒さない限りこのベルトを巻くことはできないかもしれないなぁ。ノリで巻いちゃったらゴメンけどね!」
──2人を倒してしっかり腰に巻きたいと。
「いいよ、別に。負けた人間じゃない、石森、デスペラード、3WAYでもいいよ。4WAYでもいいよ。5WAYでも6WAYでも10WAYでも、別に誰でもいいよ。来る者拒まず、チャンスですよ。別にどんな人間でも、実績がなくても、俺はいいと思うんだよ。このベルトがほしい、その気持ちさえ俺に伝わればね! 俺はいいと思ってますよ」
──いつ何時、誰の挑戦でも受けると。
「おお、いいね。そこにつながってくるのかな。俺もね、元気だけは、テンションだけは、とりあえず持ってるからね。それでここまで来てるから。そこだけは負けたくないよ」
──ありがとうございました!
「ありがとうございました!(※缶ビールを飲み干す)そうだ、俺の友達であり、高橋ヒロムを作った男、ドラゴン・リー。いやぁ、また遠くに行ってしまったな。今までさ、団体間の見えない壁によって、俺とドラゴン・リーは巡り会えなかったのさ。でもその壁がまたさらに、高くなってしまったなと。そんなところに行ってしまったなと思います。でも、その、高い高い高すぎる壁は、下の方なのか、真ん中なのか、上の方なのか、分かんないけどさ、たぶん小さな小さな扉があるんだよ。そこおコンコンってやれば『何?』ってドラゴン・リーが出てくるかもしれない。小さなドアがあることを、1月1日のグレート・ムタvs中邑真輔で知ったんだ。と、いうことは、面白ければ実現すると。そういう風に、俺は取りました。別にすぐじゃなくてもいいんだよ。俺はずっとこの位置で待ってる。だからドラゴン・リー、オマエもトップに立ってくれよ。その時は、考えてください。(※カメラを覗き込むようにして)トリプルHさん、見てますか? 高橋ヒロムですよ! ハハハ、見てないか! バイバイ! ありがとう! 楽しかった!乾杯!(※と、ビールを飲む)」
マスター・ワト
「(※背中を押さえながらインタビュースペースへ)石森、あー……石森、自分で掴んだこのチャンス、あのイスがなけりゃ勝ったかもな。けど、また、自らこの手で必ずチャンスを掴む。そして、ベルトを掴んでやる!」
エル・デスペラード
「(※壇上に上らず、テーブルの前に立ったままコメント)クソ……。あんなにバカにしてたワトに、途中退場させられたようなもんだ、今日の試合は。ヒロムにも石森にも負けちゃいねえし勝っちゃいねえが、俺は今日は、ワトに負けたよ。クソ……。このまま終わると思うな」
石森太二
「(※後頭部を押さえながらインタビュースペースに着くと、テーブルの前に立ってテーブルを強く叩いて)クソッ! まぁ、コケたらまた立ち上がればいい。地獄からここまで這い上がってきたんだ。うん、慣れてるよ。それにしても、新年早々、予定が狂っちまったな。どうすっかな……。まぁでも、敗者が長々と語るのは違げえと思うから、今日はここまでだ(※と、マイクをテーブルに叩きつけて去る)」
第8試合
ケニーが4年ぶりに新日本マットに登場。オスプレイはかつての向上心を取り戻さんと以前の入場曲で登場。
ゴングとともにオスプレイが突っ込んでフロントキックも、ケニーが余裕を持ってかわして笑顔。
組み合ってリストの取り合いから軽やかな動きでテイクダウンを奪い合い、オスプレイがショルダータックルで倒れされても即座にネックスプリングで起き上がって強烈な張り手。ケニーがティヘラもオスプレイが側転で着地し、お返しのティヘラで場外に放り出し、プランチャで追撃。オスプレイは鉄柵攻撃からリングに放り込み、スワンダイブ式の攻撃を狙うが、ケニーがプッシュしてエプロンに落とし、思い切り突き飛ばして鉄柵へと吹き飛ばす。
ケニーは腰へのエルボーを連打し、カナディアンロッキーバスターからムーンサルト・プレス。さらにロープに振ってヒップトスからサッカーボールキック。さらにコーナーで顔面を踏みつけ、後頭部への手刀落としからアイリッシュウィップ。ケニーが青コーナーのマットを外し、コーナーの金具をむき出しにする。
ケニーは、オスプレイが起き上がろうとするたびにストンピングを見舞っていき、ビッグブートでふっ飛ばして金具むき出しのコーナーへと叩きつける。さらにシュミット式バックブリーカーからニーバッドを連打。さらにロープに振って払腰を狙うが、オスプレイが絡みついてコブラツイスト。ケニーがヒップトスで振り払って突っ込むが、オスプレイがロープスタンガンからビッグブート。
