嫉妬とプライドをぶつけ合う美女同士の因縁戦は壮絶なビンタ合戦と蹴り合いに!「2人の歴史が重なったときにプロレスが生まれる」
20日、両国国技館にて『Judgement2022~DDT旗揚げ25周年記念大会~』が開催され、赤井沙希と雪妃真矢が因縁のシングルマッチを行った。
雪妃はアイスリボン在籍時には団体内のベルトを総なめにしたこともあるエースとして活躍していたが、2021年末に同団体を退団するとDDTに登場。
雪妃は「DDTファンでプロレスラーになりたいと志し始めた頃、『DDTに入門したい』と伝えたところ断られたんです。その後、DDTからデビューした赤井選手を見て私が抱いた思いは憧れとか尊敬とかじゃなく醜い嫉妬」と8年前から抱え続けた複雑な思いを語り、DDT女子選手のアイコンとなっている赤井へのジェラシーを剥き出しにして抗争を繰り広げてきた。
志願の末に入団を許可されなかった雪妃とは違いスカウトされて入団した赤井だが、色眼鏡で見られた最初期から努力を重ねて唯一無二のポジションを獲得してきたこともあり、雪妃の嫉妬に対して「正直知ったこっちゃない」と苦笑していた。
試合開始とともに雪妃が闘志むき出しで殴りかかり、場外戦やコーナー上からのミサイルキックなどリングを広く使い赤井を一方的に痛めつけていく。
しかし、雪妃が放ったプランチャをかわした赤井がエプロンからのサッカーボールキックを叩き込んで流れを変え、長い足を生かした多彩な蹴り技でコーナーに追い込み雪崩式ブレーンバスター。さらに新人賞を狙うが、雪妃がこれをかわしてホワイトアウト。さらにスノウトーンボムを投下するもカウントは2。
ならばと雪妃はハイキック、トラースキック、ランニングニー、バズソーキックと畳み掛けるも赤井はカウント1で返す意地を見せ、ハイキックからバズソーキック、新人賞と叩き込む。
両者膝立ちになりながら顔面をビンタでバチバチと打ち合い、赤井がハイキックから顔面を貫くビッグブート。最後はケツァル・コアトルで叩きつけて3カウントを奪った。
赤井は倒れ伏す雪妃を助け起こそうとするが、雪妃はこれを荒々しく振り払う。しかし、その後雪妃はひざまずいて自ら握手を求め、赤井がこれに応じると深々と頭を下げた。
バックステージに戻った赤井は、「雪妃選手には雪妃選手の歴史があって、私には私の歴史があって、そこが重なったときにプロレスって試合になるから、2人共背負ってるものは違うけど、見てる方向は大きく言えば一緒だと思うから、このキャリアで言うことじゃないですけど、プロレスって面白いなって改めて思いました。今となっては雪妃と私にしか出来ない試合だったと感じています」と雪妃との因縁戦を振り返る。
そして雪妃は「女子プロレスの世界でやってきて自分の価値観とプライドを持ってフリーになって飛び込んできましたけど、頑なな要らないプライドもあるなって感じて。でも、1人で殴り込むにはプライドと意地が絶対に必要だなとも思うので、自分がやってきたことに自信とプライドを持って挑んでいくことはこれからも変えたくないと思うし、DDTで新しい価値観を学んでいきたい」と真剣な面持ちで語る。
しかし、次の試合であった高木三四郎vs中澤マイケルの試合がコメント会場の真横でバックステージにまでなだれ込んで乱闘を始めると、「とてもDDTさんらしい状況ですね(笑)」と破顔した。