“令和”のアントニオ猪木VS国際はぐれ軍に発展か? 7・16名古屋でのフェロモンズVS彰人のEXTREME戦は波乱含み
DDTプロレスの7月16日、愛知・日本ガイシスポーツプラザ第3競技場(名古屋市)で開催される<王者>飯野“セクシー”雄貴&男色“ダンディ”ディーノ&今成“ファンタスティック”夢人VS<挑戦者>彰人のDDT EXTREME選手権が、さながら“令和”のアントニオ猪木VS国際はぐれ軍(ラッシャー木村、アニマル浜口、寺西勇)の一戦と化す雲行きが漂ってきた。
猪木VS国際はぐれ軍の1VS3ハンディキャップマッチは1982年11月と1983年2月に2度行われたが、極めて不公平な戦いとしてプロレス界の伝説に残っている。本来のEXTREME王者は飯野だが、王者側の要望により1VS3マッチに。さらに“フェロモンズ壊滅”をもくろむ高木三四郎社長が特別レフェリーに名乗りを挙げて、ややこしい展開になってきた。試合のルールは試合権利をもつフェロモンズの1人が彰人からフォール、ギブアップを奪った時点で勝利となり王座は防衛。彰人は試合権利を持ついずれか1人からフォール、ギブアップを奪った時点で勝利、王座奪取となる。
7月14日、同団体では東京・渋谷区のAbemaTowersで同王座戦の調印式並びに記者会見を行った。調印に入る前、ディーノが「高木三四郎がレフェリーをやるのは、百歩譲って認めてやろう。だがプロレスは危険な競技。リングで何が起こるか分からない。試合中にレフェリーが続行不可能になるケースがあるかしれない。素人のレフェリーがちょっとしたリング上の危険に巻き込まれるかもしれない。レフェリーがいなくなって、無効試合とかになったら、元コーチンさん(彰人)よ、アンタも不本意だろ。レフェリーが不在になったら、リング上でレフェリーシャツを着用してるヤツがレフェリーとして裁量権を持つということでどうだ?」と提案。これを彰人、今林久弥GMが認め、高木レフェリーに何かあった場合は、スクランブル態勢を取ることが追加で決まったが、フェロモンズの“高木潰し”の思惑が見え隠れした。
調印を済ませた彰人は「高木さんがレフェリーというのは求めてたわけじゃない。別に僕はフェロモンズ壊滅とかどうでもよくて、お客さんに支持されてるなら残ればいい。EXTREMEのベルトにしか興味ない。ここで3年ぶりに腰に戻して、自分の表現したいプロレスをしていきたい」と3年ぶり3度目の戴冠を期した。
飯野のフェロモン語を通訳したディーノは「彰人は我々をたぶらかせて、フェロモンズに入って、入ったと思ったらすかさず抜けた。制裁以外ない。まだまだフェロモンの裁きは終わっちゃいねぇ」と挑発。
ここで今林GMより名古屋大会は動画配信サービス「WRESTLE UNIVERSE」の生中継がなく、後日の録画中継となるが、この一戦があまりにもハレンチな試合内容であれば、カットされる可能性があることがアナウンスされた。
誰がどう考えても不利な彰人は「高木さんがレフェリーというのは置いといて。不利なように見えるけど、3人のうち誰かから、3秒だけ優位に動いてスリーを取れば勝ちになる。狙える標的が3倍になるのは大きい。ユニットの絆ははかなくもろいと思う。試合中に誤爆でもすれば、仲間割れするんじゃない? 個人的にはそんなに不利ではないと思ってます」とキッパリ。さらに、「EXTREMEは持つチャンピオンによって色が全く変わる。飯野君が持ってる現状で、飯野君しかできない戦いをしてると思うけど、そろそろ自分が表現できる場がほしい。ベルトも飯野君のそばにいることを望んでない。違う表現をできる人のもとにいきたがってる」と意気込んだ。
万が一、高木レフェリーが続行不可能になった場合、複数の者が代役レフェリーに志願することもありそうだが、ディーノは「早い者勝ちではあるが、レフェリーを1人に絞るんであれば、リングで殴り合ってもらうしかない。それで勝ち残ったヤツにレフェリーの権限がある」と不敵に語った。
会見後、フォトセッションに移ると、フェロモンズと彰人が乱闘に発展。1VS3で彰人がかなうわけがなく、彰人はさらし者になり、止めに入った今林GMもあえなくフェロモンズのえじきになってしまった。
この1VS3のタイトル戦は、レフェリー問題を含め、波乱含みとなるのは間違いないようだ。