オスプレイは変形スタナーからハンドスプリング式オーバーヘッドキック。さらにピッピーチェリオからステップキック、逆水平チョップからパワーボムを狙うが、ケニーが振り払って逆水平チョップ。オスプレイは怯まずサマーソルトキックからの延髄斬りを叩き込み、エプロン上でのチョップ合戦を展開。オスプレイがトラースキックで側頭部を打抜き、ターンバックルを足場にオスカッターを発射も、ケニーがロープにしがみついて耐えたため、オスプレイがコーナーの角に背中を打ち付ける形で落下し大ダメージを負う。
ケニーはリングの下からテーブルを取り出し、オスプレイの上に乗せ、エプロン上からのダイビングフットスタンプ。ケニーがリングに放り込もうとすると、ブチ切れたオスプレイが左右のナックルを連打し、割れた机の断面の上にブレーンバスター。さらにコーナートップから場外へのコークスクリュー・ムーンサルト・アタック。
オスプレイはケニーをリングに放り込み、その後頭部へピッピーチェリオ。さらにオスカッターを発射も、キャッチして振り払ったケニーがVトリガーからリバース・フランケンシュタイナー。さらにフィッシャーマン・バスター式のショルダーバスターからコーナーに上げ、トップロープを踏み台に雪崩式のフルネルソンスープレックスを発射。これを一回転したオスプレイがロビンソンスペシャルから正調オスカッターをクリーンヒットさせるも、ケニーはカウント2で返す意地を見せる。
オスプレイが金具むき出しのコーナーを背にしたケニーに串刺しビッグブート。さらにそのままコーナーにくくりつけてチーキー・ナンドス・キックを3連打、トップロープを踏み台にスパニッシュフライを狙うが、ケニーが金具むき出しのターンバックルに突き刺すDDTで切り返し、危険な角度で場外に落ちたオスプレイが額から大流血。ケニーも必死の形相で「場外カウントを取れ!」と叫ぶ。
オスプレイがふらふらとリングに戻ろうとすると、ケニーがリング内からドロップキックで突き放して妨害し、ノータッチ・トペ・コンヒーロで追撃。さらにケニーは先程破壊したテーブルを鉄柵に立てかけてオスプレイの顔面を叩き込んでさらにテーブルを破壊してからリングに放り込む。
ケニーはパイルドライバーからマウントを取って額の傷口へのナックルを連打。さらにケニーは高速フルネルソンスープレックスを2連発。ロープを背にぐったりと座り込むオスプレイへ銃口を突きつけ、「BANG!」と叫んでVトリガーを狙うが、オスプレイがケニーの足をつかんで妨害。ケニーは容赦なく腹部を蹴り上げ、リバースタイガードライバー。
ケニーは改めて銃口を突きつけ、Vトリガーを叩き込んで場外へと吹っ飛ばす。ケニーはオスプレイをリングに放り込み、コーナーに上って行くが、オスプレイがふらついてロープにぶつかったためケニーが足を踏み外す。偶然が味方してチャンスを得たオスプレイが雪崩式ブレーンバスターを狙うが、ケニーがリバースパワーボムの形でオスプレイの顔面を金具むき出しのコーナーに叩き込む。
金具むき出しのコーナーに喉元が当たる形でぐったりとしたオスプレイに対し、ケニーが串刺しVトリガー。さらに雪崩式クロイツ・ラスからVトリガー。オスプレイは意地だけでキックアウト。リングサイドでは、オーカーンがUNITED EMPIREの旗を振って喉が枯れんばかりの声援を贈る。
ケニーは、ゼロ距離Vトリガーの2連撃、さらに助走をつけてのVトリガーを発射も、オスプレイがキャッチして振り払い、雄叫びを上げて立ち上がる。
ケニーがナックルを連打すれば、オスプレイはステップキック+逆水平チョップ。ケニーはVトリガーからオーバースロー式ラリアットを発射も、これをかわしたオスプレイがシットダウン式パワーボム。
オスプレイは、チェルシーグリンからヒドゥンブレイド2連発からスーパー・オスカッター。さらにストームブレイカーを狙うが、ケニーも片翼の天使での切り返しを狙う。
しかし、オスプレイは、AJスタイルズの技であるスタイルズクラッシュで叩きつけるという、かつてのケニーへの意趣返しからヒドゥンブレイド。さらにストームブレイカーを狙うが、ケニーが着地してゼロ距離Vトリガー。しかしオスプレイも手を離さず、引き寄せながらのヒドゥンブレイド。2人共バタリと倒れ込むが、互いに掴んだ腕は離さぬまま。
