「あなたに一番ジェラシー抱いてるのは私」闇に落ちて光り輝いたスターライト・キッドと渡辺桃が盟友対決!凶器のスパナが友情をつなぐ!
11日、東京都・後楽園ホールにてスターダム『5★STAR GP 2022』が開催され、渡辺桃がスターライト・キッドとのパートナー対決を制した。
『5★STAR GP』とは毎年夏に行われるスターダムのシングルリーグ戦であり、今年は7月末~10月頭までの長期戦で過去最多の26選手がエントリー。過去最大となる21大会に渡ってのシリーズとなり、今年新日本プロレスが開催している『G1 CLIMAX 32』の20大会を上回る規模のシリーズとなった。
この日は、ブルースターズ公式戦として渡辺桃vsスターライト・キッドの試合が実施された。
スターライト・キッドは、ハイスピード戦線での強者として知られていたものの、ここ一番で結果を出せず伸び悩んでいた。しかし、昨年7月に大江戸隊に加入して闇落ちし、内なる黒い欲望を解放したことでついに覚醒。日々実力と存在感を高め続け、スターダムの顔の1人となっている。
対する渡辺桃は、かつてはは白いベルト(※ワンダー・オブ・スターダム王座)の最多連続防衛回数を打ち立てるなど破竹の勢いを見せていたが、その後は長らく伸び悩み、紫雷イオ(※現WWEのイヨ・スカイ)からユニットリーダーを託されたQueens Quest内でも後輩に後れを取ることも増えた。
入門も1年違いの2人は昔から互いを意識し合っており、闇落ちしたことで殻を破ったキッドは桃もさらなる高みへと誘うべく執拗な挑発を繰り返しつつ大江戸隊へと勧誘。桃の闇の感情を引き出していき、2021年11月3日のとどろきアリーナ大会に於いて両者はハイスピード王座を巡ってドロドロの死闘を展開。
こうした闘いの中で桃の中の内なる闇も膨らんでいき、同年12月には桃も闇落ちして大江戸隊へ加入。キッドとのタッグ“BLACK DESIRE”を結成し、ゴッデス・オブ・スターダム王座(※タッグ王座)を戴冠、さらに鹿島沙希も加えた3人でアーティスト・オブ・スターダム王座(※6人タッグ王座)を戴冠するなど再び結果を残し始めた。
今回はリーグ戦で2人のパートナー対決が実現。
試合前、桃は「私が大江戸隊にいるのもキッドのおかげだと思ってるけど、あなたに一番ジェラシー抱いてるのは私だと思うよ。キッド、殺し合おうね」と語り、お気に入りの凶器であるスパナを使わないことを宣言。
対するキッドも「タッグパートナーだからこそ私たちの殺し合いがあると思う。去年あの一番ブチ切れた桃を引き出したのはこの私だから。またその渡辺桃が見られるのかな」と桃への最大限の信頼を口にしていた。
2人が入場すると、現在2人が持つアーティストのベルトをカチンと合わせて健闘を誓い合い、桃はキッドの眼の前でスパナを捨てることで正々堂々の闘いをアピール。
しかし、ゴングが鳴るとともに桃はキッドのマスクに手をかけ、その後は場外でのイス攻撃を見舞うなど大江戸隊なりの“正々堂々”の姿勢を見せる。
桃は得意の蹴撃で攻め込んでいくものの、最近足攻めのスキルを上げているキッドは後の先を取りアンクルホールドやマフラーホールドへ捕らえて必殺の黒虎脚殺を狙っていく。
終盤、優勢を掴んだキッドはムーンサルト・プレスを発射するも、桃はこれを剣山で迎撃し蒼魔刀。ダウンしたキッドをよそにレガースの中にスパナを仕込み、自らの蹴り技の全てを必殺の一撃へと昇華させる。キッドは巧みな回避からのカウンターで逆に桃を追い込んでいくものの、キッドのカサドーラを切り返した桃がスパナを仕込んだ右足での顔面蹴りをクリーンヒット。大ダメージを負ったキッドをピーチサンダーで突き刺して3カウントを奪った。
しかし、“殺し合い”を終えた2人はパートナー同士へと戻り、笑顔で互いの健闘を称え合った。
試合後、桃は「キッド、スパナ入れてたの分かったの?流石仲間じゃん。最初に私は使わないと思ってたんだけど、なんかだんだん腹たっちゃって使わざるを得なかったよね」とスパナをいじりながら笑顔で語る。
キッドはノーコメントで会場をあとにしたものの、大会後に自らのSNSへ「初めてスパナーお見舞いされたよ 桃の蹴りはやっぱり痛いし重いし、私に持ってないモノを沢山持ってる。今日は殺られたけど、このままじゃあ終われないな!またシングルする時があれば次は私が殺る」と桃への熱い想いを綴った。