2018年に亡くなったマサ斎藤さんが殿堂入り!妻・倫子さんが最後まで闘病したマサさんを語る
10日、日本プロレス殿堂会が主催する『LEGACY II』が後楽園ホールで開催。この日、マサ斎藤さん、グレート小鹿、ザ・グレート・カブキが新たに殿堂入りした。
2018年にパーキンソン病で亡くなったマサさんの代わりに、セレモニーには妻・倫子(みちこ)さんが出席。
インダクターの長州力から記念の盾を受け取った倫子さんは「この度は、はえある日本プロレス殿堂入りにマサ斎藤を選んでいただき誠にありがとうございます。光栄の極みと誇りと存じます。さらに、ミスター・サイトーのリングネームで巡業中に一番楽しかったというフロリダでタッグを組んだ、マサさんから得意技のジャーマンスープレックスのヒントはカブキがくれたんだよと話してくれた、ザ・グレート・カブキさん。そして、マサ斎藤と同い歳であり、現役選手でご活躍中のグレート小鹿さんと一緒の殿堂入りであることが大きな感動でございます。大喜びで『ゴーフォーブローク』と叫ぶマサさんの姿が目に浮かびますが、マサさんではなくこの私がここにいるのは実に残念で、切ない思いでいっぱいです」と涙をこらえる。
そして「私が知るマサさんは純粋で、子供がそのまま大人になったような人でした。買い物に行こうとすると、毎回『ねぇ何時に帰ってくるの?』と聞かれました。りんごがほしい時は、皮を剥いている間中ずっと、りんご、りんご、りんごと繰り返していました。お誕生日には必ずくれるお花を一度忘れた時は、血相を変え、玄関から飛び出していき、息を切らして差し出してくれた花束は菊でした」とほんわかとしたエピソードを語り笑顔を見せた。
最後に闘病生活について「病気になってからも、私がリハビリを見に行く日は張り切って、真っ赤なほっぺを膨らませて頑張っていました。トレードマークの筋肉を保つために練習は欠かさず、高血圧で緊急入院した時は個室があいていなかったため大部屋に入り、そこで、なんとスクワットをして、同室の方々に『あの人ほんとに病人かね?』とささやかれました。こんな幸せな日々も、パーキンソンという最強の相手に奪われ、『こいつをやっつけないと俺は生きていけないんだ』とマサさんのパワースポットであるリングに、また必ず立つ事だけを信じ、長期にわたり我慢強く踏ん張りました。どんなにお腹が空いても、いっそう震えが酷くなり、一口も食べられない日々も、まして晩年では体重も半分になり、バーにしがみつくように捕まっても、1cmも足が進む事がなくなっても、口を固く閉じ、天国に召されるまで、寸前まで頑張り抜きました」と報告し、ファンと関係者に感謝を述べてセレモニーを終えた。