2人はふらふらと起き上がり、互いに掴んだ腕を引き寄せながらエルボー合戦。しかし、ケニーが素早くバックを取ってクロスアーム式ジャーマン・スープレックス・ホールド。さらにクロスした腕をほどきながら正面に回る。オスプレイがケニーの顔を見上げてツバを吐きかける中、ケニーが盟友・飯伏幸太の技であるカミゴェ。さらに片翼の天使で突き刺して3カウント。初代王者であったケニーが34分38秒の死闘を制し、IWGP USヘビー級王座を奪還した。
<試合後コメント>
ケニー・オメガ&ドン・キャリス
ケニー「俺が勝つという悲しい結果になったな。40分、プロレス史における最高の聖地であるこの場所で会話をすることができた、あの男と。男と男、アスリートとアスリート、パフォーマーとパフォーマー、プロレスラーとプロレスラーの闘い。状況が違えば、俺たちはいい友人になれたかもしれないのに、本当に残念だ。ウィルよ、オマエにとって試練だという話をしたかもしれないが、オマエには1年のうち364日間負けてたとしても、最高のレスラーであるためには残りの1日で最高の自分を見せられればいいんだ。その1日で相手よりも自分が勝ってるというところを見せられる、それが本当のチャンピオンである。1日でそれを証明する。だからこそ今日、俺が真のチャンピオンであり、世界中のプロレスの頂点に立つ男であり、今もまだそれは変わらないということを証明することができただろう。オレを見てみろ。オマエは一体、何をしてきたんだ? 鏡の中に映る自分を見ればいい。今、俺が鏡を見たら、そこに映っているのは勝者でありレジェンドだ。オマエが鏡を見たときに、鏡の中に映っているのは昨日と変わらないオマエだ。今日勝ったことで自分は、史上最強であるということを証明することができた。もし今日、オマエが何か学びを得るんだとすれば、俺以外のプロレスラーはすべてサーカスの動物たちのようなものだということ。リングの中でリーダーシップを執るのは唯一無二の俺であり、ほかの者全員は俺にとっての添え物でしかない。オマエもその中の1人。オマエにリーダーの座はまだまだ渡せない」
キャリス「『言っただろう』って言いたくはないけど、言っただろう。ウィル・オスプレイは運動神経もあり素質もあって突出したプロレスラーである。フェノミナルなアスリートだ。しかし一つ欠点があるとしたら、その強さをここぞというときに見せられないこと。トーキョードームではマジックが起こるんだ。オマエはケニー・オメガと同等ではない。人々は平等ではなく、ここでそのマジックをかけられた者がより強いんだ。そしてその魔法が誰にかかるかといえば、唯一無二の存在、バスケットボールでいえばマイケル・ジョーダン。残念ながらオマエはスコッティ・ピッペンなんだ。オマエに価値がないとか、オマエはオールスターじゃないとか言ってるんじゃない。残念ながらケニー・オメガが唯一無二、史上最高の男だということが証明されただけなんだ。ケニー・オメガと同じ時代に生まれてしまったことは本当に残念だと思うが、ケニー・オメガは神であることを、ここで何度も証明している。この男こそ、プロレスリングにおける真の神であり、何度顔を合わせようとも、オマエに勝ち目はない。今夜、この最高の舞台に立った若くて素晴らしいウィル・オスプレイよ、残念ながら今日も失敗してしまったな」
オメガ「そういうことだ。だから俺はオマエを叩きのめさないといけなかった。これからまた、何度もこのフレーズを聞くことになると思うが、また言わせてもらおう。グッバイ&グッナイト……Bang!」
ウィル・オスプレイ
「(※重い足取りでインタビューブースにやって来るも、なかなかテーブルの前までいかない。何度も途中で立ち止まり、ようやく用意されていたイスに座る。しかしなかなか言葉が出てこず、ようやく振り絞るように)質問は? 質問ないなら、俺が自分に質問するよ。これに何の意味があるんだ? 子供のころから、レスリングを始めた時からずっと言われてきたことがある。それは、『最強のプロレスラーになるには犠牲が必要』『犠牲を払わなければこの世界で成功できない』ということ。だけど犠牲はもう十分払ってきた。今は違った状況になっている。それでもまだ犠牲って……。ずっと闘い続けて手錠をはめられたようなこの3年間、苦しい苦しい状況の中で闘ってきた。おもりを腰につけられて海に沈められ、ずっと何も物音が聞こえない深い深い海の底で酸素を求めているような状態で苦しんできたこの3年間。その中でベストを尽くしてきた。犠牲は常に払ってきたつもりだ。そして今ここにきてようやくそんな状況から抜け出し、リアルワールド、本当の世界で闘えるはずだった。仲間も得て、そして俺たちはチームとともに幸せを感じていた。このままいくと思ったのに、まだこれ以上の犠牲を払うなんて……。何をすればいいのか、もうわからない。もうこれ以上の犠牲を払うなんて、まっぴら御免だ。まださらに犠牲を払えだと……。この3年間……これからどうすれば……(※テーブルに突っ伏すと、嗚咽が聞こえてくる。顔を上げても横を向いて表情を見せないようにする)。まぁいいさ。(※立ち上がって)あと1年だけ、この犠牲を払うという状況に身を置こう。あと1年だけだ。1年だけだぞ。そこから先はどこに行こうが何をしようが、俺の勝手だ……」
