“DDTの強さの象徴”を背負う樋口和貞がKING OF DDT初優勝&KO-D無差別級王座初戴冠!
3日、東京都・後楽園ホールにてDDT『KING OF DDT 2022 FINAL!!』が開催され、樋口和貞がKING OF DDT2022を制して第79代KO-D無差別級王座を戴冠した。
前KO-D無差別級王者であった遠藤哲哉は、6月12日の『CyberFight Festival 2022』の6人タッグマッチに出場し、プロレスリングNOAHの中嶋勝彦の張り手を顔面に受けて脳震盪を起こしレフェリーストップ負けを喫した。この一連の騒動はプロレス界でファン・関係者を問わず多くの論争を巻き起こし、未だにその残火はくすぶり続けている。
これに伴って遠藤は欠場に入り、「DDTの最強を決めるKODトーナメントを欠場する自分がKO-D無差別級を所持し続けることに違和感を覚えます」として同王座を返上。直後に開幕したシングルトーナメントであるKING OF DDTは新王者決定トーナメントという形式での開催となった。
この日、樋口は同トーナメントの準決勝および決勝戦に臨んだ。
準決勝での秋山準との対戦では、DDTが誇る大型選手同士が真っ向から組み合ってどっしりとした力比べを展開する試合となり、秋山は場外エクスロイダーやパイルドライバーなどで序盤から猛攻をかけ、雪崩式エクスロイダーを狙うものの、樋口が雪崩式ブレーンクロー・スラムで切り返して逆転。
秋山はニーパッドを下ろして生のヒザでのランニングニーを叩き込んでリストクラッチ式エクスロイダーを狙うも、これを振り払った樋口が「秋山ァ!」と雄たけびを上げながらのラリアットからブレーンクロー・スラムで勝利をもぎ取った。
決勝戦では、かつて存在したDDTの下部組織・DNA時代からしのぎを削っていた吉村直巳と対戦。
DDTを代表する若きパワーファイター同士の対決となり、真っ向からのショルダータックルや逆水平チョップ、ラリアットなどでのぶつかり合い、ボディスラムで投げ合う意地の張り合いといった昔ながらの激しいプロレスを展開。
中盤には樋口がブレーンクローで、吉村が喉輪でつかみ合う握力勝負が繰り広げられ、樋口がジャーマン・スープレックスで、吉村がバックドロップで交互に投げ合う削り合いに。吉村はカウンターの払い腰から投げっぱなしパワーボムを決め、必殺の正念場を狙うものの、樋口がドクターボムで切り返し、ぶちかまし式ラリアットから完璧なブレーンクロー・スラムを決めて3カウント。
樋口がKING OF DDT初優勝およびKO-D無差別級王座初戴冠を果たした。
秋山準からベルトを巻かれ、高木三四郎から“DDTの強さの象徴”たる巨大な団体フラッグを託された樋口は、「大田区のリング上で遠藤哲哉を挑戦者として、自分は王者として待ちたいと思います。まだ復帰戦もやってない状態なので、返答はよく考えてからでいいです。ただ、自分は大田区のリングで待ってますんで」と、8月20日の大田区総合体育館大会で前王者の遠藤を相手に防衛戦を行うことを熱望した。
バックステージに戻った樋口は、DDTにかかわる全ての人間への感謝の言葉を述べ、吉村とのタッグ結成や、大田区での遠藤戦実現への思いを語る。
そして、『“DDTの強さの象徴”を背負う覚悟はDDTの内部に向くのか、グループ内の他団体にも向くのか』と問われると「全部ですね。全部です。全部だと思ってます。全てに向けて強いDDTというものを見せていけたらと思ってます」と真剣な面持ちで覚悟を述べた。