棚橋弘至が掟破りの“逆リップロック”で男色ディーノを制す!「今日の試合でまた一つ進化しました」

DDTプロレスが8月31日、東京・後楽園ホールで夏のビッグマッチ『WRESTLE PETER PAN 2025【DAY2】』を開催した。棚橋弘至(新日本プロレス)が掟破りの“逆リップロック”を駆使し、男色ディーノを制した。
来年1・4東京ドームで引退する棚橋は最後のDDT参戦となることが濃厚。棚橋は立命館大、ディーノは大阪学院大でともに関西圏の大学で学生プロレスをしていた。学年は棚橋が1年上だが、大学時代に対戦はなかった。

ゴングが鳴ると、感極まったディーノは涙を流し、いったん場外へ降りた。セコンドの張り手で気合を入れてリングに戻った。序盤はロックアップ、手四つとオーソドックスな攻防に。しかし、ディーノはブレーンバスターで投げると、ナイトメアーも棚橋が回避。棚橋は低空ドロップキックからデスロックに入ると、ディーノが乳首をつかんで脱出。ディーノは股間をつかむと男色スクリュー、ファイト一発から男色ドライバー狙いも、踏ん張った棚橋はドラゴンスクリュー、テキサスクロバーホールドもエスケープ。ここでディーノの脳裏にDDTの現在・過去の仲間のことがよぎったか、ストーンコールド・スタナー、神の右ヒザ、バズソーキックを叩き込む。さらにホモイェ、カミゴェもカウントは2。リップロックから男色ドライバー。棚橋が股間をつかむと、ディーノもつかみ返す。ディーノは男色ドライバーもカウントは2。リバースえび反りジャンプでも決められず。トランクスを1枚脱いだディーノは再度リバースえび反りジャンプも自爆。棚橋はツイスト・アンド・シャウト、スリングブレイドも2カウント。ならばと必殺のハイフライフローを投下するも、棚橋はあえてカバーせず。ここで棚橋が掟破りの長~い逆リップロックを敢行。ディーノが棚橋のロングタイツを下ろすと、まさかのTバック。ディーノは精神的に動揺したか、棚橋の逆エビ固めで無念のギブアップ。試合後、両者は握手を交わすと、ディーノは再び棚橋のタイツを下ろした。

棚橋は「ディーノ選手、出会ってしまいましたね。大学のルーツも同じ。だけど、こんなにも育ってきた道が違う。だけどプロレスって出会うんですね。今日ディーノさんとの試合を通して、ディーノさんがプロレスラーとして積み上げてきたものをしっかり感じました。僕は来年1月4日、引退しますが、ディーノさん、まだまだこれからっすね。盛り上げていってください。最後にウチの若手、好みがいたら言ってください」とマイク。
ディーノは「クソ―! そんな簡単に認めないでよ。業界の一番トップに認められたら、アタシやることなくなっちゃうじゃない。まだ受け入れられる範囲ってことだね。社長のイスから、“もうあいつとは絡ませるな”と指示が飛ぶまで私は…。どんな結果になっても謝ることはしないって思ってたんだけど、勝ち負けじゃなくて、棚橋弘至との戦いが楽しいと思っちゃった。勝たなきゃいけなかったのに、楽しんじゃってごめん。今日この悔しさは一生忘れない。でもあんたがいてくれて、こうやって一生の傷を残してくれたことに感謝します。棚橋さん、愛してま~す!」と返した。
バックステージで棚橋は「熱量というのは、向ける方向だけの問題。体を鍛えて、スクワットを何百回もやって、ブリッジ鍛えて、僕はその全力のエネルギーが新日本プロレスに向かってる。ディーノ選手は、ディーノ選手の全力がDDTに向かってる。それは本物になるよね。何よりもハートだよね。今の新日本、若手がいっぱいいて、若手同士の戦いは素晴らしいものがある。みんなの競争のなかからどう抜け出すか。海外遠征でなくても、いろんな経験が積める。こうやってDDT、ノア、協力関係にある団体でやっていくのもいいと思う。俺自身は今日のディーノさんとの試合でまた一つ進化しました。あとは明日以降、会社に行って何て言われるか。覚悟決めて出社します。(Tバックは?)昨日ドンキホーテに行ってきました。今日のためです。脱がなかったら脱がなかったっていいんですよ。いつもは黒の競泳用のがあるんですけど」と苦笑。そして「いろいろな団体に上がらせてもらって、DDTさんにも何回か上がってるなかで戦い方っていうのを学んだよね。ここで、それぞれの団体のファンが求めるもの。今日、DDTのファンの皆さんに喜んでもらえたなら、1月4日に引退しますけど、DDTさんとの関係のすべての清算ができたんじゃないかと思います」と話した。
ディーノは「これが夢に破れた男の姿ですよ。すごい悔しいんだけど、試合中に笑っちゃってたんだよね。初めての感覚すぎて分からない。(逆リップロックは?)分かんない。私を研究してきたのかなって。棚橋弘至は恐ろしいなって思ったよ。棚橋さんは棚橋さんの姿を崩さず、私は全部持っていってやろうと思ってたんだけど、あの人の欲、そんなもんじゃなかったわ。私の分まで攻めてきて、持っていこうとしてた。これが棚橋弘至の強さなんだろうなって思った。完敗なんだろうね。私はものすごく準備して臨んだつもりだったんだけど、棚橋弘至はそれを凌駕してた。たぶんそれは決まってから1ヵ月用意してきた私と、ずっと20何年間積み上げてきた棚橋弘至の分厚さの違いなんでしょう。でも私は、それでも私を積み上げていかなきゃいけない。次はない。けど、この悔しさを私は一生、背負って生きていく」とコメントした。