第9試合
オカダは、アントニオ猪木さんを意識してか、黒一色のタイツ&ブーツで登場。
ゴングが鳴ると両者しばらく動かず睨み合い、観衆からの歓声&手拍子に耳を澄ます。
ロックアップでの押し込み合いから離れ際にジェイがビンタ。ジェイがナックル&逆水平チョップの連打。さらにロープに飛ぶが、オカダがビッグブートで迎撃しエルボー連打からネックブリーカードロップ。さらにスライディングキックを狙うが、場外から外道がジェイの足を引いて救出。
オカダが場外で外道を牽制しながらリングに戻っていくが、ジェイが素早く組み付いて高速バックドロップ。腹部を踏みつけた上で鼻をふさぎながらのフェイスロック、ボディへのエルボー連打とオカダの呼吸を乱すことでスタミナを削っていく。
ジェイはボディスラム、スリーパーホールド、DDTと連撃し、場外へ連れ出して場外鉄柵とエプロンの角へ交互にぶつけていたぶっていき、エプロンの角へのゴードバスター。エプロンに戻して腹からロープに打ち付けるブレーンバスター・ホイップ、コーナーへの高速ブレーンバスターと休ませず、ジェイが「Too♪Too♪Tooooooo SweeeeeT♪」とノリノリで逆水平チョップを打ち込んでいく。
ジェイがブレードバスターを狙うと、オカダはショルダースルーからDDTで切り返し、ジェイのエルボーをかわして走りながらランニングバックエルボー。さらにフラップジャックから串刺しバックエルボーを発射するが、ジェイがかわしてコーナーで腹部の串刺しタックルを連打。コーナーに上っていくが、オカダが地対空ドロップキックでジェイを場外に蹴落としていく。
オカダはジェイを花道へと連れ出していき、止めに来た外道も小脇に抱えて2人まとめて花道DDT。オカダは「行こうぜ!東京ドーム!」と叫んで観衆から大声援を受け、ジェイをリングに戻してとんでもない高さから放つミサイルキック。続けてマネークリップを狙うが、ジェイがボディブローの連打で脱出し、コンプリートショットからぶっこ抜きジャーマン・スープレックス。
ジェイが串刺しバックエルボーからブレードバスター。さらに裏投げを狙い、オカダが抵抗すると腹部へのニーリフト。オカダもエルボーで突き放してツームストーン・パイルドライバーを狙うが、ジェイがボディへのエルボー連打で抜け出してフィッシャーマン・バスター。SSSを狙うジェイをなんとか振り払ったオカダだったが、ジェイが膝裏へのスライディングエルボーを叩き込む。
劣勢のオカダだったが、無表情でムクリと立ち上がり、ジェイの逆水平チョップを受けても全く怯まずドロップキック。さらにSSSを狙うジェイをかわしてマネークリップに捕らえ、担ぎ上げて旋回式ツームストーン・パイルドライバーからローリング・ラリアット。間髪入れずに再びマネークリップ。これはマトモに入り、ジェイが口から泡を吹いて苦しみながらもなんとかロープを掴む。
場外へと転がり出たジェイに対し、オカダが場外飛びを狙うも、外道がエプロンに上がる。オカダは外道を場外に叩き落とし、コーナートップから2人へセントーン・アトミコ。
オカダはジェイをリングに戻し、ボディスラムからダイビング・エルボードロップ。さらにレインメーカーポーズを決めると会場は割れんばかりの大歓声。しかし、オカダがレインメーカーを狙うとジェイが座り込んで技をかわし、わざと弱々しいエルボーで反撃しすぐに倒れるなど仮初めの無気力ファイトで挑発。外道がエプロンに上がってレフェリーの気を引いている間にジェイがガバリと起き上がってローブローを狙うが、オカダが先読みしてカウンターのエルボー。ジェイがオカダの顔面にツバを吐きかけると、怒りの表情を浮かべたオカダがラリアットを発射。ジェイはこれをキャッチして裏投げで叩きつける。
ジェイはトップロープを越えて場外へと投げ落とす危険なバックドロップ。すぐにリングに戻してSSSで叩きつけ、続けてレッグロック・スープレックス・ホールド、クロスアーム式ブラディ・サンデー。さらにブレードランナーの体勢も、オカダがジャーマン・スープレックスで切り返し、右腕を掴んだまま引き起こし、逆さ押さえ込みから引き起こして放つレインメーカー。さらにショートレンジ式レインメーカーから正調レインメーカーを発射。かわしてロープに走るジェイの顔面にドロップキックを叩き込み、開脚式ツームストーン・パイルドライバーからレインメーカーを発射も、キャッチしたジェイがブレードランナー。今まではこれで決まってきたが、オカダが気迫のキックアウト。
ジェイは掟破りのショートレンジ式レインメーカーを2連発。さらに両手をToo Sweetにしたジェイ式レインメーカーポーズまで決めてみせると場内は大ブーイング。しかし、これでブチ切れたオカダがブレードランナーを切り返してのレインメーカーを決めると場内がこの日一番の大歓声に包まれる。
両者額を突き合わせて睨み合いながら起き上がり、エルボー合戦を展開。
試合時間が30分を超える中、オカダとジェイは楽しそうに笑いながら激しく打ち合っていく。
オカダは「オラァ!」「ジェイ!」「どうだ!」など珍しく声を上げながらエルボーを打ち込んでいき、ブレードランナーをかわして延髄斬り。ジェイがレインメーカー式ブレードランナーを狙うが、オカダが掟破りのブレードランナーで切り返し、旋回式の変形エメラルドフロウジョン。最後はもちろん正調式のレインメーカーで試合を決め、33分3秒の死闘に終止符を打った。
ジェイは半死半生の状態ながらIWGP世界ヘビー級のベルトを抱きしめて渡すことを拒否。ゆっくりと現実を受け入れたジェイがベルトを手放すも、ベルトを巻いたオカダの足にすがりつく。その後、ジェイはオカダの耳元でなにかを囁いてから外道の肩を借りながら退場していった。
そこへ、突然鷹木信悟がリングに上ってマイクを取る。
鷹木「ちょっと邪魔するぜぇ?オカダ!IWGP世界ヘビー級王座奪還、おめでとう!だが!そんなことを言うためにわざわざ来たわけじゃねーからな。こっからが本題だ!オカダ、俺は、ちょうど1年前、ここでお前にそのベルトを獲られたことを忘れたときはねーんだよ。昨年は、お前が提唱したKOPWにずいぶん振り回されてなあ。だが、俺は俺なりに臥薪嘗胆することが出来た1年だった。今の試合を見てわかるように、オカダはすごくて強い!これは間違いないことだ!だがよ、お客さんはよ、高いチケット買って見たいのは、非日常だよなあ?単刀直入に言ってやろう。再び、俺がそのIWGP世界ヘビー級王座を奪って新日本プロレスに非日常の世界を見せてやろうじゃねえか!わかりやすい挑戦表明だ。オカダ、良い返事、待ってるぜ?それからもう1つ!次に俺がお前の前に来るときは、KOPWのベルトをしっかり手土産に持ってくるからな。俺の言いたいことは、以上だ」
(※鷹木がリングを去る)
オカダ「鷹木さん、邪魔するんだったら帰ってください。(※観衆に一礼してから)……東京ドーム!今日も熱い、熱い、熱い声援本当にありがとうございました!声援の力がすごいパワーになりました。本当にありがとうございました!そして、ジェイ。マディソン・スクエア・ガーデンでも闘って、東京ドームのメインイベントも闘って、次また、大きい素晴らしい舞台で闘おうぜ。ただな、まだお前は4勝2敗なんだよ。勝ち越しで終わらせねーからな。まだまだやるからな、この野郎!そして、新日本プロレス、50周年。1年間、本当にありがとうございました!(※涙ぐんで)……こんだけお客さんが入って、試合ができて本当に良かったです。ありがとうございました!そして猪木さん、僕たちの闘いは届きましたか?まだ50周年に来ただけなんで、猪木さんが作ったこの新日本プロレスを、闘魂を、どんどんどんどん受け継いで、100年、200年、新日本プロレスが続くようにまだまだ盛り上げていきますんでよろしくお願いします!そして、これから始まります、51周年が、こんなもんじゃないですよ、新日本プロレス。50周年を越えてもっともっと素晴らしい新日本プロレスを皆さんにお届けします。そして天国の猪木さんにもお届けします!みなさんが応援してくれる限り、新日本プロレスを愛してくれる限り、まだまだ新日本プロレスは続いていきます。そして、この俺がIWGP世界ヘビー級チャンピオンでいる限り、51周年の新日本プロレスに!金の雨が降るぞォ~ッ!!」
(※観衆の声に応えてポーズを決め、花道を歩いて入場ゲート前のマイクを取る)
オカダ「猪木さん、追悼興行なのに、このまま終われないでしょう?せっかく声が出せるのに、このまま終われないでしょう!やりますか、皆さん!猪木さんに届けましょうッ!猪木さん、新日本プロレスを作ってくださり、本当にありがとうございました!行くぞーッ!1!2!3!ダァーーーッ!!」
(※『炎のファイター』が流れる中でオカダが天を仰ぎながら涙を流し、名残惜しげに退場)
その後、会場に規制退場のアナウンスが流れる中、第6試合後に内藤哲也らL.I.Jがバックステージでコメントを出している映像がスクリーンに映し出される。
内藤が話している中、拳王を筆頭にNOAHの“金剛”の面々が登場。拳王が宣戦布告し、再び新日本vsNOAHの対抗戦が行われることが決定的に。メイン後の余韻や多幸感をぶち壊して大会は終わった。
<試合後コメント>
オカダ・カズチカ&CHAOS
YOH「(オカダ、後藤、YOSHI-HASHI、石井、矢野と一緒にビールを持ち)オカダさん、後藤さん、YOSHI-HASHIさん、おめでとうございます! 乾杯です!(と言って乾杯した後、オカダを残して他のメンバーと共に退席)」
──改めてIWGP世界ヘビー級を取り戻した今のお気持ちを聞かせてください。
オカダ「まあ、取り戻したっていうよりは、やっとジェイに勝てたっていうのが大きいですかね。その中でいろんなことが重なったタイミングで、またチャンピオンに戻ることができたので凄く嬉しいですし、やっぱりシングルマッチで凄い孤独な中で帰ってきて、こうやって仲間に祝ってもらえるのは安心しますし、凄く嬉しいですね。なんか本当にいろんな嬉しさが重なってますね」
──リング上でも話されていましたけども、改めてジェイ・ホワイト選手にどういったメッセージを伝えたいですか?
オカダ「僕も若い頃からポンポンポンとトップ戦線を上り詰めてきて、こうやってなかなか勝てない相手はいなかったですから。僕よりも年下でキャリアも浅いと思うんですけど、僕の前に高い壁として立ち塞がってくれていたっていうのは凄くありがたいことですし。でも、まだ2回しか勝ってないですし、僕は4回負けているみたいなんで、あと3回いろんな所でやって、また向こうが勝ち越してる分は取り戻していきたいと思います」
──最後リング上でベルトを巻いた時に、ジェイ選手が話しかける仕草があったんですけども、あの時の言葉は憶えていますか?
オカダ「憶えていますよ。なんだかんだ言ってもジェイも元々はCHAOSに入って、いろんな関係があるからこそ、今日に繋がったと思いますし、そういうことを含めたいろいろなことを伝えたかったんじゃないかなと思いますね」
──今日は入場の時から赤いマフラー、そして新たな黒く統一したコスチュームで臨みましたけど、そのへんの思いっていうのを聞かせてもらっていいですか?
オカダ「特にこれと言って意識はしてないですよ(笑)。意識してないって言うと意識してたみたいですけど。まあやっぱり猪木さんの追悼でしたし、だからと言って猪木さん過ぎるのもおかしな話だと思いますし、僕は僕で僕なりの今の新日本プロレスを体現させてもらいました」
──この東京ドーム大会は久しぶりに声出しが解禁された東京ドーム大会でしたけれども、改めて東京ドームでのファンの声援を受けた気持ちはいかがでした?
オカダ「やっぱりプロレスしてるなって感じがしましたね。本当にオカダコールに助けられたというか、それが今日は凄い覚えていることというか、なんか本当に歓声って力になるなと改めて思えたんで。また少しずつですけども戻ってこれたっていうのはプロレスファンの皆さんが我慢してくれたから、今回東京ドームで声出しがいいという形になったと思いますし、まだ完璧に戻ったわけでもないですし、まだまだ我慢させてしまうことはあると思うんですけれども、皆さんのおかげでこうやって選手のパワーにもなっていますし、皆さんに協力してもらってですね、僕たちは僕たちでしっかり闘いで返していくだけですので。本当に歓声は凄いパワーになったので、新日本プロレスは前以上の新日本プロレスになって、みんなの力をパワーにして、歓声をパワーにして、また素晴らしい新日本プロレスを51周年も見せられるんじゃないかなと思います」
──お客さんの数ということで言うと、速報値で26085人ということで、去年の2日間の動員数を8000人ぐらい上回ったと。このことについてはどう思われますか?
オカダ「でも、本当に入場した瞬間に凄いお客さんの数は分かりましたし。でも、僕が目指しているのは本当にそこじゃないんで。まだまだ満足できないですし、超満員にしたいとずっと言ってますしね、猪木さんが見た景色をまた見ることができたらいいなと思いますね」
──花道の奥で猪木さんに捧げる「1、2、3、ダァーッ!」がありましたけども、あの時の景色はどういう景色でした?
オカダ「やっぱり『1、2、3、ダァーッ!』は僕じゃないのかなと。やっぱり縁のある人がやった方がいいのかなと思ったんですけども、追悼大会でしなきゃこれは追悼できないなと思って(笑)。『1、2、3、ダァーッ!』、声出しもできる中でみんなでやって、みんなで手をあげてる姿、まあお客さんの数は違うと思いますけども、これが猪木さんが当たり前のように見ていた景色なんだなっていう。それがなんか凄くいいものを見られたなと思いますね。本当に僕の先輩方でいろいろな方のを見た方もたくさんいると思うんですけど、僕が一人で言わせてもらってダァーをね。猪木さんも今頃天国で怒ってるかもしれませんけど、勝手に言ってんじゃねえって言っているかもしれないですけど(笑)。でも、今のプロレスファンの皆さん、最近のファンの人もいれば、猪木さんのバリバリの時期を見ていた人たちも今日は来てくれたと思いますし、やっぱりダァーをして猪木さんに届けたいという思いが皆さんにあったと思いますんで、最後にできて凄い良かったですね。しっかり猪木さんにも…何を言っているかは分からないですけど、しっかり届いたんじゃないかと思います」
──今年51周年が始まります。新たな挑戦表明もありました。改めて鷹木選手の表明はどのように受け止めましたか?
オカダ「去年の1.4でやりましたけど、正直、その後KOPWとかいろいろやっていたと思うんですけど、まだ何もなく来るのは早いんじゃないかなと。何か実績を残してきたわけじゃないですし、まだ早いよと。何もなく手ぶらで来るのは早いよ、東京ドームに挑戦表明しに来るのは早いよって、鷹木さんと11年前の自分に言いたいですね(笑)。でも、僕もそこで挑戦表明して認められたことありますし、まだ明日KOPWもあるとは思いますんで、ベルトがあってもなくても僕はまあどっちでもいいですけど、あったほうがお客さんは乗ってくれるんじゃないかなと思います。持ってきたら持ってきたで僕のカズチカ・オカダ(本人発言ママ)のプロレスリングを教えてやります」
──鷹木選手は、オカダ選手がここに到着する寸前に、まさにオカダ選手が今座っている場所で、KOPWを手にして、そして面白いことも考えているからと。非日常というキーワードと共にアイデアがあるという言い回しをしていました。そのへんの鷹木選手の決意はどのように受け止めていますか?
オカダ「まあ頑張ってください(笑)。こっちはIWGP世界ヘビー級のチャンピオンなんで、自分の目標に向かってしっかりやってくれればいいんじゃないかなと思います。まあ非日常、非日常って言ってましたけど、非日常を見せるのがプロレスラーだと思いますんで、そこはIWGP世界ヘビー級チャンピオンに任せてくれればいいんじゃないかなって感じですね」
──改めて今年1年の抱負を聞かせてください。
オカダ「50周年ということで昨年はかなり盛り上げることができたと思うんですけど、50周年だからとか、やっぱり50周年だったから面白かったとか言われたくないので、50周年で得たものはたくさんあると思いますし。それは僕たちレスラーだけではなく会社もそうですし、その50周年で得たものを引き続きやってダメだというルールはないですから、ドンドンドンドンパワーをつけていってですね、51周年、52周年、本当に100周年もやりたいですし、200周年もやりたいし。100周年だったらまだ僕も85歳ですし、それぐらい続いていかせないといけないですから。やっぱり猪木さんが作った新日本プロレスをドンドンドンドン続けていきたいですし、猪木さんの闘魂というのはですね、今まで新日本プロレスで育ってきたレスラーには全員受け継がれて、その闘魂という血が流れていると思いますから、その血をとぎらせないためにも51周年もしっかり盛り上げていってですね、新日本プロレスは凄いなと。日本のプロレスは世界中に届くんだなと、日本でしっかりお客さんを満足させてですね、その中心にいるのはやっぱりIWGP世界ヘビー級のチャンピオンの僕だと思いますんで、まだまだ引っ張っていって、新日本プロレスの51周年もこれからも盛り上げていきたいと思います」
ジェイ・ホワイト
「(意気消沈したような声で)俺の時代はまだ続いているんだろうか……? 皆様、お待たせいたしました。TOJAYショーの始まりです。司会は私、“スイッチブレード”ジェイ・ホワイトです。今日のゲストは元IWGP世界ヘビー級チャンピオン、ヤングライオンからここまでのし上がった“スイッチブレード”ジェイ・ホワイトです。ジェイ・ホワイトと言えば、プロレス界でのナンバー1、ラストロックンローラー、一人でマディソン・スクエア・ガーデンとユナイテッドセンターを完売させた男、キング、唯一無二のチャンピオン、そしてBULLET CLUBのリーダーです。しかしながら、今夜はスイッチブレードと共にいてくれた人はいませんでした。まだ彼の時代は続いているのでしょうか? スイッチブレードの時代、まだあるのでしょうか? ゲストはそんなスイッチブレードです。まず一つ目の質問です。今のお気持ちをお聞かせください。オカダ、これまでだ。もう俺たちは終わりだ。オマエにとって最後のタイトルマッチになるという話をしていたが、それが実現したらベルトはオマエのものになってしまったな。もう再戦はゴメンだ。なんでかって? 今日この時、東京ドームで全てが上手くいくはずだった。3年ぶりに日本での会場で、ファンの声援を聞くことができた。もし今日、オマエに勝つことができないのだったら何の意味もない。今日こそが自分にとって意味のある1日だったはずだ。オカダ、おめでとう。オマエに言った通り、ごめんとは言いたくない。そして後悔もない。ここまで来るためにしてきた数々の決断。その中で一つの後悔もないと言える。なぜならば、そこで一つでも決断が違っていたら、今ここにはいないのだから。自分の名前、そして歴史、本当だったらこの場で『1、2、3、TOO SWEET』、これをコールするのは俺のはずだった。8年間、ずっと東京ドームで闘っている人たちを見てきた。8年前は自分自身がどこに行くか、全く分かってなかった。自分にどれだけ価値があるのか、それすらも分かっていなかった。もうみんな忘れているかもしれないけども、オカダと俺はかつてCHAOSで一緒に闘っていた。ずっと俺に親切にしてくれていた。そんな彼が今はチャンピオンになった。今日こそがアイツにまた勝ち、自分がベルトを防衛し、全てをいい方向に持っていくための最良の日だったはずなのに、何か足りなかったのだろうか? 何をすれば勝てたんだろう……。(しばらく沈黙してから)ああ、分かった。もう何年も前から間違っていた道に行っていたのかもしれない。(激昂しながら)これは全てヒクレオだ! BULLET CLUBでのユニットメイトだったが、あの長身の大柄な男のせいで、全てが崩れていったのかもしれない。ヒクレオ、オマエにこんな目に遭わされるとは思わなかった! そもそもオマエが波紋を広げたんだな。俺の人生を台無しにしてくれて、本当にどうもありがとう! オマエにも全く同じことをしてやるよ! オマエだけではなく、オマエの家族にもな! オマエの家族を破滅に追い込んでやる! オマエは俺を傷つけた。俺はこれから時間をかけてオマエを傷つけてやるから楽しみにしておけよ! というわけで、本日のゲストはジェイ・ホワイトでした。そしてTOJAYショーは今日が最終回です。というわけで、ヒクレオ、スイッチブレードと共にあるがいい。TOO SWEET。(引き上げ際に下田美馬さんを見つけると)ミマ、ミマ、オマエはクビだ!」
鷹木信悟
「チャンスを待ってたら一生来ないからな。チャンスは掴み取るもの、奪い取るものだ! だったら行動を起こすまでだ、なあ? KOPWもしっかりベルトいただくぜ。そしてKOPWを持って、ベルトを持って、オカダの前に立つ。ちょっと面白いことを考えててよ。新日本プロレスも今日で50周年の節目は終わりだろ? 明日から51周年だ。そうしたらよ、俺みたいなよそ者はよ、新日本らしさなんてクソ食らえだ。さっきリング上で言った通りイレギュラーな闘いを俺が見せてやるよ。そのためにも再び、IWGP世界ヘビー級王座は何がなんでも俺が奪取する」